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2010年創業。ミシュラン1つ星を獲得する同店は、最近の「ビストロノミー」ブームの中心人物の一人、シルヴァン・サンドラシェフの店だ。ビストロノミーとは、ガストロノミー(美食)とビストロ(居酒屋)を組み合わせた造語で、本格的な美食料理をビストロの気軽さと価格帯で提供する店を指す。

価格帯は、シェフのおすすめで構成されたデギュスタシオンコースが90ユーロ、ランチタイムの2皿メニューが32ユーロとミシュラン星つきのレストランとしては良心的。それゆえ毎日来店する常連客もいる。

リヨン出身のサンドラシェフの料理は、伝統フランス料理の正統派レシピとその技術をベースに、シェフ自身のセンスと創意工夫を効かせたもの。旅先や他のレストランで食べた食事等からインスピレーションを得、それを自身の料理に反映させている。

メニューを開くと、味噌風味のアイスクリームや、ゆずなど日本の食材も登場している。デザートの隠し味にポン酢を使うこともある。藁で食材を燻すといった和食の調理法を取り入れることにも積極的だ。日本旅行や、パリ近郊で日本の野菜栽培している農家との付き合いから、日本の食材や調理法を学ぶことが多い。

日本酒は現在扱っていない。それは日本酒と料理のペアリングをするシェフが増えすぎたためと言う。ただし、ジャパニーズウイスキーは置いている。

「日本の調味料などを敢えてお客様に説明することはあまりしません。なぜならお客様はすでに日本の野菜や食品をよく知っているからです。」

日本食材の調達はパリの日本食材店数カ所から、ウイスキーはメゾン・デュ・ウイスキーから仕入れている。

「日本食材の魅力は、完成度の高さと、フランスの食品にはない味わいがあるところ。つまり代用の利かない味覚ということです。今後も機会があれば、未知の日本食材を知りたいですし、料理にも取り入れて行きたいと思っています。」 と、サンドラシェフ。

itinéraires(イチネレール)
5 Rue de Pontoise, 75005 Paris
01 46 33 60 11
http://restaurant-itineraires.fr/外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
営業時間:火〜金曜12時〜14時、19時〜22時30分、土曜19時〜22時30分(定休日日・月曜)