特集 世界の知日家の眼 ― ジャパノロジスト、日本経済を展望する

日本経済の先行きに関し、少子高齢化や低成長などその行方を懸念する論調が少なからず見られる。一方、海外には、日本のポテンシャルを高く評価するジャパノロジスト(日本に関する有識者)の論調もある。この度、ジェトロでは海外ネットワークを駆使し、世界各地のジャパノロジストに対するインタビューを順次実施し、日本企業が新たな活路を見いだす方策、日本経済の将来展望、日本への期待など、“世界の知日家の眼”を通じた現地発レポートをお届けする。

2019年1月29日更新

相手国への関心を喚起し、双方向の交流を促進すべき(アラブ首長国連邦)

カルチュラル・エンジニアリング創立者
アハメッド・ビン・シャビブ氏 ほか

日本とUAEは歴史的な関係を有しているが、日本はその機会を最大限活用しているとは言えない。文化や観光、若者、中小企業などさまざまな面で双方向の交流を促進し、相手国への理解を深めていくべき。

デジタル技術がトレンドの今こそ日本型ものづくりを(タイその2)

AOTS同窓会会長
スチャイ・ポンパックピアン氏

タイは日本と歴史的な関係を持ち、日本のものづくりの精神が脈々と受け継がれている。日本企業はより多様で柔軟性のある経営を心掛けることによって、ビジネスチャンスの広がりが見込める。

日本市場を外国に開放し、海外に通じるビジネスモデルづくりを(タイその1)

元タイ財務相
タノン・ビダヤ氏

「日本型システム」は、非常に精緻に作りこまれているが、世界で受け入れられるとは限らない。日本型システムの良い部分を残しつつ、外国人が受け入れやすい形に変更を加える努力を惜しんではならない。

ルックイーストポリシー再興で、さらなる2国間関係の強化を期待(マレーシア)

マラヤ大学東アジア研究所准教授
ナスルディン・アキール氏

日本とマレーシアの経済関係は強固なものであるが、マハティール新政権にて再興したルックイーストポリシーによる教育分野での協力など、さらなる関係強化が期待される。

イノベーション力が日本経済の強み(フランスその2)

オレンジジャパンCEO
ジャン=ミシェル・セール氏

日本企業は資金力とイノベーション力という2つの切り札を利用して、グローバル市場で活躍している。フランスは改革により市場開放を進め、テクノロジー、インフラ分野の人材に強みがある。

自国市場の開放と、得意分野でのパートナーシップの推進を(フランスその1)

バレオ取締役、ATカーニー シニア・アドバイザー
パスカル・コロンバニ氏

日本が研究の創造性や製品の質を重視し、自国市場をより広く開放すれば、フランス企業にとっての投資先としての魅力が増す。日EU・EPAにより市場が開放され、お互いを知る機会になる。

ブラジルでも「オープンイノベーション」の取り組みに注目

サンパウロ大学工学部教授
ダリオ・ミヤケ氏、ダヴィ・ナカノ氏、エドゥアルド・ザンクール氏

ブラジルでも多国籍企業がスタートアップ企業と連携する場面が多くみられ、「オープンイノベーション」への取り組みが進んでいる。ぜひ日本企業にも注目してほしい。

日本にとってアフリカ域内での重要なパートナーであり続ける南ア

ステレンボッシュ大学教授
スカーレット・コーネリセン氏

2019年に横浜で開かれるTICADⅦでは、これまでのTICADプロセスや支援実績に基づき、長期的な観点から対アフリカ政策に関する議論をしてほしい。

日本は世界に向け、改めて自由貿易の重要性の発信を(米国)

ブルッキングス研究所 東アジア政策研究センター共同所長兼上級研究員・日本部部長
ミレヤ・ソリス氏

世界的にポピュリズムが台頭し、米国の通商政策が保護主義に傾倒する中、世界に向けて改めて自由貿易の重要性を発信し、推進していくことが必要である。

両国企業のスキルやノウハウの融合が重要(オーストラリア)

豪日経済委員会(AJBCC)CEO
デービッド・ジェイコブズ氏

オーストラリアきっての知日派が、ロボット、メディテック・医療、ブロックチェーン、エネルギー、通信などでの、日本とのビジネス協力を語る。

日本の発展には絶え間ないイノベーションが必要(コロンビア)

元駐日コロンビア大使、インコルモトス・ヤマハ会長
フランシスコ・ホセ・シエラ氏

駐日コロンビア大使も務めた知日家が語る。日本はアジアの中心として、絶え間ないイノベーションでさらなる発展を遂げる。

日本の高齢化社会への対応に注目(ベルギー)

エグモン・ベルギー王立国際問題研究所、欧州政策センター(EPC)共同研究員
ブルーノ・ヘレンドルフ氏

日本は高齢化が進んでいるが、EU諸国も同様で、日本の高齢化に対する研究開発の結果は今後、EUの良い参考になる。

日本経済の見通しに肯定的も高齢化を懸念(米国)

アトランタ連邦準備銀行調査エコノミスト兼シニア・アドバイザー
アントン・ブラウン氏 ほか3名

全米で最も勢いのある都市のひとつであるアトランタで、エコノミスト、銀行家、ビジネスパーソンとして活躍する知日派にそれぞれの立場から見た日本の現在について意見を聞いた。

日本企業によるインフラ投資に期待
(パキスタン)

パキスタン・日本ビジネスフォーラム事務局長
カリム・ファルーキ氏

パキスタンでの発電は利益率も高く、チャンスの大きい事業であるため、日本企業にはもっとインフラビジネスを拡大してほしい。

日本経済は「アベノミクス景気」継続で安定(中国)

中国社会科学院日本研究所副所長・研究員(教授)
張季風氏

日本は株価、為替ともに安定しており、実質GDP成長率も先進国としては高いことなどから、日本人は自国の経済にもっと自信をもつべき。

インドは日本から企業文化など多くを学ぶ必要

元インド工業連盟最高顧問
タルン・ダス氏

日本式のものづくりや企業精神、ビジネスの手法がインドでも広がっていくことを望む。日本へのインド技能人材の呼び込みには工夫を。

信頼構築で、日本のサービス精神の浸透を(シンガポールその2)

シンガポール日本文化協会会長(横河電機アジア元社長・会長)
ライ・アーキョウ氏

日本企業が海外ビジネスで成功するには、地元との信頼を構築した上で、日本人が持つサービス精神や美感をローカル社員に浸透させることだ。

変革こそグローバル競争で勝ち残るカギ
(シンガポールその1)

エンタープライズ・シンガポール シニアアドバイザー
チュア・テック・ヒム氏

日本がグローバル競争で生き残るには、大企業がいかに「トランスフォーメーション(変革)」していくかが重要。

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