アフリカでのビジネス事例コマツ、アフリカ全土で建設・鉱山機械を展開
コートジボワールに人材育成拠点を新設へ

2026年8月24日

アフリカはビジネス環境に課題が多く、日本企業にとっては一般的にハードルの高い市場として敬遠されがちだ。日本企業が慎重な姿勢を取る一方で、中国企業は積極的にアフリカ進出を進めており、同市場を巡る競争環境は年々厳しさを増している。その一方で、グローバル事業を展開する日系企業の中には、アフリカでも確かな需要があれば、アフターサービスやメンテナンスを強みに事業を拡大し、中長期的かつ戦略的な視点で市場に向き合っている例もある。

コマツグループは、ショベルやブルドーザーなどを手掛ける建設・鉱山機械メーカーで、売上高の約9割以上を海外市場が占めるグローバル企業だ。2025~2027年の中期経営計画では、アフリカ市場におけるマイニング分野の事業拡大、建設分野の商品企画強化、顧客・代理店サポート強化を掲げ、グループ全体の成長戦略の中にアフリカ市場での取り組み強化を明確に位置付けている。加えて、機械のオペレーターおよびメカニック養成を目的としたトレーニングセンターをコートジボワールに設立することを発表するなど、アフリカでのプレゼンス拡大にも注力している。

金の産出地で建設·鉱山機械の需要が伸びるコートジボワールでの事業展開について、欧州コマツ株式会社コートジボワール事務所の桑原和也氏に話を聞いた(取材日:2026年8月6日)。

質問:
アフリカやコートジボワールでの取り組みについて。
答え:
コマツグループでは、2022年4月からアフリカ地域の管轄を、日本の本社からベルギーの欧州コマツ株式会社へ移管した。なお、アフリカ南部については、南アフリカに拠点を置くコマツ南アフリカ株式会社が引き続き管轄している。
欧州コマツ株式会社は、2024年10月にコートジボワールに事務所を開設した。アフリカではこのほか、ケニアとセネガルにも事務所を構えており、現地代理店のビジネス支援や育成などを担っている。

取り扱っている建設機械(ジェトロ撮影)
質問:
コートジボワールに拠点を設置した背景は。
答え:
大きく分けて2つある。1つ目は、コートジボワール国内に十分な販売が見込める点だ。コートジボワールでは、世界的な金価格の高騰を背景に金鉱山での鉱山機械需要が拡大している。加えて都心部のインフラ整備も進んでいるため道路工事などで使用される一般建設機械の需要も大きい。主要顧客層であるフランス系の建設会社や地場企業は、製品の品質を重視する傾向が比較的強くコマツ製品への評価が高い。中国メーカー製の低価格製品流入が進むアフリカにおいて、同国はコマツのプレゼンスが強い重要市場と位置付けている。
2つ目は、コートジボワールの政情が比較的安定している点だ。アフリカ諸国の中でも政治的な安定性が高く、直近の選挙では一定の混乱はあったものの、大きな問題には至らなかったと認識している。

メンテナンス施設(ジェトロ撮影)
質問:
ビジネスにあたっての課題は。
答え:
課題は多い。まず、計画通りに物事が進まないことが多く、ルールを定めても想定通りに機能しない場合がある。
また、顧客のいる鉱山は販売拠点から距離があるケースが多いため、実際に機械が使用されている現場に足を運ぶことが重要と考えている。現場を理解した上で対応することで、適切な提案やサポートにつながる。
社内においては、サービス部門やプロダクトマーケット部門など、部門を超えた連携も欠かせない。代理店や顧客と頻繁に意見交換を行い、企業や国籍の違いを超えてコミュニケーションを取ることが、こうした課題を乗り越えるポイントだと考えている。
質問:
課題が多いアフリカ市場で、ビジネスを推進していく原動力は何か。
答え:
コマツグループは、創業後比較的早い段階からグローバル展開を進めてきた歴史があり、新しい市場へ積極的にビジネスを展開していく風土が根付いている。アフリカは、中長期的に注力していく重要地域とコマツ社内で考えられている。
質問:
今後のビジネス展開について。
答え:
コマツグループのアフリカにおけるプレゼンスをさらに高め、地域への一層のコミットメントを示す拠点として、コートジボワールに建設機械のオペレーターおよびメカニック養成を目的としたトレーニングセンターを開設予定。実機やシミュレーターなどを活用した実践的なトレーニングを提供する。将来的には、本体および部品在庫の拡充に加えマーケティング機能も付加することでよりきめ細やかな顧客支援体制を構築し、西アフリカの中核拠点としての機能を段階的に強化していく。

トレーニングセンターのイメージ(同社提供)
執筆者紹介
ジェトロ調査部中東アフリカ課(執筆当時)
坂根 咲花(さかね さきか)
2024年、ジェトロ入構。中東アフリカ課で主にアフリカ関係の調査を担当。

この特集の記事

今後記事を追加していきます。

総論

2026年度

2025年度

2024年度

日本企業事例

2026年度

2025年度

2024年度

製造業のアフリカ展開

2026年度

2025年度

2024年度

全国各地からアフリカ展開

2026年度

2025年度

日系スタートアップのアフリカへの挑戦

2025年度

2024年度

アフリカ現地企業事例

2026年度

2025年度

2024年度

第三国事例

2025年度

アフリカ工業団地・フリーゾーン事例

2024年度

地域横断

2025年度

2024年度