タイ保健省、食品表示などに関する新告示4本を7月に施行

タイ保健省食品・医薬品局（FDA）は1月5日、食品表示などに関する新たな保健省告示4本を官報に掲載するとともに、新告示4本の概要や従来との変更点を説明する資料をFDAウェブサイトに掲載した。新告示はいずれも7月2日の施行となるが、施行日より前にFDAが承認した販売目的の食品については、施行日から3年間（2027年7月1日まで）は商品を引き続き販売することが可能となっている。

2月14日にはFDAによるオンライン説明会が開催される予定。

タイの食品表示制度は、（A）義務的に表示を求めるもの、（B）任意で表示できるものの2つに大別される。このうち（A）には、（1）包装された食品全てに求めるラベル表示、（2）（1）に加えて、一部の食品に求める栄養表示、（3）（2）に加えて、さらに一部の食品に求めるGDA（Guideline Daily Amount）表示、（4）その他の各種表示などがある。（B）の任意で表示できるものには、健康強調表示をはじめ複数のものがある。

新告示のポイントはそれぞれ次のとおり。

1.保健省告示445号「栄養表示」（日本語仮訳(761KB)）

• （A）義務的に表示を求めるもののうち、（2）の一部の食品に求める栄養表示について規定。現行の保健省告示182号「栄養表示」（英語仮訳）、同219号「栄養表示（第2版）」（英語仮訳）、同392号「栄養表示（第3版）」（英語仮訳）を廃止した上で、新たに定めるもの。
• 栄養表示を求める食品の種類に加除があり、例えば、保健省告示447号「健康強調表示を有する食品」（後述）に従って健康強調表示を行う食品については、保健省告示445号「栄養表示」にも従うこととなった。
• 栄養表示の様式や記載内容などが変更されている。

2.保健省告示446号「栄養ラベルとGDAに基づくエネルギー、糖分、脂質、ナトリウム値の表示を課す食品（第2版）」（英語仮訳、日本語仮訳(159KB)）

• （A）義務的に表示を求めるもののうち、（3）のさらに一部の食品に求めるGDA表示について規定。現行の保健省告示第394号「栄養ラベルとGDAに基づくエネルギー、糖分、脂質、ナトリウム値の表示を課す食品」（英語仮訳）の一部を改正し、GDA表示が求められる食品の栄養表示〔（2）一部の食品に求められる栄養表示〕については、保健省告示445号「栄養表示」の規定に従うとしている。
• GDA表示そのものの様式や記載内容には変更はない。

3.保健省告示447号「健康強調表示を有する食品」（英語仮訳、日本語仮訳(364KB)）

• （B）の任意で表示できるもののうち、健康強調表示について規定。従来は告示レベルではなく、FDA発行のマニュアル「健康強調表示の申請」の中で規定していたが、これを保健省告示に格上げし、条件や手続きなどを定めている。
• 健康強調表示の中には、いわゆる「機能性表示」も含まれる。FDAは日本の機能性表示食品の制度も参考に検討を進めていた（2022年11月10日記事参照）。

4.保健省告示448号「栄養補助食品（第5版）」（英語仮訳、日本語仮訳(172KB)）

• 保健省告示293号「栄養補助食品」（英語仮訳）の一部を改正するもの。
• 栄養補助食品に含まれるビタミン、ミネラルの上限値が改訂されるとともに、新たに下限値が設定されている。

（谷口裕基、ウォンパタラクン・ヤーダー）