特集:分断リスクに向き合う国際ビジネス 日英シンガポールなどで国際基準に基づくESG情報開示基準整備へ
EUでは独自の詳細なESG情報開示基準の策定が進む

2023年9月5日

気候変動対策や持続可能な開発目標(SDGs)の実現に向けた動きがグローバルに進展する中で、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(ガバナンス、Governance)への影響を考慮するESGへの企業の取り組みが加速している。ESGは、企業がサステナビリティ(持続可能性)の実現に向けた、取り組むべき主要課題だと考えられている。中長期的な視点で企業価値を評価する際に、ESG要素を含む事業活動のサステナビリティを考慮することが重要であるという認識が、幅広い投資家の間で広まってきている。また、上場企業を中心に、投資家を含むステークホルダーへの説明責任の観点から、ESG課題への取り組みを加速させ、情報開示を充実させる動きが広まっている(注1)。

EUではCSRDが発効、ESRS委任規則案が発表

EU では、欧州グリーン・ディールにおける持続可能な資金調達に関する政策パッケージの一環として、欧州委員会が2021年4月に発表した企業持続可能性報告指令(CSRD)案が2022年11月に正式承認された(2022年12月1日付ビジネス短信参照)。同年12月6日にEU官報に掲載され、2023年1月5日に発効した。これにより、EU加盟国は2024年7月6日までの国内法制化を義務付けられた。

CSRDの適用対象は大企業(注2)と全ての上場企業(零細企業(注3)を除く)。対象企業は子会社レベルでの情報評価についての責任も課せられる。日本企業を含むEU域外企業に対しては、EU域内での純売上高が1億5,000万ユーロ超あり、EU域内に特定の閾値(しきいち)(注4)を超える、少なくとも1社以上の子会社か支店を有する場合、適用対象となる。これらの対象企業は、従来の非財務情報開示指令(NFRD)を改正し、CSRDで定義するESGの影響に関する報告の提供(情報開示)を求められる。CSRDでは、ESGを含む持続可能性の関連事項が企業に与える影響だけでなく、企業が持続可能性の関連事項について与える影響についても報告を求めている。ESG 情報の信頼性確保などの課題に対応し、(1)企業の説明責任の向上、(2)投資家が必要な情報の開示促進、などを図ることが目的。同報告は認定を受けた独立監査機関、または認証機関による監査を受ける必要がある。EU域外企業の報告は、EUの監査機関、あるいはEU域外に設立された監査機関、のいずれかの監査を受けなければならない。CSRDの適用は表1で示した4段階で実施される。

表1:CSRDの適用開始時期と対象
時期 対象
2024会計年度 改正前のNFRDの対象企業
2025会計年度 NFRD対象以外の新規大企業
2026会計年度 上場中小企業(零細企業を除く)、複雑でない信用機関、キャブティブ保険会社
2028会計年度 EU域外企業

出所:企業持続可能性報告に関する欧州議会・理事会指令(EU)2022/2464から作成

CSRDでは、企業が設定した持続可能性に関連した目標や、その達成に向けた進捗状況、持続可能性に関する管理・経理・監督機関の役割、企業の方針、実施されたデューディリジェンス、リスク管理など広範囲にわたる報告要件を設定した。報告要件に基づく、具体的な開示基準は欧州持続可能性報告基準(ESRS)により別途規定され、対象企業はESRS に基づく開示が必要となる。欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)が2022年4月にESRSの草案を公表、8 月8 日までの公開諮問を踏まえ、同年11月23日に12のESRSで構成される全セクター共通の横断基準案を欧州委員会に提出したと発表した。同基準案に基づき、欧州委員会は2023年7月31日、持続可能性報告基準に関するEU 会計指令(2013/34)を補足する欧州委員会委任規則の最終案を発表した(2023年8月3日付ビジネス短信参照)。同規則案は今後、EU理事会(閣僚理事会)と欧州議会に送付され、最長で4カ月の審議期間を経て、いずれかの機関が否決しない限り成立し、2024年1月から適用される見通しだ。

なお、欧州委員会は2023年6月9日に、4週間の意見公募のため、同規則案を「Have Your Say」ポータルで既に一度公表していた。同ポータルは、企業や非政府組織を含めた全ての国民に対し、立法プロセスの重要な段階での欧州委員会の取り組みについて共有し意見を求めるオンラインプラットフォームで、EUの政策決定の質を高めることを目的としている。

ESGをカバーするESRSは項目別に12の基準で構成

委任規則案の付属書1によると、ESRSは、横断的基準、トピック別基準(環境、社会、ガバナンスの各基準)、セクター別基準、の3つのカテゴリーで構成される。同付属書には、全セクターにおいて共通で適用される横断的基準とトピック別基準に関する12の基準の詳細が規定されている(表2参照)。

ESRS1の全般的要求事項は、特定の開示要件を規定するものではなく、ESRS基準の構造を示すもので、規則案や基本概念を説明し、ESRSに基づく報告の際に適用される一般原則を規定する。ESRS2の全般的開示事項は、ガバナンス、戦略、影響、リスクと機会の管理、指標と目標に関する全ての重要な持続可能性事項について、一般的なレベルで企業が提供すべき開示必須事項を規定する。

CSRD対象企業は、全般的開示事項(ESRS2)のほかに、ダブルマテリアティ(注5)の原則に基づく重要性評価の結果に応じて、自社のビジネスモデルや企業活動に関連のあるトピック項目を所定の基準に従って特定し開示することが求められる。また、一部開示項目が任意となるほか、従業員が750人を超えない企業およびグループは、1年目、あるいは最初の2年間は特定の開示項目を省略できる特別な救済措置が導入されている。

続いて、欧州委員会はESRS第2弾となるセクター別基準や中小企業向け基準、EU域外企業向け基準の最終案を2024年6月末までに委任法として策定、発表する予定としている。

表2:ESRSの体系(2023年7月31日時点)
構成 ESRS トピック項目 サブ項目
横断的基準 ESRS1 全般的要求事項 -
ESRS2 全般的開示事項 -
環境(E) ESRS E1 気候変動
  • 気候変動への適応
  • 気候変動の緩和
  • エネルギー
ESRS E2 汚染
  • 大気汚染
  • 水の汚染
  • 土壌汚染
  • 生物・食料資源汚染
  • 懸念物質
  • 高懸念物質
  • マイクロプラスチック
ESRS E3 水と海洋資源
  • 海洋資源
ESRS E4 生物多様性と生態系
  • 生物多様性損失の直接的影響要因
  • 種の状態への影響
  • 生態系の範囲と状態への影響
  • 生態系サービスへの影響と依存
ESRS E5 資源利用と循環型経済
  • 資源の利用を含む資源流入
  • 製品・サービスに関する資源流出
  • 廃棄物
社会(S) ESRS S1 自社の従業員
  • 労働条件
  • 全ての人に平等な待遇と機会
  • その他の労働に関する権利
ESRS S2 バリューチェーンにおける
労働者
  • 労働条件
  • 全ての人に平等な待遇と機会
  • その他の労働に関する権利
ESRS S3 影響を受けるコミュニティ
  • コミュニティの経済的、社会的、文化的権利
  • コミュニティの市民的、政治的権利
  • 先住民族の権利
ESRS S4 消費者と最終利用者
  • 消費者および/または最終利用者に対する情報関連の影響
  • 消費者および/または最終利用者の個人の安全
  • 消費者および/または最終利用者の社会的包摂
ガバナンス(G) ESRS G1 事業活動
  • 企業文化
  • 内部告発者の保護
  • 動物福祉
  • 政治的関与
  • 支払い慣行を含むサプライヤーとの関係管理
  • 汚職・贈収賄

注:-はサブ項目なし。
出所:持続可能性報告基準に関するEU会計指令(2013/34)を補足する欧州委員会委任規則案の附属書1から作成

米国では気候変動関連開示規則が2023年10月に最終化する可能性も

米国では、証券取引委員会(SEC) が2022年3月21日、米国で上場する企業に対して、気候変動に関連するリスクと温室効果ガス(GHG)排出量などの開示を求める規則案を発表(2022年3月23日付ビジネス短信参照)、広く一般からの意見公募を経て、企業規模に応じて、早ければ2023会計年度から段階的に適用開始できるよう規則の最終化を目指してきた。2023年6月時点の情報では、最終決定は同年10月ごろになる可能性が高いとみられている。EUで企業における気候変動リスクの開示ルール整備が進む中、米国において同様の開示ルールがなかったことに対応した動きとなる。同規則案では、上場企業に対して、気候変動リスクが及ぼす事業活動や財務への影響や同リスクに対する経営管理体制、GHG削減に向けた計画などの開示を求めている。GHG 排出量の開示に関しては、一般にスコープ1 と呼ばれる自社の排出量に加え、スコープ2と呼ばれる電力やそのほかのエネルギーの使用による間接的な排出量も含めた開示を求めている。ただし、スコープ3と呼ばれる取引先など自社のサプライチェーン全体の排出量に関しては、それが企業にとって重要と判断する場合や企業が排出削減量目標を設定している場合に開示対象となるとした。なお、中小企業に関しては、スコープ3開示の対象外とするとしている。なお、米国最高裁が2022年6月30日に「発電所のGHG 排出規制に関して、連邦政府(環境保護庁)に包括的な規制権限はない」と判断を下したことから、今回の開示規則案のような、経済的・政治的に重大な影響を及ぼしうる包括的な規制権限を議会はSECに与えていないとする意見も出ており、規則の最終化に影響を与えている。

このように、EU、米国を中心に、主に大企業や上場企業を対象に、ESG情報開示を義務付けるルール整備が着々と進行しており、企業経営にとって、ESG を意識した取り組みは一層重要になっている。

ISSBによる新サステナビリティ開示基準が2023年6月に公表

ここまでEU、米国を中心にESG情報開示のルール整備の動きをみてきたが、全世界で企業のESG への取り組みを重視する投資家が増えており、企業の価値評価において、透明性の高いESG 情報開示への期待が高まっている。

一方で、現在のESG 情報の開示環境は、開示基準の乱立(注6) や国・地域による法制の違いなどの差異が存在し、企業評価を行う投資家や対応する企業の双方にとって負担が増加している。こうした課題を解決するために、国際的な会計基準設定機関である国際財務報告基準(IFRS)財団は2021年11月3日、投資家の情報ニーズを満たすサステナビリティ開示基準の包括的なグローバル・ベースラインを開発するための国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)を設立した。IFRS 財団は2022年1 月31日にカーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(CDP)から気候変動開示基準委員会(CDSB)を統合、同年8月1日に価値報告財団(VRF)(注7)を統合するなど、主要な基準設定機関の統合・調整作業を進めてきた。続いて、IFRS財団とグローバル・レポーティング・イニシアチブ(GRI)は2022年3年24月、ISSBとグローバル・サステナビリティ基準審議会(GSSB)11の作業プログラムの調整を図るための協力協定の締結を発表した。

ISSBは公共の利益のために、IFRS サステナビリティ開示基準を策定するとし、2022年3月31日、全般的な要求事項基準である「サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全般的要求事項(S1)」と、テーマ別の要求事項である「気候関連開示(S2)」および「産業別開示要求(S2付録B)」の公開草案を公表した。同年7月29日までの意見公募を経て、ISSBは2023年6月26日、最初のサステナビリティ開示基準となるIFRS S1とS2を公表した。資本市場にサステナビリティ開示のグローバル・ベースラインを提供し、一貫性があり、比較可能で、高品質のサステナビリティ報告を可能にするとしている。

全般的要求事項(S1)では、投資家に企業価値に関する評価に重要な全てのサステナビリティ関連情報の開示を要求するとともに、重要性に関する定量的な閾値は設けず、経営者に対して重要性の判断を要求している。各サステナビリティ項目は、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言と整合性のある「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4つの構成要素から開示を要求する内容となっている。また、重要なサステナビリティ関連のリスクと機会の特定には、個別のIFRSサステナビリティ開示基準がない場合、サステナビリティ会計基準審議会(SASB)基準やCDSB フレームワーク・ガイダンスを優先的に考慮するよう求めている。

気候関連開示(S2)では、企業が気候変動によって直面するリスクや利用可能な機会に焦点を当て、TCFD提言の4つの構成要素(ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標)に基づき、TCFDの開示要件から一部追加あるいは詳細化した形で、情報開示要件を設定している。また、開示範囲は、気候変動による物理的リスクと、低炭素経済への移行に伴う移行リスク、気候変動の緩和と適応の取り組みによりもたらされる機会、となっている。

日本はISSBに準拠する国内基準を2025年3月末までに策定

ISSBの基準適用は2024年1月以降の年次報告書から可能となるが、採用するかどうかは各国の判断に委ねられている。日本ではISSB基準を参照した国内基準を開発する予定。公益財団法人財務会計基準機構(FASF)が2022年7月1日、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)を設立、ISSBにおけるサステナビリティ開示基準の策定動向を踏まえつつ、日本における具体的な開示内容の検討を進め、2023年1月18日にS1基準とS2基準に相当する国内基準の開発プロジェクトを開始した。SSBJは2023年8月3日に発表した「現在開発中のサステナビリティ開示基準に関する今後の計画」の改訂PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(292KB)で、ISSBによるS1基準とS2基準の確定基準に相当する、日本版S1基準とS 2基準の公開草案を2023年度中(遅くとも2024年3月末まで)に公表し、2024年度中(遅くとも2025年3月末まで)に確定させる目標を明らかにした。この目標どおりに日本版S1基準とS2基準の確定基準を公表した場合、確定基準公表後に開始する事業年度(遅くとも2025年4月1日以降に開始する事業年度)(注8)から早期適用が可能となる予定。

EUでは、既述したESRSの委任規則案において、国際的な持続可能性に関する開示基準のGRIスタンダードや、ISSB基準と高い水準での調整がなされており、特に気候変動に関しては、ESRSに基づいて開示すべき情報は、ISSB基準に基づく開示情報と大部分で一致するとしている。

英国はISSB基準に基づくUK-SDSを2024年7月までに策定

英国政府は2023年8月2日、ISSB基準に準拠した英国サステナビリティ開示基準(UK-SDS)策定に向けた枠組みを発表した(2023年8月14日付ビジネス短信参照)。UK-SDSは、企業のサステナビリティに関するリスクと機会の開示を規定して、将来的な同国内のサステナビリティ開示に関する法規制の基礎になるとされ、2024年7月までの策定を目指している。ISSB基準に基づく比較可能なサステナビリティ関連情報の開示により、投資家の投資判断を支援し、効率的な資源配分や英国資本市場の円滑化を促すとしている。今後、IFRS S1、S2の評価と採択要否についてビジネス・通商相による承認手続きが行われ、2024年7月までにこれら基準に対応したUK-SDSが策定される見込み。

また、英国政府はISSB基準の評価・承認手続きとUK-SDS策定にあたり、英国サステナビリティ開示技術諮問委員会(TAC)とサステナビリティ開示政策実施委員会(PIC)を設置した。TACは2023年7月19日から10月11日までIFRS S1、S2の英国への適合性に関する意見公募を行っている。ISSB基準に基づく開示が、投資家に理解しやすく適切で比較可能なものか、技術的に可能か、一般的な決算書と同時に適宜準備可能か、コストに見合う利益を生むかという点から意見を募集している。

シンガポールはISSB基準に沿った気候変動関連情報の開示を義務付け

シンガポール政府は全ての上場企業に対し、ISSB基準に沿った気候変動関連の情報開示を2025会計年度(2025年1月1日以降に開始する事業年度)から義務付ける方針を示している。また、売上高が10億シンガポール・ドル(約1,050億円、1Sドル=約105円)以上の非上場企業に対しても、2027会計年度から同情報開示の義務付けを検討している。会計企業規制庁(ACRA)とシンガポール取引所(SGX)の子会社SGXレギュレーションは2023年7月6日、気候変動関連の情報開示義務案に関する一般からの意見公募を9月末まで実施している(2023年7月11日付ビジネス短信参照)。

また、報告義務への対応の時間的猶予を与えるため、スコープ3と呼ばれる取引先など自社のサプライチェーン全体の温室効果ガス(GHG)の排出量の報告については、上場企業・発行体に対して2026会計年度から義務付ける。また、10億Sドル以上の売上高の非上場企業のスコープ3排出量について、2029年会計年度から報告を義務付けるとしている。

なお、シンガポールでは、2023会計年度から段階的に、SGXに上場する5つの優先分野の企業に対して、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に基づく気候変動関連の情報開示を義務付けている(注9)。同5分野以外の上場企業については、情報開示義務を順守または、順守しない場合には説明(Comply or Explain)を求めている。

台湾では、金融監督管理委員会(FSC)が2023年8月17日、ISSBによるIFRS S1とS2基づく開示を2026年から段階的に義務化すると発表した。

そのほか、アフリカでも、ナイジェリア、ジンバブエ、ガーナにおいて、ISSBよるIFRS S1とS2の早期採用の意向が示されている。加えて、カナダでも採用する意向が示され、またオーストラリアでもS2に基づく気候関連情報開示基準を策定する意向が示され検討が進められている。


注1:
ジェトロ世界貿易投資報告2023年版 第IV章 持続可能な社会を目指す政策とビジネス 第1節 持続可能な社会に向け進展するルール形成と主要国・地域の政策PDFファイル(2.15MB)も参照されたい。
注2:
(1)総資産額2,000万ユーロ超、(2)純売上高4,000万ユーロ超、(3)従業員数250人超、のうち、2つ以上の条件を満たす企業。
注3:
(1)純資産額35万ユーロ、(2)純売上高70万ユーロ、(3)従業員10人、のうち、2つ以上の条件を超えない企業。
注4:
EU子会社が大企業、もしくはEU域内上場企業(零細企業を除く)に該当するか、EU 支店がEU域内おいて純売上高4,000万ユーロ超であること。
注5:
「環境や社会が企業に与える財務的な影響」と「企業活動が環境や社会に与える影響」の双方から重要性を検討すべきという考え方。
注6:
ジェトロ世界貿易投資報告2022年版 第Ⅳ章持続可能な社会を目指す政策とビジネス 第1節「世界の主要政策とルールPDFファイル(1.4MB)」3頁および図表Ⅳ-4 。
注7:
国際統合報告フレームワーク(IIRC)とサステナビリティ会計基準審議会(SASB)が2021年6月9日に合併し、VRFを設立。
注8:
確定基準公表後に終了する事業年度とすべきとの意見もあり、今後、SSBJにおいて審議する予定としている。
注9:
2023会計年度から、(1)金融、(2)農業、食品、森林、(3)エネルギーの分野の上場企業・発行体について、気候変動関連情報の開示が義務付けている。また、2024会計年度から、(4)資材、建築、(5)輸送分野の上場企業・発行体に対し、気候変動関連情報開示が義務付けられる予定。
執筆者紹介
ジェトロ調査部 主任調査研究員
田中 晋(たなか すすむ)
1990年、ジェトロ入構。ジェトロ・パリ事務所、ジェトロ・ブリュッセル事務所次長、欧州課長、欧州ロシアCIS課長などを経て現職。著書は「欧州経済の基礎知識」(編著)など。