米商務省、インド、インドネシア、ラオス製の太陽電池・太陽光発電製品に補助金相殺関税(CVD)賦課の仮決定

(米国、インド、インドネシア、ラオス、中国)

ニューヨーク発

2026年03月04日

米国商務省国際貿易局(ITA)は2月24日、インド、インドネシア、およびラオスの3カ国で生産された結晶シリコン系太陽電池(solar cells)およびそれを組み立てた太陽電池モジュール(solar modules)に対し、補助金相殺関税(CVD)を賦課する仮決定を発表した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。官報公示は2月26日に行われた(注1)。

ITAは2025年7月に、当該3カ国製の太陽電池(セルおよびモジュール)に対するアンチダンピング関税(AD)とCVDの発動要否を判断する事実確認調査を開始していた。AD・CVDはWTO協定で認められた貿易救済措置であり、ADは輸出国の国内価格を下回る価格で輸出された製品が輸入国の産業に損害を与える場合に、その価格差を相殺する目的で賦課する。CVDは、政府補助金を受けて生産された製品の輸出により輸入国の産業が損害を受ける場合、当該補助金の効果を相殺する目的で賦課する。

今回の仮決定により、官報公示日からCVDの徴収が開始されている。国別の税率(特定輸出者・生産者属を除く一般税率)は、インド125.87%、インドネシア104.38%、ラオス80.67%。なお、これらの税率は最終決定で変更される可能性がある。ITAは、最終決定を2026年7月上旬に発表する予定としている(注2)。

また、今回の3カ国に対するCVD賦課の仮決定に先立ち、2024年5月以降、マレーシア、タイ、カンボジア、およびベトナム製の太陽電池セルおよびモジュール(太陽光発電製品)についても、AD・CVD発動可否を判断するための事実確認調査が実施され、これら4カ国については2025年4月に最終決定が下されている(2024年10月3日記事2024年12月3日記事2025年4月23日記事参照)。今回の3カ国に対する請願も、前回と同様、米国太陽光発電メーカー連合によるもので、中国製の太陽光発電製品に対する既存のAD・CVDを回避するための迂回輸出が行われているのではないかとの懸念が背景にある(米政治専門誌「ポリティコ」2025年7月17日)。

(注1)CVD仮決定に関する詳細は、各国別の官報(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますインド外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますインドネシア外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますラオス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を参照。

(注2)なお、ADに関する最終決定は現時点で発表されていない。

(久峨喜美子)

(米国、インド、インドネシア、ラオス、中国)

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