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オーナーのアレクシ=ルー・ドゥ・ベジウー氏は、自分の家の近くに食べたい食材のあるお店が欲しいという要望から、サラリーマンを辞め、2011年に自身で食料品店「Causses(コース)」を開店。商品の選択基準は、有機食材か地元産(フランス産)、AOP(原産地保護呼称)に認定された製品であることだ。魚介類を除く、野菜、フルーツ、パン、チーズ、肉、ソーセージ、ワイン、スパイス、缶詰など、食品全般を取り扱っている。

特に、加工食品に関しては、体に有害な影響を与える可能性がある添加物(着色料、抗酸化物質、酸性化剤、濃縮剤など)をリストアップ。仕入れ取引先には、約150の食品添加物の使用を禁止する同店の仕様書に署名してもらい、契約を交わすという徹底ぶり。 つねに最新の情報を確認し、商品の安全性に留意している。

また、フランスの有機食品ラベル「ABマーク」を取得していなくても、有機栽培によって生産された野菜やフルーツであることが確認できれば店頭に並べるなど、商品の安全性について独自の基準で運用している。

ドゥ・ベジウー氏は「現代の消費者が求めているのは、品質とトレーサビリティー(流通経路の可視化)。スーパーでもオーガニック専門店でもなく、その間の存在として、安全で高品質な食料品を幅広く取り扱っている」と話す。

パリ市内にカフェも経営している日本食材輸入業者UMAMIを介して、1年前から日本の食材も取り扱いをはじめた。「味覚が国際化し、日本の食材も求められるようになってきた。調味料など、気軽に取り入れられるものが人気」。ユズ酢やポン酢、炒りゴマ、黒ゴマなどがよく売れるという。人気のあるワサビ風味のゴマは、店内で販売しているサンドイッチにも使われており、見慣れない製品を顧客に味わってもらう提案としても好評だ。アジア食品の取り扱いは日本食材のみ。

顧客の90%は近隣の住民。月に2回ほど来店するという24歳の男性は、「しっかりと安全管理がなされていて、さらに誰がどこで生産をしている商品かが分かるため、安心して購入できる」と、お店に信頼を寄せている。

Causses(コース)
222 rue Saint Martin, 75003 Paris
01 42 71 33 33
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営業時間:月~土曜10時~21時、日曜定休日