貿易管理制度
最終更新日:2025年09月22日
- 最近の制度変更

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2026年2月16日
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2026年1月21日
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2026年1月15日
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2025年12月24日
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2025年12月22日
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管轄官庁
商務省、通商代表部、国務省、国土安全保障省、財務省、内務省など。
貿易一般
商務省(Department of Commerce:DOC
)
通商代表部(United States Trade Representative:USTR
)
輸出入関係一般
商務省 国際貿易局(International Trade Administration:ITA
)
商務省 産業安全保障局(Bureau of Industry and Security:BIS
)
国務省 国防貿易管理課(Directorate of Defense Trade Controls
)
国土安全保障省 税関・国境警備局(U.S. Customs and Border Protection:CBP
)
農務省動植物検疫局(Animal and Plant Health Inspection Service:APHIS
)
司法省アルコール・たばこ・火器局(Bureau of Alcohol, Tobacco, Firearms and Explosives:ATF
)
保健福祉省食品・医薬品局(U.S.Food and Drug Administration:FDA
)
制裁にかかわる輸出入管理
財務省 外国資産管理局(Office of Foreign Assets Control:OFAC
)
ワシントン条約にかかわる管理
内務省 魚類野生動物局(U.S. Fish and Wildlife Service:FWS
)
輸入品目規制
米国民の安全や健康、米国産業、さらに国家の安全保障に悪影響を与える可能性のある物品の輸入を禁止・規制。
輸入禁止・制限品目
輸入禁止品目
以下の品目は、原則として輸入禁止。
- 麻薬・違法薬物
- ブランド偽造品、商標権・著作権侵害品
- 安全基準を満たさない危険な玩具・消費財
- 武器(飛び出しナイフなど)
- 猥褻物、有害文書類、宝くじ券
- 一部の動植物
詳細と根拠法は以下を参照。
ジェトロ:輸入禁止品目(商業輸入)
(4,567KB)
主な輸入制限品目と監督官庁
以下の品目の輸入には、法令や監督官庁が定めた基準を満たし、輸入許可を取得することが必要。
- 食品・農産物、アルコール飲料、たばこ製品:USDA、食品医薬品局(FDA)
- 医薬品・医療機器:FDA
- 銃器・弾薬:アルコール・タバコ・火器爆発物局(ATF)
- 化学品:環境保護庁(EPA)
- 放射性物質:原子力規制委員会(NRC)
- 動・植物:魚類野生動物局(FWS)、動植物検疫局(APHIS)
- 自動車:運輸省(DOT)/ 国家道路交通安全局(NHTSA)、EPA
- ボート:米国沿岸警備隊(USCG)、EPA
税関・国境警備局(CBP)は、他の政府機関からの委託を受け、輸入禁止、制限の管理を行っている。何らかの制限が課せられたり、一定の基準を満たすことが求められたりする品目を挙げ説明している。
CBP "Importing into the United States
"(p.106~p.150 “Special Requirements”の項を参照)
輸入数量割当制(クオータ制:Import Quota)
一定期間内に輸入される品目の数量を制限する制度。同制度は、次の2種類に分かれる。
- 制限された数量を超える輸入は認められない(「絶対関税割当」:Absolute Quota)
- 制限された数量内については免税または低税率が適用されるが、この数量を超える分に関しては、通常の税率が適用される(「関税割当」:Tariff-rate Quota、TRQ)
CBP "Quota Administration
"
数量割当の対象となっている品目の割当状況は、Commodity Status Report
として毎週、公開されている。2025年11月時点では、「絶対関税割当」の対象品目はない。
関税割当品目(Tariff-rate Quotas)
- ホウキおよびブラシ(Brooms)
- ミルクおよびクリーム
- オリーブ
- ミカン(Mandarins)
- マグロ
- リクチワタ(Upland Cotton)
- 英国製自動車
- 綿シャツ素材の一部
- 太陽光セル・モジュール(2022年2月6日までの措置を2026年2月6日まで延長)
※両面太陽光セルに関しては、2022年2月4日に適用除外とされたが、その後の中国からの輸入急増を受けて、一定の条件を満たさない限り適用除外を終了する内容の大統領令が2024年6月21日に公示された。
CBP "Commodities Subject to Import Quotas
"
CBP "Solar Cell/Modules
"
食品安全強化法(FSMA)については、ジェトロ「米国食品安全強化法(FSMA)に関する情報」を参照。
輸入地域規制
財務省外国資産管理室(OFAC)が外交政策や安全保障上の目的から、特定の国、地域、個人、団体に対して輸入禁止を含む経済制裁を決定している。
財務省外国資産管理室(Office of Foreign Assets Control、OFAC)が2025年11月現在、経済制裁の対象として挙げている国、輸入禁止品目は以下のとおり。
- イラン:全品目(サービスを含む)
- キューバ:全品目。ただし、個人旅行客の携行手荷物、企業家や農家が生産したキューバ原産品は酒、タバコを除き例外。
- 北朝鮮:全品目
- ロシア:原油・石油製品、水産品、アルコール飲料、非工業用ダイヤモンド等
- ベラルーシ:軍事関連物資、カリウム肥料(特定の国有企業の製品)
- ベネズエラ:金(政府を支持する特定企業の製品)
- ミャンマー:ジェット燃料
OFAC "Sanctions Programs and Country Information
"
連邦行政命令集 "Code of Federal Regulations (31.CFR.500-599)"
- イラン
米国はイランの国際テロ支援、人権侵害、核兵器開発、米国人資産の接収(1979年以降)などを理由に同国に経済制裁を科している。2010年7月に成立したイラン包括制裁法(H.R.2194)、2011年12月に成立した国防権限法(H.R.1540)などに基づき、イランからほぼ全製品の輸入を禁止している。
OFAC "Iran Sanctions
"
- キューバ
米国は、キューバ政府による民主主義の抑圧と人権侵害、米国市民の財産権侵害(接収資産)、共産主義体制による地域不安定化、ベネズエラ等の独裁政権支援を理由にキューバに経済制裁を科しており、対キューバ資産管理規則(31CFR515)に基づき、原則、財務省の許可がある場合を除き、キューバからの輸入に対し禁止措置がとられている。
OFAC " Cuba Sanctions
- 北朝鮮
米国は、北朝鮮による大量破壊兵器(WMD)および弾道ミサイル開発、人権侵害、国際的なサイバー犯罪・資金洗浄、国連安保理決議違反などを理由に経済制裁を課している。大統領令13722などに基づき、財務省の許可がある場合を除き、輸入禁止措置がとられている。OFAC "North Korea Sanctions
"
- ロシア
ロシアのウクライナ侵攻を受けて、バイデン政権は2022年2月以降にロシアに対して制裁措置を次々と導入した。金融制裁や輸出管理規制の強化のほか、輸入面では同年3月8日にロシア産原油などエネルギー製品の輸入禁止に関する大統領令を発令、同年3月11日にロシア産水産物やアルコール飲料(ウオッカなど)、ダイヤモンドなどの輸入禁止に関する大統領令を発令、同年4月8日にロシアおよびベラルーシの正常貿易関係を撤回する法案に署名、同年6月27日に230億ドル相当のロシア原産品の輸入に対する関税率の35%引き上げ措置に関する大統領布告、同年6月28日には財務省がロシア産金の輸入禁止措置の発動を発表した。
その後も2023年2月に28億ドルに相当するロシアからの金属・鉱物・化学品、およびアルミニウム製品の輸入に対して関税を引き上げた。
2024年4月には英国との共同によるロシア原産アルミニウム、銅、ニッケルの輸入および一定の取引を禁止する行政決定、6月にはダミー会社を通じた物品の横流しの取り締まりやロシアとベラルーシ向け物品貿易の一層の制限を発表した。
OFAC "Russia-related Sanctions
"
- ベラルーシ
民主主義の抑圧と人権侵害、汚職と経済の不正利用、ロシアのウクライナ侵攻を支援したことに対する制裁の一環として、軍需関連品の輸出入が禁止されている他、SDNリストに掲載された国営企業からのカリウム肥料、機械工具などの輸入が禁止されている。
OFAC "Belarus Sanctions
"
- ベネズエラ
民主主義の破壊と選挙不正、人権侵害、汚職と経済の破壊、麻薬取引・国際犯罪などを理由に経済制裁を科している。米国政府は米国民に対し、ベネズエラ政府または制裁対象者からの物品の受け取り(輸入を含む)を禁止している。
OFAC "Venezuela-Related Sanctions
"
- ミャンマー
軍事政権であり民主主義や人権、報道の自由を抑圧していることなどを理由に経済制裁を科している。
OFAC "Burma-Related Sanctions
"
- このほか、国・地域の特定個人や団体に対する規制について
- 財務省 外国資産管理局(Office of Foreign Assets Control:OFAC
)
- 外国資産管理局の最新情報(OFAC Recent Actions
)
- 財務省 外国資産管理局(Office of Foreign Assets Control:OFAC
輸入関連法
1962年通商拡大法、1974年通商法、1930年関税法、1977年国際緊急経済権限法(IEEPA)など。
輸入関連法
米国の通商政策は、1962年通商拡大法、1974年通商法、1930年関税法などの法律の個別条項によって推進されているのが特徴。特によく使われる条項は以下のとおり。
- アンチダンピング(1930年関税法731条)(19USC1673
(205KB))
- 相殺関税(1930年関税法701条)(19USC1671
(246KB))
- セーフガード規定(1974年通商法 201条)(19USC2251
(215KB))
- 緊急輸入制限(1962年通商拡大法 232条)(19USC1862
)
- 外国政府等の不公正貿易慣行(1974年通商法301条)(19USC2411
(243KB))
- 不公正貿易慣行(1930年関税法337条)(19USC1337
(262KB))
- 輸入課徴金(国際収支制限)(1974年通商法 122条)(19USC2132
(201KB))
- 1977年国際緊急経済権限法(IEEPA)(50USC1701
)
国家安全保障・外交・経済に対する異常な脅威に対応するための大統領権限。 - テロ支援国家からの輸入禁止条項(22USC2349aa-9
(220KB))
- 知的財産侵害に対する「スペシャル301条」(1974年通商法 第2242条)(19USC2242
(230KB))
- 農作物および繊維製品の輸入制限協定(1956年農業法(Agricultural Act of 1956)第204条)(7USC1854
(224KB))
- 農産物への賦課金および割当(7USC624
(249KB))
- バイ・アメリカン、バイ・アメリカ関連(公共調達における国産品優遇)
ジェトロ:バイ・アメリカン法およびバイ・アメリカ条項について
(304KB)を参照。
財務省外国資産管理局(OFAC)による対外経済制裁行政命令集 "Code of Federal Regulations(31.CFR.ChapterV)
"
出所:政府出版局(GPO)
その他の輸入制限法令
各関連法に関するUS Codeのウェブサイトを参照。
- 合衆国法律集(United States Code:USC
)
- 連邦行政命令集(Code of Federal Regulations:CFR
)
輸入管理その他
テロ関連の輸入規制、木製梱包材、中古車、文化資産、原産地証明などに関する輸入規制など。
テロ関連の輸入規制
テロ行為防止のための税関産業界提携プログラム(Customs-Trade Partnership Against Terrorism:CTPAT)
米政府は2003年、税関・国境警備局(CBP)による監督の下、国際供給網に関する国家安全保障を強化する目的で、CTPATを整備した。
- 輸入関連業者
CTPATは輸入業者に対し、国際供給網をめぐる安全保障上の業務処理に関する提言や助言を告知する。提言や助言内容は、輸入に携わる業種別(例えば、輸送業者、通関業者、輸入業者、港湾倉庫業者)に分類されている。ただし、CTPATからの提言や助言内容は、業界標準としてではなく、業務上の指針として告知される。 - 外国の製造業者
CBPは、2003年8月18日から、メキシコ以外の国の製造業者と輸出向け梱包業者をはじめとする対米輸出関連業者に、CTPATへの参加を奨励している。CTPATへの参加には資格が必要。メキシコの製造業者はほぼ自動的に有資格者となるが、CTPAT認定の輸入業者を米国で運営しているといったいくつかの条件がある。メキシコ以外の国の製造業者は、基本的にはCBPからの勧誘がない限りCTPATへの参加を認められない。外国の製造業者がCTPATに参加するためには、「CTPAT Application Procedures for Foreign Manufacturers」に準拠する必要がある。
- 強制労働への対処に関する要件が追加
2022年8月1日以降、貿易法令順守プログラムに申請する事業者に対して、強制労働に関わる要件が追加された。申請事業者はサプライチェーンにおける強制労働の防止を含む包括的な内部統制システムを実施し、それを説明する文書の提出が必須となった。
CTPATに関する詳細
CBP "CTPAT:Customs-Trade Partnership Against Terrorism
"
CBP "CTPAT Trade Compliance Handbook
"
日本機械輸出組合:サプライチェーン・セキュリティ対策
コンテナ・セキュリティ・イニシアティブ(Container Security Initiative:CSI)
CSIはCBPによる政策の1つ。2001年9月11日の米国同時多発テロ事件を受け、米国に入港するコンテナおよびコンテナ船の安全保障を向上する目的で導入された。米国外のCSIプログラムに参加する港湾に検査官を派遣し、現地の税関当局と協力して、テロの危険性がある米国向けコンテナやコンテナ船を出港前にスクリーニングし、海上輸送を利用したテロリストによる攻撃を未然に防ぐことを目的とする。
- CSIは、次の3つの要素から成る。
- あらゆる情報を収集し、対米テロの危険性を秘めているコンテナを割り出す。
- 対米テロの危険性を秘めているとみられるコンテナが、米国向けに出港する前に、港でスクリーニングを行う。
- X線やγ線などを利用した探知装置を駆使し、貿易業務の妨げにならないよう、迅速にスクリーニングを行う。
- CSIプログラムに参加する世界の港湾は、次のとおり。
CBP "OPERATIONAL PORTS
(5.7MB)"
CSIに関する詳細
CBP "CSI:Container Security Initiative
"
バイオテロ法(Bioterrorism Act:BTA)
2001年9月11日のテロ事件を受け、2002年6月12日、バイオテロリズムから米国内の食品と食品流通網を守る目的で「Public Health Security and Bioterrorism Preparedness and Response Act of 2002」が制定された。通称「Bioterrorism Act」(バイオテロ法)と呼ばれる同法の下、税関・国境警備局(CBP)の検査官による米国への輸入食品の検査が強化された。また、バイオテロ法を所管する保健福祉省食品・医薬品局(FDA)は、同法の規定に基づく実施規則を策定し、2003年12月12日から施行している。このうち、米国への食品の輸入に直接的に関係する規則の概要は、次のとおりである。
- 関連施設の登録
国産と外国産の食品(動物用も含めて)すべてに関わる製造工場や加工工場、梱包施設、保管施設は、FDAへの登録が必要。最終消費者に直接食品を販売する農場や小売店、レストラン、非営利団体による関連施設などは例外。
登録施設は、偶数年の10月1日~12月31日までの間に登録を更新する。2020年12月1日、FDAは固有の施設識別名(UFI: Unique Facility Identifier)を求めた。UFIには、米企業情報サービス会社ダン・アンド・ブラッドストリートが開発した9桁の企業識別コードのダンズナンバー(DUNS Number)の使用が認められている。 - 事前報告(Prior Notice:PN)
米国に食品を輸入する業者もしくはその情報を持っている者は、FDAに、詳細を電子的に報告する必要がある(FDA PNSI)。報告時期は、輸入手段が陸路(道路)の場合、米国到着の15日前~2時間前まで、陸路(鉄道)の場合は同15日前~4時間前まで、空路の場合、同15日前~4時間前まで、海路の場合、同15日前~8時間前まで。いずれの場合も、事前報告でCBPの自動ブローカーインターフェース(ABI/ACS)を利用する場合は、米国到着の30日前から報告が可能。
ただし、次の食品は、事前報告規定の対象から除外される。
- 旅行者が所持する個人のための食品(税関での申告義務は、従来どおり適用される)
- 米国入港地を離れずに、米国から輸出される食品
- 肉(家禽肉を含む)、卵(農務省の管轄による規制は、従来どおり適用される)
- 贈答品として個人宅で作られた食品
バイオテロ法に関する詳細
FDA "Registration of Food Facilities and Other Submissions
"
- ジェトロ「バイオテロ法に関する情報」
木製梱包材(WPM)の害虫駆除規制
- 農務省(USDA)は、植物に寄生する害虫の米国への流入を防ぐために、木製梱包材(Wood Packaging Material:WPM)に関する国際植物防疫条約(International Plant Protection Convention:IPPC)に基づく基準を2002年に導入、実施。
- USDAの動植物検査局(Animal and Plant Health Inspection Service)は、国土安全保障省(DHS)の税関・国境警備局(CBP)と共同で、2005年9月からWPM規制(7 CFR 319)を執行。
- 米国に持ち込まれるか、米国を経由するすべてのWPMは、ISPM 15(International Standards for Phytosanitary Measures:Guidelines for Regulating Wood Packaging Material in International Trade)に則った方法で熱処理するか、臭化メチルで殺虫する必要がある。
- IPPC基準内容に準拠したWPMは、それを証明するIPPCマークを貼ることが求められており、原則として、IPPCマークがなければWPMは即座に国外に出される。しかし、CBPの港湾責任者が、当該WPMを他の積荷から完全に隔離できると判断すれば、港湾に一時的に係留することが許される。
農務省(USDA) "Plant and Plant Product Imports
"
中古車
- 輸入条件
- 車両に関する品質基準
新車と同じく、現行の安全基準、バンパー基準、排ガス基準をすべて満たしていること。製造年月日から25年以上経過した自動車は、環境保護庁(EPA)の排ガス基準と運輸省(DOT)の安全基準の適用を免除される。 - a.の品質基準に合わない車両
政府が指定する業者(Independent Commercial Importer:ICI)を通して輸入することが義務付けられている。
- 車両に関する品質基準
- 輸入通関手続き
- 通関手続き、必要書類、取得しておくべき資格、マークなど
通関時に環境保護庁のForm 3520-1および運輸省のForm HS-7を提出する必要がある。また、25年以上経過した中古車では、申告時にDOT FormHS‑7でBox1にチェックし、EPA Form3520‑1ではコード「E」を選択することで、品質基準の適用対象外となる。 - 輸入関税率
新車同様、中古自動車(25年未満)も自動車関税の対象となる。乗用車2.5%、ライトトラック25%がベース関税。2025年4月3日以降、これに1962年通商拡大法 第232条 (国家安全保障)による追加関税(25%、ただし、25年以上経過した中古車はこの対象外)が加わった。さらに、相互関税(国・地域によって税率は異なるが、25年以上経過した中古車も対象)が加算される(カナダ、メキシコ原産品は対象外)。詳細は、「特集:米国関税措置への対応」参照。 - 輸入にかかわる内国税
排気量が大きく燃費の悪い車両には、「燃料多消費車税(Gas-guzzler Tax)」と呼ばれる連邦税が課税されることがある。
- 通関手続き、必要書類、取得しておくべき資格、マークなど
- 車両登録手続き
管轄官庁、必要書類、必要経費、車両検査等については、車両を登録する州の陸運局(Department of Motor Vehicles)がそれぞれ決める。詳細は、各州政府のウェブサイトで検索可能。 - 輸入自由化、または規制への動き
特に変化なし。中古車に限らず、特定の国からの輸入は禁止。 - その他、特筆すべき事項、留意点など
- 排ガス規制の有無:あり
- 保税地区:なし
- 輸送ルート:なし
- 「植物検疫法」による規制:車両に土がついていたり、車の中に植物や植物の種が入ったりしたままでは輸入できない。
- 輸出者として留意すべき点:輸入はできても米国内で売却できない(輸入者が再輸出しなくてはならない)場合がある。例えば、排ガス基準を満たしていない車は、輸入後1年間使用できるが、それ以降は廃車にするか再輸出する必要がある。
- オートレースやオートショーのための臨時輸入などでは輸入条件や輸入手続きに例外規定あり。また、国務省が認める外交官やローマ法王などが持ち込む車両などは別扱い。
- 管轄官庁
運輸省(Department of Transportation:DOT
)
運輸省国家道路交通安全監督局(National Highway Traffic Safety Administration:NHTSA)
"Importing a Vehicle
"
環境保護庁(Environmental Protection Agency:EPA)
"Importing Vehicles and Engines into the United States
"
(Independent Commercial Importer:ICIの情報あり)税関・国境警備局(CBP)"Importing a Motor Vehicle
"
その他各州の陸運局
文化資産
文化資産保護法(Cultural Property Implementation Act)の下、国務省は次の国々と協定を締結し、対象となる文化資産の輸入を禁止している。管轄は、国務省の教育・文化局国際文化資産保護課。
対象品目は以下を参照。
ジェトロ:輸入禁止の文化遺産リスト
(296KB)
輸入規制対象の文化資産(国別)についての照会先:国務省教育・文化局(Bureau of Educational and Cultural Affairs:ECA)"Current Agreements and Import Restrictions
"
※このほか、協定ではなく米国内法に基づき、緊急的に文化資産の輸入を禁止している例もある。イラクに関しては2004年諸関税・技術是正法(Miscellaneous Trade and Technical Corrections Act of 2004)第3部、シリアに関しては2006年国際文化所有物保護・保存法(Protect and Preserve International Cultural Property Act of 2006)第3章にて規定されている。また、2020年2月にはイエメン政府の要請を受けて、1983年文化所有物実施会議(Convention on Cultural Property Implementation Act of 1983)に基づき、緊急的に同国からの文化遺産の輸入を禁止している。さらに、2022年2月には同様に、アフガニスタンの民俗学的・考古学的物質の輸入を禁止している。
原産地証明
関税規則で定められる一部の例外を除き、輸入品は、原産地を確認しやすいところに英語で表示するよう義務付けられている。
また、輸入者は、通関関連申告書類に、他の輸入関連情報とともに、輸入品の原産地の記入が義務付けられている。
原産地表示のない貨物は、税関の監督下、外国への積戻し、廃棄処分、あるいは適切な表示への是正のいずれかを行う必要があり、いずれの場合も、関税評価額の10%相当額が追徴される。誤認を生じさせる原産地表示を行う、あるいは虚偽の原産地表示をした貨物の輸入は禁止されている。
※米国トランプ大統領は2020年7月14日、中国政府による香港への国家安全法導入を受け、香港を中国本土と別に扱うことを正当化できる自治がもはや維持されていないとし、香港への優遇措置を停止する大統領令を発表した。これにより、U.S. Code 1304の香港への適用が停止され、香港原産の物品は、中国原産と同様に扱われることになった。
大統領令13936(The President's Executive Order on Hong Kong Normalization
)
U.S. Code 1304 "Marking of imported articles and containers
(156KB)"
出所:政府印刷局(GPO)
ジェトロ「原産地表示:米国」
輸出品目規制
主に、商務省、財務省、国務省、原子力規制委員会、エネルギー省が、安全保障上で懸念される品目について、輸出管理を行っている。
商務省産業安全保障局(BIS)による輸出管理
- 米国輸出管理規則(Export Administration Regulations:EAR、15CFR730‐780
)
米国輸出管理規則(EAR)は、軍事用としても非軍事用としても利用可能な「デュアルユース品目」と呼ばれる民生品の輸出に適用される規則で、商務省産業安全保障局(Bureau of Industry and Security:BIS)が管理・規制の執行を管轄している。EAR規制対象品目は、物品(Commodities:服、建築資材、回路基盤、自動車部品など)、ソフトウエア(Software)、技術(Technology)をはじめ多岐にわたり、米国からの輸出のみでなく、再輸出の取引にも適用される。
2020年代に入り、BIS先端技術流出を防ぐため、EARの改正を繰り返し行っている。特に2022年以降は、先端集積回路(IC)や半導体製造装置に関する規制を強化し、対象品目の追加や「ライセンス例外」の見直しを進めている。2024年4月には「半導体製造装置規制(SME IFR)」および「先端コンピューティング製品およびスパコン用途規制(AC/S IFR)」を施行し、これまでの規則の技術的な修正や運用の明確化、企業の対応負担軽減をめざした。BISは2025年1月に「人工知能(AI)モデルの「重み(model weights)」などを対象とする新たな規則を発表したが、同規則は施行せず、より簡潔で効果的な制度への見直しを進めている。
EARの詳細:BIS "About Export Administration Regulations
"
参考資料:ジェトロ調査レポート、地域・分析レポート
「厳格化する米国の輸出管理法令(2019年9月)」
「続・厳格化する米国の輸出管理法令 留意点と対策(2021年8月)」
「米国の経済安全保障に関する措置への実務的対応(2023年4月)」
「輸出管理、ルール改定のみならず執行面も強化の傾向(2024年1月)」 - EAR規制対象品目
- 米国内にあるもの
- 米国にあるすべての品目
- 米国外にあるもの
- 米国で生産された品目、米国原産品目(所在に関わらず)
- 外国製品で、特定の割合を超えて米国規制品目が含まれている製品(組み込み品)
- 外国製品で、特定の米国規制技術が使用されている製品(直接製品)
- その他
- 米国人および米国人以外の外国人の特定の活動
- 技術やソースコードの外国人への移転
※技術移転や、ソフトウエアのソースコードの開示なども輸出とみなされる。
(出所:在日米国大使館商務部)
対象品目の詳細:BIS "Scope of the Export Administration Regulations
"
- 米国内にあるもの
- 輸出許可が必要な品目(規制品目リスト:CCL)
すべてのEAR規制対象品目の再輸出に、商務省の輸出許可が必要なわけではなく、許可の必要の有無は、対象製品、輸出国、輸出国における輸入者、輸出用途により異なる。特に注意を要するEAR対象品目は、規制品目リスト(Commerce Control List:CCL)に掲載されている。品目は、次のa.カテゴリー、b.グループ、c.規制目的に応じたコードで分類されており、それらの組み合わせで分類コードが決まる(例:2B991など)。分類コードはECCN(Export Control Classification Number)と呼ばれる。
- 品目カテゴリー
- 核物質、核施設、核装置、その他品目
- 素材、化学物質、微生物、有毒物質
- 材料加工
- 電子機器
- コンピュータ
- 通信、暗号
- レーザー、センサー
- 航行補助装置・航空電子機器
- 海洋技術
- 推進システム、宇宙機器・関連装置
- 品目グループ
- 装置、組み立て品、部品
- 試験、検査、製造の装置
- 素材
- ソフトウエア
- 技術
- 規制目的
- 国家安全保障
- ミサイル技術
- 核拡散防止
- 生物化学兵器
- 欠番
- 商務省の決定によって国家安全保障または外交政策上の管理を必要とする品目
- ワッセナー・アレンジメントに基づく軍需品リストに記載されている品目
- 欠番
- 欠番
- テロ対策、犯罪防止、国連制裁など
規制品目リスト(通商管理リスト) "Commerce Control List, CCL PART 738—COMMERCE CONTROL LIST OVERVIEW AND THE COUNTRY CHART
"
- 品目カテゴリー
商務省以外での輸出管理
次の品目については、商務省以外の各担当省庁が輸出管理を行っている。
輸出地域規制
現行の輸出管理規則の下では、何らかの制裁対象になっている国への直接輸出、および第三国を通じた間接輸出は、原則として禁止されている(ただし、人道的目的に限られた品目については、特別な許可を得れば輸出可能)。
輸出禁止・制限対象の国・地域は財務省外国資産管理局(OFAC)が、大統領令に基づき政令を発出して管理している。国・地域全体が対象になっている場合と、OFACが作成した制裁対象リストに記載されている者、商務省産業安全保障局(BIS)が作成している通商管理リストに記載されている者が対象となっている。OFACとBISはそれぞれ異なる観点でリストを作成しているため、輸出の際は両方を確認することが重要である。
包括的輸出禁止国
- キューバ
対キューバ資産管理規則(31CFR515)に基づきライセンスを受けた者、商務省の許可を得た者のみが、一般に輸出可能。出版物、情報媒体(CDや一部芸術品)、寄贈目的の食料品、許可を得た法務サービスや通信サービス等、商務省が認めた商品を除いて、キューバへの輸出は禁止されている。1992年のキューバ民主主義法や2000年の通商制裁改革・輸出促進法により、商務省は一般に医薬品、医療機器、食料品、農産物の輸出においては、ライセンス発給を行っている。2015年1月16日の商務省の規則改正により、パソコン、携帯電話などのコミュニケーション機器は、販売目的でもライセンスなしで輸出可能となった。OFAC:Cuba Sanctions
- イラン
原則として、財、技術(技術に関するデータや情報を含む)、サービスの対イラン輸出は認められない。米国民(在留地問わず)、米国内で活動する個人は、国外での取引により、イランの利益となる行為を仲介してはならない。ただし、人道的救済を目的とした寄付、100ドル以下の贈与、ライセンスを受けた農産物・医薬品・医療機器、情報媒体(映画、ポスター、写真、CD-ROMなどHS9701~9703に包含されるもの)の輸出は認められる。OFAC:Iran Sanctions
- 北朝鮮
大統領令13722に基づき、商務省のライセンスを受けていない限り、財、技術、サービスの対北朝鮮輸出は認められない。 - ウクライナのクリミア地域、ドネツク州、ルハンスク州
大統領令13685に基づき、OFACのライセンスを受けていない限り、財、技術、サービスの輸出は認められない。
部分的輸出禁止国・対象者
- 一般的に、国防関連の製品・サービスの輸出入を認めていない国、武器禁輸措置をとっている国
ベラルーシ、ミャンマー、中国、キューバ、イラン、北朝鮮、シリア、ベネズエラ、スーダン、ロシアなど。
国務省 "Country Policies
"
- SDN(Specially Designated Nationals and Blocked Persons)リスト対象者
- 商務省が作成している「拒否対象者リスト(Denied Persons List)」「軍事用エンドユーザー・リスト(Military End‑User List)」対象者
財務省 "Sanctions Programs and Country Information
"
商務省 "BIS Consolidated Screening List
"
輸出関連法
輸出管理改革法(ECRA)、輸出管理規則(EAR)、国際緊急経済権限法(IEEPA)、武器輸出管理法(AECA)、国際武器取引規則(ITAR)など。
輸出管理改革法(ECRA)、輸出管理規則(EAR)が輸出管理における主要な法律である(前記の「輸出品目規制 商務省による輸出管理」の項目を参照)。
- 2018年輸出管理改革法(Export Control Reform Act of 2018, ECRA)(50USC Chapter58
)
商務省BIS管轄。米国の輸出管理の基本方針や枠組みを規定している。「デュアルユース品」の輸出を統制し、重大技術の規制強化を図る。 - 輸出管理規則(Export Administration Regulations, EAR)(15CFR730‐780
)
BIS管轄。ECRAに基づき、具体的な規制品目、規制対象者、許可要件、例外等を詳細に定める。 - 国際緊急経済権限法(International Emergency Economic Powers Act, IEEPA)(50USC1701
)
国家安全保障・外交・経済に対する「異常な脅威」に緊急事態を宣言し、輸出等の制限措置を実施する権限を大統領に与えている。EARとOFAC制裁の法的根拠。 - 武器輸出管理法(Arms Export Control Act. AECA)(22USC2778
)
国務省防衛取引管理局(DDTC)が管轄。防衛品、技術、関連サービスなどの輸出を管理する法律で、米国軍需品リスト(USML)掲載の武器・軍用品・技術)の輸出を制限。
米国軍需品リスト(USML)(22CFR Part 121
)
- 国際武器取引規則(International Traffic in Arms Regulations, ITAR)(22CFR120-130
)
DDTCが管轄。防衛装備(USML掲載の武器・軍用品・技術)の輸出を制限。 - 財務省外国資産管理局(OFAC)による対外経済制裁行政命令集 "Code of Federal Regulations (31.CFR.ChapterV
)"
罰則と大統領権限について:財務省 "Civil Penalties and Enforcement Information
"
国際緊急経済権限法:U.S. Code Chapter 35 "INTERNATIONAL EMERGENCY ECONOMIC POWERS
"(米国外のIPアドレスからの場合、リンクが開かないことがある)
罰則について:商務省産業安全保障局(BIS)"Penalties
"
輸出管理その他
商務省が輸出制限対象企業や個人のリストを作成。近年はリストの対象を拡大、制限から予防へと輸出管理を強化している。
商務省産業安全保障局(BIS)は、1990年代に米国の輸出管理法令等に違反するなど、米国の国益に反する行為をした特定の業者や個人などを輸出制限対象としてEntity Listを導入した。2013年には違法行為を犯していない、BISが是非を検証できなかった者を掲載した「未検証エンドユーザー・リスト」が導入され、輸出管理の中心は「制限」から「予防」へとうつりつつある。リストに掲載された者へ米国製品を輸出・再輸出・国内移送等する場合には輸出ライセンス取得や所定の文書の提出を課している。
- 統合スクリーニングリスト(Consolidated Screening List, CSL)
BISが作成している輸出規制対象の外国企業・団体リストの総称で、以下の4種類がある。
- エンティティ・リスト(Entity List)
国家安全保障や外交政策上の懸念がある外国企業・団体・人物を対象にしたリスト。このリストに記載された相手に輸出・再輸出・国内移転する場合は、輸出ライセンスが必要。
BIS:"Guidance on end-user and end-use controls and U.S. person controls
"
米国輸出管理規則:EAR Part 744 Supplement No.4
- 未検証エンドユーザー・リスト(Unverified List(UVL))
BISが検証できなかった企業・団体・人物を掲載したリスト。このリストに記載された相手にEAR対象品目を輸出・再輸出する場合、「ライセンス例外(注)」の利用ができないほか、ライセンスが不要な品目でも輸出通関システム(AES)を通じて、掲載企業から取得した書面による「UVLステートメント」を提出する義務を負う。BISは「検証できない」と判断すれば違法輸出への関与の有無にかかわらず掲載するとしている。
(注) EARで規制されている品目を輸出するには「輸出ライセンス(許可)」が必要だが、一定の条件を満たせばライセンスなしで輸出できる特例が設けられている。
BIS:Unverified List(UVL)
米国輸出管理規則:EAR Part 744 Supplement No.6
- 軍事用エンドユーザー・リスト(Military End‑User List)
「軍や情報機関の活動に転用される恐れがある」と判断した企業や団体、人物の一覧。リストに掲載された相手との輸出取引は原則禁止。特別な政府利用の場合を除いてライセンスなしには輸出できない。
BIS:Military End‑User List
米国輸出管理規則:EAR Part 744 Supplement No.7
- 拒否対象者リスト(Denied Persons List)
過去に輸出管理違反を起こし、輸出権利が剥奪された企業・個人が登録されている。登録された相手には、米国由来の物・サービス(技術など)の輸出ができない。
BIS:Denied Persons List
統合スクリーニングリストの詳細:BIS "Consolidated Screening List
"
ジェトロ調査レポート「米商務省国際貿易局 統合スクリーニングリスト(CSL)の利用ガイド(2022年12月)」






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