韓国企業の海外展開の今と新たな挑戦生産拠点は中・東欧に集中
韓国企業の欧州戦略(1)

2026年1月7日

韓国企業にとって、米国と中国が2大進出先ともいえる状況が続いてきた。しかし米国は、第2次トランプ政権による新たな関税措置の導入や産業政策の変更、中国は地場企業の競争力向上や一部産業の供給過剰といったように、両国における事業環境は厳しさを増している。米中に次ぐ第3の進出先である欧州における事業展開に対し、関心が高まっている。

本稿では、韓国企業の欧州進出をテーマに、2回に分けて紹介する。

第1回「生産拠点は中・東欧に集中」では、直接投資統計を軸に、今までの推移を概観するとともに、業種別、国・地域別の特徴をみていく。

第2回「チェコは自動車、ハンガリーは電池が集中」では、製造業の直接投資が集中している中・東欧3カ国(ポーランド、チェコ、ハンガリー)における韓国企業の進出の経緯や最近の事例などについて紹介する。

金融・保険業が欧州向け直接投資を牽引

近年の韓国の欧州向け直接投資(実行ベース、以下同様)は比較的高い水準で推移している(図参照)。投資額、新規法人数とも、2000年代後半に急増し、2010年代後半にさらに一段、増加している。2025年6月までの累計投資額は1,625億1,623万ドル、累計新規法人数は6,014社(表1参照)となる。全世界向け直接投資に占めるシェア(2025年6月までの累計ベース)をみると、累計投資額ベースでは北米(31.67%)、アジア(31.66%)、欧州(17.9%)の順、累計新規法人数ベースではアジア(65.0%)、北米(20.8%)、欧州(6.2%)となっており、欧州は韓国企業にとって、北米・アジアに次ぐ3位の進出先になっている。

図:韓国の欧州向け直接投資の推移
投資額は次のとおり、単位は100万ドル。1980年42、1981年2、1982年2、1983年13、1984年3、1985年39、1986年6、1987年8、1988年20、1989年19、1990年102、1991年177、1992年216、1993年176、1994年378、1995年647、1996年610、1997年539、1998年1,273 、1999年313、2000年317、2001年2137、2002年1082、2003年263、2004年740、2005年672、2006年1233、2007年4524、2008年3438、2009年5357、2010年6253、2011年4,447 、2012年4,235 、2013年5,474 、2014年4,290 、2015年3,505 、2016年5,281 、2017年7,349 、2018年12027、2019年14,738 、2020年10,325 、2021年12,366 、2022年15,710 、2023年11,045 、2024年14,366、2025年6,758 。新規法人数は次のとおり、単位は社。1980年58 、1981年1、1982年5、1983年2、1984年2、1985年4、1986年4、1987年13 、1988年19 、1989年17 、1990年25 、1991年45 、1992年39 、1993年34 、1994年59 、1995年78 、1996年79 、1997年78 、1998年43 、1999年50 、2000年72 、2001年81 、2002年76、2003年80、2004年110、2005年170、2006年188、2007年289 、2008年224 、2009年151 、2010年173 、2011年184 、2012年158 、2013年198 、2014年189 、2015年188 、2016年211 、2017年278 、2018年330 、2019年386 、2020年250 、2021年281 、2022年311 、2023年2803、2024年245、2025年256。

注1:「欧州」の定義は韓国輸出入銀行による。「欧州」に含まれる国・地域は表2を参照。
注2:1980年の値は同年までの累計。2025年は同年1~6月分。
注3:本統計は、新しい統計値の発表時に、過去に発表した統計値もさかのぼって更新される傾向にある点に留意が必要。
出所:韓国輸出入銀行データベース(2025年12月10日アクセス)を基にジェトロ作成

ついで、2025年6月末までの累計で、韓国の欧州向け直接投資を業種別にみると表1のとおり。累計投資額の構成比をみると、金融・保険業(35.9%)、製造業(20.9%)、不動産業(15.9%)の順で多く、これら3業種が欧州向け直接投資の主役になっている。それぞれ、次のとおり整理できる。

金融・保険業は、韓国の欧州向け直接投資を最も牽引した業種だ。韓国の欧州向け直接投資総額が最も多かった2022年は、金融・保険業が直接投資総額の45.8%を占めた。2番目に多かった2019年は41.4%、3番目に多かった2024年は54.1%を占めた。つまり、欧州向け直接投資が多かった年は、金融・保険業が全体の5割前後を占め、直接投資の主役となったことが分かる。次いで、金融・保険業を時系列でみると、2018年に46億5,448万ドルと、それまでの最高だった2017年(19億3,992万ドル)の2倍以上を記録した。2019年以降も40億ドル台から70億ドル台の高い水準が続いている。金融・保険業の内訳を業種小分類別にみると、「その他金融投資業」(ベンチャーキャピタル、資産運用会社など)、「その他、分類できない金融業」(P2P金融、プリペイドカード発行など) が多い。韓国投資公社、韓国年金公団、民間の投資会社各社が欧州で活発に投資を行っている。

2番目に多い製造業について時系列でみると、1983年以降、毎年投資実績が計上されている。特に2017年(9億3,144万ドル)以降急増し、2022年(43億3,923万ドル、前年比94.3%増)に過去最高を記録した。その後、減少に転じ、2023年は15億9,434万ドル、2024年は18億6,130万ドルになった。2023年に減少に転じた理由として、(1)半導体・二次電池などの投資が集中した2022年の反動減、(2)ロシアのウクライナ軍事侵攻、ドル安ユーロ高、ユーロ圏の金利上昇などの投資環境の悪化、(3)米国の産業政策対応目的の対米投資増加による投資余力の低下、などが挙げられる。とはいえ、2023年以降も、2017年以前に比べると、高い水準の投資が続いている。製造業の累計投資額構成比を業種中分類別にみると、特に投資が多いのは自動車・トレーラー(以下、「自動車」とする)製造業(6.3%)と電子部品・コンピュータ・映像・音響・通信装置(以下、「電子・電機」とする)製造業(3.1%)の2業種だ。つまり、これら2業種が、製造業における韓国企業の欧州向け直接投資の中心といえる。

3番目に多い不動産業について時系列でみると、2015年以降、10億ドルを超える水準が続いている。特に、2019年(44億3,783万ドル)と2024年(31億5,676万ドル)に投資額が多かった。ついで、不動産業の内訳を業種小分類別にみると、「非住居用建物賃貸業」(オフィスビル、ショッピングモール、工場、ホテルなどの賃貸)と「その他不動産賃貸業」(土地、ゴルフ場、発電所用地などの賃貸)が多かった。具体的には、イージス資産運用、韓国投資リアルアセット運用、KB資産運用、未来アセット資産運用をはじめとした資産運用会社などが欧州のオフィスビルなどに投資している。

表1:韓国の欧州向け業種別累計直接投資(~2025年6月末)(単位:100万ドル、社、%)
業種名 累計投資額 累計新規法人数
合計 構成比 合計 構成比
農業・林業・漁業 326 0.2 87 1.4
鉱業 10,441 6.4 54 0.9
製造業 33,978 20.9 1,923 32.0
階層レベル2の項目食料品製造業 399 0.2 68 1.1
階層レベル2の項目飲料製造業 346 0.2 11 0.2
階層レベル2の項目タバコ製造業 263 0.2 4 0.1
階層レベル2の項目繊維製品製造業(衣服を除く) 282 0.2 28 0.5
階層レベル2の項目衣服・衣服アクセサリー・毛皮製品製造業 615 0.4 65 1.1
階層レベル2の項目皮革、かばん、靴製造業 23 0.0 12 0.2
階層レベル2の項目木材・木工製品製造業(家具を除く) 24 0.0 18 0.3
階層レベル2の項目パルプ・紙・紙製品製造業 113 0.1 15 0.2
階層レベル2の項目印刷・記録媒体複製業 4 0.0 4 0.1
階層レベル2の項目コークス・練炭・石油精製品製造業 202 0.1 14 0.2
階層レベル2の項目化学物質・化学製品製造業(医薬品を除く) 2,208 1.4 132 2.2
階層レベル2の項目医療用物質・医薬品製造業 652 0.4 45 0.7
階層レベル2の項目ゴム・プラスチック製品製造業 1,786 1.1 67 1.1
階層レベル2の項目非金属鉱物製品製造業 81 0.0 25 0.4
階層レベル2の項目一次金属工業 1,696 1.0 59 1.0
階層レベル2の項目金属加工製品製造業(機械・家具を除く) 1,081 0.7 113 1.9
階層レベル2の項目電子部品・コンピュータ・映像・音響・通信装置製造業 4,963 3.1 267 4.4
階層レベル2の項目医療、精密、光学機器・時計製造業 486 0.3 132 2.2
階層レベル2の項目電気装置製造業 5,575 3.4 145 2.4
階層レベル2の項目その他機械・装置製造業 1,992 1.2 236 3.9
階層レベル2の項目自動車・トレーラー製造業 10,235 6.3 265 4.4
階層レベル2の項目その他輸送機械製造業 761 0.5 46 0.8
階層レベル2の項目家具製造業 16 0.0 9 0.1
階層レベル2の項目その他製品製造業 170 0.1 133 2.2
階層レベル2の項目産業用機械・装置修理業 3 0.0 10 0.2
電気・ガス・蒸気・空気調節供給業 3,946 2.4 77 1.3
水道・下水・廃棄物処理・原料再生業 758 0.5 13 0.2
建設業 3,570 2.2 238 4.0
卸売り・小売り 12,845 7.9 1,282 21.3
運輸・倉庫業 2,376 1.5 269 4.5
宿泊・飲食店業 328 0.2 123 2.0
情報通信業 4,339 2.7 338 5.6
金融・保険業 58,406 35.9 594 9.9
不動産業 25,808 15.9 320 5.3
専門・科学・技術サービス業 4,412 2.7 294 4.9
事業施設管理・事業支援・賃貸サービス業 466 0.3 271 4.5
公共行政・国防・社会保障行政 1 0.0 3 0.0
教育サービス業 5 0.0 22 0.4
保健業・社会福祉サービス業 292 0.2 11 0.2
芸術・スポーツ・余暇関連サービス業 194 0.1 35 0.6
協会・団体・修理・その他個人サービス業 22 0.0 37 0.6
不明 4 0.0 23 0.4
合計 162,516 100.0 6,014 100.0

注1:「欧州」の定義は韓国輸出入銀行による。「欧州」に含まれる国・地域は表2を参照。
注2:業種区分は大分類(製造業の内訳は中分類)別。
注3:数値は各期間の投資額・新規法人数の累計で、撤退などを反映したものではない。
注4:累計投資額は小数点以下を四捨五入したため、表の「合計」と各項目の合計値が一致しないことがある。
注5:本統計は、新しい統計値の発表時に、過去に発表した統計値もさかのぼって更新される傾向にある点に留意が必要。
出所:韓国輸出入銀行データベースを基にジェトロ作成

金融・保険業への投資の多い国・地域が上位にランクイン

2025年6月末までの欧州向け累計直接投資総額を国・地域別にみると、累計直接投資総額が最も多いのはルクセンブルクで、欧州全体の23.2%を占めている(表2参照)。時系列的にみると、ルクセンブルク向け直接投資が増えたのは2017年以降で、特に2021年以降は毎年、40億ドル台から60億ドル台の高い水準で推移している。業種別にみると、金融・保険業に投資が集中している。業種小分類別をみると、投資が集中しているのは「その他金融投資業」(ベンチャーキャピタル、資産運用会社など)、「その他、分類できない金融業」(P2P金融、プリペイドカード発行など) だった。未来アセット資産運用をはじめとした資産運用会社などが進出している。

2番目に累計投資額が多いのは英国だ。投資が多かったのは2010年前後と2010年代後半で、10億ドル台から30億ドル台で推移した。逆に、直近の2023年以降は10億ドル未満にとどまっている。業種別にみると、2010年前後は鉱業(特に、原油・天然ガス採掘業)や不動産が多かった。2010年代後半は金融業(「その他金融投資業」「その他、分類できない金融業」)が多かった。具体的には、韓国石油公社や国民年金が多くの案件に投資している。

3番目に累計投資額が多いのはオランダだ。オランダ向け直接投資は1990年代まではほとんどなかった。2000年代に入り、投資が行われるようになったが、年ごとの変動が大きく、はっきりした時系列的な傾向はみられない。特に投資額が大きかったのは2001年(15億6,910万ドル)と2013年(17億5,415万ドル)だ。2001年を業種小分類別でみると、その他音響機器製造業が全体の99%を占めた。これは、LG電子がフィリップスとブラウン管製造の合弁会社を設立したことに伴うものだ。他方、2013年は鉱業(鉄鉱業、原油・天然ガス採掘業)が全体の7割弱を占めた。これは、韓国石油公社、韓国ガス公社、SKエナジー、GSカルテックスなどがオランダの現地法人経由で、海外の資源開発に投資をしたことによる。

オランダに次ぎ、4位ガーンジー、5位アイルランドなど、金融・保険業への投資が多い国・地域が上位入りしている。

表2:韓国の欧州向け国・地域別累計直接投資(全業種、2025年6月末)(単位:100万ドル、社、%)(ーは値なし)
順位 国・地域名 累計投資額 累計新規法人数
合計 構成比 合計 構成比
1 ルクセンブルク 37,691 23.2 405 6.7
2 英国 24,211 14.9 705 11.7
3 オランダ 16,907 10.4 320 5.3
4 ガーンジー 9,653 5.9 69 1.1
5 アイルランド 9,500 5.8 62 1.0
6 ドイツ 9,024 5.6 978 16.3
7 ジャージー 8,915 5.5 90 1.5
8 ポーランド 6,901 4.2 429 7.1
9 フランス 6,220 3.8 405 6.7
10 ハンガリー 6,029 3.7 305 5.1
11 トルコ 3,832 2.4 229 3.8
12 ロシア 3,228 2.0 678 11.3
13 ベルギー 3,101 1.9 53 0.9
14 ノルウェー 2,298 1.4 29 0.5
15 チェコ 2,086 1.3 108 1.8
16 スペイン 1,913 1.2 143 2.4
17 オーストリア 1,558 1.0 68 1.1
その他の国・地域 9,452 5.8 938 15.6
合計 162,516 100.0 6,014 100.0

注1:累計投資額シェア1.0%以上の国・地域のみ掲載。
注2:その他の国・地域名は、累計投資額の多い順に次のとおり。スロバキア、スイス、イタリア、スウェーデン、ルーマニア、キプロス、ポルトガル、ウクライナ、ジョージア、アイスランド、フィンランド、デンマーク、ブルガリア、マルタ、クロアチア、マン島、スロベニア、セルビア、ラトビア、ギリシャ、フェロー諸島、ベラルーシ、アルバニア、リトアニア、アゼルバイジャン、アルメニア、エストニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、モルドバ、モナコ、北マケドニア、ジブラルタル、不明。
注3:数値は各期間の投資額・新規法人数の累計で、撤退などを反映したものではない。
注4:本統計は、新しい統計値の発表時に、過去に発表した統計値もさかのぼって更新される傾向にある点に留意が必要。
出所:韓国輸出入銀行データベースを基にジェトロ作成

製造業の直接投資は中・東欧に集中

ところで、製造業に限定して国・地域別累計直接投資額をみると、投資額上位の顔ぶれは大きく変わってくる。累計直接投資額が最も多いのはポーランド、2位はハンガリー、5位はチェコと、中・東欧諸国が上位に並んでいる(表3参照)。中・東欧諸国に投資が集中しているのは次の理由によるものだ。

製造業分野における欧州向け直接投資は、前述のとおり自動車と電子・電機が中心だ。このうち、電子・電機については次のとおり。韓国企業の家電製品の欧州向け輸出は1970年代に立ち上がった。1980年代になるとテレビなどの輸出を巡り西欧諸国との貿易摩擦が生じた。そのため、韓国企業は英国など西欧諸国で現地生産を開始した。ところが、西欧諸国の生産拠点は高コストによる業績不振に見舞われた。他方、当時の盧泰愚(ノ・テウ)政権は「北方外交」を展開、中・東欧諸国と国交を次々と樹立した。このような中、LG電子はポーランド、サムスン電子はハンガリーなどに生産拠点を移管するなど、韓国企業各社は西欧諸国の生産拠点を中・東欧諸国に移管した。

他方、自動車産業は状況がやや異なる。そもそも、現代自動車・起亜が海外現地生産を本格化させたのは1990年代末以降と、電子・電機企業に比べかなり遅い。欧州での現地生産開始年は起亜が2006年(スロバキア)、現代自動車が2008年(チェコ)だ。現地生産地の選定基準は生産コスト、地理的条件、現地政府のインセンティブなどだった。

なお、製造業の累計直接投資額3位のドイツについて業種中分類別にみると、自動車製造業(9億706万ドル)、その他機械・装置製造業(6億7,372万ドル)が多かった。それぞれ業種小分類別にみると、前者は完成車よりも自動車部品が多く、後者は油圧機器製造業が多かった。それでも、特定業種や特定年に直接投資額が突出することはなく、全般に投資が分散している。つまり、特定の企業の大型投資によって累計直接投資額が引き上げられたというよりは、比較的少額の投資案件が広い業種でみられたと考えるべきだろう。また、4位のオランダはドイツとは異なり、2001年に電子・電機に15億5,785万ドルの投資が計上されたことが製造業の累計投資額を大幅に引き上げている。これは前述のとおり、LG電子がフィリップスとブラウン管製造の合弁会社を設立したことに伴うものだ。

表3:韓国の欧州向け国・地域別累計直接投資(製造業、~2025年6月末)(単位:100万ドル、社、%)(ーは値なし)
順位 国・地域名 累計投資額 累計新規法人数
合計 構成比 合計 構成比
1 ポーランド 6,089 17.9 226 11.8
2 ハンガリー 4,995 14.7 159 8.3
3 ドイツ 2,854 8.4 345 17.9
4 オランダ 2,467 7.3 75 3.9
5 チェコ 1,864 5.5 56 2.9
6 ロシア 1,806 5.3 215 11.2
7 トルコ 1,778 5.2 105 5.5
8 英国 1,712 5.0 155 8.1
9 スロバキア 1,485 4.4 100 5.2
10 ルクセンブルク 1,465 4.3 17 0.9
11 オーストリア 1,372 4.0 16 0.8
12 ルーマニア 984 2.9 26 1.4
13 アイルランド 863 2.5 14 0.7
14 フランス 762 2.2 121 6.3
15 スイス 490 1.4 22 1.1
16 ポルトガル 453 1.3 17 0.9
17 イタリア 384 1.1 68 3.5
18 ベルギー 356 1.0 14 0.7
19 スペイン 336 1.0 42 2.2
その他の国・地域 1,465 4.3 130 6.8
合計 33,978 100.0 1,923 100.0

注1:累計投資額シェア1.0%以上の国・地域のみ掲載。
注2:その他の国・地域名は、累計投資額の多い順に次のとおり。ノルウェー、フィンランド、ガーンジー、スウェーデン、ウクライナ、デンマーク、ジャージー、クロアチア、ジョージア、セルビア、ブルガリア、スロベニア、アルバニア、リトアニア、ギリシャ、アルメニア、リトアニア、キプロス、マルタ、アゼルバイジャン、モナコ、ベラルーシ、エストニア、(以下、実績なし)マン島、モルドバ、北マケドニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、アイスランド、ジブラルタル、フェロー諸島、不明。
注3:数値は各期間の投資額・新規法人数の累計で、撤退などを反映したものではない。
注4:本統計は、新しい統計値の発表時に、過去に発表した統計値もさかのぼって更新される傾向にある点に留意が必要。
出所:韓国輸出入銀行データベースを基にジェトロ作成

米国の関税措置を受けて韓国企業が欧州事業をさらに強化するとの見方も

最後に、米国第2次トランプ政権の関税政策が韓国企業の欧州戦略に及ぼしている影響については、依然、評価できる時期ではない。米国の関税政策が欧州のマクロ経済にマイナスの影響を及ぼし得るといった悪材料もある半面で、これを機に、韓国企業が欧州事業を強化するとの見方もあるようだ。

例えば、「毎日経済新聞」(2025年4月4日、電子版)は、「『米国の関税を避けよう』、欧州を攻略する韓国の二次電池企業」と題した記事を掲載している。同紙は「韓国の二次電池企業は米国の相互関税賦課により北米市場が短期的に悪影響を受けるだけに、関税賦課の影響を回避するために、欧州現地生産品の競争力を高め、販売網を確保する方向に戦略を転換する見通し」と報じている。同紙は続いて、サムスンSDI(ハンガリーでの生産を強化)、LGエナジーソリューション(ポーランド生産拠点の遊休設備をESS用に転換)、SKオン(ハンガリー第3工場の生産能力引き上げ)の事例を紹介している。

韓国企業の欧州戦略

執筆者紹介
ジェトロ調査部中国北アジア課
百本 和弘(もももと かずひろ)
ジェトロ・ソウル事務所次長、海外調査部主査などを経て、2023年3月末に定年退職、4月から非常勤嘱託員として、韓国経済・通商政策・企業動向などをウォッチ。