頼清徳総統、米国との「相互貿易協定」による台湾の市場開放品目への対応策を説明

(台湾、米国)

調査部中国北アジア課

2026年02月25日

台湾の頼清徳総統は、米国との相互貿易協定(2026年2月25日記事参照)について2月13日の記者会見で、今回の相互貿易協定の成果を強調しつつ、台湾側の市場開放項目については次のとおり対応策を説明した。

  1. 台湾の対米輸出品に対し、相互関税や232条項関税の最恵待遇を獲得し、平均関税率は35.78%から12.33%へと大幅に引き下げられた。相互関税の免除対象となった2,072品目の内訳は、農産物261品目〔胡蝶蘭(こちょうらん)、茶葉、コーヒー、パイナップルなど〕と工業製品1,811品目。232条項関税でも半導体や自動車部品、木材家具、航空部品などで最恵待遇を確保した。
  2. 米国からの輸入関税も調整しつつ、食糧安全と産業の強靭(きょうじん)性を守るため、93品目の関税を維持または限定的な引き下げにとどめた。食糧安全保障に関わる米および米製品、鶏肉、カキ、ハマグリ、ニンニク、小豆など27品目の農産物については関税を引き下げない。米および米製品、ニンニク、小豆の関税割当(TRQ)も変更しない。
  3. 非関税措置の調整では、住民の健康を最優先とし、国際規範との整合を図る。牛肉・豚肉問題の対応にあたっては、科学的根拠に基づき、牛肉・豚肉製品におけるラクトパミンの最大残留基準値(MRL)を国際基準であるCodexの基準と一致させ、台湾でのリスク評価も行った。同時に、飲食店などでの牛・豚製品の原産地表示の義務や入境検査、流通後検査の仕組みは従来どおり維持する。

なお、米国連邦最高裁が、2月20日にドナルド・トランプ大統領が国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき課した「相互関税」および「フェンタニル関税」などにつき権限を超過しているとして無効と判断した結果について、行政院報道官の李慧芝氏は21日、「米国政府の今後の関税政策の変化に対して、台湾当局の姿勢は一貫しており、トランプ政権の判決に伴う関税政策の展開にかかわらず、当局の核心目標は台湾および産業の最大利益を引き続き追求し、台湾経済の安定的な発展を確保することにある」と強調した。また、米国連邦最高裁判所がIEEPAに関する判決を公表した後、トランプ大統領が直ちに1974年通商法第122条に基づく10%の暫定関税措置を課す方針に転換したことについては(2026年2月24日記事参照)、「現時点の初期評価では台湾への影響は限定的と見ているが、当局は具体的な措置を把握するため米国と引き続き緊密に連絡を取り、適宜に対応していく」と述べた。

(江田真由美)

(台湾、米国)

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