トランプ米政権、ストックホルムでの米中通商協議の共同声明を発表、協議を継続へ
(米国、中国)
ニューヨーク発
2025年08月13日
米国トランプ政権は8月11日、スウェーデン・ストックホルムで2025年7月末に実施した米中経済貿易協議の共同声明を発表した。同協議では、米中の閣僚が関税措置の適用停止期限の延期などについて直接議論を行った。米国側は協議後、ドナルド・トランプ大統領が延期可否の最終判断を行うと説明していた。協議の実施から約2週間が経過したタイミングで共同声明が発表されたが、これは、同日にトランプ氏が、米国の対中相互関税の適用停止期限を延期する大統領令を発令し(2025年8月12日記事参照)、協議での合意内容を履行したため。
米中両国はこれまで、2025年5月のスイス・ジュネーブ(2025年5月13日記事参照)、6月の英国ロンドン(2025年6月13日記事参照)、7月のストックホルム(2025年7月31日記事参照)の3回にわたり、関税措置や輸出管理を協議する閣僚協議を実施している。共同声明が発表されたのは、5月のジュネーブでの協議以来2回目となる。
共同声明では、両国がジュネーブでの協議の共同声明の合意内容を再確認し、次の措置を講じることが記載された。
(1)米国は、大統領布告14257号で定めた対中相互関税の34%のうち24%の適用を8月12日から90日間停止する。ただし、10%の適用は維持する(注)。
(2)中国は、税委会公告2025年第4号で定めた対米追加関税の34%のうち、24%の適用を8月12日から90日間停止する。ただし、10%の適用は維持する。また、ジュネーブでの協議の共同声明の合意内容に従い、米国に対して非関税措置の停止・撤廃の措置を講じる。
上記(1)を履行する大統領令を受けて、米国税関・国境警備局(CBP)は同日に、対中相互関税の適用停止の期間延長を通関業者に通達するガイダンスを公表した。また、ホワイトハウスは同日に大統領令に関するファクトシート
を公表し、期限の延期について、「貿易不均衡の是正、中国の不公正貿易慣行の是正、米国産品の中国市場アクセス拡大、安全保障および経済問題に関する調整に関して、中国との継続的かつ生産的な協議を推進するため必要な措置だ」と説明した。また、米中協議は建設的に進展しているなどと説明した。
ストックホルムでの協議の結果、90日間の延期後の11月10日までは、両国の関税措置の応酬は回避された。ただし、両国の協議の進展次第では、措置が復活する可能性が残されており、状況は依然不透明だ。両国が最終合意に至るかどうかが引き続き注目される。
(注)10%のベースライン関税に加えて、引き続き米国の国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく違法薬物の流入防止を目的とした20%の追加関税が適用される(合計30%)。品目によっては、第1次トランプ政権下で発動した1974年通商法301条に基づく追加関税(2024年12月12日記事参照、7.5~100%)なども課される。
(葛西泰介)
(米国、中国)
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