バイデン米政権、今後3年間で550億ドルの対アフリカ投資を発表、米アフリカ首脳会議

(米国、アフリカ)

ニューヨーク発

2022年12月19日

米国のバイデン政権は12月13~15日、首都ワシントンで米国・アフリカ首脳会議を開催外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。49カ国とアフリカ連合(AU)の代表が参加した。同政権が首脳会議に合わせて発表した「米国・アフリカのパートナーシップのためのビジョン声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」では、米アフリカ関係の強化に関する全体像が示された。

バイデン政権は首脳会議で、今後3年間でアフリカに少なくとも550億ドルを投資する計画を発表した。具体的な取り組みとして、同政権はIMFを通じて中・低所得国に最大210億ドルを融資するほか、米国国際開発金融公社(DFC)を通じて食料安全保障や再生可能エネルギー、保健関連のプロジェクトに3億6,900万ドルの新規投資を行う。貿易・投資協力を巡っては、米国政府を代表して米国通商代表部(USTR)が12月14日、アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)事務局との覚書に署名外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。双方は関係強化に向けた対話のため、ハイレベル会合を年に1回、技術作業部会を四半期に1回開催する。

技術・イノベーションの分野では「アフリカとのデジタルトランスフォーメーションに関するイニシアチブ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を立ち上げ、デジタル技術へのアクセス拡大などを目的に3億5,000万ドル超の投資と4億5,000万ドル超の金融支援を行う。食料安全保障に関しては、米国政府とAUが強靭(きょうじん)な食料システムと多様なサプライチェーンと市場の構築に焦点を当てた戦略的パートナーシップ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表したほか、バイデン政権は20億ドルの緊急人道支援を提供する。アフリカの民主主義とガバナンスの支援には、今後3年間で7,500万ドルを拠出する。また、バイデン政権は首脳会議で発表した取り組みの実施を調整する大統領特別代表を設置外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますする。国務省によると、元国務次官補(アフリカ担当)のジョニー・カーソン氏が指名される予定となっている。

ジョー・バイデン大統領は首脳会議で、AUがG20に加わることへの支持を表明した。国連安全保障理事会にアフリカの常任理事国を含めるための改革を支持する考えもあらためて示した。また、バイデン大統領はアフリカ諸国への関与を示すため、2023年にアフリカを訪れると発表した。同様に、バイデン政権の複数の閣僚もアフリカを訪問する予定だ。

(甲斐野裕之)

(米国、アフリカ)

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