韓国企業の海外展開の今と新たな挑戦電力インフラ需要を取り込む韓国企業
韓国企業の対米投資(4)
2026年8月20日
本連載では、最近の韓国の対米直接投資動向について紹介している。1回目は米韓通商交渉で表明・合意された韓国側の対米投資計画について、2回目は韓国側統計に基づく対米直接投資の推移と最近の特徴について、それぞれ概観した。3回目以降は、第2次トランプ政権が発足した2025年1月以降に明らかになった韓国企業の対米投資案件について、業種別に見ている。4回目の本稿では、2020年代の対米直接投資を牽引した2次電池をはじめ、エネルギー貯蔵システム(ESS)・電力インフラ、防衛産業を取り上げる。
米国生産分をEV向けからESS向けに転換する韓国2次電池企業
韓国の2次電池企業については、(1)米国のEV市場の伸び悩みとエネルギー貯蔵システム(ESS)市場の拡大、(2)中国に依存したサプライチェーンの見直しという2つの大きな環境変化の中で、米国市場の取り込みに向けて米国での生産を拡大しているところだ。
韓国の2次電池企業は、バイデン前政権のインフレ削減法(IRA)などにより、米国EV市場の拡大と米国生産へのインセンティブが見込まれることを受け、米国生産拠点の新増設を一斉に行った。しかし、トランプ政権下でIRAによるEV購入時の税額控除が2025年9月に廃止され、EV市場の伸び悩みが顕著になると、自動車メーカー各社は米国でのEV生産計画を縮小している。そのため、韓国の2次電池企業各社は米国生産拠点の見直しを行っている。見直しの主なポイントは、(1)EV向けからESS向けへの転換、(2)米国生産拠点の効率化だ。(1)については、米国のEV市場が伸び悩む一方で、人工知能(AI)の本格的な普及により、データセンターや電力網向けのESS市場が急拡大していることを受けたものだ。
また、経済安全保障の観点から、中国依存の供給網から脱却する動きが広がっており、韓国企業は米国生産を通じてビジネスチャンスを獲得できる余地が拡大しているとみている。「聯合ニュース」(2026年6月21日)は、「米国のESS市場は、2025年時点でリン酸鉄リチウム(LFP)電池を主力とする中国企業が80%以上のシェアを占めており、韓国企業のシェアは10%台前半にとどまっていたとみられる。しかし、トランプ政権が2025年に『大きく美しい1つの法案(OBBBA)』を導入して以来、ESS市場において中国製2次電池が事実上排除される流れとなり、状況が一変した。この法案は、ESSプロジェクトが投資税額控除を受けるためには、中国をはじめとする禁止外国事業体(PFE)の2次電池部品・素材の割合を一定水準以下に抑えるよう義務付け、米国の現地プロジェクト事業者が中国以外の企業からバッテリーを調達するよう規制した」と述べている。
2025年1月以降の関連分野における韓国企業の動向は表1のとおり。このうち、韓国の大手2次電池企業3社の動きは次のとおりだ。LGエナジーソリューションは米国で7カ所の2次電池生産拠点を運営・建設中で、このうち4カ所でESS向け電池を現在生産中または生産予定だ(表2参照)。同社はプレスリリース(2026年3月18日)で、テネシー工場について「今回の(一部のEV向け電池生産ラインのESS向け電池生産ラインへの)転換はEV市場の成長鈍化に対応し、生産ラインの稼働率を高め、工場の運営効率を拡大するための戦略的措置だ」と述べている。さらに、「(カナダを含めた)北米の5つのESS生産工場は、EV向け電池とESS向け電池を同時に生産する複合製造拠点として運営される予定だ。これにより、設備効率を最大化し、急速に変化する市場環境に合わせて生産ポートフォリオを迅速に再編できる」「LGエナジーソリューションはESSの新規受注拡大にも積極的に取り組んでいる。再生可能エネルギーの拡大やAIデータセンターの電力需要急増により、北米のESS需要が急速に伸びる中、(中略)グローバル顧客と相次いで供給契約を締結し、受注残高を拡大している。LGエナジーソリューションは、今年末までにESSの生産能力を2倍以上に拡大する計画だ」と述べている。LGエナジーソリューションは韓国企業として初めて、2025年に米国でESS向けLFP電池の量産を開始している。米国のESS向けLFP電池市場で中国企業の牙城を切り崩していく狙いだ。
さらに、同社は2026年5月、オハイオ州ファイエット郡の車載電池工場(ホンダとの合弁)の建物をホンダ米国法人に3兆7,416億ウォンで売却した。合弁会社の運営効率向上とキャッシュフロー改善を狙ったものだ。
| 年・月 | 韓国企業名 | 投資額 | 概要 |
|---|---|---|---|
|
2025年 3月 |
L&F | 145億ウォン | EV、ESSなど向け2次電池用LFP(リン酸鉄リチウム)正極材企業のミトラ・フューチャー・テクノロジーズの株式3.3%を取得。同社との戦略的な協業関係の強化が目的。 |
| ハンコック&カンパニー | — | ハンコック&カンパニーグループでは、将来の事業の柱の1つとして鉛蓄電池事業に注力している。その一環として、持ち株会社と事業会社を兼ねるハンコック&カンパニーは、テネシー州所在の鉛蓄電池工場の生産能力を倍増する計画を策定。 | |
| 4月 | LGエナジーソリューション | 3兆562億ウォン | GMとの合弁会社「アルティウム・セルズ」が建設している工場(ミシガン州ホランド市)を買収することを発表。新規投資負担を最小限に抑え、既存設備の運用を効率化する狙い。 |
| 5月 | サムスンSDI | — | 2027年完成予定のGMとの合弁工場(インディアナ州)にLFP電池の生産ラインを導入することを決定。GMが車両価格引き下げのため、当初予定していた三元系電池からLFP電池への変更を要請したため。 |
| LGエナジーソリューション | — | GMとの合弁でテネシー州に建設中の工場の生産ラインの一部をLFP生産ラインに変更することを決定。 | |
| 6月 | LGエナジーソリューション | — | ミシガン州ホランド市の工場でESS向けLFP電池の量産を開始。 |
| LGエナジーソリューション | — |
|
|
| 7月 | サムスンSDI | — | 従来、米国のESS向け電池は韓国から全量を輸出していたが、相互関税に対応すべく、ステランティスとの合弁会社の一部のラインをESS向けに転換することを決定。 |
| 10月 | サムスンSDI | — | ステランティスとの合弁会社「スタープラスエナジー」の工場の一部ラインを三元系(NCA)ベースのESSバッテリー用に変更し、稼働を開始。 |
| 12月 | SKオン | — | フォードとの合弁会社「ブルーオーバルSK」の合弁解消についてフォードと合意。合弁解消により、「ブルーオーバルSK」の工場のうち、テネシー工場はSKオンが、ケンタッキー第1・第2工場はフォードが、それぞれ運営する。SKオンはフォード以外の自動車メーカーへの販売やESS向け2次電池の生産が可能になる。 |
|
2026年 5月 |
SKオン | — | 従来のフォードとの合弁会社「ブルーオーバルSK」のテネシー工場を「SKオン・テネシー」に改組し、単独運営体制に入ったと発表。 |
注:1ウォン=約0.11円。
出所:各社プレスリリース、韓国メディア報道を基にジェトロ作成
| 地域名 | 出資形態 | 種類 | 稼働年月(予定を含む) | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| ミシガン州ホランド | 単独 | バウチLFP | 2025年6月 | 同社のコア拠点。EV向けと同時生産。 |
| テネシー州スプリングヒル | GMとの合弁 | パウチLFP | 2026年内 | 7,000万ドルを投じ、既存のEV向けラインをESS向けに転換。 |
| ミシガン州ランシング | 単独 | バウチLFP、角形LFP | 2026年内(パウチ型)、2027年内(角形) | EV向けと同時生産。 |
| オハイオ州ファイエット郡 | ホンダとの合弁 | パウチLFP | 2026年6月 | EV向けラインの一部を活用。建物をホンダの米国法人に売却。 |
出所:LGエナジーソリューション(2026年3月18日付プレスリリース)などを基にジェトロ作成
SKオンもESS向け電池へのシフトを進めている。「聯合ニュース」(2026年2月8日)は、「(同社は)ESS事業をポートフォリオのリバランスにおける中心に位置付け、中長期的な競争力強化に乗り出している。今年のESS受注目標は20ギガワット時(GWh)以上で、北米を中心に進める計画だ。2025年9月、米国企業と1GWh規模のESS供給契約を締結し、北米市場に進出した。2030年までに最大6.2GWhの追加交渉権も確保しており、供給量はさらに増加すると予想される」と報じている。
なお、SKオンはフォードとの合弁でケンタッキー州2工場、テネシー州1工場で2次電池を生産中・生産予定だった。しかし、最終的に両社は合弁事業を解消した。その狙いについて、同社は合弁事業解消が完了したことを伝えるプレスリリース(2026年5月21日)で、「SKオンはテネシー工場を単独で所有・運営することになった。一方、ケンタッキー州にある2つの工場は、フォードが所有・運営する。SKオンは、今回の合弁会社体制の終了により、約5兆4,000億ウォン規模の借入金負担が軽減されると見込んでいる。高金利環境を考慮すると、年間約1億8,000万ドルの利払い費削減効果が期待される。ケンタッキー工場に関連して発生していた年間約3,300億ウォン規模の減価償却費の負担も軽減される見通しだ。SKオン関係者は『今回の合弁会社体制の再編により、財務構造を強化し、米国内での生産・運営の効率性を高めることになった。新たに確保した単独生産拠点を基盤に、北米市場の変化に積極的に対応していく』と述べた」と紹介している。
この結果、SKオンは米国で(1)ジョージア州コマース(単独出資)、(2)テネシー州スタントン(同)、(3)ジョージア州バートウ(現代自動車グループとの合弁)に生産拠点(生産開始予定を含む)を有しており、現在のところ、(1)を中心にESS向け電池を量産する構図となっている。
サムスンSDIは、インディアナ州でステランティスとの合弁で2工場、GMとの合弁で1工場を運営、または建設中だ。同社は、安全性と耐久性が優れているとされる角型ESS向けバッテリーを前面に打ち出し、EV向け電池生産ラインの一部をESS向け電池生産ラインに転換することで、米国でのESS向け電池事業の拡大を図っている。同社はプレスリリース(2026年3月16日)で「米国の大手エネルギー専門企業とESS向けバッテリーの供給契約を締結した。契約規模は約1兆5,000億ウォンで、2029年までの4年間にわたり段階的に供給する予定。製品はインディアナ州にあるサムスンSDIとステランティスの合弁会社の工場で生産する」と紹介した。
さらに、「サムスンSDIは最近、再生可能エネルギー開発事業の拡大やAI産業の急成長などによりESS需要が大幅に増加している米国市場での地位を強化している。2025年末、米国のエネルギー関連インフラ開発・運営企業と2兆ウォンを大きく超える規模のESS向けLFP電池の供給契約を締結している」「サムスンSDIは現在、北米で唯一の非中国系の角形ESS向け電池メーカーで、パウチ型電池に比べて耐久性に優れた角形の利点に加え、火災安全性技術や信頼性などを前面に打ち出し、要求の厳しい米国のエネルギー企業を満足させ、比較優位性を認められている」と述べている。
以上のように、韓国の2次電池3社はESS向け生産にシフトし、活路を見いだそうとしているところだが、懸念材料も指摘されている。1つは、米国拠点を含む全社ベースで見ると、各社とも赤字基調に陥るなど、業績の不振が続いてきたことだ。「朝鮮日報」などを発行する「朝鮮メディアグループ」のオンライン経済メディアである「朝鮮ビズ」(2026年4月12日)は、2026年1月~3月期の営業収支が3社とも赤字だったことに関連して、「世界のEV市場の回復が鈍い中、新たな成長ドライバーとされるESS向け電池分野でも、まだ目立った業績改善効果を得られていない」「ESSを通じて業績が改善するまでには時間がさらに必要だとの見方が多い。生産ライン転換に伴うコスト負担が大きく、ESS向け2次電池はEV向け2次電池に比べて収益性が低いためだ」と報じた。(ちなみに、同年4月~6月期は3社とも営業黒字を確保した。今後の動向が注目される。)
別の懸念材料は、米国で2次電池工場が続々と立ち上がるため、供給過剰に陥る可能性がある点だ。格付け会社の韓国信用評価は2026年2月に「2次電池暫定実績分析」を発表した。その中で、「韓国の2次電池企業の米国における新規生産拠点の竣工(しゅんこう)が集中する。(EV向け、ESS向けを合わせた)川下分野の需要鈍化が続けば、供給過剰の懸念が現実化する可能性がある」としている。
拡大する米国市場の取り込みを狙うESS・電力インフラ関連韓国企業
米国では、AIデータセンター向け電力需要の拡大などを受け、太陽光発電の需要が拡大しており、関連分野で韓国企業が進出している(表3参照)。例えば、OCIホールディングスは2025年3月にテキサス州で太陽電池セル工場の建設を発表した。これに関連し、「ヘラルド経済」(2026年6月24日)は「米国ではAI産業への投資が積極的に行われているが、肝心の電力調達手段が不足しており、安価かつ迅速に電力を調達できる太陽光発電が注目されている」「(テキサス州の投資は)中国産の太陽光発電製品を排除しようとする米国政府の方針に対応した投資だ」と紹介している。一方、ハンファソリューションズQセルズ部門(ハンファQセルズ)は2026年6月、ジョージア州カーターズビル工場で太陽電池セルの量産開始を発表している。
また、前述のAIデータセンター向け電力需要の拡大に加え、再生可能エネルギーの拡大による需給調整ニーズの高まりやIRAによる普及政策などを背景に、ESSや電力インフラの需要が拡大しており、関連分野への韓国企業の進出が相次いでいる。
例えば、LSグループで電力設備を手がけるLSエレクトリックは、米国での事業拡大に向けて現地生産体制を強化している。同社は、ニューメキシコ州におけるデータセンター向け配電ソリューション供給契約締結を紹介したプレスリリース(2026年4月29日)で、「AI産業の拡大に伴うビッグテック企業のデータセンター投資拡大と、米国内の電力インフラ拡充需要が相まって、北米市場で大型プロジェクトを相次いで受注している」と述べた。その上で、「当社は、品質競争力と迅速な顧客対応力を武器に、北米市場での存在感を急速に拡大している。現地生産体制の強化にも拍車をかけている。ユタ州とテキサス州の拠点を中心にサプライチェーンを強化し、現地生産の割合を高めることで、納期競争力が大幅に向上する見込みだ」と紹介している。
LSグループは、このほか、LS電線がバージニア州で海底ケーブル工場を建設するなど、米国での生産拠点構築に注力している。「韓国経済新聞」(2026年6月27日、電子版)は同グループの副会長の発言として「(米国など)北米市場はAIデータセンター増設と老朽化した電力網の更新、再生可能エネルギーインフラ拡充で今後数10年間、持続的な成長が見込まれる」「米国事業にグループの全ての力を集中し、世界の電力・エネルギー産業の覇権を握る」と紹介し、米国事業に賭ける意気込みを報じている。
ちなみに、海底ケーブルについては、米国の「脱中国」の動きが追い風になっているとの見方もなされている。「ヘラルド経済」(2025年8月10日、電子版)は、「米国が『中国製海底ケーブル脱却』を宣言し、韓国企業がメリットを享受できるとの観測が出ている。低価格の中国製品が市場を掌握する可能性を排除できる」とした後、LS電線の工場建設について紹介している。
| 年・月 | 韓国企業名 | 投資額 | 概要 |
|---|---|---|---|
|
2025年 1月 |
ウリ金融グループ | 1億5,000万ドル | フランスの投資銀行ナティクシスと共同で、アリゾナ州とバージニア州のデータセンター計2カ所に出資。今後のデータセンター需要の拡大を見込む。 |
| HD現代エレクトリック | 1,850億ウォン | 米国政府の電力網強化 とデータセンター需要拡大を背景とした電力機器市場の拡大を受け、アラバマ州に第2工場を建設することを決定。これにより、超高圧変圧器の生産能力は最大で50%増強される。 | |
| 2月 | シンソンST | 144億ウォン | 2次電池部品製造を手がけるの社は、車載用・ESS(電力貯蔵システム)用電池コア部品の量産に向けた設備投資資金を確保する目的で、米国現地法人に追加出資。 |
| LSエレクトリック・サムスン物産 | — | 両社はエネルギー新事業推進のため共同出資法人「エナークレスト」を設立した。設立の目的は、サムスン物産の再生可能エネルギー開発を担う米国法人が推進している500MW級のバッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)事業の推進。 | |
| 3月 | 韓国南部発電など | 1億ドル | テキサス州の200MWh級大容量バッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)建設・運営に関する契約を締結。韓国側は韓国南部発電、韓国海外インフラ都市開発支援公社(KIND)、アルファ資産運用、KBIグループ、サムスン物産が参加。本事業が本格化すれば、韓国企業が設計・調達・施工(EPC)や2次電池供給を行う見通し。 |
| OCIホールディングス | 2億6,500万ドル | 太陽光事業子会社のミッションソーラーエナジーのテキサス州の敷地内に2GW(ギガワット)規模の太陽電池セル生産工場を建設する計画を発表。インフレ削減法(IRA)による8,000万ドル以上の税額控除に期待。 | |
| 4月 | LSエレクトリック | — | テキサス州バストロップ郡に建設していた生産設備の竣工式を開催。データセンターなど向けの低・中電圧配電システムの本格生産を開始。2030年までに2億4,000万ドルを投じ、生産規模をさらに拡大し、米国における「電力企業トップ4」入りを目指す。 |
| SKエターニックス | 174億ウォン | 再生可能エネルギー発電企業の同社は、電力販売企業のグリッド・フレックスに出資し、出資比率20%とした。米国ESS市場への参入を目指す。 | |
| LS電線 | 6億8,100万ドル | バージニア州チェサピーク市で世界最高の超高層生産タワー(VCVタワー)と港湾施設を備えた米国最大級の海底ケーブル工場を着工。同社はインフレ削減法(IRA)に基づき米国連邦政府から9,900万ドルの補助を受ける予定。2028年第1四半期の量産を目指す。韓国メディアは、本件が第2次トランプ政権発足後で初の韓国企業による大規模工場着工事例と報道。なお、LSグループの持ち株会社のLSは、同工場の建設費用に充当するためLS電線に追加出資。 | |
| 5月 | HD現代エレクトリック | — | テキサス州の電力需要拡大と米国関税政策の影響を考慮し、同州ダラスに新規法人を設立。バッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)事業の拡大を目指す。 |
| 6月 | ハンファソリューションズQセルズ部門(ハンファQセルズ) | — | ジョージア州に太陽光パネルのリサイクル施設を建設すると発表。フル稼働時には、年間で約250メガワット(MW)、約50万枚の太陽光パネルを処理し、アルミニウムやガラス、銀、銅などをリサイクルする。 |
| 8月 | LSグループ | 30億ドル | 2030年までにグループ各社合計で30億ドルを米国に投資する計画を発表。具体的には、LS電線の海底ケーブル・素材事業、LSエレクトリックの電力機器・ソリューション事業、米国現地法人SPSX(スーペリアエセックス )の巻線・通信事業など。 |
| 11月 | 韓中NCS | 291億ウォン | ESS部品を生産する同社は、ESS部品の生産ライン構築のため、米国法人に追加出資。 |
| 暁星重工業 | 1億5,700万ドル | 今後の米国の電力需要増加に伴う変圧器需要拡大を見越し、超高圧変圧器生産法人(テキサス州メンフィス)に追加出資。同工場の生産能力を2028年までに50%以上拡大し、米国内で最大規模とする。 | |
|
2026年 1月 |
韓国中部発電 | — | テキサス州コンチョ郡で太陽光発電所(出力350MW(メガワット)規模)を着工。2027年7月の商業運転開始を目指す。同社は海外再生可能エネルギー事業拡大の一環。 |
| LSエレクトリック | 1億6,800万ドル(今後10年間) | ユタ州の配電盤生産現地法人に追加出資し、生産能力を3倍に拡大する。AIデータセンター向け電力需要の拡大と老朽化した電力網の更新による米国の配電盤需要拡大を見越す。 | |
| 6月 | ハンファソリューションズQセルズ部門(ハンファQセルズ) | — | ジョージア州カーターズビル工場における太陽電池セルの量産開始を発表。これにより、太陽光パネル製造に必要な重要な部品全てを米国内で自社生産する垂直統合体制が確立した。 |
| 暁星重工業 | — | 同社の米国現地法人が、インフラエネルギーソリューションを営むクアンタ・サービシズ(テキサス州)の子会社とペンシルベニア州で合弁会社を設立。10月から72.5kV(キロボルト)~800kVの超高圧遮断器を生産する。 | |
| ガオン電線 | 5,000万ドル | ノースカロライナ州のAIデータセンター用送電ケーブル工場の生産能力を2倍に拡充。2026年10月以降、新規生産ラインが順次稼働予定。今後もAIデータセンター向け電力インフラ市場の成長に合わせ事業を拡大する予定。 | |
| LSエレクトリック | 2,500億ウォン | 配電盤などの電力機器工場(ユタ州シーダーシティ)の生産規模を現行の6倍に拡張する工事の起工式を開催。AIデータセンター建設と老朽化した電力網の更新需要により、米国の電力機器市場が拡大していることに対応する狙い。 |
出所:各社プレスリリース、韓国メディア報道を基にジェトロ作成
米国市場への参入を目指す韓国防衛関連企業
防衛産業では米国市場を取り込むべく、ハンファグループやLIGディフェンス・アンド・エアロスペースが米国に進出している(表4参照)。特に、ハンファグループは2025年5月、米国での防衛装備品受注拡大などを目的に、グループ企業のコントロールタワー設立を発表した。ついで、同年12月にハンファエアロスペースが現地法人経由で防衛装備品の生産・販売を行う現地法人を設立した。韓国メディア報道によると、弾薬とともに「K9自走砲」に使用されるモジュール型推進装薬(MCS)などを米国で生産する予定だ。
| 年・月 | 韓国企業名 | 投資額 | 概要 |
|---|---|---|---|
|
2025年 5月 |
ハンファグループ | — | 同グループの防衛産業3社(ハンファエアロスペース、ハンファオーシャン、ハンファシステム)の海外事業のコントロールタワーの役割を担う現地法人をワシントンに設立。 |
| 12月 | ハンファエアロスペース | — | 弾薬などの防衛装備品の現地生産・販売を目的に、デラウェア州に現地法人ハンファディフェンスUSAを設立。 |
|
2026年 1月 |
ハンファエアロスペース | 13億ドル | アーカンソー州ジェファーソン郡における弾薬工場建設に関する予備的合意書を、同社米国子会社と米国陸軍が締結。 |
| 4月 | LIGディフェンス・アンド・エアロスペース(旧LIGネクスワン) | — | 航空宇宙・防衛企業である同社は、初の米国現地法人を設立。米国の防衛市場の開拓を本格化する。 |
出所:各社プレスリリース、韓国メディア報道を基にジェトロ作成
- 執筆者紹介
-
ジェトロ調査部中国北アジア課
百本 和弘(もももと かずひろ) - ジェトロ・ソウル事務所次長、海外調査部主査などを経て、2023年3月末に定年退職、4月から非常勤嘱託員として、韓国経済・通商政策・企業動向などをウォッチ。





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