多国間主義に瓦解の兆し―試されるグローバルビジネスの耐性米中を中心に振り返る2025年上半期の世界貿易の変化

2025年11月17日

米国による一連の追加関税措置を受け、2025年上半期の世界経済および貿易は混乱を極めたと言える。WTOは10月、2025年の世界の財貿易量(輸出入平均)の伸びを前年比2.4%増と予測した(2025年10月16日付ビジネス短信参照)。米国が同年4月に「相互関税」の導入を発表し、WTO予測は4月に0.2%減、8月に0.9%増と、前年(2.8%増)を大きく下回ったが、追加関税導入前の前倒し需要などが奏功し、持ち直したかたちだ。ただし、2026年は世界経済の鈍化や関税引き上げの全面的な影響を受け、世界の財貿易量は0.5%増にとどまり、負の影響は先延ばしされるとの見込みだ。このように、2025年以降の世界貿易は政策の不確実性を受け、国際機関においても予測が難しくなっている。

本レポートでは、2025年上半期の世界主要国・地域の貿易を振り返るとともに、米国による輸入を軸に、関税引き上げの影響を受けサプライチェーンに変化が見られる品目の動向に注目する。

2025年上半期の主要国・地域の貿易

まず、2025年第2四半期までのデータが入手可能な主要34カ国・地域の貿易(金額ベース)を確認する(注1)。2025年上半期(1~6月)の主要34カ国・地域の輸出は、第1四半期が前年同期比4.8%増、第2四半期が7.3%増となった(表1参照)。また、輸入は第1四半期が6.6%増、第2四半期が6.5%増だった。

表1:主要34カ国・地域の貿易額・伸び率(単位:億ドル、%)(△はマイナス値)
国・地域名 輸出 輸入
金額 伸び率 金額 伸び率
2024年 25年Q1 25年Q2 2024年 25年Q1 25年Q2 2024年 25年Q1 25年Q2 2024年 25年Q1 25年Q2
主要34カ国・地域計 184,002 46,731 49,273 2.3 4.8 7.3 185,471 47,166 47,657 1.3 6.6 6.5
中国 35,758 8,539 9,570 5.8 5.8 6.3 25,832 6,530 6,582 1.0 △ 6.9 △ 0.8
米国 20,617 5,226 5,515 2.0 3.1 6.4 32,664 8,514 8,481 6.2 25.6 0.8
ドイツ 16,818 4,164 4,434 △ 1.2 △ 3.5 4.2 14,212 3,591 3,496 △ 3.2 0.2 9.3
ASEAN5 14,721 3,797 4,048 5.2 8.2 14.4 14,289 3,721 3,720 7.6 6.5 11.7
オランダ 9,206 2,316 2,443 △ 1.7 2.8 7.9 8,140 2,062 2,094 △ 3.4 2.7 7.0
英国 5,218 1,594 1,276 △ 1.2 21.5 4.5 8,244 2,035 2,299 3.7 13.1 18.8
香港 6,406 1,676 1,861 11.2 11.9 18.9 6,990 1,800 1,853 6.6 9.1 22.6
日本 7,070 1,770 1,830 △ 1.4 5.1 7.8 7,425 1,928 1,899 △ 5.5 3.5 4.5
フランス 6,389 1,568 1,674 △ 1.9 △ 3.1 3.6 7,502 1,828 1,868 △ 4.8 △ 2.0 4.1
イタリア 6,743 1,687 1,844 △ 0.4 0.2 6.5 6,152 1,498 1,555 △ 3.9 3.1 8.4
韓国 6,836 1,595 1,752 8.1 △ 2.3 2.1 6,318 1,600 1,599 △ 1.7 △ 1.4 △ 1.8

注1:主要34カ国・地域、ASEAN5の詳細は、本文の注1および注2参照。
注2:2024年は通年(1~12月)。
出所:Global Trade Atlas(S&P Global)

輸入では、米国において、追加関税導入前の前倒し輸入や在庫の積み増しなどにより第1四半期が25.6%増と非常に高い伸びとなった。対して、第2四半期には0.8%増と大幅に縮小しており、相互関税の導入が時限的に停止されたことや中国に対する高率な関税が引き下げられたことなどを受け、前倒し需要の動きは一服したと言える。しかし、輸入金額が大きい品目のうち、コンピュータおよび周辺機器(HSコード8471)やスマートフォンを含む電話機(HSコード8517)は、第2四半期も比較的高い伸び率を維持している。他方で、2024年まで最大の輸入品目であった乗用車(HSコード8703)は第1四半期に1.0%増、第2四半期には21.4%減少した。メキシコ、カナダ、韓国など主要国からの輸入が軒並み減少しており、自動車および自動車部品に対する追加関税の導入が影響したとみられる。

貿易額(輸出額+輸入額)上位国・地域別では、ASEAN5(注2)、香港において、輸出入ともに特に第2四半期の伸び率の高さが目立つ。輸出に注目すると、ASEAN5では米国向け、香港では中国向けの大幅な増加が起因した。2025年第2四半期のASEAN5の輸出は、米国向けが全体の13.8%を占め最大で、前年同期比31.9%増となった。上位の輸出品目では、スマートフォンを含む電話機(73.4%増)、集積回路(HSコード8542、59.8%増)、コンピュータおよび周辺機器(142.5%増)、コンピュータ部品(HSコード8473、187.7%増)などが特に増加した。2025年第2四半期の香港の輸出では、全体の約6割を占める中国向けが26.5%増となった。最大の輸出品目である集積回路が21.6%増と好調だったことに加え、コンピュータ部品が68.4%増と伸び率の高さが目立った。

ASEAN5では米国に次いで中国向け輸出が、香港では中国に次いで米国向け輸出が多い。しかし、ASEAN5の中国向け輸出は5.3%増、香港の米国向け輸出は9.8%減と、輸出が好調な両地域における米中両国との貿易関係には差異が見られた。

米中間の貿易、減少傾向続く

米国は、特に中国に対して一時100%を超える高率の関税を課し、中国も、これに対して報復措置を発動するなど、関税引き上げの激しい応酬が目立った。2国間の交渉を経て、2025年10月末現在、米国による中国への追加関税は、相互関税として10%(注3)、国際緊急経済権限法(IEEPA)による特定国を対象とする関税として20%の計30%となっている(2025年8月13日付ビジネス短信参照)。しかし、米中関係は追加関税措置に加え、半導体やレアアースなどの貿易管理を巡っても対抗策の応酬が続き、依然として緊張状態にある(2025年10月14日付ビジネス短信参照)。

データが入手できる最新月までの米中の貿易統計を見ると、米国にとって中国はメキシコ、カナダに次ぐ第3位の貿易相手国(2025年1~7月の合計)、中国にとって米国は最大の貿易相手国(2025年1~9月の合計)を維持しているものの、貿易額の伸び率の推移を見ると、両国間の貿易は縮小傾向にある。

2024年1月から2025年7月までの米国の月別輸出入金額の伸び率を、中国以外の国・地域と中国とで比較すると、2025年に入り輸出入ともに中国以外の国・地域の伸び率に比べ、中国の伸び率が低迷している(図1参照)。ただし、2025年5月の米中交渉の結果を受け、回復傾向を見せている。なお、2025年6月の対中輸出伸び率の大幅な回復は、4月以降、中国政府が禁止していたボーイングからの航空機の輸入を再開したことが主な要因とみられる(注4)。

図1:米国の貿易伸び率の推移
中国以外の国・地域との貿易の伸び率は輸出入ともに期間中はほぼプラスの伸びを示し、2025年7月時点では、輸出が4.9%増、輸入が7.5%増となった。対して、中国との貿易の伸び率は輸出入ともに2025年に入ってからマイナス成長が目立ち、中国以外の国・地域との貿易の伸び率を大きく下回る。2025年7月時点では、中国向け輸出は13.7%減、輸入は35.3%減となった。

注1:米国の貿易統計から算出。
注2:伸び率は金額ベースの前年同月比。
出所:表1に同じ。

対して、中国の貿易についても、2025年9月までの月別輸出入金額の伸び率を、米国以外の国・地域と米国とで比較すると、米国との貿易伸び率が大きく下回る(図2参照)。米国向けの輸出については、6月に一時的な回復が見られたが、7月以降は減少傾向が目立つ。

図2:中国の貿易伸び率の推移
米国以外の国・地域との貿易の伸び率は輸出入ともに期間中はほぼプラスの伸びを示し、2025年9月時点では、輸出が14.8%増、輸入が9.0%増となった。対して、米国との貿易の伸び率は輸出入ともに2025年に入ってからマイナス成長が目立ち、米国以外の国・地域との貿易の伸び率を大きく下回る。2025年9月時点では、米国向け輸出は27.0%減、輸入は16.1%減となった。

注1:中国の貿易統計から算出。
注2:伸び率は金額ベースの前年同月比。
出所:表1に同じ。

中国に輸入依存してきた完成品、ベトナムへの切り替え目立つ

米国の最新の貿易統計からも、中国からの輸入金額が大きい品目を中心に、輸入相手が中国から他国・地域に切り替わる動きも確認できる。2025年10月末現在で入手できる米国の輸入統計(2025年7月まで)を用いて、中国からの輸入金額上位品目のうち、主な輸入先が中国から他国・地域に切り替わった品目を確認する。

品目の特定については、以下の手順で行った。

  1. 2024年(1~12月)における米国による中国からの輸入金額上位50品目(HSコード6桁ベース)を特定(注5)。
  2. 1のうち、2024年1~7月の米国の輸入総額に占める中国のシェアが40%を超える品目を特定(27品目)。
  3. 2のうち、2025年1~7月の中国のシェアが、前年同期から10ポイント以上減少した品目を特定(9品目、表2参照)。
  4. 3について、上位輸入相手国・地域のシェアの推移を確認した。
表2:米国による中国からの上位輸入品目のうち、中国シェアが40%超から10ポイント以上減少した9品目(単位:100万ドル、%。ポイント)(△はマイナス値)
品目(HSコード6桁) 中国からの輸入金額 輸入総額に占める中国シェア シェアの差分
2024年 2025年 2024年 2025年
通年 1~7月 1~7月 1~7月 1~7月
総額 438,742 239,139 193,890 12.9 9.4 △ 3.5
スマートフォン(851713) 41,318 18,439 11,925 75.5 41.1 △ 34.4
ノート型パソコン(重量10キログラム以下)(847130) 32,604 18,772 7,917 66.8 26.7 △ 40.2
モニター(パソコンに接続して使用するもの)(852852) 4,911 2,800 2,148 78.6 63.1 △ 15.5
その他の履物(注1)(640299) 2,512 1,690 1,396 56.9 45.4 △ 11.5
ビデオゲーム用のコンソール・機器(950450) 5,649 1,709 1,286 78.6 40.4 △ 38.3
ヘッドホン・イヤホン(851830) 3,555 1,851 931 48.3 22.9 △ 25.4
その他の腰掛け(金属製フレーム)(940179) 1,469 1,057 816 74.5 61.5 △ 13.0
セラミックコンデンサー(多層)(853224) 1,675 890 622 64.2 25.2 △ 38.9
パソコンの入力装置・出力装置(847160) 1,631 918 586 47.9 30.9 △ 17.0

注1:その他の履物は、本底および甲がゴム製またはプラスチック製のもの。
注2:シェアの差分は、2025年1~7月のシェアから2024年1~7月のシェアを引いたもの。
注3:9品目の特定手順は、前述本文(1)~(3)を参照。
出所:表1に同じ。

前述の手順で特定した9品目のうち、6品目で中国が輸入相手国首位から陥落し、他国・地域とシェアが入れ替わった(図3参照)。そのうち、パソコンやその周辺機器などの消費者向け電気・電子製品の4品目において、ベトナムが輸入シェアの首位となり、こうした品目において、中国の輸入代替先としてのベトナムの存在感が高まっている。これらのうち、スマートフォンやノート型パソコンは2025年10月末現在で追加関税の適用除外品目だが、代替が進んでいるのが実態だ(注6)。ベトナムには近年、電気・電子分野の対内直接投資が増加傾向にあり、製造業の集積が進んでいることに加え(注7)、追加関税の対象品目についてはベトナムの相互関税は20%と、中国の追加関税30%(2025年10月末時点)に対して、優位性がある点なども背景にあると考えられる。

また、ビデオゲーム用のコンソール・機器、セラミックコンデンサー(多層)、パソコンの入力装置・出力装置では、輸入先の第3位に日本が入っている。中でも、セラミックコンデンサー(多層)でシェアの増加が目立った。

図3:中国の輸入シェアが他国・地域と入れ替わった品目

スマートフォン(851713)
2025年3月まで中国が首位、同4月にインドが中国のシェアを上回った。2025年7月時点では、インドが53.0%、中国が24.6%、ベトナムが19.7%。
ノート型パソコン(847130)
2025年2月まで中国が首位、同3月にベトナムが中国のシェアを上回った。2025年7月時点では、ベトナムが70.2%、タイが14.6%、中国が5.1%。
ビデオゲーム用のコンソール・機器(950450)
2025年2月まで中国が首位、同3月にベトナムが中国のシェアを上回った。2025年7月時点では、ベトナムが63.8%、中国が7.4%、日本が6.7%。
ヘッドホンおよびイヤホン(851830)
2024年は中国とベトナムがシェアを二分し拮抗していたが、2025年1月以降は完全にベトナムが中国を上回った。 2025年7月時点では、ベトナムが67.1%、中国が18.2%、マレーシアが4.3%。
セラミックコンデンサー(多層)(853224)
2024年2月~2025年3月まで中国が首位、2025年4月から韓国、日本が中国のシェアを上回った。2025年7月時点では、韓国が54.3%、日本が32.6%、中国が6.6%。
パソコンの入力装置・出力装置(847160)
2025年3月まで中国が首位、同4月にベトナムが中国のシェアを上回った。2025年7月時点では、ベトナムが35.4%、中国が23.4%、日本が7.0%。

注1:米国の輸入統計から算出。
注2:各国・地域のシェアは、各品目における米国の対世界輸入総額に占める割合。
出所:表1に同じ。

また、残りの3品目については、2025年7月時点で依然として中国が輸入シェア首位を保っているが、他国・地域のシェアとの差が縮小している。これらについても、中国に次いでベトナムからの輸入が増えており、ベトナムのシェアがじわじわと中国に迫っている状況だ。特に、その他の履物では、2025年5~6月にかけてベトナムが中国を上回った。

中国、輸出の分散化でリスク回避

図3で取り上げた7品目について、中国の輸出統計を確認する(2025年9月までのデータを利用)。これらの7品目は、中国にとっても米国が輸出先として上位に入る品目だ。このうち、ノート型パソコン、ビデオゲーム用のコンソール・機器、パソコンの入力装置・出力装置、セラミックコンデンサー(多層)の4品目においては、米国向け輸出が大幅に減少した半面で、米国以外の国・地域向けが増加している。輸出国・地域別に見ると、米国向け輸出の減少分を、地域を問わず広く分散させる動きが見られる。

米国による追加関税の導入によるグローバルサプライチェーン上の懸念として、米国市場でシェアを失った中国製品の流入による、他国・地域市場での競争激化が挙げられる。前述のような中国による輸出戦略の転換が影響していると考えられる。在外日系企業では、現地市場において既に中国製品の流入の脅威を感じているという声も聞かれる。また、中国に対する追加関税の動向が不透明な中で、米国市場向け商品の原材料・部品に中国原産品を使うことにリスクを感じる企業も多く、調達先の変更や変更を検討する動きも出始めている。

代替パートナーとの貿易赤字は拡大傾向

また、今後の米国の追加関税措置の動向に対する懸念も依然大きい。追加関税措置導入の背景には、米国が抱える多額の貿易赤字の緩和がある。米国にとって一番の貿易赤字相手である中国は、対中輸入の大幅な減少を受け、2025年1~7月の貿易赤字額は1,286億ドルと、前年同期の1,573億ドルから縮小傾向が見られる。しかし、他方で、ASEAN、EU、メキシコ、台湾など、貿易関係が強まっている代替パートナー相手に対する対米貿易赤字は拡大が顕著だ。これらの国・地域との2025年1~7月の貿易赤字額を前年同期と比べると、EUは265億ドル、台湾は320億ドル、ベトナムは313億ドル、メキシコは170億ドルなど軒並み増加している(表3参照)。2025年7月までの各国・地域との交渉を受け、追加関税措置に関する大きな動きは落ち着きも見られているが、今後の貿易収支の動向次第では、米国が措置の見直しなどに動き出す可能性も考えられる。

表3:米国の貿易収支(貿易赤字額が大きい上位15カ国・地域、ASEAN、EU)(単位:億ドル)(△はマイナス値)
国・地域名 通年(1~12月) 1~7月合計
2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 2024年 2024年 2025年 差分
世界 △ 8,704 △ 8,458 △ 9,015 △ 10,708 △ 11,671 △ 10,563 △ 12,047 △ 6,610 △ 8,093 △ 1,483
ASEAN △ 989 △ 1,199 △ 1,547 △ 1,923 △ 2,250 △ 2,036 △ 2,285 △ 1,231 △ 1,794 △ 563
階層レベル2の項目ベトナム △ 395 △ 556 △ 697 △ 909 △ 1,161 △ 1,046 △ 1,235 △ 666 △ 980 △ 313
階層レベル2の項目タイ △ 193 △ 202 △ 263 △ 347 △ 428 △ 407 △ 455 △ 245 △ 356 △ 111
階層レベル2の項目マレーシア △ 264 △ 273 △ 318 △ 410 △ 359 △ 269 △ 249 △ 129 △ 185 △ 55
階層レベル2の項目インドネシア △ 127 △ 124 △ 128 △ 177 △ 247 △ 169 △ 179 △ 95 △ 139 △ 44
EU △ 1,742 △ 1,835 △ 1,826 △ 2,181 △ 2,021 △ 2,077 △ 2,359 △ 1,326 △ 1,592 △ 265
階層レベル2の項目アイルランド △ 467 △ 521 △ 554 △ 601 △ 667 △ 656 △ 865 △ 448 △ 848 △ 400
階層レベル2の項目ドイツ △ 680 △ 671 △ 569 △ 693 △ 737 △ 825 △ 847 △ 504 △ 445 59
階層レベル2の項目イタリア △ 318 △ 336 △ 295 △ 393 △ 414 △ 439 △ 440 △ 269 △ 226 42
中国 △ 4,182 △ 3,426 △ 3,080 △ 3,528 △ 3,823 △ 2,796 △ 2,955 △ 1,573 △ 1,286 288
メキシコ △ 777 △ 994 △ 1,110 △ 1,054 △ 1,250 △ 1,493 △ 1,715 △ 956 △ 1,126 △ 170
台湾 △ 152 △ 230 △ 302 △ 402 △ 478 △ 478 △ 737 △ 388 △ 708 △ 320
スイス △ 189 △ 267 △ 569 △ 399 △ 227 △ 245 △ 383 △ 131 △ 557 △ 427
日本 △ 671 △ 691 △ 555 △ 601 △ 679 △ 714 △ 694 △ 409 △ 400 8
インド △ 211 △ 237 △ 242 △ 335 △ 387 △ 432 △ 458 △ 275 △ 400 △ 125
韓国 △ 179 △ 210 △ 250 △ 293 △ 433 △ 513 △ 660 △ 400 △ 363 37
カナダ △ 188 △ 258 △ 138 △ 477 △ 783 △ 636 △ 620 △ 361 △ 348 13

注1:米国の貿易統計から算出。
注2:2025年1~7月の米国の貿易赤字額が大きい上位15カ国・地域。
注3:ASEANは10カ国。
注4:差分は、2025年1~7月の貿易赤字額から前年同期の同額を引いたもの。
出所:表1に同じ。

政策の不確実性がぬぐい切れない世界情勢下において、日本企業の国際ビジネスでは、追加関税の交渉状況に加え、米国や中国を中心とした貿易動向、米国と主要国・地域との貿易収支の推移に注視し、世界貿易の潮流の変化を見逃さないことが重要だろう。


注1:
34カ国・地域は、アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、中国、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、香港、インド、インドネシア、アイルランド、イタリア、日本、ルクセンブルク、マレーシア、オランダ、ニュージーランド、フィリピン、ポルトガル、シンガポール、南アフリカ共和国、韓国、スペイン、スウェーデン、スイス、台湾、タイ、英国、米国。
注2:
ASEAN 5 はインドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ。
注3:
中国に対する相互関税は34%だが、うちベースライン関税10%を除く24%の適用については11月10日まで留保されている。
注4:
ロイター通信(2025年7月9日付)参照。
注5:
2024年の対中輸入金額上位50品目は、2025年1~7月の同品目と一致。
注6:
追加関税の適用除外品目については、米国大統領令(2025年9月5日付)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます付属書ⅡPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1.69MB)を参照。
注7:
2024年1月26日付2025年1月20日付ビジネス短信参照
執筆者紹介
ジェトロ調査部国際経済課 課長代理
田中 麻理(たなか まり)
2010年、ジェトロ入構。海外市場開拓部海外市場開拓課/生活文化産業部生活文化産業企画課/生活文化・サービス産業部生活文化産業企画課(当時)、ジェトロ・ダッカ事務所(実務研修生)、海外調査部アジア大洋州課、ジェトロ・クアラルンプール事務所を経て、2021年10月から現職。