今こそ挑戦!グローバルサウス米中対立が促す中堅中小のグローバルサウス展開、取るべき戦略は

2026年3月11日

日本企業の海外展開といえば、米国や中国に関心が向きやすい(注1)。とりわけ中堅・中小企業は人材・資金の制約から、ビジネス展開先の選択肢は限定されがちだ。市場規模が大きく、日本にとって主要貿易パートナーの米中両国を優先するのは当然ともいえる。

しかし近年、米中での保護主義的な通商政策や輸出管理の強化、自国優先的な産業政策により、日本企業の国際ビジネスを取り巻く不透明感が増している。日本企業にしてみると、海外市場での成長戦略を描きにくくなっている。

他方、新たな海外展開先として注目を集めるのが、世界貿易の約4分の1(注2)を占めるまでに存在感を高めてきたグローバルサウス(注3)だ。今後の人口増加が確実視され、市場拡大に伴う経済成長の見通しが明るい。

本特集で焦点を当てる分野は、(1)デジタルソリューション、(2)農業・食品関連資材、(3)環境、(4)レジャーだ。当該4分野で、中堅・中小企業がグローバルサウスで進めるビジネス展開事例を紹介する。本稿では、それら事例を踏まえつつ、グローバルサウス市場の解像度を高めた上で、中堅・中小企業が現地で取り得る打ち手を整理・提示する。

国・都市別にグローバルサウス市場の解像度を高める

まず、グローバルサウスの経済規模と人口予測を確認しておく。

IMFによると、グローバルサウスの名目GDPは、2025年の23.1兆ドルから2030年には32.0兆ドルに達する見通しだ(図1-1参照)。一方、世界GDPに占める比率は、北米・欧州・東アジアが2025年時点で78%を占める。グローバルサウスは19.7%と、経済規模では先進国・地域に劣る(図1-2参照)。それでも2030年時点には21.4%まで上昇を見込める。比率が低下する欧米と対照的に、世界経済で相対的な存在感が高まることになる。

需要面ではどうか。国連人口統計(注4)によると、グローバルサウス諸国の人口は、2055年までに約18億人増える見通し。特に南アジアとアフリカの伸びは顕著だ。

図1-1:グローバルサウスの名目GDPの推移(2015~2030年)
年次別の地域の名目GDP(10億ドル)。2015年:アフリカ:2,677、中東:2,560、南アジア:2,753、東南アジア:2,527、中南米:5,134、総計:約15,700。2020年:アフリカ:2,675、中東:2,399、南アジア:3,473、東南アジア:3,099、中南米:4,403、総計:約16,000。2025年:アフリカ:3,058、中東:3,723、南アジア:5,167、東南アジア:4,169、中南米:7,001、総計:約23,100。2030年:アフリカ:4,306、中東:4,856、南アジア:8,096、東南アジア:5,713、中南米:8,985、総計:約32,000。

出所:IMF「GDP, current prices (Billions of U.S. dollars)」からジェトロ作成(2026年2月18日時点)

図1-2:地域の世界GDP比率の推移(2015~2030年)
2015年:北米:27.9%、欧州:25.4%、東アジア:23.9%、グローバルサウス:20.6%、その他:2.1%。2020年:北米:28.2%、欧州:24.6%、東アジア:26.7%、グローバルサウス:18.7%、その他:1.9%。2025年:北米:29.8%、欧州:25.3%、東アジア:22.9%、グローバルサウス:19.7%、その他:2.2%。2030年:北米:28.3%、欧州:24.4%、東アジア:23.7%、グローバルサウス:21.4%、その他:2.2%。

注:グローバルサウスは、アフリカ・中東・南アジア・東南アジア・中南米の合計。
出所:IMF「GDP, current prices (Billions of U.S. dollars)」からジェトロ作成(2026年2月18日時点)

もっとも「グローバルサウス」と一くくりにすると、国ごとの市場特性の差異を見落としやすい。そこで、IMFのデータを用い、横軸を人口、縦軸を1人当たりGDP、バブルを名目GDPにして、分布図を作成してみた。

こうしてみると、ASEAN(地理的に近いため、日本企業が長年のビジネス経験から相対的になじみがあり、市場比較の参考点になりやすい)と近い市場条件を持つ国が他地域にも分布していることが確認できる(図2参照)。例えば、タイと南アフリカ共和国、ベトナムおよびフィリピンとエジプトは「人口×所得」の組み合わせが類似する。一方、アラブ首長国連邦(UAE)やサウジアラビアは1人当たりGDPが高く、購買力の点で異なる魅力を持つ。

つまり、ASEAN同様の市場条件を持つ国やより購買力の高い国が、南アジア、中東、アフリカ、中南米にも存在するということになる。ASEANが日本企業にとってビジネス環境や市場特性を比較的把握しやすい地域だとしても、どこまでもこだわるまでもない。そのため、これら地域にも視野を広げ、着目してみることが有益だろう。

図2:国別分布(人口、1人当たりGDP、名目GDP、2024年)
この図は、複数の国を比較するバブルチャートで、1人当たりGDP(縦軸)と 人口規模(横軸) および GDP総量(バブルの大きさ) の関係を示しています。縦軸(左):1人当たりGDP(ドル)。およそ 0〜80,000 USD の範囲。横軸(下):人口規模(対数目盛、百万人単位)。約 2〜2000 百万人。バブルの大きさ:その国のGDP総量(○の大きさで表現)。国名はバブルの近くに配置されています。バブルは赤と青で色分けされています。1人当たりGDPが特に高い国:カタール(約70,000ドル)、イスラエル。いずれも人口は比較的小さく、バブルは中〜やや大きめ。人口が非常に大きい国:インドが右端付近に位置(14億人規模)。1人当たりGDPは 10,000ドル未満で比較的低いが、バブルは図中で最大級。日本・韓国・台湾:日本は中〜高い1人当たりGDP(約30,000ドル)で、バブルは非常に大きい。韓国・台湾も同じく中〜高いGDP水準で中規模のバブル。中所得国の分布:ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピン、南アフリカなどが縦軸10,000〜20,000ドル未満にまとまって分布。人口は国により大きく異なるが、バブルは中〜小規模。低所得国グループ:バングラデシュ、ナイジェリア、パキスタンなどは人口が大きいものの、1人当たりGDPは低く、バブルサイズは中程度。

注:色分けは、青=先進国・地域、赤=グローバルサウス。ただし、IMFの定義で先進国・地域に分類されるイスラエルは、先進国・地域に分類。
出所:IMF「World Economic Outlook Database」(2025年4月)からジェトロ作成

さらに、同一国内でも都市圏と地方で、購買力やインフラ環境が大きく異なる国は多い。国レベルの指標に加え、主要都市の人口規模や都市別のGDPを見るのも有益だ(表1参照)。そうすることで、まずどの都市で自社製品・サービスが受容されそうか、そして周辺地域にどう横展開するかを検討しやすくなる。

表1:グローバルサウス主要都市の名目GDP・人口規模(2025年) 注:ジェトロの事務所が所在するグローバルサウス諸国の主要都市を対象とした。
国・地域名 都市 名目GDP
(100万USD)
人口
(万人)
メキシコ メキシコシティ 379,581 2,101
サウジアラビア リヤド 370,619 806
ブラジル サンパウロ 361,080 2,157
インドネシア ジャカルタ 350,003 3,278
タイ バンコク 293,124 1,891
アルゼンチン ブエノスアイレス 262,318 1,375
フィリピン マニラ 210,417 3,058
アラブ首長国連邦 ドバイ 201,815 613
マレーシア クアラルンプール 187,112 894
エジプト カイロ 168,385 2,680
チリ サンティアゴ 148,278 785
インド ムンバイ 135,589 2,108
インド デリー 134,486 1,993
ベトナム ホーチミン市 115,750 1,441
バングラデシュ ダッカ 85,365 2,053
ベトナム ハノイ 64,020 884
南アフリカ共和国 ヨハネスブルク 52,981 486
パキスタン カラチ 47,651 2,147
ケニア ナイロビ 38,547 561
ウズベキスタン タシケント 31,222 307
ナイジェリア ラゴス 23,538 1,296

注1:ジェトロの事務所が所在するグローバルサウス諸国の主要都市を対象とした。
注2:エジプト、インドのGDPについては、会計年度ベース。
出所:ユーロモニター「世界経済予測レポート(2026年版)」からジェトロ作成

米中対立を踏まえ注目すべき外国は

中小企業を中心に、米国市場を重視する企業が増えている。しかし、国際ビジネスを取り巻く環境は、米中対立の長期化や各国の通商政策・産業政策の変化により、不確実性が高まっている。

ジェトロが海外ビジネスに高い関心を有する日本企業を対象に実施した調査(注5)では、72.1%の企業が地政学リスクの影響(または懸念)を認識。懸念要因では、「米中関係・米中対立」が最多で(68.3%)、「米国の追加関税」(51.5%)も半数を超えた。また、米国ビジネスからの分散・移管を検討する企業は、993社に上った。中堅・中小企業にとっても、対米・対中の一点張りからの見直しを迫られている。

では、どこへ分散するか。その有力候補としてグローバルサウス各国を挙げられる。2025年のジェトロの海外現地法人調査(注6)では、生産機能(高付加価値品・汎用品)の拡大意欲で、インド、メキシコ、ベトナム、インドネシア、ブラジルが上位になった。

注目すべきは、販売機能の拡大意欲についても、製造業ではブラジル、インドネシア、インド、タイ、非製造業ではメキシコ、インド、アラブ首長国連邦(UAE)、タイが上位となった点だ(表2参照)。日本本社からみると分かりづらいものの、グローバルサウス市場で事業展開する日系企業は活況を呈している。つまり、生産拠点としてだけでなく、販売市場としても有望視しているのだ。

表2:海外進出日系企業の今後の事業展開の方向性(2025年)

「拡大」する機能(機能別上位8カ国・地域、製造業)

販売 注1:カッコ内はn。 注2:n=30以上の国・地域のみ掲載。
順位 国・地域名 回答率
1 シンガポール(39) 92.3
2 ブラジル(33) 84.8
3 ドイツ(43) 74.4
4 インドネシア(86) 72.1
5 中国(93) 67.7
6 米国(171) 66.7
7 インド(167) 65.3
8 タイ(105) 61.0
生産(高付加価値品) 注1:カッコ内はn。 注2:n=30以上の国・地域のみ掲載。
順位 国・地域名 回答率
1 インド(167) 50.3
2 メキシコ(38) 50.0
3 ベトナム(207) 49.8
4 タイ(105) 48.6
5 中国(93) 48.4
6 インドネシア(86) 47.7
7 米国(171) 37.4
8 ドイツ(43) 34.9
生産(汎用品) 注1:カッコ内はn。 注2:n=30以上の国・地域のみ掲載。
順位 国・地域名 回答率
1 ベトナム(207) 56.0
2 インド(167) 52.7
3 インドネシア(86) 51.2
4 メキシコ(38) 39.5
5 ブラジル(33) 39.4
6 タイ(105) 31.4
7 中国(93) 29.0
8 米国(171) 27.5

「拡大」する機能(機能別上位8カ国・地域、非製造業)

販売 注1:カッコ内はn。 注2:n=30以上の国・地域のみ掲載。
順位 国・地域名 回答率
1 メキシコ(45) 86.7
2 ドイツ(61) 83.6
3 米国(133) 77.4
4 インド(143) 76.2
5 UAE(37) 75.7
6 中国(71) 74.6
7 タイ(140) 74.3
8 シンガポール(167) 71.9
新規事業開発 注1:カッコ内はn。 注2:n=30以上の国・地域のみ掲載。
順位 国・地域名 回答率
1 オーストラリア(57) 42.1
2 メキシコ(45) 40.0
3 インド(143) 37.8
4 インドネシア(85) 36.5
5 中国(71) 32.4
5 UAE(37) 32.4
7 シンガポール(167) 32.3
8 ベトナム(304) 31.3
カスタマーサービス 注1:カッコ内はn。 注2:n=30以上の国・地域のみ掲載。
順位 国・地域名 回答率
1 インド(143) 34.3
2 インドネシア(85) 25.9
3 タイ(140) 24.3
4 メキシコ(45) 22.2
5 中国(71) 21.1
6 ベトナム(304) 20.1
7 ブラジル(30) 20.0
8 オーストラリア(57) 19.3

注1:カッコ内はn。
注2:n=30以上の国・地域のみ掲載。
出所:2025年度海外進出日系企業実態調査(全世界編)(2025年11月)

ただし、機会は競争圧力と表裏一体だ。

米国の追加関税措置を受け、インド、ASEAN、中東では、現地調達ニーズの増加による需要拡大を期待する声がある。一方で、中国製品流入による価格下落や競争激化、生産・調達コストの上昇を懸念する声も多い(図3参照)。つまり、米中対立は機会と競争圧力を同時にもたらす。そのため、進出先の選定を米中の代替という要素だけで考えると、競争環境を見誤りやすい。

図3:関税引き上げ措置・対抗措置による影響に対する今後のグローバルサウス市場への
期待・懸念:

図3:PDF版を見るPDFファイル(558KB)

図3は、関税引き上げや対抗措置がグローバルサウス市場に与える影響について、地域別の期待と懸念をまとめた図。背景に世界地図があり、インド、ASEAN、メキシコ、中国、南アフリカに吹き出しが配置されている。インドは現地調達需要増や国際競争力向上への期待がある一方、生産・物流コスト増や中国製品流入による価格競争が懸念として示される。ASEANは物流・生産機能拡大による需要増と投資増が期待されるが、製品価格下落や現地調達・投資意欲の減速が懸念される。メキシコはUSMCA活用によるビジネス機会拡大と単価低下による競争力強化が期待される。中国は製品流入による価格下落やサプライチェーン再構成が懸念として示される。南アフリカはアフリカビジネスへの関心増と投資意欲拡大が記載されている。凡例として、プラスの影響への期待とマイナスの影響への懸念の色分けが記載されている。

注1:+はプラスの影響への期待、―はマイナスの影響への懸念を指す。
注2:今後の影響に関する自由記述から作成。
出所:ジェトロ2025年度海外進出日系企業実態調査(全世界編)

市場規模に加え、参入・通関などの実務条件も併せて比較すると、候補国をさらに広げる余地が出てくる。

参入面での条件を比較するには、世界銀行のB-READY(Business Ready)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが参考になる。その2025年版では、101カ国・地域を対象にビジネス環境を多面的に評価した。スコアは0~100点で、高いほど相対的に良好だ。

そこで、B-Readyで公表のあった国のうちグローバルサウスの主要国を抽出し、事業参入と国際貿易のスコアを散布図にしてみた(図4参照)。右上ほど参入・貿易の双方で条件が整う。ウズベキスタンやモロッコをはじめベトナム、マレーシア、モーリシャス、トルコなどのスコアが高いことが分かる。

図4:グローバルサウス主要国のビジネス参入と貿易のスコア分布
主要なグローバルサウス各国の「事業参入」(横軸)と「貿易」(縦軸)の関係を示した散布図。横軸は 40〜100、縦軸は 20〜80 の範囲で表示されています。各国は色分けされた点でプロットされています。右上に位置する国(事業参入も貿易も高い領域)には、ウズベキスタン、モーリシャス、ベトナム、トルコなどが含まれます。左上に位置する国(貿易は高いが事業参入が比較的低い)は、モロッコやフィリピンなどが見られます。右下に位置する国(事業参入は高いが貿易がやや低い)には、コロンビア、ルワンダ、パキスタンなどがあります。左下に位置する国(両軸とも低め)には、アンゴラ、マダガスカル、カンボジアなどがあります。

注:横軸はBusiness Entry、縦軸はInternational Trade。色分けは、赤〇=ASEAN、緑△=その他アジア、青□=アフリカ、黄◇=中南米。
出所:世界銀行「Business Ready」(2025年12月10日版)からジェトロ作成

事例に見るグローバルサウス攻略のヒント

本特集の企業事例は、構造変化の中で日本企業がどのようにグローバルサウス市場へアプローチしているかを具体的に示している。共通して見えるポイントは、(1)現地課題への照準、(2)導入障壁(価格・運用・制度)の低減、(3)現地連携による実装・保守体制の構築、(4)段階的なスケール戦略、の4点だ。

第1の点は、現地課題を踏まえ、ニーズ重視を徹底するということだ。所得水準やインフラ、制度成熟度は、国・都市ごとに異なる。そのため、日本で成立した製品を起点に提案しても受け入れられにくい。そのため例えばレオン自動機は、現地食文化に沿った食品機械化を提案し、現地課題に適合するかたちで市場を開拓した(本特集「グローバルサウス市場で進める現地食の機械化提案(レオン自動機)」参照)。

第2の点は、導入障壁の低減だ。障壁は価格だけでなく、運用の手間、保守、現地調達可能性、決済・制度との整合など、多面的だ。例えば、農業情報設計社は、スマホと低価格GPS機器を活用したアプリを使い、小規模農家でも導入しやすくした。さらに、現地語対応や販売網整備を通じて、海外での利用拡大につなげた(本特集「ブラジルで伸びる低コスト農業ナビ(農業情報設計社)」参照)。

第3の点は、現地での連携の重要性と言い換えて良い。環境・水分野など公共性の高い領域では、施工や運用・保守を含めて体制を確立することが不可欠だ。例えばトーケミは、ラオスの水道公社と関係を構築。現地パートナーを通じて、コスト削減を図った(本特集「ラオスで水処理装置展開、現地パートナー通じコスト削減(トーケミ)」参照)。単に販売するのではなく、現地側の役割と収益機会を設計できるかが持続性を左右する。

第4に、段階的に市場展開を重ねていくことも重要だ。例えば、太陽はインドで生産・販売の型を構築。将来的にASEAN展開を狙う(本特集「インドを足場にASEAN市場へ踏み出す耕うん爪(太陽)」参照)。またソラミツは、カンボジアでのデジタル通貨実装経験を基に、太平洋島嶼(とうしょ)国やパキスタンへの横展開を進める(本特集「デジタル通貨のソラミツCBDC、カンボジアモデルを太平洋島嶼国へ展開」参照)。実証→適合→足場づくり→横展開というステップは、限られたリソースでも確度を高める有効な手法になる。

一方で、「収益化」「規制・制度対応」「販売後の保守や部材調達などのオペレーション」さらに「中国企業を含む競争環境の厳しさ」は共通課題といえる。低価格競争に陥らないためには、性能差だけでなく、導入・運用の容易さ、信頼性、保守体制、現地連携といった総合力で差別化する必要がある。

もちろん、グローバルサウスは「一発逆転の新天地」ではない。現地課題に根差した価値づくりと、導入・運用・制度を含む現地での実行力、そして現地連携を積み上げることで、初めて開ける市場にほかならない。市場の厚みと、供給網再編・競争環境を踏まえ、まず勝てる型を作ってから横展開するのが良策だ。こうした地に足のついたアプローチこそが、不確実性の高い国際ビジネス環境下で、グローバルサウス市場を中長期の成長エンジンに変える近道になるだろう。


注1:
財務省の貿易統計によると、日本の輸出先の首位は米国、輸入元は中国になっている(2024年、金額ベース)。 本文に戻る
注2:
UNCTAD(2024年)。グローバルサウス地域(東南アジア、南アジア、中東、アフリカ、中南米)が世界貿易総額に占める構成比は、26.3%。 本文に戻る
注3:
本稿では、東南アジア、南アジア、中東、アフリカ、中南米をグローバルサウスと定義した。 本文に戻る
注4:
国連人口統計外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます参照(2024年版)。 本文に戻る
注5:
2025年度第24回日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査
この調査は2025年11月4日~12月3日、海外ビジネスに高い関心を有する日本企業(本社)9,647社を対象に実施。3,369社から回答を得た(うち中小企業2,946社)。 本文に戻る
注6:
2025年度海外進出日系企業実態調査(全世界編)
この調査は2025年8~9月、ジェトロの海外事務所ネットワークを活用して抽出した海外82カ国・地域の日系企業(日本側出資比率10%以上の現地法人、日本企業の支店・駐在員事務所)17,708社対象に実施。アンケートをオンライン配布・回収する手法を採った。その結果、7,485社から有効回答を得ている(有効回答率42.3%)。 本文に戻る
執筆者紹介
ジェトロ調査部国際経済課
馬場 安里紗(ばば ありさ)
2016年、ジェトロ入構。ビジネス展開支援部ビジネス展開支援課/途上国ビジネス開発課、ビジネス展開・人材支援部新興国ビジネス開発課、海外調査部中東アフリカ課、ジェトロ・ラゴス事務所を経て、2024年10月から現職。