「次のフロンティア」アフリカを巡る世界各国・地域の動向総論:2025年8月にTICAD9開催、これまでのTICADを振り返る
近年、投資やビジネスにも注目

2025年6月26日

アフリカは、日本企業にとっての最後のフロンティアとして注目される。第1回アフリカ開発会議(TICADⅠ)が開催された1993年時点での7億人と比べるとアフリカの人口は2025年には倍増となり、名目GDPも同期間に4.5倍となった(表1参照)。今後も、人口増加、経済成長が続く見込みだ。

アフリカは引き続き援助・開発の対象でもあるが、TICADⅠ時点と比べて、より投資・ビジネスの関係構築の対象へと流れが変わってきている。日本との貿易や、アフリカへの進出も拡大した。日本との輸出額は1993年と比べ、2024年には1.5倍以上、輸入額は3倍以上となった。品目をみると、中古車を含む自動車の輸出先となっているほか、輸入ではプラチナなどの金属、石油・ガス、鉄鉱石などの資源の重要な供給元でもある。

アフリカ全体のGDPは日本の7割程度とまだ小さいが、成長を見据えて、日本企業のアフリカへの進出拠点は増加傾向であり、10年前と比べておよそ倍増している。また、日本からアフリカへの直接投資残高は1996年末から2023年末までで約18倍に増加した。

2025年8月には、日本が、国連、国連開発計画(UNDP)、世界銀行、アフリカ連合委員会(AUC)との共催で第9回アフリカ開発会議(TICAD9)を横浜で開催の予定だ。TICADにはアフリカ各国の首脳と現地有力企業も参加するため、今年は特にアフリカとのビジネスについて関心が高まっている。

本稿では、これまでのTICADについて振り返るほか、世界各国のアフリカとの国際開発会議や今回のTICAD9の概要についても解説する。

表1:アフリカ概要と日本との関係(1990年代との比較 )

アフリカ概要
項目 内容
人口 1993年:約7億人、2025年:約15億人、2050年予測:約25億人
名目GDP 1993年:6,142億ドル、2024年:2兆7,800億ドル※世界4位の日本の約7割
1人あたりGDP 1993年:933ドル、2024年:1,940ドル※ラオスと同程度
GDP成長率 2025年予測:3.9%、2026年予測:4.0%
日本の 対アフリカ貿易 (2024年)
項目 内容
輸出額 1993年:8,318億円、2024年:1兆3,198億円※南アが24%
輸出品目(2024年) 自動車(中古車を含む)、船舶、一般機械など
輸入額 1993年:4,347億円、2024年:1兆3,740億円※南アが65%
輸入品目(2024年) 白金族、アルミニウム、石油ガス、鉄鉱石など
日本とアフリカの投資・進出
項目 内容
日本からの直接投資残高 1996年末:4億4,100万ドル、2023年末:79億5,100万ドル
日本からの直接投資分野 2023年末:輸送機械器具、金融・保険業、鉱業など
進出日系企業拠点数 2013年:584拠点、2023年:948拠点
日本からの主な進出先 2023年:南ア、ケニア、モロッコ、エジプトの上位4カ国で約半数

出所:国連、アフリカ開発銀行、IMF、外務省、財務省、日本銀行

TICAD開催の経緯

外務省ウェブサイト「TICADの歩み外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」によると、TICADは、日本政府が主導するアフリカの開発に関する国際会議だ。1993年に初めて開催された(表2参照)。背景として、冷戦終結後、欧米諸国がアフリカへの援助に対する関心を一時的に失う中、日本は国際社会における新たな貢献の形としてアフリカ支援を打ち出した。

1998年に開催されたTICADⅡで「オーナーシップ」と「パートナーシップ」の尊重が打ち出されて以降、これらが基本原則となった。これは、アフリカ諸国が主体的に開発を進めることを支援するという考え方であり、今では多くの国際機関でも共有されているという。なお、日本が過去、アジアに対して実施してきた支援を参考にしたかたちだ。

2003年のTICADIIIでは、アフリカ自身の責任において貧困撲滅・持続可能な成長と開発・世界経済への統合を目指す「アフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)」に対する支援を表明した。

2008年のTICADI Ⅴで「官民連携」が打ち出されてから、日本からアフリカへの民間投資の話も増えてきている。2013年のTICAD Ⅴ以降は、日本とアフリカの投資やビジネスにも焦点があたっている。TICAD Ⅵ(2016年)では日アフリカ官民経済フォーラム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの立ち上げを表明し、TICAD7(2019年)では本会合にて官民対話を実施、TICAD8(2022年)では官民総額300億ドル規模の資金投入を公約した。

また、TICAD Ⅴまでは5年ごとの開催であったが、TICAD Ⅴ以降は3年ごとの開催に短縮され、よりアフリカとの接点が多くなっていると言える。さらに、TICAD Ⅵは初めてアフリカ側のケニアで開催され、TICAD8はチュニジアで開催されるなど、開催地を日本とアフリカの交互にすることでアフリカ側のオーナーシップも高まっている。アフリカ側の開催では、日本企業のトップがアフリカに渡航する機会ともなった。

表2:TICADの経緯と概要
TICAD 開催年 場所 概要
TICAD I 1993年 東京 冷戦が終結し、国際社会のアフリカに対する関心が薄れつつあった時期に開催。アフリカへの関心を呼び戻すきっかけを創出。
TICAD II 1998年 東京 「アフリカの貧困削減と世界経済への統合」が基本テーマ。
TICAD III 2003年 東京 アフリカ開発に向けたアフリカおよびドナー国双方の取り組みについて幅広い議論。
TICAD IV 2008年 横浜 経済成長の加速化、人間の安全保障の確立および環境・気候変動問題への対処を重点事項として、アフリカ開発の方向性について活発な議論。日本は対アフリカの民間投資の倍増支援などを打ち出した。
TICAD V 2013年 横浜 強固で持続可能な経済、包摂的で強靱(きょうじん)な社会、平和と安定に沿って、今後のアフリカ開発の方向性について活発な議論。アフリカ首脳と日本の民間企業の代表が直接対話を行う「民間との対話」セッションが、全体会合で初めて実施された。
TICAD VI 2016年 ナイロビ
(ケニア)
初のアフリカ開催。経済の多角化・産業化、強靭な保健システム、社会の安定化促進を実現するための方途につき活発な議論。民間企業のアフリカ進出を後押しするため、投資協定および租税協定交渉を推進し、「日アフリカ官民経済フォーラム」を立ち上げる。
TICAD 7 2019年 横浜 ビジネス促進が議論の中心に。過去3年間で200億ドル規模だった対アフリカ民間投資が今後更に大きくなるよう、政府として全力を尽くす旨表明。TICAD史上初めて、民間企業を公式なパートナーと位置づけ、本会合にて日アフリカ官民の直接対話を実施。
TICAD 8 2022年 チュニス
(チュニジア)
オンラインを活用。日本は、アフリカと「共に成長するパートナー」であることを目指す。今後3年間で官民総額300億ドル規模の資金を投入。
TICAD 9 2025年 横浜 「アフリカと共に革新的な解決策を共創する」というテーマで開催予定。

出所:外務省ウェブサイトからジェトロ作成

援助中心から投資やビジネスに転換

前述のとおり、開発や援助の文脈から開始したTICADにおいても、ビジネスにも徐々に注目が集まり、多くの日本企業が関連イベントに参画するようになった。なお、様々なTICADの併催イベントの中でも、JETRO(ジェトロ)などが主催するサイドイベントには特に多くの民間企業が参加した。

African Fair 2013(TICAD Ⅴ併催)
日本企業70社程度が先端技術・製品を展示し、アフリカ要人へ直接アピール
アフリカからは45カ国がPRブース出展
4日間で1万人以上の来場
ジャパンフェア(TICAD Ⅵ併催)
日本企業96社・団体が出展し、数多くの商談が行われ、成約も
2.5日間で7,000人以上の来場(ケニアで開催)
ジャパンフェア(TICAD7 併催1)
日本企業156社・団体(中小企業81社)が出展し、安倍晋三首相(当時)、エジプトのアブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領(当時AU議長)など各国元首・閣僚らが多数来訪。
アフリカ45カ国がPRブース出展
日本・アフリカビジネスフォーラム(TICAD 7 併催2)
企業経営層20人が、アフリカビジネスの可能性を約1,000人の聴衆に向けて発信
各国首脳も、日・アフリカのビジネス関係強化に向けた期待と、ビジネス・投資環境改善に向けた官民一丸となった取り組みを表明

TICAD8では、新型コロナ禍で対面イベントの規模は縮小し、制約も多い中、JETRO主催ビジネスフォーラムは開催が許可された。2日間で延べ500人超が参加、日本とアフリカ双方の閣僚やビジネスリーダーら延べ80人が登壇し、日本とアフリカとのビジネス関係強化を議論した。アフリカの持続的成長に貢献する日本の製品・技術に関する展示コーナーにおいて計24社の製品や取り組みなどを紹介した。TICAD8にタイミングを合わせた覚書(MOU)締結は同フォーラム内で披露されたMOU33件を含めて92件に上り、様々なアクターによる日本とアフリカの経済協力が続いていることがうかがえた。 新型コロナ禍において開催されたTICAD8では、チュニジア渡航や参加に制限がかかった一方、フォーラム全体を動画で残しているため、こちらも参照してほしい。

様々な枠組み・機関を活用したアフリカ展開の可能性

日本とアフリカの官民連携強化の1つの契機として、2018年にヨハネスブルク(南アフリカ共和国)で日アフリカ官民経済フォーラムが開催されたことも挙げられる。同フォーラムでは、経済産業省、外務省、ジェトロや現地政府などが主導、官民が一体となって、日本とアフリカ諸国の経済協力および、ビジネスを通じた持続可能な開発を推進している。TICADの準備およびフォローアップの場ともなった。直近でも2024年12月には第3回日アフリカ官民経済フォーラムがコートジボワールのアビジャンで開催され、1,000人以上が参加し、TICAD9に向けた経済協力について議論された。

さらに、様々なアクターが日本とアフリカの経済の架け橋となっている。JICA(国際協力機構)が援助の枠組みのほか、民間連携事業を担うほか、JBIC(国際協力銀行)のアフリカへのファイナンス事例もある。官民が連携するアフリカビジネス協議会でも、イベント、情報提供、意見交換なども行う。同協議会にも参画する日本経済団体連合会と経済同友会は、2025年にTICAD9に関する提言を出している。

そのほか、各アクターがイベントを開催する。例えば、国土交通省とインフラ・建設関連の日本企業が主導するアフリカ・インフラ協議会が、日・コートジボワール官民インフラ会議を2025年にコートジボワールで開催する。インフラ・建設関連の企業には、こちらの枠組みが役立つだろう。他の企業もこういった特定分野の機関・枠組み・イベントを通じて、アフリカビジネスを模索することもできるだろう。

さらに、TICAD8の開催に合わせ、国連機関の国連工業開発機関(UNIDO)、国連開発計画(UNDP)も、JETRO、JICAと、日本とアフリカの民間セクタービジネスを通じたアフリカにおけるSDGs(持続可能な開発目標)推進のための新たなパートナーシップに関するMOUを結んでいる。アフリカになじみのない日本企業においては、国際機関の枠組み・支援を受けることも検討できる。

参考

世界各国のアフリカのイベント

日本のみならず、海外からもアフリカへ注目が集まる。日本のTICADのみならず各国がサミットを開催する(表3参照)。フランスはフランス語圏アフリカとの関係も強く、1973年から隔年でアフリカとのサミットを開催する。EUもアフリカとの会合を開く。さらに、中国は3年に1回の中国アフリカ協力フォーラム(FOCAC)を開催しており、存在感が大きい。2024年のFOCACでは400億ドルの支援を打ち出した。日本がTICAD8で300億ドルの支援を打ち出す中、米国も2024年のサミットでは、550億ドルの支援を表明した。支援合戦の様相を呈している。

昨今は、インドを代表するグローバルサウス諸国が一体となる動きがあるが、その中でも、アフリカ54カ国が一体となってグローバルサウスとして声を上げる場合もある。ロシアはソ連時代に反植民地主義としてアフリカ支援するなどつながりが深かった。ソ連崩壊後、関係が希薄となった面もあったが、2019年にロシアとしては初めてアフリカサミットを開催し、アフリカ諸国との関係の再構築に挑んでいる。さらにトルコ、サウジアラビアもアフリカとの関係強化を狙う。

表3:各国・地域のアフリカ・フォーラム
名称 開催実績 直近の開催 ジェトロ参考記事
フランス・アフリカサミット 1973年から28回開催 2024年 2024年1月16日付地域・分析レポート
影響力低下に伴い、新たな関係構築を模索
アフリカ開発会議(TICAD、日本) 1993年から8回開催 2022年 2022年8月29日付ビジネス短信
TICAD8でビジネスフォーラムを開催、会期1日目
中国アフリカ協力フォーラム(FOCAC) 2000年から9回開催 2024年 2024年9月17日付ビジネス短信
「中国・アフリカ協力フォーラムサミット」開催、3年で3,600億元を支援
EUアフリカ連合(AU)サミット 2000年から6回開催 2022年 2022年2月22日付ビジネス短信
第6回EU・AU首脳会議、インフラ開発と新型コロナ対策で進展
インド・アフリカフォーラム 2008年から3回開催 2015年 2019年7月31日付地域・分析レポート
アフリカでの協業、両政府の後押しも加速(インド)
トルコ・アフリカ協力フォーラム 2008年から3回開催 2021年 2022年1月12日付ビジネス短信
エルドアン・トルコ大統領、アフリカ諸国との関係強化の継続表明
米国・アフリカ首脳会議 2014年から2回開催 2022年 2022年12月19日付ビジネス短信
バイデン米政権、今後3年間で550億ドルの対アフリカ投資を発表、米アフリカ首脳会議
ロシア・アフリカサミット 2019年から2回 2023年 2023年8月2日付ビジネス短信
ロシア・アフリカサミット開催、ロシアは食料輸出によるアフリカへの貢献アピール
サウジアラビア・アフリカサミット 2023年初開催 2023年 2023年11月13日付ビジネス短信
サウジアラビアとアフリカ諸国、初の首脳会議をリヤドで開催
韓国アフリカサミット 2024年に首脳級が初開催 2024年 2024年6月6日付ビジネス短信
韓国・アフリカサミットが初開催、「重要鉱物対話」立ち上げなどで合意

出所:日本外務省、ジェトロ記事、各国ウェブサイトなど

2023年には、G20にAUが常任メンバーとなることを認められた。南アが初めてG20の議長国となり、サミットを2025年11月にヨハネスブルクで開催の予定だ。また、BRICSにはもともと南アが加盟していたが、2024年1月に10カ国に拡大した際に、アフリカからエジプト、エチオピアも加盟している。外交においては、アフリカ54カ国の票は国連決議などで大きい影響力を持つため、各国はアフリカとの関係強化を狙う。また、石油・ガスのほか、重要金属など鉱物資源も豊富なアフリカは、資源確保の観点からも各国から注目される。

このような背景のほか、アフリカ側としても、援助や投資を引き出すために、様々な国々との間で自国の利益を考えて動くこともある。

外交会合のほか、将来の市場としても注目されるため、各国が民間イベントを多数開催している。例えば、米国アフリカビジネス協議会は、2008年から米国・アフリカビジネスサミット(U.S.-Africa Business Summit)を開催している。2024年5月にも開催され、アフリカ11カ国からは閣僚代表団が参加した。

日本企業が各国企業と協力できる部分も多いにあるし、競合となる部分もあるため、世界各国の動きにも注目すべきだろう。世界主要国の主な動きについては、本特集の国別の動きに関する記事もご覧いただきたい。

TICAD9前に機運醸成のイベント多数

各国が外交およびビジネスの両面でアフリカに注目する中、日本はどのような動きを見せているのか。首相としては、岸田文雄首相(当時)が、2023年に4月から5月にかけて、エジプト、ガーナ、ケニア、モザンビークの4カ国を訪問し、各国大統領と会談している。援助や支援のほか、日本企業の投資や進出、ビジネス環境の改善に関する議論も行った(2023年5月8日付ビジネス短信参照)。

2023年8月26日には東京でTICAD30周年が開催され、「TICADの将来」と銘打つセッションでは、民間投資の促進、若者・女性のエンパワーメント、気候変動への対応などが重要な柱となることが共有された。

翌年、2024年8月24、25日に東京でTICAD9に向けた準備会合の「2024年TICAD閣僚会合外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が開催された。「経済:貿易と投資の促進」をテーマにしたセッションでは、日・アフリカ双方のスタートアップにも焦点をあてた。同会合のテーマ別イベントでは、保健、若者の参画、イノベーション、SDGs達成などの議論も展開された。

さらに同年、場所をコートジボワールに移し、前述の日アフリカ官民連携フォーラムも開催され、機運醸成を試みている。翌2025年2月には経済産業省が東京で「日本・インド・アフリカ官民フォーラム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を実施するなど、アフリカ以外の第三国パートナーとの連携に向けた動きもある。TICAD9前に機運醸成のイベントが多数開催された。

他方、OECDによると、2024年の援助合計額(暫定値)において、アフリカ向けのODAは1.0%減の420億ドルで、このうちサブサハラ・アフリカは2.0%減の360億ドルとなった。日本はDAC(開発援助委員会)加盟国内では4位となっているが、前年比14.4%減の168億ドルだった(2025年5月2日付ビジネス短信参照)。

TICAD9を活用したビジネス展開へ

さて、実際のTICAD9においては、政治・外交、開発・援助の議論もあるが、本稿では投資などに焦点をあてているため、ビジネスイベントについて紹介したい。ジェトロでは、2025年8月20日から22日までTICAD9のテーマ別イベントとしてパシフィコ横浜において「TICAD Business Expo & Conference」を開催する(2025年5月13日付記者発表参照)。同イベントにおいて、「Africa Lounge」ではアフリカ各国が自国の投資環境やビジネス機会を紹介する。「Japan Fair」には過去最多となる約200社・団体(うち中小企業107社)の日本企業が申し込んだ。新たな試みとして、ポップカルチャーのテーマ展示も行う。以下のテーマをゾーン設置する。

  • アフリカで活躍する日本企業
  • 質の高いインフラ
  • 保健衛生改善
  • フードバリューチェーン
  • 人材育成
  • 気候変動対策
  • 都市問題対策
  • ポップカルチャー

各種ビジネスイベントも開催予定であり、ジェトロの「TICAD Business Expo & Conference」は公式ウェブサイトから参加登録が可能だ。また、外務省ウェブにおいてTICAD 9に関する「パートナー事業外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます一覧」ページで様々な機関・団体のイベントをまとめている。

TICAD9のほか、2025年は大阪・関西万博も開催中だ。アフリカ各国のパビリオンのほか、各国がナショナルデーに合わせてビジネスイベントを開催している。これらを活用してアフリカのチャンスをうかがうことができる。

既にアフリカビジネスに携わっている人はご認識のとおり、アフリカでのビジネスにおいては、政治、治安、商慣習、法整備、インフラなど様々な面で課題にぶつかることがあるだろう。地理的にも遠く、次のフロンティアのハードルは高い。それでも、人口減少が続く日本とは逆に、人口が急増するアフリカには、チャンスもある。各種イベントにて情報収集や面談・商談をおこなった後、実際にアフリカに訪問してチャンスとリスクを見極めることも重要だ。

本稿ではTICADについて振り返ってきたが、1990年代以降のアフリカとのビジネスの拡大には民間企業独自の動きが大きく関わっている。近年の事例を中心に、地域・分析レポート特集「アフリカでのビジネス事例」において企業事例を紹介している。

執筆者紹介
ジェトロ調査部中東アフリカ課 課長代理
井澤 壌士(いざわ じょうじ)
2010年、ジェトロ入構。農林水産・食品部農林水産企画課、ジェトロ北海道、ジェトロ・カイロ事務所を経て、現職。中東・アフリカ地域の調査・情報提供を担当。