輸出入手続

最終更新日:2025年09月22日

輸出入許可申請

一般的に、輸出入許可は不要。ただし、特定の品目に関し、商務省、国務省、財務省、原子力規制委員会、エネルギー省、食品・医薬品局などからの許可が必要な場合がある。

  1. 輸入

    米同時多発テロ事件後の法規制整備によって国土安全保障省(DHS)が設立され、その傘下に税関・国境警備局(CBP)が設置されて以来、輸入関連規制は、主にCBPの管轄となっている。
    一般的に、輸入許可は不要。ただし、特定の品目によっては、管轄省庁が規定する諸規制に準拠する必要がある。

    詳細は、「貿易管理制度」内の輸入品目規制、ならびに輸入地域規制を参照。

  2. 輸出
    1. 輸出規制については、商務省の産業安全保障局(BIS)が主要管轄局となっている。
    2. 規制品目リスト(Commerce Control List:CCL)記載の商品・ソフトウエア・技術の輸出については、BISの許可が必要。

    詳細は、「貿易管理制度」内の輸出品目規制、ならびに輸出地域規制を参照。

必要書類等

輸入:輸入貨物明細書、インボイス、パッキング・リスト、検査証明、原産地証明、輸入概要書など。
輸出:輸出申告書、インボイス、輸出許可証、パッキング・リストなど。
輸出入とも全て電子通関システムを通じて提出する。

輸入手続き

税関手続きは完全に電子化されており、CBPが運用する電子通関システム"ACE"(Automated Commercial Environmentの略)を通じて、輸入申告・貨物情報・添付書類などを一元的に提出する。ACEは、通関業者や輸送業者がEDI(電子データ交換)を通じて接続するほか、企業が自社情報を管理できるACEポータルも提供されている。

税関・国境警備局(CBP外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

通関書類(一般的なもの)

  • 輸入概要書(Entry Summary, CBP Form 7501
  • 輸入貨物明細書(Inward Cargo Manifest, CBP Form 7533)あるいは貨物即時引き取り申告(Entry/Immediate Delivery for ACE, CBP Form 3461
  • 輸入権限を裏付ける書類(Evidence of the right to make entry):船荷証券(bill of lading、B/L)、航空貨物運送状(air waybill)、または運送人証明書(carrier's certificate)など
  • コマーシャル・インボイス(commercial invoice)またはプロフォーマ・インボイス(仮請求書、pro forma invoice
  • パッキング・リスト梱包明細書(packing list)その他、輸入が認められるか否かを判断するために必要な関連資料・情報(輸入許可証、原産地証明、検査証明書等)
  • 税関ボンド(Customs Bond)番号(インボイス価格が2,500ドル超の場合)
  • その他税関港所長(port director)が要求する商品の引き取りに必要なその他の書類

DHS"Find Import/Export Forms外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"
CBP"Basic Importing and Exporting外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"
輸入申請手続きの前に輸入品の品目番号を確認する必要がある。米国では輸入申告に際して「HTS(Harmonized Tariff Scheduleの略)番号」が使用されている。HTS番号は国際的なHSコードを基礎とした10桁(HS6桁+米国独自4桁)の分類体系で、管轄機関は米国国際貿易委員会(USITC)。

事前教示制度(Binding Ruling Program

届け出に当たり、正確な番号や原産地基準、FTAの適用の可否を判断するのが困難な場合、申請に基づき、CBPが事前に判断・教示する仕組み。申請は電子申請(eRuling)または郵送で行う。輸入前に申請することで、通関時の不確実性を排除できる。CBPが発行する教示は、全米の税関港で拘束力をもつ。事前教示の有効期間に関する決まりは特にないが、商品の内容や申請内容が変更されれば拘束力がなくなる。
日本国内からの申請先:在日米国大使館・領事館「電子事前確認リクエストの方法外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
米国内からの申請先:(電子申請)Electronic Ruling (eRuling) Template外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

事前通報制度(AMS, Automated Manifest System

米国に到着する貨物の情報を事前に電子的にCBPへ提出するためのシステムで「2002年通商法」に基づき、2004年から義務化。通関の迅速化、検査リスクの低減、貨物追跡の精度向上が目的。ACE上で運用されている。

  • 対象:海上・航空・陸上輸送(トラック・鉄道)
  • 目的:貨物の事前審査による安全確保と通関の迅速化
  • 提出者:船会社、航空会社、NVOCC(非船舶運航業者)、フォワーダーなど
  • 提出期限:輸送方法によって異なる
    海上貨物:出港の24時間前まで
    航空貨物:米国到着の4時間前まで
    陸上貨物:出発前または国境到着前まで(ルートにより異なる)

CBP"Basic Importing and Exporting外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

電子通関システムACE(Automated Commercial Environment)について

CBPが運用する電子通関プラットフォームで、輸入・輸出・通関・関税・検査などの手続きを一元管理する。商取引に関連する様々な情報を通関業者や輸送業者が電子データ交換(EDI, Electronic Data Interchange)を用いてCBPに提出可能。ACEは政府の一元化された「一つの窓口」(Single Window)となるよう設計されており、CBPと他の政府機関(食品医薬品局(FDA)や環境保護庁(EPA)など)との情報共有も可能。ACE上で、輸入については上述のAMS、輸出についてはAutomated Export System(AES)を運用している。ACEの主な機能は以下のとおり。

  • 電子マニフェスト(積荷目録)提出
    航空・海上・陸上輸送の貨物情報を事前に提出
  • 輸入概要書(Entry Summary)提出
    関税評価・分類・原産地情報などを含む通関申告書の提出
  • 文書画像システム(DIS, Document Image System
    請求書、原産地証明などの電子提出
  • 関連政府機関(PGA)との連携・審査
    製品の安全性・規格・法令遵守などの判断はPGA(例えばFDAやEPAなど)が行う。
  • ACE Portal Webベースのポータルで、輸入企業が自社の通関情報を管理

税関ボンド(Customs bond

輸入者が関税や関連費用を支払えない場合に、保険会社が代わりに米国税関・国境取締局(CBP)への支払いを保証するもの。CBPは、インボイス価格が2,500ドルを超える商用輸入には、このボンド番号の提示を義務付けている。ボンドには1回の輸入にのみ適用されるシングルエントリーボンド(Single Entry Bond)と年間契約の継続ボンド(Continuous Bond)の2種類がある。
CBP"When is a Customs bond required外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

輸出手続き

輸出手続きも完全電子化されており、輸入同様、AESで一元的に提出する。一般的な輸出通関書類(Export Compliance Documents)は以下のとおり。

通関書類

  1. .輸出申告書(Electronic Export Information:EEI)
  2. .コマーシャル・インボイスまたはプロフォーマ・インボイス
  3. .輸出許可証(必要な場合)など
  4. 輸送に関する書類(Transportation Documents)船荷証券(B/L)、航空貨物運送状(air waybill)、または運送人証明書(carrier's certificate)など
  5. パッキング・リスト梱包明細書(packing list)その他、輸入が認められるか否かを判断するために必要な関連資料・情報(輸入許可証、原産地証明、検査証明書等)
  6. 税関ボンド(Customs Bond)番号(インボイス価格が2,500ドル超の場合)
  7. その他、輸入が認められるか否かを判断するために必要な関連資料・情報(輸入許可証、原産地証明、検査証明書等)

輸出申告書を作成する前に輸出品の品目番号を確認する必要がある。米国では輸出申告に際して「スケジュールB番号」、輸入申告に際して「HTS番号」が使用されている。両者は国際的なHSコードを基礎とした10桁(HS6桁+米国独自4桁)の分類体系だが、Schedule Bは商務省国勢調査局が管理し、輸出統計の精度向上を目的として一部品目でHTSより細かい分類となっている。
米国商務省国勢調査局"Schedule B外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

輸出申告書EEIは、スケジュールB番号に分類される商品の価値が2,500ドルを超える場合、または当該商品の輸出に有効な輸出許可が必要な場合に提出する必要がある。輸出者の責任でEEIを作成し、運送業者がAESまたはAES Directを通じてCBPに提出する。2,500ドル以下の場合、EEIは不要となるが、インボイスなどの提出書類に、「NOEEI」に加え外国貿易規則の条番号を付記する必要がある(例:「NOEEI 30.37(a)」。
商務省国際貿易局"Learn How to Export外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"の"Documents and Shipping外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"
輸出入書類について:国土安全保障省(DHS)"Find Import/Export Forms外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

輸出許可証(Export License

輸出管理対象品目、あるいは仕向け先が輸出先規制の対象となっている場合、輸出許可証を取得する必要がある。輸出許可証は、特定品目の輸出を米国政府が事前に許可するもので、書類として取得し、AES申告時に提出する。主に、商務省、国務省、原子力規制委員会、エネルギー省などが担当官庁(詳細は、「米国 貿易管理制度 輸出品目規制」参照。

仕向地管理声明書(Destination Control Statement:DCS)

輸出品の仕向地・使用者を明示し、不正な転用や再輸出を防止する目的で、コマーシャル・インボイスや船荷証券(B/L)上に直接記載する。輸出許可証が必要な場合は、DCS記載も必要。

自動輸出システム(Automated Export System:AES)

輸出関連書類をCBPに輸出者が直接申請するためにACEのプラットフォーム上に構築されたシステム。
CBP"Easy Steps for AES Participation外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"
CBP"Automated Export System Technical Information外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"
CBP"Automated Export System Frequently Asked Questions外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"
商務省センサス局(CB):askaes@census.gov

領事査証(領事認証)

不要。

その他

港湾維持料(HMF)、商業貨物税関使用料(MPF)、米港湾における身分証明制度、24時間ルールと「10+2」ルール、航空貨物事前検査(ACAS)プログラム。
米国の港湾では、以下のような手数料が課されることがある。

港湾維持料(Harbor Maintenance Fee:HMF)

「1986年水資源開発法」に基づき1987年に導入。米国港湾の維持・浚渫(しゅんせつ)費用を賄うための連邦税。
輸入貨物に対して課され、インボイス価額の 0.125%。

CBP "What is The Harbor Maintenance Fee (HMF)?外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

商業貨物税関使用料(Merchandise Processing Fee:MPF)

税関使用料。2.の免除貨物を除き、関税無税品を含むすべての輸入貨物が対象。

  1. 現行手数料率
    1. 2,500ドル以上または繊維製品などの制限品目以外の輸入申告額(FOB価格)の0.3464%(最低33.58ドル~最高651.50ドル)。
    2. 略式輸入(制限品目以外の2,500ドル未満の小口貨物)の場合は2.69~12.09ドル。

    連邦官報 "Customs User Fees To Be Adjusted for Inflation in Fiscal Year 2026外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

  2. 手数料免除貨物
    1. 米国関税率表第98類の減免税品目(一部例外あり)
    2. 米国属領(グアム、米領サモア、ヴァージン諸島、プエルトリコ)産品
    3. 後発開発途上国産品
    4. カリブ海諸国経済復興(CBI)対象国・地域産品
    5. イスラエルとの自由貿易協定対象産品
    6. その他自由貿易協定の対象国・地域産品(例外あり)

    CBP "MPF and Preferential Trade ProgramsPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(172KB)"

  3. 1974年通商法301条に基づく特定船舶への入港料金(対中措置)
    中国企業が所有・運航する船舶、中国で建造された船舶、米国外で建造された自動車運搬船に入港料金を課す規制。2025年10月15日から徴収開始。自動車運搬船の入港料金の算定基準は、純トン数あたり46ドル。入港料金の適用上限回数を対象船舶1隻につき暦年で5回に限定。
    ジェトロの記事:米USTR、自動車運搬船の入港料金算定基準を大幅引き上げ、10月14日から徴収開始(2025年10月14日付)

米港湾における身分証明制度

米国土安全保障省(U.S. Department of Homeland Security:DHS)と米沿岸警備隊(U.S. Coast Guard:USCG)は、運輸業界従事者身分証明(Transportation Worker Identification Credential:TWIC)と呼ばれる港湾安全保障プログラムを2007年3月に導入した。同制度は、テロリストによる本土攻撃を防ぐために、国外との接点が大きい港湾での警備体制を強化するというDHSの政策判断に基づく。2002年11月25日に発効したMTSA(Maritime Transportation Security Act)法が土台となっている。

対象者は、犯罪歴調査を受け、指紋を提出するだけでなく、テロリスト警戒/監視リストとの照合や、移民ステータスも確認される。さらに、新規申請は125.25ドル(2024年1月時点)を支払って、生体認証身分証明カード(biometric identification card)を取得しなければならない。犯罪歴が発覚すれば、その労働者は解雇される。

TWICは、同規制が及ぶ米港湾内で勤務・出入りする者全員に適用される。USCGによると、2009年4月に、米国のすべての港湾でTWICプログラムの実施が完了している。

DHSによると、同規制が適用される労働者は、「危険物質を商業目的で海洋業者や海運業者に運ぶ許認可を取得している商業運転者や、海事施設と船舶の中の立入り禁止場所に単独で入る必要がある港湾労働者」と定義されている。

同制度に関する詳細は、次のウェブサイトを参照。
航空省運輸保安局(Transportation Security Administration:TSA)
"TWIC(Transportation Worker Identification Credential外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

24時間ルールおよび「10+2」ルール

  1. 24時間ルール
    2002年通商法(Trade Act of 2002)に基づき、2002年12月に施行。海外の船会社、または委託を受けた非船舶保有海上運送事業者(NVOCC)に対し、米国向け海上貨物の外国港での船積み24時間前に、積荷目録(マニフェスト)情報をCBPに提出することを義務付けている。2004年1月からは、海上貨物に加え、航空・陸上貨物にも適用されている。
    CBP "ACE Import Manifest Documentation外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"
  2. 「10+2」ルール
    2010年1月より施行。輸入者に対して10項目、船会社に対して2項目の貨物情報の提出を求めるもの。24時間ルールに基づき、船会社が提出する積荷目録(マニフェスト)の情報と輸入者が提出する10項目の貨物情報を照合する。
    CBP "Importer Security Filing '10+2'外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"
  3. 提出が必要な貨物情報
    輸入者

    米国向け貨物(FTZ、ITを含む):
    [1]記録上の輸入者登録番号/FTZ申請者識別番号、[2]荷受人番号、[3]売り主、[4]買い主、[5]配送先、[6]製造業者(またはサプライヤー)、[7]原産国、[8]商品のHTSUS番号(6桁レベルで可)、[9]コンテナ詰め込み場所、[10]混載業者
    中継貨物(FROB、IEおよびTE。荷揚げされずに船上に残る貨物や、荷揚げ後に他の港へ保税輸送されてから輸出される貨物):[1]船腹予約者、[2]配送先、[3]商品のHTSUS番号(6桁)、[4]外国の積み降ろし港、[5]納入場所

    船会社

    24時間ルールに基づき提出する積荷目録(マニフェスト)および、[1]船積み計画書、[2]コンテナ状況メッセージ
    CBP "Importer Security filing and Additional Carrier RequirementsPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(479KB)"
    その他、関連情報などは、ジェトロ調査レポート「米国の物流に関する調査報告書(2009年7月)」も参照。

航空貨物事前検査(ACAS)プログラム(2018年6月12日発効)

航空機に貨物が積載される前に貨物情報を税関に提出させることで危険度の高い航空貨物が米国に運ばれないよう、リスク軽減を図ることを目的として、CBPが2010年12月から試験的に導入、2018年6月に本格的に施行した。 ACASデータの提出を求められる主体は、外国から米国行き貨物を運搬する航空会社だが、貨物について知識を有し、より早く正確なデータ提出が可能な場合には、貨物取扱業者など他の当事者による提出も認められる。不正確なデータあるいはデータ提出の遅延などの違反には、損害賠償請求を受ける可能性もある。提出が必要となるACASデータは、次のとおり。

  1. 荷主名と住所
  2. 荷受人名と住所
  3. 貨物の詳細
  4. 総数量
  5. 総重量
  6. 航空運送状番号

CBP "Air Cargo Advance Screening (ACAS)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"