日本からの輸出に関する制度

畜産加工品の輸入規制、輸入手続き

品目の定義

本ページで定義する畜産加工品のHSコード

1601:ソーセージその他これに類する物品(肉、くず肉または血から製造したものに限る)およびこれらの物品をもととした調製食料品
1602:その他の調製をしまたは保存に適する処理をした肉、くず肉および血
19022010:パスタ(肉またはくず肉の詰物をしたものに限るものとし、加熱による調理をしてあるかないかまたはその他の調製をしてあるかないかを問わない)

タイの輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2021年11月

2018年農業協同組合省告示「畜産物由来の調理済み食品を2015年動物伝染病法に基づく畜産物に指定」により、2015年動物伝染病法に基づく畜産物として指定される食品(表「2015年動物伝染病法に基づく畜産物として指定される食品」を参照)については、現在、日本からの輸入は不可となっています。これらの食品については、タイ畜産局担当官により製造施設の検査および認定を受ける必要があります。

同告示に指定されていない、加熱などの処理がされ伝染病の病原体が拡散するおそれのない畜産加工品については輸入可です。ここでは、輸入が可能な畜産加工品の輸入手順について言及します。
なお、輸入ができるかどうかを確実に判断するためには、畜産局の検査当局(division of veterinary inspection and quarantine)宛に製品情報、製造工程、製品の写真を添えて2015年動物伝染病法に基づく畜産物に該当するか否かの審査依頼書(書式自由)を提出し、判断を仰ぐことをおすすめします。

2015年動物伝染病法に基づく畜産物として指定される食品
(1) 全種類のソーセージ Sausages
(2) 中華ソーセージ(クンチアン)Chinese Sausages
(3) 発酵ソーセージ(ネーム)Sour pork sausages
(4) サラミ Salami
(5) 全種類のハム Ham
(6) 全種類のベーコン Bacon
(7) 燻製肉 Smoked meat (A) 牛 beef
(B) 豚 pork
(C) 羊 mutton
(D) 山羊 goat
(E) 鶏chicken
(F) アヒル duck
(G) ガチョウ goose
(H) 七面鳥 turkey
(I) ダチョウ ostrich
(8) 漬けた肉 Pickled meat
(9) 塩漬け肉 Cured meat
(10) バーガー肉 Burger meat (A) ビーフバーガー Beef burger
(B) ポークバーガー Pork burger
(C) チキンバーガー Chicken burger
(D) 七面鳥バーガー Turkey burger
(E) ダチョウバーガー Ostrich burger
(F) 羊肉バーガー Mutton burger
(G) 山羊肉バーガー Goat burger
(11) 全種類のハチミツ Honey
(12) ハチの巣 Honeycomb
(13) ローヤルゼリー Royal jelly
(14) 未加熱の塩漬け卵または塩漬け卵黄 Salted eggs or salted egg yolks
(15) ピータン Preserved eggs

また、保健省告示により次の食品は輸入が禁止されています。

    • 食品ではないものを含む食品(食品の品質維持や調理目的のもので、かつ消費者の健康被害がないものは例外とする)
    • 遺伝子組み換えまたは遺伝子工学によりCry9C DNA Sequenceを有する食品およびこの食品を成分として含有する食品
    • 部分水素添加油脂(Partially Hydrogenated Oils)および部分水素添加油脂を使用した食品
    • 次の(1)〜(13)およびこれを原料とする食品
      1. 臭素化植物油
      2. サリチル酸
      3. ホウ酸
      4. ホウ砂
      5. 塩素酸カリウム
      6. クマリンまたは1,2−ベンゾピロンまたは5,6−ベンゾ−α−ピロンまたはcis-O −クマル酸無水物またはo−ヒドロキシケイ皮酸ラクトン
      7. ジヒドロクマリンまたはベンゾジヒドロピロンまたは3,4-ジヒドロクマリンまたはヒドロクマリン
      8. ジエチレングリコール、ジヒドロキシジエチルエーテル、ジグリコール、2,2'−オキシビスエタノール、2,2'−オキシジエタノール
      9. ズルチンまたは4-エトキシフェニル尿素またはパラ - フェネトールカルバミド
      10. AF − 2または2−(2−フリル)−3−(5−ニトロ−2−フリル)アクリルアミドまたはフリルフルアミド
      11. 臭素酸カリウム
      12. ホルムアルデヒド、ホルムアルデヒド溶液、パラホルムアルデヒド
      13. メラミンおよびその類縁体(シアヌル酸) メラミンおよびその類縁体(シアヌル酸)
    • 保健省告示No.424で指定される植物、動物、動植物の部位80種類

その他、保健省告示No.390(2018年)「販売用製造、販売用輸入、販売食品における材料使用基準、条件、方法」において、ヨウ素酸カルシウムやステビアなどの使用基準が規定されています。

2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)

調査時点:2021年11月

GMP製造基準適合証明書
食品医薬品委員会事務局は、食品の製造方法などに関する基準を定めており、タイ国内の食品製造施設に基準の順守を求めています。輸入品については、タイ国内と同レベル以上の製造施設で製造されていることを担保するため、告示で定められる基準と同等以上の基準に基づく規格などの証明書(GMP製造基準適合証明書)を提出することが求められています。個別商品の登録を行う場合は、登録時と輸入通関時に提出することが必要となっています。
輸入時にGMP製造基準適合証明書が求められる食品は、加工なしの生鮮水産物、アルコール飲料を除くほぼすべての食品となるため、畜産加工品においても必要です。特定の生鮮青果物については保健省告示第386号で指定、その他の食品については、2021年2月に第193号など従来の告示9本が統廃合・改正された保健省告示第420号で指定されており、畜産加工品は第420号の対象となります。保健省告示第420号の施行日は2021年4月11日ですが、施行日前に食品輸入許可証(Orr.7)を取得していた場合のみ、2021年10月7日から適用されます。この保健省告示第420号では、食品共通で順守することが求められる基本要求事項が定められているほか、飲料水、ミネラルウオーター、氷には個別要求事項1が、低温殺菌ミルク製品には個別要求事項2が、密閉容器に入った低酸性食品/飲料には個別要求事項3への対応がそれぞれ追加で求められます。保健省告示第420号の適用に伴う主な変更点は次のとおりです。
  • GMP製造基準適合証明書が求められる食品の範囲が拡大している。
  • ISO9001は食品製造に特化した規格ではないとしてGMP製造基準適合証明書としての使用が認められなくなる。
この証明書については、次の2つの条件を満たすことが必要です。
(1)保健省告示第420号に定められた基準と同等以上の基準に基づく規格などの証明書であること。
(2)保健省の認める発行主体(ア.食品製造国の政府機関、イ.食品製造国の政府が認めている認証機関(certified organization)、ウ.IAF(International Accreditation Forum)メンバーでIAFから認められた認定団体によって認定された認証機関、またはエ.Guidelines for the Design, Operation, Assessment and Accreditation of Food Import and Export Inspection and Certification Systems(CAC/GL 26-1997)に準拠した検査および認証システムを備えた機関など、信頼性のある機関のいずれか)が発行した証明書であること。
タイ保健省からはISO22000の適合証明書などが具体例として挙げられていますが、具体例として公表されていない場合でも、法令に適合していれば使用可能なものがあります。例えば、日本の食品衛生法第55条(2021年6月の改正前は第52条)に基づく営業許可証は、従来、保健省告示第193号などの要求を満たす証明書として使用されてきており、保健省告示第420号の基本要求事項を満たす証明書として使用可能とされています。
なお、証明書がタイ語または英語でない場合は、タイ語または英語への翻訳が必要です。翻訳は(1)製造国のタイ国大使館または領事館、(2)タイ国内の食品製造国の大使館または領事館、(3)国際的水準の翻訳機関、(4)証明書に表示されている言語について学士課程以上の水準の教育を修了したタイ人、(5)その言語の高等教育機関の教師のいずれかから、正しい翻訳である旨の証明を受ける必要があります。
原本ではなく写しを使用する場合は、(1)証明書発行機関、(2)タイ国内の食品製造国の大使館、(3)食品製造国の政府機関、(4)政府機関に認められた者のいずれかから、原本と相違ない旨の証明を受ける必要があります。
また、証明書に有効期限が記載されていない場合は、証明書発行日から1年以内は使用可能となります。
表.使用できる証明書の例
食品の種類 順守が求められる規定 使用できる証明書の例 すべての食品で使用可能な証明書
大半の食品 保健省告示第420号基本要求事項
  • Good Hygiene Practices (GHPs).
  • SQF:Edition 8.1
  • SQF:Edition 9 など
なお、日本の食品衛生法第55条(旧第52条)に基づく営業許可証も使用可能。また、青果物の場合は、保健省告示第386号に基づく証明書も使用可能(行政機関による衛生証明書、JFS規格適合証明書、J-GAPなど)。
  • ISO22000:2005.
  • FSSC 22000
  • Global Standard for Food Safety Issue 8. British Retail Consortium.
  • International Food Standard;IFS
  • JFS-B
  • JFS-C
  • 農林水産省発行の GMP証明書 (保健省告示386号で指定される青果物を除く)
一部青果物(さつまいも、柿、桃など)
飲料水、ミネラルウオーター、氷 保健省告示第420号基本要求事項および個別要求事項1
  • CAC/RCP 48-2001.
  • CAC/RCP 33-1985.
  • QF:Edition 8.1
  • SQF:Edition 9など
低温殺菌ミルク製品 保健省告示第420号基本要求事項および個別要求事項
  • CAC/RCP 57-2004.
  • SQF:Edition 8.1
  • SQF:Edition 9など
密閉容器に入った低酸性・酸性化食品/飲料 保健省告示第420号基本要求事項および個別要求事項3
  • CAC/RCP 23-1979.
  • CAC/RCP 40-1993.
  • SQF:Edition 8.1
  • SQF:Edition 9など
保健省告示第386号で指定される青果(りんご、いちごなど) 保健省告示第386号
  • CAC/RCP 53-2003.
  • GLOBAL G.A.P. / ASIA GAP / J-GAP
  • 行政機関発行の証明書
  • JFS規格適合証明書 など
特定原産地証明書
日本・タイ経済連携協定(JTEPA)、日本・ASEAN包括的経済連携協定(AJCEP)税率の適用を受ける場合、日本商工会議所発行の特定原産地証明書を取得する必要があります。
材料(ingredient)および品質規格に関する書類
保健省告示No.355(2013年)「密閉容器入り食品」に該当する食品については、 食品登録の際に商品の材料(ingredient)の割合が記された書類(書式自由)、各告示に規定する品質規格に関する分析報告書(政府機関、政府機関が認証した機関、国際基準の試験所認定機関により認証された機関によるもの)が必要です。対象外となる食品もあるため、輸入の際には事前にFDAに確認されることをおすすめします。
牛肉加工品の場合
保健省告示No.377(2016年)「牛海綿状脳症(BSE)リスクのある食品輸入規定・条件」に基づく次の書類が別途必要です。求められる書類は含まれている原料によって異なり、それぞれの牛肉加工品がNo.377のどのカテゴリーに該当するのかは担当官の判断を仰ぐことになります。輸入の際には事前にFDAに確認されることをおすすめします。
保健省告示No.377による定義
「牛肉」(Meat)とは、肉、皮、脂、内臓、骨、乳、血液、胆汁、扁桃腺など食用として利用する牛の各部分を意味する。
生鮮牛肉」(Fresh Meat)とは、官能的、物理化学的特性を不可逆的に変化させる何らの工程または処理も経ていない牛肉を指す。これには、冷凍牛肉、冷蔵牛肉、牛ひき肉も含む。
「牛肉製品」(Meat Products)とは、ソースでマリネした生鮮牛肉、塩水漬けの内臓、ソーセージ、ゼラチンなど、官能的、物理化学的特性を不可逆的に変化させる何らかの工程または処理を経た牛肉を指す。これには、コラーゲンおよび牛由来のゼラチンカプセルを使用した栄養補助食品、コラーゲン含有飲料、ゼラチンを含む菓子またはゼリー菓子など、牛肉製品を材料に含む食品を含む。
輸入に必要な証明書
  • 牛乳・乳製品・皮、これらを含む製品:証明書は不要
  • 「皮由来のゼラチンおよびコラーゲン、これらを含む製品」、「不溶性不純物が重量換算で0.15%以下のタローおよびその派生物、これらを含む製品」、「タンパク質または脂肪を含まない第2リン酸カルシウム、これらを含む製品」の場合、製造国所管官庁または所管官庁が認めるその他の機関発行の分析証明書が必要です。
  • 生鮮牛肉・牛肉製品を使った加工品の輸入には次の証明書(1および2)が必要です。
    1. 牛由来の材料検査証明書は2つのケース(AまたはB)に分かれる。

      (A)材料が牛肉、内臓、血液、胆汁、骨など「生鮮牛肉」の場合
      A-1畜産局発行の牛/畜産物生産所検査認定証明書または輸入許可証
      A-2畜産局がA-1を発行できない場合、製造国所管官庁か、所管官庁が認めるその他の機関発行の材料が条件に従っていることを示す牛/畜産物生産所検査認定証明書

      (B)材料がゼラチン、コラーゲンなど「牛肉製品」の場合
      B-1製造国所管官庁か、所管官庁が認めるその他の機関発行の材料が条件に従って いることを示す証明書
      B-2製造国所管官庁がB-1を発行できない場合、認証機関発行のその材料の製造施 設が品質保証システム(HACCP/ISO22000:2005/食品委員会が認めるその他のシステ ム)を備えていることを示す証明書とその材料製造者のBSEリスク分析を含むHACCP Plan

    2. Health Certif
      icate (食肉衛生証明書)

      (1)製造国所管官庁か、所管官庁が認めるその他の機関発行の証明書

      記載内容
      :牛肉製品の製造に使う牛由来の材料の生産地
      :牛肉製品の製造に使う牛由来の材料の種類、その材料の保健省告示No.377にお ける条件、その条件に従っている旨
      :材料の保管中、食品製造工程、牛肉製品保管中にBSE原因物質の汚染がない旨

      (2)所管官庁が(1)を発行できない場合、認証機関発行のその食品製造施設が品質保証システム(HACCP/ISO22000:2005/食品委員会が認めるその他のシステム)を備えていることを示す証明書とその牛肉製品製造者のBSEリスク分析を含むHACCP Plan

詳細は、保健省告示No.377「牛海綿状脳症(BSE)リスクのある食品輸入規定・条件」および食品医薬品委員会事務局告示「保健省告示No.377の牛海綿状脳症(BSE)リスクのある食品輸入規定・条件説明」を参照してください。

関連リンク

関係省庁
タイ財務省関税局(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
タイ保健省食品医薬品局(FDA)(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
タイ保健省食品医薬品委員会事務局(FDA)(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農林水産省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
財務省告示「日本原産品の関税減免」(タイ語) PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(2.7MB)
財務省告示「ASEAN・日本自由貿易協定の関税減免」(タイ語) PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(3.3MB)
保健省告示No.193(2000年)「食品の製造方法、製造設備、保管」(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(62KB)
保健省告示No.318(2010年)「2000年No.193改正版」(第2版)(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(54KB)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(28KB)
保健省告示No.349(2012年)「 低酸性および酸性化した密閉容器に入った食品の製造方法、製造設備、保管」(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
保健省告示No.377(2016年)「牛海綿状脳症(BSE)リスクのある食品輸入規定・条件」(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(213KB)(ジェトロ仮訳)PDFファイル(283KB)
食品医薬品局告示「保健省告示No.377(2016年)「牛海綿状脳症(BSE)リスクのある食品輸入規定・条件」の説明」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(592KB)
1979年食品法(タイ語) PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(828KB)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(114KB)
保健省告示No.420(2020年)「食品の製造方法、製造におけるツール・用具及び保管」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(473KB)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(226KB)
2020年食品医薬品委員会事務局告示 「保健省告示No.420「食品の製造方法、製造におけるツール、用具及び保管」に関する説明」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(3.3MB)(ジェトロ仮訳)PDFファイル(294KB)
食品医薬品委員会事務局告示「食品輸入用の製造システム規格書又は証明書」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1.5MB)(ジェトロ仮訳)PDFファイル(238KB)
保健省告示No.420の付表と同等以上の食品製造システム規格の例(タイ語・規格名は英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(123KB)
食品医薬品検査所における保健省告示No.420に基づいた食品輸入・製造基準適合証明書検査のガイドライン(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(242KB)
保健省告示No.355(2013年)「密閉容器入り食品」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(91KB)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(56KB)
その他参考情報
食品輸入用製造施設証明書の検討基準(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(42KB)
日本商工会議所EPAにもとづく特定原産地証明書発給事業外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロ「輸出入手続き」

3. 動植物検疫の有無

調査時点:2021年11月

牛由来の加工品の場合
  • 「皮由来のゼラチン及びコラーゲン、これらを含む製品」、「不溶性不純物が重量換算で0.15%以下のタローおよびその派生物、これらを含む製品」、「タンパク質または脂肪を含まない第2リン酸カルシウム、これらを含む製品」の場合、製造国所管官庁または所管官庁が認めるその他の機関発行の分析証明書が必要です。
  • 生鮮牛肉・牛肉製品を使った加工品の輸入には次の証明書(1および2)が必要です。
    1. 牛由来の材料検査証明書は2つのケース(AまたはB)に分かれる。
      1. 材料が牛肉、内臓、血液、胆汁、骨など「生鮮牛肉」の場合
        A-1畜産局発行の牛/畜産物生産所検査認定証明書または輸入許可証
        A-2畜産局がA-1を発行できない場合、製造国所管官庁か、所管官庁が認めるその他の機関発行の材料が条件に従っていることを示す牛/畜産物生産所検査認定証明書
      2. 材料がゼラチン、コラーゲンなど「牛肉製品」の場合
        B-1製造国所管官庁か、所管官庁が認めるその他の機関発行の材料が条件に従っていることを示す証明書
        B-2製造国所管官庁がB-1を発行できない場合、認証機関発行のその材料の製造施設が品質保証システム(HACCP/ISO22000:2005/食品委員会が認めるその他のシステム)を備えていることを示す証明書とその材料製造者のBSEリスク分析を含むHACCP Plan
    2. Health Certificate (食肉衛生証明書)
      1. 製造国所管官庁か、所管官庁が認めるその他の機関発行の証明書
        記載内容
        :牛肉製品の製造に使う牛由来の材料の生産地
        :牛肉製品の製造に使う牛由来の材料の種類、その材料の保健省告示No.377における条件、その条件に従っている旨
        :材料の保管中、食品製造工程、牛肉製品保管中にBSE原因物質の汚染がない旨
      2. 所管官庁が(1)を発行できない場合、認証機関発行のその食品製造施設が品質保証システム(HACCP/ISO22000:2005/食品委員会が認めるその他のシステム)を備えていることを示す証明書とその牛肉製品製造者のBSEリスク分析を含むHACCP Plan
牛由来の加工品以外
牛由来の加工品以外の場合は特に動物検疫に係る書類は必要ありません。

タイの食品関連の規制

1. 食品規格

調査時点:2021年11月

畜産加工品に関連する食品規格として、保健省告示No.243(2001年)「肉製品:Some Meat Products」、 No.237(2001年)「調理できる状態の食品及びすぐに食べられる状態の食品の表示」、No.355(2013年)「密閉容器入り食品」、No.377(2016年)「牛海綿状脳症(BSE)リスクのある食品輸入規定・条件」などがあります。

輸出する食品がどの告示に該当するかについては、輸入業者を通じて食品医薬品委員会事務局食品分類担当部署に問い合わせすることを推奨します。問い合わせの際には、全原材料の情報、製造工程の情報が必要です。

前述の食品別の告示内で規定されている汚染物質、病原性微生物、食品添加物の基準について、保健省告示No.413(2020年)、No.415(2020年)、No.417(2020年)において取り消しされている食品については、それぞれ保健省告示No.414(2020年)、No.416(2020)、No.418(2020年)の基準に従う必要があります。

関連リンク

関係省庁
タイ保健省食品医薬品委員会事務局(FDA)(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
1979年食品法(タイ語) PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(828KB)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(114KB)
保健省告示No.237(2001年)「調理できる状態の食品及びすぐに食べられる状態の食品の表示」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(136KB)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(44KB)
保健省告示No.243(2001年)「肉製品」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(94KB)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(42KB)
保健省告示No.355(2013年)「密閉容器入り食品」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(91KB)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(56KB)
保健省告示No.377(2016年)「牛海綿状脳症(BSE)リスクのある食品輸入規定・条件」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(115KB)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(214KB)(ジェトロ仮訳)PDFファイル(283KB)
食品医薬品委員会事務局「保健省告示No.377(2016年)「牛海綿状脳症(BSE)リスクのある食品輸入規定・条件」の説明」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(419KB)
保健省告示No.413(2020年)「汚染物質を含有する食品基準を規定する複数の保健省告示の改正」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(108KB)(ジェトロ仮訳)PDFファイル(202KB)
保健省告示No.414(2020年)「汚染物質を含有する食品基準」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(345KB)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(255KB)
Q&A「 保健省告示No.414(2020年)汚染物質を含む食品規格に関する質疑応答の要点」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(277KB)(ジェトロ仮訳)PDFファイル(405KB)
保健省告示No.415(2020年)「食品中の病原性微生物の品質規格、原則条件」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(134KB)
保健省告示No.416(2020年)「食品中の病原性微生物の品質規格、原則条件、分析方法」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(657KB)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(368KB)
食品医薬品委員会事務局告示「保健省告示No.416(2020年) 「食品中の病原性微生物の品質規格、原則条件、分析方法」の説明」 (タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(238KB)(ジェトロ仮訳)PDFファイル (306KB)
Q&A 「保健省告示No.416(2020年)食品中の病原性微生物の品質規格、原則条件、分析方法に関する質疑応答の要点」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます) (388KB)
保健省告示No.417(2020年)「食品添加物の原則、条件、使用方法及び割合」(第1版)(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(140KB)(ジェトロ仮訳)PDFファイル(295KB)
食品医薬品委員会事務局告示「保健省告示No.417(2020年)「食品添加物の原則、条件、使用方法及び割合」(第 1 版)の説明」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(208KB)(ジェトロ仮訳)PDFファイル (520KB)
保健省告示No.418(2020年)「食品添加物の基準、条件、使用方法及び割合」(第2版)(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(3951KB)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(5537KB)
食品医薬品委員会事務局告示「保健省告示No.418(2020年)「食品添加物の原則、条件、使用方法及び割合」(第2版)の説明」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(8.3MB)(ジェトロ仮訳)PDFファイル(246KB)
その他参考情報
FDA「特定管理食品・品質規格管理食品の分析検査項目マニュアル」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1.1MB)

2. 残留農薬および動物用医薬品

調査時点:2021年11月

畜産加工品も動物用医薬品残留規制、残留農薬残留規制の対象となっています。加工品の場合は、原材料において基準値以下であることが求められます。

1. 動物用医薬品残留規制
保健省告示No.303(2007年)において動物用医薬品の最大残留基準が規定されています。
2. 残留農薬規制
食品中の残留農薬規制については、保健省告示No.387「残留有害物質を含有する食品」、No.393「残留有害物質を含有する食品」第2版に規定されおり、No.387のリスト1に掲載する製造、輸入、輸出、所有が禁止されるカテゴリー4の有害物質(※)について、食品からの検出が禁止されています。これ以外については、次のように規定されています。

(1)リスト2に最大残留基準を設定
(2)(1)に規定がないものはコーデックス基準に従う
(3)(1)(2)に規定がないもので、リスト3の植物用規定値以外については、一律基準0.01mgを適用 (4)リスト4の外因性最大残留基準を超えてはならない

また、2021年6月1日より有効となった保健省告示No.419「残留有害物質を含有する食品」第3版により、No.387のリスト1に規定するカテゴリー4の有害物質として新たに次の5物質が追加され、食品からの検出が禁止されます。この5物質については検出限界(LOD)が設定されており、食品からの検出は検出限界未満であることが求められます。
保健省告示No.419により新たに規制の対象となった有害物質
食品中の残留物質 食品の種類 LODmg/kg
・クロルピリホス(chlorpyrifos)
・クロルピリホス-メチル
(chlorpyrifos-methyl)
生鮮青果実およびその他の植物 0.005
穀物および乾燥豆類 0.01
肉、乳、卵 0.005
・パラコート(paraquat
・パラコートジクロリド
paraquat dichloride
・パラコートジメチルサルフェート
{paraquat [bis (methyl sulfate)]}
またはパラコートメトサルフエート
(paraquat methosulfate)
生鮮青果実およびその他の植物 0.005
穀物および乾燥豆類 0.02
肉、乳、卵 0.005

3. 重金属および汚染物質

調査時点:2021年11月

食品中の重金属および汚染物質については、2021年11月16日より保健省告示No.414「汚染物質を含有する食品基準」による次の基準が適用されています。

  1. 保健省告示No.414付表1に設定する食品別の重金属、カビ毒、その他の汚染物質(塩化ビニルモノマーなど)、放射性物質の基準値を超えないこと。
  2. 1以外の汚染物質については、食品および飼料中の汚染物質、および毒素に関するコーデックス一般規格; CODEX STAN193-1995に規定する最大値を超えないこと。
  3. 1および2以外の汚染物質については、FAO/WHO合同食品規格 コーデックス委員会 (Codex Alimentarius Commission)の汚染物質の最大量規定指針に基づき検討する最大値を超えず、また、販売用食品製造者または輸入者が、当該の汚染物質量が許容できる最大水準内にあることを示す責任を負うこと。

病原性微生物に関する規制については、保健省告示No.416(2020年)「食品中の病原性微生物の品質規格、原則条件、分析方法」に規定されています。リスト2で食品別の基準値が掲載されている場合を除き、リスト1に掲載されている食品の病原性微生物は不検出となっています。そのほか、分析方法を確認することができます。

また、全食品を対象に、保健省告示No.269(2003年)、No.299(2006年)において食品中不検出とする化学物質汚染に関する基準が規定されています。不検出とされる化学物質は、次のとおりです。

  1. クロラムフェニコールおよびその塩(Chloramphenicol and its salts
  2. ニトロフラゾンおよびその塩(Nitrofurazone and its salts
  3. ニトロフラントインおよびその塩(Nitrofurantoin and its salts
  4. フラゾリドンおよびその塩(Furazolidone and its salts
  5. フラルタドンおよびその塩(Furaltadone and its salts
  6. マラカイトグリーンおよびその塩(Malachite Green and its salts
  7. βアゴニストおよびその塩(β-Agonist chemical groups and its salts
    1~7の物質の代謝物を含む。

関連リンク

関係省庁
タイ保健省食品医薬品委員会事務局(FDA)(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
1979年食品法(タイ語) PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(828KB)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(114KB)
保健省告示No.414(2020年)「汚染物質を含有する食品基準」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(345KB)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(255KB)
Q&A「 保健省告示No.414(2020年)汚染物質を含む食品規格に関する質疑応答の要点」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(277KB)(ジェトロ仮訳)PDFファイル(405KB)
保健省告示No.416(2020年)「食品中の病原性微生物の品質規格、原則条件、分析方法」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(657KB)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(368KB)
食品医薬品委員会事務局告示「保健省告示No.416(2020年) 「食品中の病原性微生物の品質規格、原則条件、分析方法」の説明」 (タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(238KB)(ジェトロ仮訳)PDFファイル (306KB)
Q&A 「保健省告示No.416(2020年)食品中の病原性微生物の品質規格、原則条件、分析方法に関する質疑応答の要点」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます) (388KB)
保健省告示No.269(2003年)「β-agonist 類の化学物質に汚染されている食品の基準について」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(28KB)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(43KB)
保健省告示No.299(2006年)「特定の化学物質に汚染されている食品の基準について」(第2版)(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます) (52KB)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(33KB)
その他参考情報
食品及び飼料中の汚染物質及び毒素に関するコーデックス一般規格; CODEX STAN193-1995(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(日本語訳)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(446KB)

4. 食品添加物

調査時点:2021年11月

食品添加物については、食品法に基づき、保健省告示No.281(2004年)「食品添加物」に定義、品質規格など、No.381(2016年)第4版に保健省告示の規定以外の使用に向けた手続きなど、No.418(2020年)「食品添加物の原則、条件、使用方法及び割合」(第2版)に使用基準(食品添加物名、対象とする食品、基準値など)が規定されています。なお、基準値の採用年が2020年(仏暦2663年)の食品添加物(No.418のリストを参照)を使用している食品については、告示No.418の施行日(2020年10月10日)から2年以内にこの告示の規定を順守する必要があります。
また、食品製造用の酵素の使用基準については、保健省告示No.409 (2019年)「食品製造に使用する酵素」に規定されています。そのほか、食品別に保健省告示で規定されている場合は、当該告示に従う必要があります。それ以外については、各種安全評価を経たうえで、食品医薬品委員会事務局の承認に基づいて使用する必要があります

5. 食品包装規制(食品容器の品質または基準)

調査時点:2021年11月

食品容器については、食品法に基づき、保健省告示No.92(1985年)、No.295(2005年)において規定されています。なお、現在、食品容器の告示の見直しが検討されています。

共通
清潔であること
再利用ではないこと(材質により例外あり)
健康を害するおそれのある量の重金属またはほかの物質が食品を汚染しないこと
病原菌を含有していないこと
色素が食品を汚染しないこと
プラスチック製
材質基準と溶出基準が規定されています。
セラミック・ほうろう製
鉛とカドミウムの溶出基準が規定されています。

また、密閉容器に入った食品の容器については、保健省告示No.355(2013年)「密閉容器入り食品」において規定されています。

  1. 清潔であること。
  2. 金属製容器の場合、これまでにほかの食品や物品の包装に使用したことがないこと。
  3. 容器内部に鉛、サビ、またはそのほかの色が付着していない(ラッカーの色またはスズの色は除く)こと。また、鋼板製の容器の内部は、食品が鋼板に直接接触しないようスズまたはほかの物質でコーティングしていること。
  4. 漏れや膨張がないこと。
  5. 健康を害するおそれのある量の食品を汚染する物質がない容器であること。

6. ラベル表示

調査時点:2021年11月

包装食品の表示項目については、食品法に基づき、保健省告示「包装食品のラベル表示について」において、タイ保健省食品医薬品委員会事務局(FDA)から記載が免除された場合を除き、タイ語(英語併記でも可)による次の表示が義務付けられています。また、食品別に保健省告示で規定されている場合は、当該告示にも従う必要があります。

  • 食品名
  • 食品登録番号(通称:オーヨーマーク)
  • 輸入者の名称、所在地および製造業者の名称、製造国名
  • 食品量
  • 主要原材料(重量の割合の多いものから順に記載)
  • アレルギー情報(対象となるアレルゲンは、グルテンを含む穀物、甲殻類、卵、魚類、ピーナッツ、大豆、乳(乳糖含む)、木の実およびこれらの製品、10mg/kg以上の亜硫酸塩。例外あり。)
  • 食品添加物の機能分類名と特定の名称またはINS番号
  • 「天然香料添加」、「天然模倣香料添加」、「合成香料添加」、「天然フレーバー添加」、「天然模倣フレーバー添加」(使用している場合)「賞味期限」または「消費期限」とともに食品の保存期間が90日以下の場合は「日・月・年」、90日超の場合は「日・月・年」または「月・年」を表示する。これ以外に、食品個別の告示で指定されている場合は、「製造」または「消費期限」を表示する。月は数字でも文字でもよい。日付が日・月・年、月・年の順ではない場合、表示形式を説明する分かりやすい記述が求められる。
  • 注意事項(あれば)
  • 適切な保存方法(あれば)
  • 調理方法(あれば)
  • 乳幼児、特定グループを対象としている場合はその使用方法と注意事項
  • タイ保健省食品医薬品委員会事務局(FDA)が告示で規定した食品の場合、同局が規定した表示
  • 保健省告示No.401に規定する追加情報(該当する場合)

この表示のほかに、保健省告示No.182(1998年)およびNo.394(2018年)において、栄養過多、非感染症疾患を予防する目的で、一部の食品には、栄養表示と1日の栄養摂取量ガイドライン(GDA)式によるエネルギー量、糖分、脂肪、ナトリウムの表示が義務付けられています。対象となる食品は、次のとおりです。

  1. 栄養表示が必要な食品(No.182)
    1. 栄養強調表示を有する食品
    2. 販売促進において食品の栄養値を利用している食品
    3. 販売促進において消費者群を特定している食品
    4. 食品委員会の承認を受け、タイFDAが発表するその他の食品
  2. 栄養表示およびGDA表示が必要な食品(No.394)
    1. スナック食品(ポップコーン、ポテトチップス、米菓、魚肉・畜肉菓子など)
    2. チョコレートおよびチョコレート味の菓子
    3. ベーカリー製品(ビスケット、クッキー、ケーキなど)
    4. 半加工食品(麺類、春雨、調味済みのおかゆなど)
    5. 冷蔵または冷凍食品(チャーハン、カレーライス、ラザニアなど)
    6. 密閉容器に入った飲料(粉末飲料含む)
    7. インスタントティー(ready-to-drink tea)(液状、粉末)
    8. インスタントコーヒー(ready-to-drink coffee)(液状、粉末)
    9. フレーバーミルク
    10. 発酵乳
    11. 乳製品
    12. 豆乳
    13. アイスクリーム

そのほか、注意すべき表示規則として、主に次のものが挙げられます。

  • 保健省告示No.251遺伝子組み換え食品の表示
  • 保健省告示No.365 食品ラベル上の「プレミアム」表示
  • 保健省告示No.384グルテンフリー食品の表示

関連リンク

関係省庁
タイ保健省食品医薬品委員会事務局(FDA)(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
1979年食品法(タイ語) PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(828KB)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(114KB)
保健省告示No.367(2014年)「包装食品のラベル表示について」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(93KB)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(237KB)
保健省告示No.383(2017年)「包装食品のラベル表示について」(第2版)(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(54KB)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(237KB)
保健省告示No.401(2019年)「包装食品のラベル表示について」(第3版)(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(211KB)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(206KB)
保健省告示No.410(2019年)「包装食品のラベル表示について」(第4版)(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(90KB)
保健省告示No.182(1998年)「栄養表示」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1.1MB)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(41KB)
保健省告示No.219(2001年)「栄養表示」(第2版)(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(61KB)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(48KB)
保健省告示No.392(2018年)「栄養表示」(第3版)(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(80KB)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(76KB)
食品医薬品委員会事務局告示「栄養素の機能を強調する文言の表示」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(331KB)
保健省告示No.394(2018年)「栄養表示、GDA式エネルギー、糖分、脂肪、ナトリウム表示が必要な食品」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(200KB)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(248KB)
保健省告示No.251(2002年)「遺伝子組み換え食品の表示について」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(55KB)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(43KB)
保健省告示No.365(2013年)「食品ラベル上の「プレミアム」表示について」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(45KB)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(186KB)
保健省告示No.384(2017年)「グルテンフリー食品の表示」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(81KB)
その他参考情報
包装食品のラベル表示に関する保健省告示のQ&A(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(452KB)
農林水産省「各国の食品・添加物等の規格基準」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農林水産省「トランス脂肪酸に関する各国・地域の取組(タイ)」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

7. その他

調査時点:2021年11月

Healthier Choiceロゴマーク
保健省告示No.373号(2016年)「食品ラベルにおける栄養シンボルの表示(the display of nutrition symbol on food label)」
タイにおいて肥満、糖尿病、高血圧などの非感染症疾患(NCDs)が増加していることを受け、消費者が健康に適した食品を正しく選択できるよう、品目別に設定された砂糖、脂肪、ナトリウムなどの基準値を下回っていることを示す「Healthier Choice」というロゴマークが作られました。このロゴマークを食品ラベルに表示するには、マヒドン大学栄養研究所栄養促進財団または国家食品委員会下に設置された委員会により指定された機関により検査、認証を受ける必要があります。申請費用は1品目1万バーツ(2021年内は無料)で、ロゴマークは3年間使用可能です。認証された食品は、Healthier Choiceロゴ使用認証機関のウェブサイトに公表されており、2021年10月31日現在、2,440品目が認証されています。食品法に基づく虚偽表示に対する罰則は、罰金刑(5,000~10万バーツ)および懲役刑(6カ月~10年)となっています。
Healthier Choiceロゴマークを表示可能な対象品目は、次のとおりです。
1.主食類(レンジで温めて食べるガパオライスなど)、2.飲料類、3.調味料類、4.乳製品類、5.インスタント食品類、6.スナック(軽食)類、7.アイスクリーム類、8.油脂類(ドレッシングなど)、9.パン類、10.シリアル類、11.ベーカリー類、12.軽食類(サンドイッチなど)、13.魚及びその他の水産物類

タイでの輸入手続き

1. 輸入許可、輸入ライセンス等、商品登録等(輸入者側で必要な手続き)

調査時点:2021年11月

日本から販売目的で畜産加工品を輸入する場合は、輸入者が食品輸入許可書(3年間有効)を取得しておくことが必要です。また、食品は食品法に基づき、特定管理食品、品質規格管理食品、表示管理食品および一般食品(General Food)の4種に分類し管理されていますが、畜産加工品は品質規格管理食品または表示管理食品に該当し、それぞれ食品登録番号(通称:オーヨーマーク)を取得する必要があります。タイに輸出する畜産加工品がどの食品カテゴリーに分類されるかについては、タイ保健省食品医薬品委員会事務局(FDA)に確認のうえ、最新の情報を入手することが必要です。

タイ保健省食品医薬品委員会事務局での手続き

1.食品輸入許可書の取得(Orr.7)
申請場所:
タイ保健省食品医薬品委員会事務局(FDA)のe-submissionシステム(オンライン)(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
  1. デジタル政府開発事務局ウェブサイト(タイ語))外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでe-submissionへのログイン時に使用するアカウントを作成(OpenID)する。
  2. 食品医薬品委員会事務局または事業所が地方にある場合は当該県の保健事務所においてe-submission使用許可申請と必要書類を提出すると、システム内に事業者のMASTER DATAが作成され、3営業日以内に使用が許可される。
    必要書類(法人)
    • 事業運営者委任任命書(収入印紙30バーツを貼付)
    • 事業運営者の身分証明書と住居登録証の写し(外国人の場合はパスポートと労働許可証の写し)
    • 法人登録証写し(6カ月以内に発行された、販売目的の食品輸入に関する目的が記されたもの。)
    • 法人の署名権限者の身分証明書またはパスポートの写し
    • 輸入施設の住居登録証写し
  3. submissionシステム(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにログインし、事業者のMASTER DATAを確認し、申請書と必要書類をアップロードする。申請手数料(5,000バーツ)を支払う。
    • 輸入許可申請書(様式Orr.6)
    • 株主名簿(BorOrrJor5)写し(6カ月以内に発行されたもの)
    • 外国籍の法人の場合は外国人事業許可証のコピーまたは投資奨励カード(BOIカード)
    • 食品保管施設の住居登録証写し
    • 施設賃貸契約書写し(あれば)
    • 食品輸入施設、保管施設の地図
    • 食品輸入許可申請書類の内容保証書(施設の条件を満たしていることを保証する書類)
    • 食品輸入施設、保管施設のカラー写真
  4. FDAが審査、許可された場合は許可証手数料支払指示書が発行される。
  5. 許可証手数料(1万5,000バーツ)を支払う。
  6. e-submissionシステム上で許可証番号と許可証を取得する。
2.食品登録番号(通称:オーヨーマーク)の取得(SorBor.5/1またはSorBor.7/1)(食品個別の登録)
申請場所:
タイ保健省食品医薬品委員会事務局(FDA)のe-submissionシステム(オンライン)(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
手順:
  1. デジタル政府開発事務局ウェブサイト(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで作成したアカウントでe-submissionシステムにログインし、製造業者からの製造施設証明書(GMP製造基準適合証明書)をアップロードする。
  2. 食品登録/詳細通知申請書(SorBor.5またはSorBor.7)の情報を入力し、その他の書類をアップロードする。
  3. 支払指示書を印刷し、申請手数料200バーツを支払う。
  4. e-submissionシステム上で発行される食品登録番号の入った食品登録証明書(SorBor.5/1)または食品詳細通知証明書(SorBor.7/1)を印刷する。 その他の書類をアップロード
必要書類:
  • 食品登録/食品詳細通知申請書(SorBor.5またはSorBor.7)(システム上で選択)
  • 製造施設証明書(GMP製造基準適合証明書)
  • 製造者からの原材料品質規格書(任意)(SorBor.5該当品のみ)
  • 製造者からの材料の割合が記された書類(SorBor.5該当品のみ)
  • 品質規格分析結果報告書原本(販売目的の輸入の場合、関連する告示の品質規格に関する分析結果報告書は、政府機関、政府機関が認証した機関、国際基準の試験所認定機関により認証された機関により分析されたものであること。) (SorBor.5該当品のみ)

2. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)

調査時点:2021年11月

輸入前
  1. 輸入者は、次のいずれかから通関者登録を済ませておく。
  2. 製造施設証明書(GMP製造基準適合証明書)を食品医薬品検査所情報システム(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに登録する。
  3. 関税局のNSWシステムから輸入申告の際に必要なLPI(License Per Invoice)番号を取得する。
輸入日
  1. 関税局のNSWシステム(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを通じて、輸入申告書を作成、送付する。(LPI番号が必要)
  2. システム内で内容が確認された後、検査指示(Green Line/Red Line)、輸入申告書番号が発行される。
  3. 納税する。
  4. 食品医薬品検査所が書類検査を行い、関税局係官に結果を通知する。
  5. 検査指示に従う。
    • グリーンライン(検査免除)の場合は、貨物の受け取り手続きに進む。
    • レッドライン(要検査)の場合は、職員の検査を受けたうえで貨物の受け取り手続きに進む。
必要書類
  • 輸入申告書
  • インボイス
  • パッキングリスト
  • 船荷証券(B/L)もしくは航空貨物運送状(Air Waybill)
  • 食品輸入許可書(Orr.7)
  • 食品登録証明書(SorBor.5/1)または食詳細通知証明書(SorBor.7/1)
  • 製造施設証明書(GMP製造基準適合証明書)
  • 牛由来の材料または成分の検査証明書および食肉衛生証明書(Health Certificate)(牛肉加工品の場合のみ)
  • 分析証明書(保健省告示No.377に基づく牛由来の一部の品目の場合)
  • 特定原産地証明書(EPA税率を適用する場合)

3. 輸入時の検査・検疫

調査時点:2021年11月

食品法に基づく書類検査が行われます。市場に流通後、必要に応じて残留農薬検査、重金属などの抽出検査が行われることがあります。

4. 販売許可手続き

調査時点:2021年11月

現在輸入可能な畜産加工品の販売許可は必要ありません。

5. その他

調査時点:2021年11月

なし

タイ内の輸入関税等

1. 関税

調査時点:2021年11月

輸入関税については、最高税率のほかに、関税率勅令第12条に従い減免された基本税率(一部対象外)、WTO税率、日本・タイ経済連携協定(JTEPA)税率、日本・ASEAN包括的経済連携協定(AJCEP)税率があり、畜産加工品の税率は次のとおりです。

畜産加工品の税率
HSコード 基本税率 ASEAN-JAPAN JTEPA WTO
1601 30% 免除 免除 30%
1602 30% 免除 免除 27~50%
19022010 30% 免除 免除 30%

2. その他の税

調査時点:2021年11月

輸入額(CIF)と関税額の合計に付加価値税(VAT)7%が課税されます。

3. その他

調査時点:2021年11月

通関手数料は200バーツです.
輸入申告書入力代行手数料(入力を依頼する場合)は100バーツです。.

その他

調査時点:2021年11月

ハラール認証

タイのハラール認証機関は、1997年に制定された「イスラーム教組織運営法」に基づき設立されたタイ国イスラーム中央委員会(The Central Islamic Committee of Thailand /CICOT)および全国40県に配置されているイスラーム委員会の事務局です。「ハラール認証に関するイスラーム中央委員会規則」に基づき、政府関連機関との連携により現在までにタイのハラール認証を受けた企業は約1万700社、製品数は約15万品目となっています。認証取得会社、品目は、タイ国イスラーム中央委員会が運営するハラール認証製品情報ウェブサイト(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますまたは「Halal Thai」アプリで確認できます。

有機認証

現在、タイにおける有機食品に関する法律、基準は次のとおりです。これらの認証を受けた製品は「Organic Thailand」のマークが与えられます。

  • 農産物規格法(2008)第2版(2013)第3版(2018)
  • タイ農産物規格有機農業(TAS9000)
    第1部 有機生産物、加工、表示、製造販売(TAS9000-2009)
    第2部 有機畜産物(TAS9000-2018)
    第3部 有機水産物飼料(TAS9000-2009)
    第4部 有機米(TAS9000-2010)
    第5部 有機魚(Snakeskin Gourami)(TAS9000-2010)
    第6部 有機蜂(TAS9000-2013)
  • タイ農産物食品規格有機海エビ養殖(TACFS7413-2007)

認定機関はタイ農産物食品規格局で、認証機関は農業局、米局、水産局、畜産局、生産システム認証機関(ICAPS)、タイ科学技術研究所(TISTR)などとなっています。

有機表示

日本の有機JASなどを含め、有機認証マークをパッケージに表示する場合は、その認証書の期限が切れていなければ、表示することが可能です。また、包装に「Organic」と表示することについても同様に、取得した有機認証書の期限が切れていなければ、表示することが可能です。この認証書は、食品登録番号を取得する食品の場合は、食品登録の際に提出します。また、食品登録番号の取得の有無にかかわらず、通関時にも認証書の確認が行われます。この認証書が日本語の場合は、タイ語または英語に翻訳し、翻訳証明が入ったものが必要です。

なお、食品医薬品委員会事務局告示「食品製造システム規格認証取得に関する文言又はマークの表示基準」において、GAP(Good Agricultural Practice)、有機認証(「Organic」の表示も含む)、ハラール認証などの任意認証を表示する際には、認証を示すマークまたはロゴ(Certification mark/Logo)に加え、次の情報を併記する必要があると規定されています。

  1. 認証を受けた食品製造施設名
  2. 認証を受けた食品製造システム規格の種類
  3. 認証書を発行した認証機関名