バイオテロ法に関する情報

お知らせ

米国食品医薬品局(FDA)食品関連施設登録の更新について

バイオテロ法で義務付けられる食品関連施設の登録は、米国食品安全強化法(FSMA)により、偶数年10月1日から12月31日の間の更新が義務付けられています。 2016年はその更新年に該当しますので、期間中(2016年10月1日から12月31日)に施設登録の更新を行う必要があります。

概要

バイオテロ法(公衆の健康安全保障ならびにバイオテロへの準備および対策法:The Public Health Security and Bioterrorism Preparedness and Response Act of 2002)は、2001年9月11日の米国同時多発テロ等を受け、2002年6月にブッシュ米国大統領の署名により成立し、2003年12月12日に施行された。

同法により、【1】食品関連施設の登録、【2】輸入時の事前通告、【3】記録の保存、【4】行政による留置が義務付けられた。
さらに、2011年1月4日に制定された食品安全強化法(Food Safety Modernization Act)により、バイオテロ法の義務要件の一部が改正された。

(参考)調査レポート

【1】食品関連施設の登録(バイオテロ法第305条、食品安全強化法第102条)

米国内でヒトや動物の消費に供するための食品を製造、加工、包装、保管する米国内外の施設は、バイオテロ法305条の規定に基づき、03年より、FDAに登録することが義務付けられた。新規登録や登録更新にかかる費用は無料である。

具体的には、施設に対し責任を有する所有者、経営者、代理人、またはその権限を委任された者は、施設の名称、住所、施設が扱う食品分類などの情報を登録しなければならない。さらに、外国施設については、米国代理人を登録しなければならない。

登録内容に変更がある場合には、変更後60日以内に修正しなければならない。さらに、食品安全強化法第102条(食品医薬品化粧品法第415条)により、偶数年の10月1日から12月末までに、登録施設は登録を更新しなければならないこととなった。2012年の登録更新は10月22日から開始された。

未登録の外国の施設から持ち込まれた食品は、通関で留め置かれる可能性がある。

1. 登録の対象施設

対象施設は、米国内でヒトや動物の消費に供するための「食品」を製造、加工、包装、保管する国内外の施設である。「保管」施設は、登録漏れになりがちであるが、これも登録義務の対象となっているので注意が必要である。

  1. バイオテロ法の登録の対象となる「食品」
    バイオテロ法に基づく登録の対象は、次の表の通りである。この定義に含まれない食品接触物質と殺虫剤の製造・加工・包装・保管施設は登録は不要である。
    なお、米国で再度加工されることを前提とする食品用原料は、「食品」として扱われる。
    バイオテロ法の「食品」の定義に含まれるもの バイオテロ法の「食品」の定義に含まれないもの
    • 栄養補助食品および栄養成分
    • 乳児用ミルク
    • 飲料(アルコール飲料およびボトル入り飲料水を含む)
    • 果物および野菜
    • 水産物および水産加工品
    • 乳製品および殻つき卵
    • 食品またはその構成物として使用される未加工農産品
    • 缶詰食品および冷凍食品
    • パン製品、菓子類、砂糖菓子(チューインガムを含む)
    • 生きている食用動物
    • 飼料およびペットフード
    • 食品および飼料の成分
    • 食品および飼料の添加物
    • 食品医薬品化粧品法第409条(h)(6)で定義される食品接触物質
    • 殺虫剤
  2. 次の施設は登録の対象外である。
    • 個人の住居
    • 公共水道システムなどの飲料水収集・分配施設
    • 輸送業者の通常の営業過程としてのみ食品を積載する輸送車両
    • 農場
    • レストラン
    • 食品小売施設
    • 非営利の食品施設(食品を直接消費者に提供する場合)
    • 漁船
    • 農務省によって独占的に、また完全に規制されている施設(肉製品、家きん製品または卵製品のみを扱う施設)
  3. 米国外の施設(仮に施設A)で製造、加工あるいは包装を行った食品を、さらに他の施設(仮に施設B)に運搬して製造、加工や包装を行ったのちに米国へ輸出する場合、施設Bのみが登録の対象となる。
    ただし、施設Bが行う活動がラベル貼りなどの最低限の活動の場合には、施設A、B両方の登録が必要となる。
2. 登録の内容
  1. 施設の登録内容の主要なものは次の通りである。
    • 施設名、住所、電話番号、緊急連絡先電話番号
    • 親会社の名称、住所、電話番号(親会社がある場合)
    • 経営者、作業者または担当の代理人の氏名、住所および電話番号
    • 施設が使用している全ての商号
    • 施設で製造・加工・包装・保管される全ての食品の一般食品分類名
    • 外国施設の米国代理人の氏名、住所、電話番号および、その施設の緊急連絡先が米国代理人ではない場合にはその電話番号
    • 提出情報が真実で正確であり、提出者にその管理権限があるという宣誓文

    (以下の3項目は、食品安全強化法により新たに義務的登録事項に追加された項目である)

    • 施設の連絡担当者のEメールアドレス
    • 外国施設の場合、施設の米国代理人のEメールアドレス
    • 施設をFDAが検査することを施設が承諾する旨の確約
  2. 米国代理人について
    外国施設を登録する場合には、米国代理人を指定する必要がある。米国代理人は、米国内に居住しているか、米国内で継続的にビジネスを行っており、米国に滞在している必要がある。輸出者が米国内に関連会社などを有する場合、この関連会社などが米国代理人となるのが一般的である。また、輸出元が米国に関連会社を持たない場合には、日系の食品輸入業者など、米国側の取引先が米国代理人を引き受けている。
3. 登録および更新の方法
  1. FDA:食品施設登録のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます を通じオンラインで登録、または更新をする。
  2. インターネットに接続できない場合はFDAに登録フォーム(Form3537)を請求し、郵送またはFaxにて提出する。
    電話番号 1-800-216-7331(米国内からかける場合)
    301-575-0156(米国外からかける場合)
    住所 U.S. Food and Drug Administration
    HFS-681
    5600 Fishers Lane
    Rockville, MD 20857
    USA
    Fax番号 1-866-573-0846(米国内から送信する場合)
    301-436-2804(米国外から送信する場合)
  3. 複数の食品関連施設を登録する場合、記入した登録フォームをCD-ROMに保存して郵送にて提出することができる。
  4. 施設登録の手続きが完了次第、FDAは登録を確認し、登録番号を割り当て、オンライン、ファックス、郵便などで施設に通知する。
4. FDAによる登録の一時停止

食品安全強化法は、重大な健康危害もしくは死をもたらす合理的な可能性がある場合、施設の登録を一時停止する権限を FDA に付与した。仮に登録が一時停止されれば、輸入が不可能になるという点で、登録の意義に実質的な変更をもたらすこととなった。

5. その他
  1. FDAの食品関連施設への検査が増加する中、FDAが施設の責任者や米国代理人への連絡を試みるケースが今後増加すると考えられる。施設の登録情報が最新のものとなっているかどうか、確認を怠らないようにし、更新を適宜行う必要がある。
  2. 施設の登録情報は、情報公開法による非開示情報であるため、第三者が登録情報をFDAから入手することはできない。仮に、登録番号などが不明な場合は、施設の所有者などからFDAに問い合わせる必要がある。

【2】輸入時の事前通告(バイオテロ法第307条、食品安全強化法第304条)

バイオテロ法第307条に基づき、輸入業者などは、輸入する食品をFDAに事前に通告しなければならない。適切な事前通告なしに輸入された場合、当該輸入品は、留め置かれるか、FDAにより安全な施設への移動が指示される可能性がある。

1. 事前通告の概要

事前通告は、税関国境警備局(CBP)のシステム(ABI/ACS)を通じて提出する場合は到着予定日の30日前から、FDAのシステム(PNSI)を通じて提出する場合は到着予定日の15日前から、それぞれ次の表に掲げる時間までに行う必要がある。

輸送手段 事前通知提出期限
道路輸送 到着2時間前まで
航空輸送、鉄道輸送 到着4時間前まで
海上輸送 到着8時間前まで
国際郵便 食品の郵送前にFDAが電子通知を受信・確認する必要がある。また、小包にはFDAの事前通告確認書を添付する必要がある。
手荷物あるいは預け入れ荷物として持ち込まれる食品が事前通告の対象となる場合 輸送方法に応じて設定された時間枠内
2. 事前通告の対象となる「食品」
  1. 事前通告の対象となる「食品」は、次の表の通り。米国で再度加工されることを前提とする食品用原料は、「食品」として扱われる。
    バイオテロ法の「食品」の定義に含まれるもの バイオテロ法の「食品」の定義に含まれないもの
    • 栄養補助食品および栄養成分
    • 乳児用ミルク
    • 飲料(アルコール飲料およびボトル入り飲料水を含む)
    • 果物および野菜
    • 水産物および水産加工品
    • 乳製品および殻つき卵
    • 食品またはその構成物として使用される未加工農産品
    • 缶詰食品および冷凍食品
    • パン製品、菓子類、砂糖菓子(チューインガムを含む)
    • 生きている食用動物
    • 飼料およびペットフード
    • 食品および飼料の成分
    • 食品および飼料の添加物
    • 食品医薬品化粧品法第409条(h)(6)で定義される食品接触物質
    • 殺虫剤
  2. 次の場合に該当する「食品」は事前通告が不要である。
    事前通告に必要な情報
    • 個人の消費用に米国に持ち込む食品
    • 農務省の専管物資(肉製品、家きん肉製品、卵製品)
    • 輸入された後、到着港を離れずに輸出される食品
    • 個人宅で作られ個人的な贈り物として送られる食品
    • ウィーン条約に基づき外交用郵便物として郵送される食品
  3. 事前通告に必要な情報
    • 事前通告の提出者確認情報(氏名、電話、電子メールアドレス、会社名、住所)
    • 送信者(送信者と提出者が異なる場合)を確認する情報(氏名、電話、電子メールアドレス、会社名、住所)
    • 通関の種類およびCBP確認情報(CBP identifier)
    • 食品の詳細情報(FDA商品コード、慣用名、一般名、または市販名、最小の包装サイズから最大容器までの推定数量、ロットおよびコード番号、またはその他の食品を確認できる情報(該当する場合))
    • 製造業者の確認情報(施設登録番号等)
    • 生産国
    • 荷主の確認情報(国際郵便の場合は除く)
    • 食品の出荷元の国(国際郵便の場合は、発送予定日および郵送国)
    • その食品の入国を拒否した国があればその国名(2011年6月より追加)
    • 到着予定情報(場所、日時等)、食品が国際郵便で郵送される場合は、米国受取人(氏名および住所)
    • 輸入業者、荷主、最終荷受人の確認情報(氏名、住所、登録番号等)(国際郵便の場合および米国内で詰め替えが行われる場合は除く)
    • 運送会社の確認情報および輸送方法(国際郵便の場合は除く)
    • 出荷予定情報(国際郵便の場合は除く)
  4. 事前通告を行う者
    必要情報について知識を持っている者であれば誰でも事前通告を行うことができる。代行業者、輸入業者、米国代理人などにより事前通告が可能である。
  5. 事前通告の方法は以下のいずれかの方法で行う。
    • 税関国境警備局(CBP)のABI/ACS(Automated Broker Interface of the Automated Commercial System)
      CBPとFDAのコンピュータシステムが連関しており、通関業者、輸入業者がCBPに提供した事前通告に関する情報がFDAに提供される。
    • FDAの事前通告インターフェース (PNSI)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

【3】記録の義務付け(バイオテロ法第306条)

米国内で食品を製造、加工、包装、運送、流通、受領、保管もしくは輸入しようとする米国人(法人を含む)は、直前の入手元および直後の受け渡し先を特定する記録を作成し、保存しなければならない。また、食品がヒトや動物の健康に重大な危険を及ぼすとFDAが判断した場合には、その食品についての記録または関連情報を、FDAに提供しなければならない。

1. 記録の義務付けの対象

外国人(法人を含む)については、米国に食品を持ち込む外国人(法人を含む)だけがこの規則の対象になる。例えば、日本国内の食品加工会社A社が運送会社B社を使って米国に食品を輸出する場合、A社には記録の作成・保存の義務はなく、B社のみが規則の対象となる。

規則が適用される者
  • 米国人(法人を含む)で食品を製造、加工、包装、運送、配送、受領、保管するか、米国に食品を輸入する者
  • 外国人(法人を含む)で食品を米国に持ち込む者
全ての規則が適用除外となる者 以下の者には、記録保存や記録・関連情報のFDAへの提供義務はない。
  • 農場
  • レストラン
  • 外国人(法人を含む。ただし、米国に食品を持ち込む者は除く)
  • 農務省が一元的に管轄している食品(肉製品、家きん肉製品、卵製品)のみを製造、加工、包装、運送、配送、受領、保管、輸入する者
  • 個人的に消費される食品を製造、加工、包装、運送、流通、受領、保管、輸入する者
  • 個々の消費者の代わりに食品を受領、あるいは保管し、かつ商取引に関与せず、または食品流通に従事していない者
  • 食品に直接接触しない容器を製造、加工、包装、運送、流通、受領、保管、輸入する者
一部の記録の作成・保存が免除される者 食品小売店など、消費者に対して食品を直接販売する者は、その食品の受け渡し先の記録を作成・保存する必要はない。
記録の保存が免除される者 次の主体は記録の作成・保存の義務はない。しかし、FDAから要求があった場合には関連情報を提供しなければならない。
  • 漁獲物の加工を行わない漁船
  • フルタイム換算従業員(従業員の年間延べ労働時間を1名=2,080時間として換算)が10名以下の食品小売店
  • 非営利の食品施設
  • 容器などの食品と接触するものを製造、加工、包装、運送、配送、受領、保管、輸入する者
2. バイオテロ法に基づいて保存すべき記録の内容
非輸送者 食品の受領記録と発送記録を分け、それぞれ、直近の相手の社名、連絡先、食品の種類、取引日、ロット番号など食品を特定する情報(製造、加工、包装業者の場合)、数量、容器の種類などの記録を作成・保存する。
輸送者(食品の輸送のみに従事する者) 食品の直前の入手元、直後の受け渡し先、輸送の出発地、目的地、輸送日などの記録を作成・保存する。
3. 記録または関連情報のFDAへの提供

食品に不良があり、ヒトや動物に重大な健康危害もしくは死をもたらす可能性があるとFDAが判断した場合、FDAは記録または関連情報を入手することができる。関係業者は、FDAからの要求があった場合、少なくとも24時間以内に関連情報を提供しなければならない。

4. バイオテロ法に基づいて保存する記録の様式

記録の様式は特に指定されておらず、必要な情報が含まれていれば良いとされている。新たな書類を作成する必要はなく、既存の書類(例えば注文書、船荷証券、船積み書類など)を記録として用いることが可能である。また、記録は書類でも電子的情報でもよい。

5. バイオテロ法に基づく記録保存の期間

記録保存の期間は、食品の痛みやすさによって次のように決められている。

食品の分類 入手または受け渡し日からの期間
非輸送者 輸送者
60日以内に品質劣化が進む食品 6カ月 6カ月
60日を超え、6カ月以内に品質劣化が進む食品 1年間 1年間
6カ月経っても品質劣化が進まない食品 2年間 1年間
動物の飼料、ペットフード 1年間 1年間

【4】 行政による留置(バイオテロ法第303条、食品安全強化法第207条)

行政による留置は、FDAが不良または不当表示された食品を市場で流通することを防止し、食品の安全性を確保するために認められた行政手段である。本権限は、バイオテロ法により導入され、食品安全強化法により強化された。

1. 行政留置の概要

バイオテロ法第303条に基づき、FDAの行政官または権限を有するその他の職員は、食品の検査を行う際に、食品が不良(adulterated)である、または不当表示(misbranded)されていると信じるに足りる理由がある場合には、当該食品の留置命令を発することができる。留置命令を受領した者は、FDAより指定された場所および条件の下で当該食品を保管しなければならない。
命令書の写しは、食品が置かれている場所の所有者、経営者、代理人、食品の荷主に発行される。またFDAが、車両など運送手段上にある食品に対し命令を出した場合には、登録されている荷送人と車両の所有者、経営者に対して留置命令の写しが発行される。
なお、農務省の専管となる食品(肉製品、家きん肉製品、卵製品)は対象外とされている。また、輸入食品に対しては、別の留置権限がFDAに対して認められている(食品医薬品化粧品法第801条)。

2. 留置命令に含まれる情報
  • 留置命令番号
  • 留置命令の日時
  • 留め置きされた食品の詳細
  • 留置期間
  • 示された期間中は、食品が留め置きされる旨の文書
  • 留置理由の概要
  • 食品が留め置きされるべき場所の住所、位置および倉庫・輸送の状況
  • 留置命令を承認したFDAの代表者氏名 など
3. 効果

留置命令の対象となった食品は、輸入業者、荷主、荷受人などの第三者に引き渡すことはできない。また、FDAが留め置きを解除するか、留置期限が切れるまで、留置が命じられた場所または移動先の場所からは移動できない。留置期間については、30日を超えることはできない。

留置された食品について権利を保持する者は、留置命令に対して不服を申し立てることができる。生鮮食料品等の場合、留置命令を受けた日から2日以内に不服申し立てを行うことが求められる。その他の食品の場合は、命令を受けた日から4日以内にヒアリング要求の意向を示し、命令を受けた日から10日以内には不服申し立てをしなければならない。FDAは不服が申し立てられてから2日以内に、求めがあれば非公式なヒアリングの機会を提供し、不服申し立ての5日以内に、命令を継続するか解除するかを決定しなければならない。

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