中東・アフリカのグリーンビジネスの今折り畳み式コンテナでCO2排出削減に貢献(トルコ)

2023年9月22日

ログディ(LogD外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(トルコ語)は、プラスチック製折り畳み式コンテナを顧客企業に提供し、顧客企業の輸送用品の消費や運送による二酸化炭素(CO2)排出量を削減するトルコのグリーン運送部門のスタートアップだ。ジェトロは、CO2排出量削減に取り組むログディの事業と国内市場の現状について、創業者のセイハン・ギュルハン氏に聞いた(取材日:2023年8月18日)。


LogD創業者のセイハン・ギュルハン氏(右から2番目、本人提供)
質問:
ログディの事業概要は。
答え:
ログディは、小売りセクター向けにデザインしたプラスチック製折り畳み式コンテナを、ミルクラン(巡回集荷)方式(注)で顧客企業に提供し、それらコンテナの一括管理を行っている企業だ。折り畳み式コンテナを提供することで、顧客企業は段ボールや梱包(こんぽう)テープなどの運送用品の消費と運送によるCO2排出量を削減することができ、企業のCO2排出量削減目標達成に貢献している。また、運送準備時間の節約、運送中に発生する梱包への損害の予防などにもなり、企業のサステナビリティにも貢献する。
現在、トルコ全土でサービスを提供しており、トルコの小売りセクター大手30社のうち20社が当社の顧客だ。顧客の多くは、衣類・ファッション系の企業だが、家電販売店やホームテキスタイル企業にもサービスを提供している。
質問:
起業の背景は。
答え:
私は、小売りセクターの物流担当者・コンサルタントとして25年間働いた経験がある。その経験の中で、数回しか使えない段ボールや、梱包テープのような使い捨ての運送用品の無駄を何とかできないかと考え、2021年にログディを設立した。そして、環境保護と企業の物流オペレーションのサステナビリティを目標に、環境に優しい解決方法を調査し、1年間の準備期間を経て、再生可能な折り畳み式コンテナのデザインとその管理サービスを顧客企業に提供できるレベルにすることができた。
質問:
具体的なサービス内容は。
答え:
ログディは、提携する運送会社を通して、自社の折り畳み式コンテナを顧客企業に提供する。顧客企業は商品を積んだコンテナを、生産拠点(倉庫)から販売拠点(店舗)へ、自社のトラックまたは好みの運送会社を利用して移動させる。そしてログディは、オンラインのコンテナの追跡システムにより、提携運送会社経由で利用済みの折り畳み式コンテナを販売拠点(店舗)から回収して生産拠点(倉庫)に届け、コンテナの在庫調整を行う。このように、ログディの役割は折り畳み式コンテナの提供と回収で、運送業務自体は行っていない。
質問:
顧客のメリットは。
答え:
ログディのサービスによって顧客企業は、梱包、運送コストを圧縮させ、梱包用品の使用によるCO2排出量を削減することができる。折り畳み式コンテナの梱包作業も簡単で、時間と労働力を節約し、物流プロセス全体が効率化する。折り畳み式コンテナはリサイクル可能で、1箱を5~10年は利用できる。ログディの試算では、当社サービスを導入する顧客企業全体で2023年に約1,000トンのCO2排出量を削減し、8,000万リットルの水の消費が節約できる。その結果、各企業は物流オペレーションの効率を20~40%高め、運送コストは10~30%削減できる。また、顧客のサステナビリティレポート作成のために、ログディのサービス利用により削減したCO2排出量の算定にも協力している。小売りセクターにとっては、輸送用資材の保管スペースも非常に重要で、利用済みの折り畳み式コンテナを折り畳んで収納できることは、顧客にとって大きなメリットになっている。
質問:
トルコ国内の企業のカーボンニュートラルに対する意識は。
答え:
残念ながら、トルコ国内の企業は、物流によるCO2排出量削減に対する意識が低い。このため、従来通り段ボールや梱包テープなどの運送用品の使用を続け、コスト削減や環境に配慮しない企業が多い。これらの企業は、ログディのサービスに対して最初はポジティブな反応を見せないし、説得にも時間がかかる。我々の戦略では、ログディのサービスを試用してもらい、各企業にそのメリットを体験してもらうことで、実際のビジネスにつなげている。
他方、欧州とのビジネスがある小売りセクターでは、CO2排出量削減やカーボンニュートラルに対する意識が比較的高く、国内市場向けのビジネスが中心の企業とは意識が異なる。いずれにせよ、欧州とのビジネスでは、生産者、調達先を問わず、サステナビリティやカーボンニュートラルに対する意識を高める必要がある。現時点でログディの折り畳み式コンテナは輸出入には使われていないが、欧州への輸出はトルコ全体の輸出額の約42%を占めており、欧州の規制には対応せざるを得ない状況だ。そのため、欧州進出も視野に入れている。
執筆者紹介
ジェトロ・イスタンブール事務所 国際貿易専門家
エライ・バシュ
2009年6月にトルコのチャナッカレ・オンセキズ・マルト大学教育学部日本語教育学科を卒業。その後、大阪大学に留学し、2014年3月に言語文化研究科言語文化専攻博士前期課程を修了。2015年3月からジェトロ・イスタンブール事務所で調査担当として勤務。

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