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2011年、高級ファッションブランドの並ぶサントノレ通りにオープンした、ホテル・マンダリンオリエンタル。2013年には「パラスホテル」に認定され、リッツ・パリやプラザ・アテネに並ぶパリの最高級ホテルの一つとなった。有名シェフ、ティエリー・マルクス氏のレストランがあるホテルとしても注目されている。

マルクスシェフは、メインダイニングの「シュール・ムジュール」(ミシュラン2つ星)のほかに、カジュアルレストラン「カメリア」、バー「8」、そして今年エントランスホール脇に設けられたベジタリアンカフェ「ロノレ」の、すべての料理を監修する。

柔道黒帯であり、大の親日家としても知られるマルクスシェフは、日本文化と日本料理への敬愛を隠さない。厨房では菜箸を使い、季節ごとに変わるメニューにも日本の要素を含んだ料理が必ず登場する。「シュール・ムジュール」では、料理を進化させると定評の高いマルクスシェフらしさを発揮した前衛的料理を供し、「カメリア」では洗練されたフランス伝統料理を供している。

豚肉のスペアリブわさびソース添えは、豚バラ角煮のような一皿。酒と醤油で煮込んだバラ肉の骨を丁寧に外し、その窪みに大葉を練り込んだ鳥のムースを詰め、もう一度全体を焼き上げて完成させる。表面を白ごまと黒ごまで覆い、桂むきにした大根の甘酢漬けを添えてサーブ。大根の中は、千切りにしたビーツ、人参、いんげん。それぞれ軽く塩和えにしてからごま油を絡めているので、味わいは上品なナムルに近い。

「料理人にとって日本食材の魅力は、第一にクオリティーです。調味料でも、野菜や乾物でも、日本のものは最上級のものであるからこそ使いたいと思わせる力がある。逆に問題点は、一口に日本食材と言っても最高から最低まで数多あること、さらには日本製品を偽った安価な外国産も多いことだ。」

厨房で使用している醤油、ポン酢、チューブ入りの生のおろしわさび、米酢、七味、山椒、昆布、海苔、大葉、シソの芽、ごま油等日本産の食材は、信頼できるパリの小売店から購入している。

「日本各地の醤油を20種類ほど持ち込んで、試食会を開いてくれた小売店もあります。その品がどのような自然環境の地方で、どういった製造法で作られているのか、詳しく説明してくれました。食材の持つ背景を知ることは、料理人にとって重要です。また、そのようにして選んだ食材をどう使うべきなのか、料理人を教育することも必要です。」

Mandarin Oriental Paris Restaurant Camélia(マンダリン・オリエンタル・パリ「カメリア」)
251 rue Saint-Honoré, 75001 Paris, France
01 70 98 74 00
http://www.mandarinoriental.fr/paris/fine-dining/camelia/外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
営業時間:7時〜23時(定休日なし)