競争力重視にシフトする欧州概要
クリーン産業ディールは競争力強化の特効薬か(前編)

2025年12月8日

EUは、2024年末に発足した新体制において、域内産業の競争力強化を政策上の最優先課題に掲げた。これを受け欧州委員会は2025年2月、目玉政策となる「クリーン産業ディール(CID)」を打ち出した。本稿では、競争力強化に乗り出したEUの政策的背景を説明しつつ、その中心的政策であるCIDの概要を解説する。後編では、CIDが抱える課題を紹介した上で、CIDが域内産業の競争力強化に資するかを考察する。

競争力強化・脱炭素化・エネルギー安全保障を迫られるEU

EUでは現在、域内産業の競争力強化が最重要課題と認識されている。その転機となったのが、2024年9月に発表された「ドラギ報告書(2024年9月19日付ビジネス短信参照)」だ。同報告書は、EU経済が停滞する中で域内産業の競争力強化こそが喫緊の課題であると指摘。同年12月に発足した欧州委の第2次ウルズラ・フォン・デア・ライエン体制は、競争力強化を最優先課題とする方針を明確にした。これにより、前体制である第1次フォン・デア・ライエン体制の看板政策であった気候変動対策「欧州グリーン・ディール」は影を潜めることになった。

ドラギ報告書が、域内産業の競争力低下の要因の1つとして指摘するのは、高止まりするエネルギー価格だ。2023年のEU域内エネルギー価格(中規模産業消費者向け)は、2014年から2020年の平均と比べて97%高い水準にとどまっており、特に2022年以降は米国や中国に比べて2倍以上高い状況が続いている。ドイツ商工会議所連合会(DIHK)の2025年の調査(注1)によれば、ドイツ産業界の63%が高いエネルギー価格により国際的な競合他社と比べ不利な立場にあると回答。従業員数500人以上の大企業の59%は、国内生産を制限しているか、制限を検討しているとした。

高止まりするエネルギー価格の背景にあるのは、ロシア産エネルギーからの脱却だ。ロシアによるウクライナ侵攻以降、ロシア産エネルギーからの脱却が安全保障上の課題として急浮上。EUは「リパワーEU」(2022年9月1日付地域・分析レポート参照)に基づき、ロシア産エネルギーからの脱却を急速に推し進めた。その結果、パイプライン経由のロシア産天然ガスの代替として米国産液化天然ガス(LNG)の輸入が急増。米国産LNGはロシア産天然ガスよりも構造的に割高であることから(注2)、域内産業の競争力を損なう要因となっている。

域内のガス価格は今後低下するものの、エネルギー危機以前の水準には下がらないと予想されている。関税を巡る米国との共同声明(2025年7月29日付ビジネス短信参照)を経て、米国産エネルギーのさらなる輸入増加が予想される中で、域内価格は米国の価格よりも高い状況が続くとみられる(注3)。

こうした中で、EUが長期的なエネルギー政策において最善策とみなすのが、再生可能エネルギー(再エネ)に代表されるクリーンエネルギーへの移行だ。ただし、その第1の狙いはもはや気候変動対策ではない。エネルギーの米国依存が進み、域内のエネルギー価格が米国より大幅に高い状況が続く中で、域内生産が可能で長期的には安価になるとみられる再エネの重要性が増している。

とはいえ、今後はグリーン・ディールのように、単に再エネの拡大を目指すわけではない。気候変動対策の名の下に安価な再エネ技術の導入を急いだ結果、中国依存を強めてしまったからだ。域内で普及が進む太陽光パネルの大部分は中国製であり、風力タービンでもEU企業は優位性を失いつつある。こうしたことから、EUは再エネ技術の域内製造基盤を支援することで、EU製を中心にした再エネへの移行を目指す方針だ。

なお、欧州委はグリーン・ディールの看板を下ろしたわけではない。欧州委は2050年の気候中立の達成という大目標を維持しており、2040年の中間目標の法制化(2025年7月8日付ビジネス短信参照)も進めている。グリーン・ディールの一環として成立した新法についても、環境や持続可能性分野などの規制については簡素化に取り組んでいるものの、EU排出量取引制度(EU ETS)など第1次体制下で強化された温室効果ガスの削減枠組みには、現時点では手を付けていない。

競争力強化の目玉政策であるクリーン産業ディール

CIDは、欧州委が脱炭素化とエネルギー安全保障を加味しつつ、競争力強化を目的に策定したEUの新たな産業政策だ。前提としてCIDは、従来の「グリーン」な再エネ偏重の方針から転換し、技術中立の立場を採る。すなわち、再エネに加え、原子力やその他の低炭素技術などを含む「クリーン」なエネルギーを広く推進する方針だ。特に原子力は、安定的なエネルギー源として重視する。ただし、原子力はあくまでベースロード電源(注4)としての位置付けであり、本命はあくまでも再エネだ。

その上でCIDは、今後の成長が期待されるクリーンテック産業とEU経済の基盤を支えるエネルギー集約型産業を支援する。CIDは、域内製クリーンテックの需要喚起などにより脱炭素化とエネルギー安全保障に資する域内クリーンテック産業への投資を呼び込むとともに、電化や安価なクリーンテックの推進によりエネルギー集約型産業の競争力強化を目指すものだ。

CIDでは、クリーンテック産業およびエネルギー集約型産業のバリューチェーン全体を主な支援対象とし、6つの柱からなる政策を打ち出している。2025年2月に発表されたこの内容(2025年3月4日付ビジネス短信参照)は以下の表のとおり。特に注目されるのが「手頃なエネルギーへのアクセス」と「クリーン市場の創出」だ。

表:「クリーン産業ディール」に記載された主な施策とその実施状況

1.手頃なエネルギーへのアクセス
主な施策 発表(予定)時期 主な内容
手頃なエネルギーに向けた行動計画(政策文書) 2025年2月26日 産業、ビジネス、一般家庭の電力価格の引き下げと必要な構造改革。
EIB:PPAパイロット事業(5億ユーロ)
2025年8月8日付ビジネス短信参照
2025年6月19日 欧州投資銀行(EIB)による電力購入契約(PPA)の再保証。中小企業やエネルギー多消費産業の長期契約促進を目指す。
EIB:送電網製造パッケージ
(15億ユーロ)
時期未記載 EIBによる送電網に必要な部材などの製造に係る再保証による製造強化策。
クリーン産業ディール実施に係る国家補助緩和策「クリーン産業ディール国家補助枠組み(CISAF)」
2025年6月30日付ビジネス短信参照
2025年6月25日 原子力含め、技術中立の観点から、再エネ、産業の脱炭素化、EU域内でのクリーンテック製造を促進するための国家補助枠組みの簡素化。
差額決済契約(CfD)のガイダンス策定 2025年第4四半期 加盟国向けにPPAでの二重のCfDを含めた制度設計に関するガイダンス策定。
電力小売契約における柔軟性確保のためのガイダンス策定 2025年第4四半期 加盟国および電力小売事業者向けに電力需給の必要柔軟性を確保し、電力供給が安いときに需要を高め、電力価格を下げる設計支援。
エネルギー課税に関する勧告 2025年第4四半期 各加盟国にエネルギー課税指令への合意を促し、税制を電化に適したものとする。コスト効率よく、効果的に税負担を軽減する方法を勧告する。
ネットワーク料金に関する勧告
2025年8月7日付ビジネス短信参照
2025年7月2日 ネットワーク料金の設計方法に関する勧告およびガイドラインの策定。
欧州送電網パッケージ 2025年第4四半期 電力の生産地から消費地へ最適なコストで送電できるよう国境を越えた相互接続、許認可手続きの簡素化、デジタル化の促進などを行う。
産業促進法案 2025年第4四半期 エネルギー多消費産業が電化、脱炭素化を行う上でボトルネックとなっている許認可プロセスの迅速化に伴う具体策を提案。
ガス備蓄義務化規則の延長案 2025年3月5日 価格変動の激しいガス価格との連動を緩和し、電力価格の安定化を図る一環として、加盟国間の調整を強化し、ガス貯蔵の再充填を効率的に行う。

KPI:2030年までに電化率32%達成(現状、23%)、 2030年までに再エネ電力能力年100GW達成

2.クリーン市場の創出
主な施策 発表(予定)時期 主な内容
産業促進法案 2025年第4四半期 低炭素製品ラベルの創設、公共・民間調達基準に「持続可能性、強靭(きょうじん)性、EU調達率」を適用。
公共調達指令の改正案 2026年第4四半期 評価基準に「持続可能性、強靭性、EU調達率」を追加。
低炭素水素の委任規則の制定
2025年7月22日付ビジネス短信参照
2025年7月8日 電化が難しい分野の脱炭素の加速に向け策定。欧州水素銀行第3回入札(10億ユーロ)は2025年第3四半期を予定。

KPI:クリーンテック製品の主要部品の域内製造率40%達成、クリーン産業ディール関連製品の脆弱性指標(EXVI)の引き下げ(現状0.19)

3.官民投資による資金調達
主な施策 発表(予定)時期 主な内容
産業界脱炭素銀行創設 2026年第2四半期 イノベーション基金、EU排出量取引制度(EU-ETS)の収入、インベストEUなどの予算を財源に1,000億ユーロ規模。
イノベーション基金:パイロット入札 2025年 クリーンテック、バッテリー製造、水素銀行、産業界脱炭素を対象に60億ユーロ規模。
ホライゾン・ヨーロッパ:公募 2025年第4四半期 域内のクリーンテック、クリーンエネルギー、脱炭素製造のための研究・イノベーション(R&I)に6億ユーロ規模。
インベストEUのリスク保証の拡大 2025年2月26日 インベストEU規制の改定を通じ、産業設備の近代化、クリーンテックの製造などに500億ユーロ規模。
テックEU投資プログラム 2026年 EIBと民間投資家とともに、人工知能(AI)、クリーンテック、エネルギー貯蔵などに投資するスケールアップの支援拡大。
クリーン産業ディール実施に係る国家補助緩和策
2025年6月30日付ビジネス短信参照
2025年6月25日 簡素化・柔軟性を高め、補助の決定を迅速化する。
IPCEI支援ハブ創設 2025年4月9日 欧州共通利益に適合する重要プロジェクト(IPCEI)スキームの効率化、実証の加速化支援。
クリーン産業ディール支援のための税制優遇勧告 2025年7月2日 各加盟国に化石燃料を対象とした補助金の削減と、クリーンエネルギーへの支援を勧告。

KPI:産業のグリーン化への移行を支援する投資額の拡大(現状527億ユーロ規模)

4.循環型経済の促進:重要原材料へのアクセス
主な施策 発表(予定)時期 主な内容
重要原材料法:戦略プロジェクト第1弾のリスト化
2025年3月27日付ビジネス短信参照
2025年3月26日 特定国への依存度軽減のための多角化、官民投資の促進。
欧州重要原材料センターの創設 2026年第4四半期 ガス同様、重要原材料の加盟国の需要を集約し、共同調達、在庫管理を可能とする仕組みを構築。
循環型経済法案 2026年第4四半期 循環型製品、廃棄物・再利用原材料の市場創出。
エコデザイン規則作業計画採択
2025年4月24日付ビジネス短信参照
2025年 化石燃料への依存軽減、代替原料・素材の活用促進を側面的に促す。
域内循環ハブ 2026年第4四半期 投資促進のため、加盟国間の連携を強化し、規模の経済でリサイクル、原材料の二次利用を促進。
グリーンVAT(付加価値税)イニシアチブ 2026年第4四半期 再利用製品への適応検討。

KPI:2030年までに循環材料使用率24%達成(現状11.8%)

5.グローバル市場・パートナーシップ
主な施策 発表(予定)時期 主な内容
クリーン貿易投資パートナーシップ交渉
2025年7月3日付地域・分析レポート参照
2025年3月13日 FTA交渉をより迅速、柔軟、かつ双方のビジネスの関心に沿ったかたちで促す。
汎(はん)地中海エネルギー・クリーンテック協力イニシアチブ 2025年第4四半期 再エネ分野への大型の官民投資を促進。
炭素国境調整メカニズム(CBAM)簡素化
2025年6月25日付ビジネス短信参照
2025年2月26日 CBAM適用対象を温室効果ガス(GHG)排出量の99%を占める輸入者に限定することで、小規模事業者、対象産業、サプライチェーンの負担を軽減。
CBAMの包括的見直し 2025年第4四半期 CBAM適用範囲の川下製品への拡大、間接体化排出の適用対象検討、CBAM対象製品の輸出者支援などを検討。
CBAMの適用対象拡大に関する立法提案 2026年第1四半期 包括的見直し結果を受け提案。
外国補助金規則に関するガイドライン 2026年第1四半期 外国補助金による市場の歪曲(わいきょく)などの判断基準の策定。
6.人的資本の強化
主な施策 発表(予定)時期 主な内容
技能同盟
2025年3月14日付ビジネス短信参照
2025年3月5日 分野別に必要な技能の習得、就業を支援(9,000万ユーロ規模)。
技能流動性イニシアチブ 2026年 域内の労働者の流動性を向上させるべく、技能を取得した国以外の加盟国での技能の認定を促進。
質の高い雇用に向けたロードマップ 2025年第4四半期 労働環境、研修、公正な移行などを整え、競争力強化に寄与する有能な人材を確保する。
欧州「公正な移行」オブザーバトリー設置 2026年第1四半期 グリーンへの移行を評価する標準基準、ベストプラクティス、雇用への影響評価に関するデータの共有、関係者・機関との対話などを行う。
国家補助金に関するブロックエグゼンプション規則(GBER)の見直し 2027年第4四半期 「公正な移行」に伴う技能向上への支援。
クリーン製品のソーシャルリースに関するガイダンス 2025年 誰もがゼロエミッション車、ヒートポンプ、そのほかクリーン製品にアクセスできるよう財政支援を行う。

KPI:グリーンへの移行に必要な特定スキル・知識を要するポストの削減(少なくとも5つの加盟国が不足を報告した場合、2024年は27ポストが該当)

出所:欧州委員会

前体制の延長線上にとどまるエネルギー価格対策

CIDの中心となるのが、高止まりするエネルギー価格に対応すべく策定された「手頃なエネルギーに向けた行動計画」だ。エネルギー集約型産業などが特に影響を受けているエネルギー価格高騰の主因は、域外から輸入される化石燃料への依存だ。そこで、短期的には輸入化石燃料の活用を継続しつつ、長期的には安価な域内産クリーンエネルギーへの移行を進めている。

欧州委はまず、前体制で成立した電力市場改革法(2023年12月18日付ビジネス短信参照)の完全実施を、加盟国に求める。同法の中核となるのは、クリーンエネルギーの長期契約である電力購入契約(PPA)の推進と、クリーンエネルギーへの財政支援における二重の差額決済契約(Contract for Difference、CfD、注5)の導入だ。このうち既に動き出しているのは、PPAの活用促進に向けた公的保証だ。欧州投資銀行(EIB)は、PPAにおいて課題となっている利用者たる企業の信用リスクに対処すべく、PPAの一部を再保証する5億ユーロ規模のプログラムを試験的に導入する。

また、米国と比較して高いネットワーク料金や税金が域内の電力価格に上乗せされていることから、短期的な値下げ策として加盟国に対し、これらの引き下げも提言。特に税金については、前体制で提案したエネルギー課税指令改正案(2023年8月2日付ビジネス短信参照)の早期合意を求めている。

さらに、安価な域内産クリーンエネルギーへの移行に向け、再エネ発電設備、電力網(グリッド)、蓄電設備などの許認可の迅速化も重要な課題だ。再エネ関連事業の許認可の取得には最大10年を要する場合もあり、早期整備には制度面の改革が不可欠となる。再エネ発電施設の許認可の迅速化を規定する再エネ指令改正法(2023年4月3日付ビジネス短信参照)と再エネ技術製造拠点の許認可の迅速化を規定するネットゼロ産業法(2024年2月14日付ビジネス短信参照)は既に成立していることから、欧州委はその円滑な実施に向けたガイダンス(2025年8月7日付ビジネス短信参照)を新たに発表した。また、エネルギー集約型産業の脱炭素化に関連した許認可の迅速化に向け産業促進法案(注6)も今後提案する予定だ。

このほか、欧州委は2026年中に、エネルギー集約型産業などを対象に「産業界脱炭素銀行」を立ち上げる方針だ。これは、脱炭素化に向けた財政支援策であり、CfDの活用を念頭に、EU排出量取引制度(EU ETS)において産業界から徴収した資金を、脱炭素化を進める企業に払い戻す仕組みだ。1,000億ユーロ規模での実施を目指すとしているが、その詳細は明らかになっていない。

域内製クリーンテック優遇策を本格導入へ

もう1つの重要な柱が「クリーン市場の創出」だ。EUはグリーン・ディールの下で再エネを積極的に推進してきたが、域内クリーンテック産業は依然として成長産業とは言い難い状況にある。むしろ太陽光パネルは中国製に圧倒されており、風力タービンも中国製に押されつつある。グリーン水素についてもオフテイカー不足により需要が伸び悩み、関連投資は期待されたほどは進んでいない。

CIDはこうした状況を打開すべく、域内クリーンテック産業の市場創出に向けた需要喚起策や支援策を提示している。主な施策は、公共調達における価格以外の評価基準の導入だ。そのモデルとなるのがネットゼロ産業法だ。同法では再エネ整備の公共調達において、中国製などの域外国製品のシェアが一定以上の場合にEU製品を優遇する強靭性要件の適用を義務づけている(2025年5月29日付ビジネス短信参照)。欧州委は、2026年に提案予定の公共調達指令改正案において、戦略技術に関する強靭性要件の導入を見込んでいる。産業促進法案においても、エネルギー集約型産業を対象に強靭性要件を導入する方針だ。また、EUおよび加盟国の支援プログラムにおいても、同様の要件の導入を検討している。

加えて、エネルギー集約型産業の脱炭素化の鍵となる水素市場の拡大に向けた施策も強化する。欧州委は、グリーン水素に限定していた支援対象を、技術中立の観点から低炭素水素にも拡大。2025年7月には、低炭素水素の算出方法に関する規則案を発表した。また、オフテイカー不足を解消すべく、オフテイカーと水素供給事業者のマッチング支援メカニズム(2024年6月6日付ビジネス短信参照)も立ち上げた。このほか、水素生産に対する財政支援策である水素銀行(2025年5月29日付ビジネス短信参照)の第3回公募を、2025年末に実施する予定だ。


注1:
「Energiewende hat für jeden dritten Betrieb negative Folgen」(Deutsche Industrie- und Handelskammer、2025年)
注2:
LNGには輸送コストに加え、液化および再ガス化のコストが上乗せされるため。
注3:
「Decarbonising for competitiveness: four ways to reduce European energy prices」(Conall Heussaff、2024年、Brugel Policy Brief)
注4:
季節や時間を問わず、低廉かつ安定的に発電できる電源。
注5:
CfDは通常、再エネ電力の市場価格が一定の下限価格を下回った場合に、政府が再エネ事業者にその差額を補填(ほてん)するものだが、二重のCfDでは下限価格に加えて上限価格も設定し、市場価格が上限価格を上回った場合に、その差額を事業者が政府に支払う。
注6:
当初は「産業界脱炭素化促進法案」として脱炭素化に主眼を置いていたが、競争力や強靭性などの強化にも射程を広げるために改名された。
執筆者紹介
ジェトロ・ブリュッセル事務所
吉沼 啓介(よしぬま けいすけ)
2020年、ジェトロ入構。