特集:主要国・地域の越境EC ドイツの越境EC

2017年12月20日

日本からの売れ筋商品

アマゾン・ドイツ(AMAZON.DE)に出店する在日の日本企業A社では、売れ筋商品に関し、玩具、生理用品、文房具、美容関係雑貨などで約120商品を出品しているが、中でもボールペン関連はよく売れている。

越境ECの課題

アマゾン使用の際の課題は“物流”面と、“関税・通関”面である。物流面では、価格競争が激しいことからコスト削減のため、追跡番号無しで荷物をドイツへ送付(価格が上がり過ぎてしまうため、追跡番号有りでの郵送はできない)。「荷物が届かない」と、クレームが入ってもどこにあるか答えることができず、そのため都度返金している(日本国内の同業他社も追跡番号無しで郵送)。一方、関税・通関面では、関税では独占販売権を持っている商品は扱っていないため、ドイツ側でどの商品にいくらの関税が掛かるか把握しきれていないのが現状。特に新規出品時、ドイツの顧客のもとに商品が届いた際、関税が請求されて初めて発覚するケースが多々ある。赤字になることもあるが、細かく調査している時間がもったいないので必要経費として割り切っている。また、顧客側にて関税が発生した際は、都度顧客に返金している。以前は関税が発生するかもしれない旨をアマゾンのアイテム欄に記載することができたが、今は規約変更がありできなくなった。通関を通過できないケースは少ないが、まれに、日本にそのまま返送されてくることがある。

ドイツ国内でA社がVAT番号を取得していないため、アマゾン・ドイツの国内倉庫を利用できない。そのため、注文が入る都度、日本からドイツの顧客宛てに郵送しているので、余計な人件費が掛かっている。

ドイツにおける越境ECの市場動向と制度

ドイツにおける越境EC市場動向
日本からの出品を可能にしている主なECサイト
  • アマゾンドイツ
  • オットー(Otto)(ドイツ地場)
主要ECサイトにおける販売上位品目(=売れ筋)
  • 2016年のEC売り上げは527億4,100万ユーロ(うち、衣料品が111億6,500万ユーロ、電気製品・通信製品が87億4,500万ユーロ。この2つのカテゴリーで4割弱を占める。以下、PC関連、靴、書籍、家具・インテリア類と続く)。
(出所)BEVH (The German E-Commerce and Distance Selling Trade Association)
越境EC利用の際の主な決済システムの利用割合
  • 銀行引き落とし(32.4%)
  • 電子決済・送金(26.4%)
  • 請求書払い(19.6%)
  • クレジットカード(15.7%)
(注)その他を含めると100%。購入金額ベースではなく、ECサイト全体での決済回数ベースでの利用割合。
(出所)BEVH
ドイツにおけるEC(越境EC含む)に関する制度
国内規制 (1)データ制約に関する規制の有無
  • General Data Protection Regulation (GDPR)~個人情報の取り扱いや移転について定めたもの。
(注)ドイツでEコマース実施に際し、国内にサーバーを設置する必要があるとの法律は確認できていない。
(2)規制取扱商品
  • ドイツの小売規制に準拠。
  • 有機食品を取り扱う場合(有機をうたう場合)、認可・登録が必要。
  • 医薬品のオンライン販売についても認可制。
  • ドイツで実店舗を有することも必要。
(3)その他のEC販売に関連する規制
  • DIRECTIVE 2011/83/EU
  • REGULATION (EC) No 1186/2009(少額取引における関税)
  • DIRECTIVE 2009/132/EC (少額取引におけるVAT)
など。
小口配送に関する税制や輸入手続き関連制度(上のメリット)の有無と販売への影響
  • 特に無し。

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ジェトロ海外調査部

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