関税制度

最終更新日:2025年11月01日

管轄官庁

国土安全保障省(DHS)、国土安全保障省 税関・国境警備局(CBP)、国際貿易委員会(USITC)

国土安全保障省(Department of Homeland Security:DHS外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

国土安全保障省 税関・国境警備局(Customs and Border Protection:CBP外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

関税率問い合わせ先

国際貿易委員会(USITC)

国際貿易委員会(International Trade Commission:USITC外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
統一関税情報(Harmonized Tariff Information外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

関税体系

米国の関税体系は、基本関税、特恵関税、政策的な関税の3つから成り立っている。2025年1月の第2次トランプ政権発足以降、相互関税が新たに導入され、さらに国別、品目別の追加関税が発表されるなど、複雑化している。

米国の関税体系は、米国調和関税表(Harmonized Tariff Schedule of the United States、HTSUS、通称HTS)に基づく基本関税と、自由貿易協定(FTA)や一般特恵関税制度(GSP)に基づく特恵関税、政策的に追加された関税(貿易救済や制裁など)からなる。
2025年の第2次トランプ政権発足以降は、相互関税が発動され、全世界一律に10%、および69カ国・地域に国・地域別の税率が賦課された(詳細は、「特集:米国関税措置への対応」を参照)。
米国調和関税表(HTSUS)は国際貿易委員会(USITC)が管理・公開している。HTSUSは章ごとにダウンロードできるほか、品目ごとにデータベースで検索でき、詳細な説明や注記事項はHTSUSのGeneral Notesおよび各品目のNotesに記載されている。税関・国境警備局(CBP)の通知や規則案も参照。(品目の分類に関しては、次項「品目分類」 を参照)。

米国調和関税表:USITC "Harmonized Tariff Schedule of US(HTSUS)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

品目ごとの関税率の検索データベース:USITC "USITC Tariff Database外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

貿易相手国のステータス
米国の貿易相手国のほとんどは、「正常貿易関係(Normal Trade Relations:NTR)」ステータスとして扱われている。「NTR」は「最恵国(Most Favored-Nation:MFN)」待遇と呼ばれていたが、大部分の貿易相手国が「MFN」待遇だったことから、特別に「最恵国」ではないという指摘に基づき、1998年から「NTR」が正式名称になっている。

NTR諸国から米国に輸入される製品は、原則として同率の関税(Column 1税率)が課される。米国が、あるNTR国から輸入する製品の関税率を引き下げ、あるいは関税を撤廃する際は、同じ措置が他のNTR国すべてに適用される。
ただし、2025年に相互関税が導入され、NTRステータスを持つ国・地域であっても、貿易収支不均衡を理由にその国・地域独自の追加関税が課される場合がある。

NTRに含まれず、Column 2税率が課される国として、キューバ、北朝鮮、ロシア、ベラルーシがある。また、イラン、イラク、シリアは、HTSUS上ではColumn 2税率の対象国に含まれていないが、NTRのステータスは事実上なく、米国政府による輸入規制の対象となっている。

CBP "Column 1 / Column 2 / MFN / NTR - Countries that does business with the United States外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

品目分類

国際的な「HSコード」をもとに作られた米国独自の米国調和関税率表(HTSUS)により分類される。

国際的なHSコードをもとにした米国独自の米国調和関税率表HTSUS(Harmonized Tariff Schedule of the United States,通称HTS)が採用されている。USITCはさらに利用者に便利なHTSA(Harmonized Tariff Schedule of the United States Annotated)を構築、これは品目それぞれに説明、一般税率、輸入量(個数)制限、特別税の有無および税率、その他の留意事項を付記したものであり、HTSUSのウェブページ(HTS外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)からダウンロード可能。
関税一覧の細目を策定するのはUSITCだが、現場での裁量権はCBPに帰属する。

分類番号

仕組み
2005年からのHTSコードは、従来6ケタだった基本品目分類番号を4ケタに変更し、その4ケタ番号の後に、詳細分類ごとの2ケタと米国独自の4ケタの拡張コードで品目種類を規定する。例えば、HTS第15章72節(SECTION 15 Chapter 72)では、「銑鉄」の基本品目分類コードが「7201」と決められており、その銑鉄が合金ならば「7201.50」に絞り込まれ、それがさらに鏡鉄(マグネシウムとの合金)なら「7201.50.3000」となる。
このように、HTSには、第1章(Live Animals;Animal Products)1~5節、第2章(Vegetable Products)6~14節と続き、全22章にわたり、すべての品目がコードごとに列挙されている。
なお、米国からの輸出に際しての分類番号は、「スケジュールB番号」が使用される。スケジュールB番号もHSコードを基礎とした10桁(HS6桁+米国独自4桁)の分類体系だが、Schedule Bは商務省国勢調査局が管理し、輸出統計の精度向上を目的として一部品目でHTSより細かい分類となっている。

  1. HTSUS外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
  2. 米国商務省国勢調査局"Schedule B外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
  3. 任意の品目の税率は、次のウェブサイトで検索できる。 USITC "USITC Tariff Database外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

関税の種類

HTSUSに基づく基本関税、FTAなど国際協定に基づく特恵関税、政策に基づく関税など。品目により従価税、従量税あるいは併用税となる。

  1. HTSUSに基づく基本関税
    正常な貿易関係(NTR)にある国向けには「一般税率(Column 1)」が、キューバ、北朝鮮、ロシア、ベラルーシの4カ国に対しては「法定税率(Column 2)」が適用される。
  2. FTAなど国際協定に基づく特恵関税
  3. 政策的な関税:アンチダンピング税、セーフガード措置、不公正貿易慣行に対する制裁、相殺関税、国家安全保障への脅威などに対して発動。2025年4月以降、相互関税として、ほぼ全ての国・地域からの輸入品に一律10%、69カ国・地域に対し個別に設定した追加関税が課されている。

課税基準

輸入価格(FOB価格)と輸入量を基準に課税。品目により従価税、従量税あるいは併用税となる。関税率は、一般税率(NTR税率)、特別税率(FTA、GSPなど特恵税率)と法定税率(特定国や品目に対する税率)の3本立て。

課税方法は次のとおり。

  1. 輸入貨物の輸入価格(FOB価格)と輸入量(重量、体積、あるいは個数)を基準に、輸入者がHTSUSに基づき自己申告で納税する。品目によって、従価課税(Ad valorem)、従量課税(Specific duty)、あるいは併用課税(Combined tax)が適用される。
  2. FOB価格がドル以外の外国通貨建ての場合、船荷証券記載の輸出日時点の公定換算レート(四半期ごとに発表)を使用するよう規定されている。また、特殊関税としてアンチダンピング関税や相殺関税があり、商務省の決定に基づき、その都度定められた関税率が適用される(毎年1月1日付で改訂)。
  3. 輸入時に輸入者が納入する関税は予定納税(Estimate Duty)であり、1年以内(通常は314日以内)に税関から通知される確定関税との差異があれば、この差額分が徴収もしくは還付される。これを関税清算(Liquidation)と言い、この決定に不服を申し立てることもできる。
  4. 関税率
    1. 一般税率(NTR税率またはMFN税率):NTR諸国向け税率(かつてのMFN税率)。日本も同税率の適用対象国(ただし、日米貿易協定が対象とする品目については、特別税率が適用される)。
    2. 特別税率(または協定税率):FTAや貿易協定等締結国に対する特恵税率や特定の開発途上国に対する一般特恵関税(GSP)など、特恵措置が適用される国・地域、輸入品に対する税率。詳細は「特恵等特別措置」の項目参照。
    3. 法定税率:キューバ、北朝鮮、ロシア、ベラルーシの4カ国に対して適用される税率。旧来は共産圏諸国向けの税率であったが、対象国が徐々に減り、2001年末にアフガニスタンとベトナムも除外され、一時、適用国は2カ国のみになった。その後、ロシアのウクライナ侵攻を受けて、2022年4月以降にロシアとベラルーシが新たに加えられた。

対日輸入適用税率

一般税率が適用される。※日米貿易協定の対象品目を除く。

日本からの輸入品に適用する関税率は、日米貿易協定の対象品目(一部の工業品および農産品・加工食品)については特恵税率、その他は一般税率が適用される。しかし、米国内の産業から調査要請や抗議が持ち込まれた場合、必要に応じて、USITCや税関・国境警備局(CBP)、通商代表部(USTR)、商務省が調査に乗り出すことがある。
日米貿易協定については、ジェトロの記事「日米貿易協定早わかり」を参照。

調査中の税関通告(Customs Ruling)は、CBPのウェブサイトにある関税判定オンライン・サーチで検索が可能。

関税判定オンラインリサーチ:CBP "About the Customs Rulings Online Search System (CROSS)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

※ただし、2025年8月7日以降、一般税率(MFN税率)が15%未満の物品と自動車・自動車部品に対して15%、一般税率が15%以上の品目に対してはそのまま一般税率を課している。「特集:米国関税措置への対応」参照。

特恵等特別措置

米国が特恵条約、国内法などで特恵等特別措置を認めている相手国・地域や輸入品に関するプログラムは、次のとおり。

  1. 自由貿易協定(FTA)に基づく特恵関税
    米国は2025年11月現在、20カ国・地域と14の自由貿易協定を締結済。
    ジェトロ:米国が締結している自由貿易協定PDFファイル(238KB)
  2. 米国・カリブ海貿易法(United States-Caribbean Basin Trade Partnership Act外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    カリブ海諸国産の繊維製品や石油製品などに対して無税または減税。
  3. カリブ海経済回復促進法(Caribbean Basin Economic Recovery Act外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    指定されたカリブ海諸国からの輸入品に対して無税。
  4. アンデス諸国関税優遇および麻薬撲滅法(Andean Trade Promotion and Drug Eradication Act:ATPDEA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    コロンビア、ペルー、エクアドルなどからの繊維・農産品等に対して無税または減税。
  5. WTO協定に基づく特恵関税
    1. 民間航空機貿易協定(Agreement on Trade in Civil Aircraft
    2. 薬品貿易協定(Agreement on Trade in Pharmaceutical Products
    3. 染料用中間化学物質に関するウルグアイ・ラウンド譲許(Uruguay Round Concessions on Intermediate Chemicals for Dyes
  6. 日米貿易協定(U.S.-Japan Trade Agreement
  7. 日米重要鉱物サプライチェーン強化協定(Agreement between the Government of Japan and the Government of the United States on Strengthening Critical Minerals Supply Chains
    USTR:各国・地域との自由貿易協定 "Free Trade Agreements外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

これらのほか、一般特恵関税制度(Generalized System of Preferences:GSP)があったが、2020年12月31日に失効した。更新に向けた動きはあるが見通しは不明。
ジェトロの記事「米下院歳入委、一般特恵関税(GSP)やデミニミスなどの通商関連法案を可決
また、アフリカ成長・機会法(African Growth and Opportunity Act:AGOA)に基づく特恵関税は2025年9月30日で失効した。
ジェトロの記事「米国のアフリカ特恵制度「AGOA」が9月30日に期限切れ、延長の見通し立たず」(2025年9月24日付)

香港の取り扱い:米国は1992年香港政策法に基づき、貿易制度上、香港には中国本土と異なる待遇を与えてきたが、トランプ大統領は2020年7月14日、中国政府による香港への国家安全法導入を受け、香港を中国本土と別に扱うことを正当化できる自治がもはや維持されていないとし、香港への優遇措置を停止する大統領令を発表した。これにより、U.S. Code 1304の香港への適用が停止され、香港原産の物品は中国原産と同様に扱われることになった。

関連法

1930年関税法、1993年税関現代化法

1930年関税法

Tariff Act of 1930)(19 USC Ch. 4外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
関税政策の基本であり、合衆国法律集(USC)のタイトル19「関税(Customs Duties)」として整理されている。

1993年税関現代化法

Customs Modernization Act of 1993)(Pub. L. 103-182外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
税関業務の電算化とコンプライアンス強化の推進が主な内容。税関と輸入者双方がコンプライアンス確保の共同責任(Shared Responsibility)を負うことを定め、「インフォームド・コンプライアンス」として、輸入者が適切な通関申告をできるような情報の提供と指導責任を税関当局に課した。一方、輸入者に対しては、コンプライアンスへの「適切な注意」と「記録管理」の責任を課している。
税関・国境警備局(CBP)"Recordkeeping外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(243KB)"

関税以外の諸税

税関が、関係官庁に代わって徴収する諸税や手数料。
内国消費税、商業貨物税関使用料、港湾維持料など。

関税以外に、税関が他の官庁に代わって徴収する諸税や手数料は次のとおり。
CBP "Duty, Taxes and other Fees required to import goods into the United States外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

内国消費税(Excise Tax

税関が、内国歳入庁(IRS)に代わって、輸入貨物に対する内国消費税を輸入時に徴収する。
対象品目は、アルコール飲料やたばこ等。

財務省 アルコール・タバコ税貿易管理局(Alcohol and Tobacco Tax and Trade Bureau:TTB)
"Tax and Fee Rates外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

その他対象品目等、詳細についての問い合わせは各輸入港まで。
各港湾の連絡先:CBP "Locate a Port of Entry外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

商業貨物税関使用料(Merchandise Processing Fee

税関の使用料。2.の免除貨物を除き、関税無税品を含むすべての貨物を対象として徴収される。

  1. 現行手数料率
    1. 2,500ドル以上または繊維製品などの制限品目以外の輸入申告額(FOB価格)の0.3464%(最低33.58ドル~最高651.50ドル)。
    2. USMCA実施法により、カナダおよびメキシコの原産品は無料(ただし、USMCA特恵関税の申請と併せて免除の申請をする必要がある)。
    3. 略式輸入(制限品目以外の2,500ドル未満の小口貨物)の場合は2.69~12.09ドル。

      連邦官報 "Customs User Fees To Be Adjusted for Inflation in Fiscal Year 2026外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

  2. 手数料免除貨物
    1. 米国関税率表第98類の減免税品目(一部例外あり)
    2. 米国属領(グアム、米領サモア、ヴァージン諸島、プエルトリコ)産品
    3. 後発開発途上国産品
    4. カリブ海諸国経済復興(CBI)対象国・地域産品
    5. イスラエルとの自由貿易協定対象産品
    6. その他自由貿易協定の対象国・地域産品(例外あり)

      CBP "MPF and Preferential Trade ProgramsPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(172KB)"

  3. 1974年通商法301条に基づく特定船舶への入港料金(対中措置) 中国企業が所有・運航する船舶、中国で建造された船舶、米国外で建造された自動車運搬船に入港料金を課す規制。入港料金の算定基準は、純トン数あたり46ドル。入港料金の適用上限回数を対象船舶1隻につき暦年で5回に限定というもので、10月15日から導入されたが、10月30日に実施された米中首脳会談により11月10日から1年間、運用を停止している。

    ジェトロの記事:米USTR、自動車運搬船の入港料金算定基準を大幅引き上げ、10月14日から徴収開始(2025年10月14日付)
    ジェトロの記事:米USTR、301条入港料金の適用停止案を発表、自動車運搬船も対象に、11月10日までに正式決定へ(2025年11月7日付)

港湾維持料(Harbor Maintenance Fee

水資源開発法(1986 年Public Law 99-662)および同法改正に基づき、輸入品、国内貨物、外国貿易地域(FTZ)への搬入、商用船舶に対し従価税が課される。
費用:積荷価値などの0.125%。

その他

関税払戻し、減免税措置、一時的な免税輸入

関税の払戻し

貨物を米国から再輸出した場合、輸入した際に支払った関税、内国消費税の99%を、原則として、輸入者からの申請に基づき払い戻す制度。ただし、アンチダンピング税や相殺関税は対象外(19USC1313)。

適用対象は次のとおり。

  1. 同一状態での再輸出および破棄貨物
    3年以内に再輸出、または税関監視下で破棄された場合。
  2. 違約品
    契約上の見本、使用に合致しない物品、受荷主の合意なく送られてきた貨物で、90日以内に税関の管理下に戻され、税関の監督下で再輸出された場合。
  3. 製造貨物
    輸入品の一部または全部を用いて米国で製造された物品が、輸入後5年以内に再輸出された場合。
  4. 代替貨物
    輸入貨物と同種類の国内品または関税支払品を用いて、輸入後3年以内に製造もしくは生産し、5年以内に再輸出された場合。

U.S. Code 1313 "Drawback and refundsPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(184KB)"

税関・国境警備局(CBP)"Drawback外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

関税減免措置

輸入時に一定の条件を満たしている場合には、関税対象品目であっても当該関税が減免される。主な規定は次のとおり。

  1. 米国関税率表第98類は、無条件減免税あるいは税関保証金(ボンド)を差し入れるとの条件下で特定減免税が適用される輸入事例を20項に分類、規定している。例えば、船積用のコンテナ、米国政府機関の購入品、在米外国政府・国際機関の輸入品、商品見本、米国水産業者による水産物、ボンド差し入れによる展示品や一時輸入品など。

    米国関税率表:USITC "Harmonized Tariff Schedule外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

  2. 再輸入品

    米国から輸出され、再輸入される貨物は、外国で加工、組立等により付加価値が付くか否かで分類が異なる。原則として、貨物が輸出時と同じ状態で戻ってくれば免税。外国で付加価値が付けば、付加価値分だけが課税され、減税扱い。

    CBP "HTS Subheading 9801外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

ATAカルネによる一時的な免税輸入

  1. 概要

    ATAカルネは、ATAカルネ条約に加盟する各国の商工会議所国際事務局が作成する、関税の支払いなしで暫定輸入をするための保証付きの通関書類である。主に見本品を輸出する際に用いられ、保税担保による方法(Temporary Importation under Bond:TIB)と同様の効力を有する。

    TIBよりも手続きが簡素なため、多くの輸入者が利用している。ATAカルネの有効期間は1年で、この期間内であれば、米国への輸出入が回数の制限なしに可能。また、米国に限らずATAカルネ条約加盟国への輸出入も可能である。

    TIBとの違いは、TIBの場合、輸入者自身の入国手続きとは別に、書類の記入や保税支払いなどの通関手続きを済ませなければならないが、ATAカルネの場合は、出国前に、カルネと呼ばれる通関書類を発行するだけで、あとは手続きの必要がない。発行には、手数料と保証金の支払いが必要。

  2. ATAカルネの対象商品
    商業用見本品や専門職用機器、広告用材料のほか、コンピュータやカメラ、産業機械、宝飾品のほか、美術品など。ただし、農作物や予め売買が予測される商品の輸入は、この限りではない。

ATA カルネについて:商務省国際貿易局(ITA) "ATA Carnet外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

外国貿易地域(Foreign Trade Zone)に搬入される輸入品

1934年外国貿易地域法に基づき、外国貿易地域(Foreign Trade Zone:FTZ)が設けられている。FTZに搬入された貨物は無期限の蔵置が認められており、FTZから国外に再輸出された場合は、通関手続きと関税支払いは免除される。他方、米国市場での販売を目的にFTZから米国内に持ち込む場合は、通関手続きおよび関税の支払いが必要となるが、[1]FTZに持ち込んだ原材料や部品に係る関税、または[2]これら原材料や部品を用いてFTZ内で生産した完成品に係る関税、のどちらかを選択して支払うことが、一般的には可能になっている。

FTZについて:CBP "About Foreign-Trade Zones and Contact Info外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"