エルドアン・トルコ大統領、アフリカ諸国との関係強化の継続表明

(トルコ、アフリカ)

イスタンブール発

2022年01月12日

第3回トルコ・アフリカ・パートナーシップ・サミットが12月16~18日、「共同の発展と繁栄に向けたパートナーシップ強化」をテーマにイスタンブールで開催された。アフリカ連合(AU)などの諸機構と参加国は広範な内容を含む協力関係の強化に関する共同宣言を採択した。

共同宣言では、「平和、安全保障、正義」「人間中心の開発」「強力で持続可能な成長」の3つを主要課題とし、2022~2026年の共同アクションプランを通じて、「平和、安全保障、ガバナンス」「貿易、投資、産業」「教育、科学技術、イノベーション」「若者、女性の活用」「インフラ開発、農業」「持続的な保健制度」の分野での具体的な実施を策定するとした。また、トルコとアフリカ大陸自由貿易地域(2021年1月7日記事参照)事務局との間でも協力に関する覚書を交わした。

トルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領は2005年に同国で「アフリカ年」が宣言されて以来、アフリカでの在外公館数を12から42に増やし、在アンカラのアフリカ諸国の大使館も10カ国から37カ国に増加させたと強調した。さらに「13億の人口を抱えるアフリカ諸国が国連安全保障理事会メンバーに選出されていないことは不平等」と発言した。

また、新型コロナウイルス感染拡大下でのアフリカ諸国に対するワクチン供与にも言及し、12月22日にトルコが国内で緊急承認した「テュルコヴァク(TURKOVAC)」ワクチンに対する期待や需要が高いと主張した。

今回のサミットでは、トルコが支持するムスリム同胞団を排除した2013年のクーデター以降、関係が冷え込んでいたエジプトも参加しており、関係改善に向けた動きが期待されている。今回参加したエジプト外務副大臣のハムディ・サナド・ロザ氏は、2021年5月にトルコ側との接触を始めており(同9月にも再度接触)、サミットでも貿易、投資、観光の分野でのトルコとの協力関係を模索していくとしている。

これに先立つ2021年10月21~22日には、第3回トルコ・アフリカ・ビジネスフォーラムがイスタンブールで開催されており、トルコとアフリカから約3,000人の政府やビジネスの関係者が参加するなど、アフリカとの関係強化に向けた取り組みがさらに活発となっている。

次回のトルコ・アフリカ・パートナーシップ・サミットは2026年にアフリカで開催することが予定されている。

(中島敏博)

(トルコ、アフリカ)

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