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特集:2021年アフリカビジネスの注目ポイント新型コロナ禍でもプラス成長を維持、自動車産業などに注目(ガーナ)

2021年2月10日

ガーナでは2020年12月7日、大統領と国民議会の選挙が実施された(2020年12月14日付ビジネス短信参照)。

大統領が2期目の当選も、議会は与野党が拮抗

大統領選の結果について、選挙委員会は同月10日、新愛国党(NPP:New Patriotic Party)の現職アクフォ=アド氏が12人の対立候補を抑えて再選した旨を発表した。得票率はアクフォ=アド氏が51.6%、最大野党の国民民主会議党(NDC:National Democratic Congress)のジョン・マハマ氏が47.4%の僅差で、その他の候補者の合計が1%程度だった。

国民議会選挙では、275議席のうち、NPPとNDCが同数の137議席(前回よりNPP32議席減、NDC31議席増)、無所属1議席で、2大政党が同議席数となった。無所属議員はもともとNPP所属だったことから、NPPに同調姿勢を示しており、NPPが事実上138議席と、かろうじて過半数を獲得したと理解される。

しかし、選挙委員会の発表に対し、NDCのマハマ氏は不正や投票の書き換えが行われたとして反発し、最高裁判所へ提訴した。一方のNPPも、敗れた8議席について最高裁へ提訴し、選挙結果について混乱が続いている。

このような状況下、アクフォ=アド大統領2期目、4年間の政権運営が2021年1月から始まるが、議席数が拮抗(きっこう)していることから、議会運営が停滞する可能性もある。政党間の協力が不可欠な状況だ。

2021年もプラス成長を維持か

2017年から2019年にかけて、ガーナのGDP成長率は年6~8%台で推移し、高成長を達成してきた。2020年は第1四半期(1~3月)に4.9%を記録した。しかしその後は、石油価格の下落や新型コロナウイルス禍の影響などで、第2四半期(4~6月)はマイナス3.2%、第3四半期(7~9月)はマイナス1.1%となった。通年では0.9%と予測されており、コロナ禍で減速したものの、プラス成長を維持する見込みだ(ガーナ統計局)。

マイナス成長となった主な分野はホテル、車・日用品の販売・修理、製造業。プラス成長したのは、IT、教育、電力だった。通貨セディはドルに対し年間で3.93%の下落に抑えられている。しかし、新型コロナ禍対策などで支出が増え、2020年9月には公的債務がGDP比71%を記録するなど、マクロ指標は悪化している。2021年も新型コロナの影響や近隣諸国の経済状況も影響し、GDP成長率は1.4%と引き続き低成長にとどまると予想されている。

自動車政策やAfCFTAに注目

一方、ガーナは、フォルクスワーゲン(VW)をはじめ、トヨタや日産の組み立て製造工場の誘致に成功し、2020年はその発表が相次いだ。生産から10年以上経過した中古車の輸入を禁止する方針などにより、政府は新車の流通促進や自動車産業の集積を狙う。伝統的な産業であるココアと金に加えて、新たな産業として自動車産業を育成したいと考えだ。今後育成を図る産業としては、他に石油化学や鉄鋼、アルミニウム、ボーキサイトがある。

また、2020年8月にはアフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)の事務局がガーナに設置された。アクフォ=アド大統領はAfCFTAの推進に積極的で、国内産業の育成に生かしていく考えだ。AfCFTAは2021年1月から運用が開始された。ジェトロのアンケート調査によると、アフリカ進出日系企業はAfCFTAへの関心を高め、4割近くが今後の利用を検討している。この調査では、今後の注目国について、ガーナはアフリカ各国中5位だった(有効回答率19.5%)。注目した理由として、(1) 安定した政情・経済・法制度、(2) 比較的治安が良いこと、(3) 電力などのエネルギー開発や西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)のハブ、(4) 市場規模の拡大と将来の成長性、(5) 中間層の拡大、(6) 自動車政策の進展、などを挙げられるなど、日本企業の関心が高まっている。

執筆者紹介
ジェトロ・アクラ事務所長
関根 広亮(せきね ひろあき)
2003年、ジェトロ入構。ものづくり産業課、ジェトロ・ニューデリー事務所、ジェトロ地方事務所などを経て、2020年3月から現職。

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