食品からパラコートなどの検出禁止、2021年6月から

(タイ)

バンコク発

2020年11月17日

タイで農薬をめぐり、食品からパラコートやクロルピリホスなど5物質の検出を新たに禁止する動きが出ていたところ(2020年9月15日記事参照)、政府が11月2日に公布したタイ保健省告示PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)第419号/2020年(日本語仮訳PDFファイル(435KB))により、2021年6月1日流通分から検出禁止となる。新たに検出が禁止される物質は、(1)クロルピリホス、(2)クロルピリホスメチル、(3)パラコート、(4)パラコートジクロリド、(5)パラコートジメチルサルフェートまたはパラコートメトサルフェートの5つ。

米国農務省海外農務局(USDA/FAS)が提供している「Global Agricultural Information Network(GAIN)」のレポート外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注)によると、タイの食品加工業は小麦穀粒や大豆、大豆ミールといった原料輸入に依存しており、これらの原料はパラコートやクロルピリホスが使用されている米国やカナダ、ブラジル、アルゼンチン、オーストラリアといった国から輸入している。このため、今回の規制の導入により、31億ドル相当(2019年)の農産物輸入が影響を受けるだろうとしている。加えて、こうした輸入原料を使用して製品製造を行う産業、当該製品を活用している産業などにも影響が出るという。

食品産業に限って影響があると仮定した場合、小麦由来の食品、大豆油製造、大豆由来の飼料や食品、ホテル・ホスピタリティー、青果物輸入などといった業種で、タイの産業生産額の計45億ドル相当に影響があると予想されている。他方、米国の小麦や大豆業界では、不検出(Non-Detectable)証明書の準備に努めており、小麦・大豆輸入の約40%相当分の供給者が証明書発行可能としている。

パラコートやクロルピリホスといった農薬は日本でも一般的に使われており、今後の輸出に向けては農薬の切り替えなどといった対応が必要となる。

(注)GAINレポートは米国政府の公式な見解を示すものではない。

(福田かおる、ウォンパタラクン・ヤーダー)

(タイ)

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