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特集:アフリカ・スタートアップ:成長スタートアップに聞く企業経営管理ツールを開発、アフリカ中小企業の利益拡大に期待(コートジボワール)

2020年1月24日

企業活動では自社の資産を把握し適切な経営管理を図ることが重要だが、アフリカの中小企業にとってこれは容易ではない。経営管理のための資金や人材などのリソースが限られるからだ。コートジボワール発スタートアップのイノビング(Innoving外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)は、適切な経営管理に資するツールを開発し話題を集めている。同社CEO(最高経営責任者)のアレックス・デニー氏に、事業概要やアプリケーション開発のきっかけについて聞いた(2019年12月10日)。

質問:
会社概要とサービスの内容は。
答え:
2017年の設立。経営管理ツールの開発・販売に特化したデジタルサービスを提供する。現在は技術者、マーケティング担当など15人の社員がいる。

CEOのアレックス・デニー氏(ジェトロ撮影)
アフリカの中小企業向けに、経営管理アプリケーション「N’zassa」を開発・販売している。会計・在庫・生産・顧客など多項目の管理機能を搭載し、自社の経営活動や資産の流れを可視化して、常時把握することが可能だ。顧客の財務状況も分析できるため、経営見通しや経営不振に陥らないための示唆も得られる。使用する機能は自由に選択でき、顧客のビジネスモデルに応じて、カスタマイズが可能だ。N’zassaには、モバイル、タブレット、パソコンなどの端末から常時アクセスできる。現在の登録企業は5,000社以上、コートジボワール、ギニア、リベリア、セネガルでサービスを展開している。
また適切な経営管理は、大企業にとっても共通の課題だ。N’zassaの会計管理のアプリケーションは、中小企業のみならず一部の大企業でも導入され始めている。料金は使用する機能の数にもよるが、月額の最低料金は2万CFAフラン(約3,600円、1CFAフラン=0.18円)で、年間契約の場合は、ライセンス費用として25万CFAフラン(約4万5,000円)に設定している。自社で新たなソリューションを開発したり、新たに人材を雇うよりも、N’zassaを導入する方が安価だ。本アプリケーションを導入した多くの企業から、導入後2カ月で売り上げが向上したとの報告を受けている。N’zassa の売り上げは順調で、1カ月当たり1,000万CFAフラン(約180万円)以上の売り上げを継続している。

N'zassaのログイン画面(左)、メニュー画面(イノビング提供)
質問:
N’zassa開発のきっかけは。
答え:
アフリカの中小企業にとって、経営や資金管理を自社だけで適切に遂行することは容易ではない。経営管理のための人材や、そのための新たなソリューションを開発する資金は限られ、日々のビジネス展開に終始してしまい、経営管理がおろそかになってしまうのが現状だ。自社の資金や資産を常時適切に管理できていないことから、思わぬ損失を招くことも少なくない。自社の資産の流れをデジタル化して、常時効率的かつ適切に管理することができれば、損失の防止と利益向上につながる。現在の経営状況を考慮して、今後の経営に最適なビジネス戦略をその都度策定することも可能だ。そのため、自社で経営管理を適切に実行できるツールの開発が、アフリカの中小企業の利益促進には不可欠と考えた。また、操作がシンプルで使いやすく、中小企業にとっても導入がしやすい、身近で常時アクセス可能なツールを目指して、アプリケーションの形式での開発に着手した。起業する前は、トレーダーとして勤務しており、社内で流動する資金や資産を常時把握しておくことの必要性を切に感じた。その時の経験が、アプリ開発の着想や実際の開発工程に生かされている。
質問:
ピッチコンテストなどでの受賞歴は。
答え:
2019年9月にチュニジアの首都チュニスで開催されたアフリカスタートアップサミットでは、最優秀賞を受賞した。また、オランジュ・ファブ(Orange Fab、フランス通信大手オランジュが運営するインキュベーション組織)の第5期プログラム対象企業にも選出された。
質問:
今後の展望や日本企業との連携の可能性は。
答え:
引き続き、中小企業の経営管理のニーズに即したアプリケーション開発を目指し、売り上げの6割は新規製品の開発に充てる予定だ。現在、サービスを展開している西アフリカ以外にも進出を検討しており、日本も含む外国の企業と技術開発面でパートナーシップを組んでいきたい。
執筆者紹介
ジェトロ・アビジャン事務所
尾山 裕緒(おやま ひろお)
2012年、ジェトロ入構。途上国貿易開発部途上国貿易開発課、ジェトロ山梨、対日投資部対日投資課を経て、2019年3月から現職。

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