台湾、米国のIEEPA関税停止と122条課徴金賦課の影響を評価、相互貿易協定の優位性を強調
(台湾、米国)
調査部中国北アジア課
2026年03月02日
台湾の行政院は2月24日、米国のドナルド・トランプ大統領が2月20日に国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく「相互関税」の停止と「1974年通商法122条に基づいて全ての輸入に10%の課徴金を課す大統領布告(以下、122条大統領布告)」など(2026年2月24日記事参照)を発表したことについて(注)、その影響を評価した。また、投資協力MOUおよび相互貿易協定(2026年2月25日記事参照)の優位性を強調した。
主なポイントは次のとおり。
(1)IEEPAに基づく相互関税の無効判決は、1962年通商拡大法232条に基づく追加関税には影響しない。したがって、台湾が対米投資MOUにおいて確保している232条下の関税優遇措置、すなわち最恵国待遇は変更されない。これには自動車部品、木材・家具、航空機部品などの優遇措置が含まれ、今後税率の公表が見込まれる半導体およびその派生製品分野についても最恵国待遇が事前に確保されている。
(2)122条大統領布告が台湾に与える影響評価について、相互貿易協定と比べると条件は相対的に不利となる。相互貿易協定で獲得した2,072品目(農産品261品目、工業製品1,811品目)と比較すると、122条に基づく免税リスト(以下、122条リスト)では農産品は230品目にとどまり、世界共通の免税品目のみが維持されている。台湾にとって重要な胡蝶蘭(こちょうらん)など27品目は今回の122条リストに含まれていない。
工業製品について、122条リストでは1,367品目が免税だが、相互貿易協定に含まれていた444品目は122条リストから外れている。今後、122条大統領布告は変更される可能性があるが、相互貿易協定に記載の1,735品目は122条大統領布告の変更にかかわらず免税が維持される。具体例として茶葉や多くの航空機部品は122条リストに含まれているが将来的に変更される可能性がある。一方、相互貿易協定に記載された免税品目である胡蝶蘭用の化学品や印刷物などは122条リストにはないが、同協定に基づき免税が維持される。
行政院の鄭麗君副院長は、上記の評価から、台湾が米国と締結した貿易投資協定および対米投資MOUで獲得した待遇は最良だと言える、と強調した。
相互貿易協定および対米投資MOUは、今後立法院での審議を経て発効することになる。鄭副院長は、米国側と確認を行ったうえで、合意文書を立法院に提出する方針を示した。
(注)米国連邦最高裁が、2月20日にトランプ大統領がIEEPAに基づき課した「相互関税」および「フェンタニル関税」などにつき権限を超過しているとして無効と判断した後、トランプ大統領が直ちに発表したもの(2026年2月25日記事参照)。判決の概要については2026年2月24日記事、判決を受けたトランプ大統領による課徴金の賦課など一連の措置については2026年2月24日記事を参照。
(江田真由美)
(台湾、米国)
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