ジェトロ対日投資報告2022
第2章 外資系企業のビジネス実態
第4節 オープンイノベーション(協業・連携)

1. 日本での外資系企業の協業パートナー

国内ビジネス展開における国内企業・大学・研究機関などとの協業・連携の取り組みについて、実施状況については、協業・連携を「実施している」・「過去に実施したことがある」・「実施を検討している」企業は、全体の41.2%であった。国内での業種別でみると、製造業(29.4%)、サービス業その他(25.9%)で「実施している」と回答した割合が高い。一方、小売業では18.0%が「実施したことはないが、検討している」と回答しており、実施意欲が高い(図表2-17)。 新規分析

親会社の国・地域別で協業パートナー(検討中を含む)をみると、アジアでは中小企業(代理店を除く)が高い(51.1%)一方、北米、欧州では大学が最も高かった(それぞれ、52.1%、46.4%)(図表2-18)。 新規分析

図表2-17 業種別にみる協業・連携の実施状況 新規分析
図表2-18 協業パートナー(複数回答可) 新規分析

2. 協業・連携上の課題

協業・連携上の課題としては、「パートナー候補の情報収集」が44.0%で最も高く、次いで「協業・連携を行う自社の体制構築の難しさ」が36.5%であった(図表2-19)。情報発信やマッチングの機会提供が求められている。

図表2-19 協業・連携上の課題(複数回答可)

[コラム] 協業・連携促進に向けたジェトロの取り組み

  1. [事業]

    地域への対日直接投資カンファレンス(Regional Business Conference)

    外国企業に対して日本の地域のビジネス環境の魅力を発信し、地場企業や大学との協業や連携を促す事業。日本の地域にとっては、社会課題の解決となりうる技術・サービスを呼び込むことが可能となる一方、外国企業にとっては、地域の企業や大学・研究機関等の協業連携候補とのマッチングを効率的に実施することが可能となる。2022年度はヘルスケア、トラベルテック、フードテックの分野で実施。

  2. [事業]

    グローバル・オープン・イノベーション

    国内の大学及び大学発ベンチャーの技術や研究成果等のシーズと、日本企業・大学との連携・協業を期待する外国・外資系企業や海外大学のマッチング支援等を行う。2022年度はヘルスケア分野を対象とし、ジェトロの国際企業連携支援プラットフォーム「J-Bridge」等と連携しつつ、共同研究開発など、外国・外資系企業のオープン・イノベーションの取り組みを支援する。

  3. [支援事例]

    国立がん研究センター(NCC)と外国企業・機関の連携

    • ジェトロは、米国のフレデリック国立がん研究所(FNLCR)(注)を日本に招へいし、個別商談会を実施。これにより、FNLCRと国立がん研究センター先端医療開発センター (NCC EPOC)は2021年9月、AI診断と創薬を中心とする連携協定を締結。
      (注)米国最大のヘルスケア研究機関である国立衛生研究所 (NIH) の一部である国立がん研究所(NCI)傘下で、がんを中心とするバイオメディカル分野の研究を行う国立研究機関。
    • スペインの難治性がん治療薬開発企業であるアルジュナ・セラピューティクスを招へいし、マッチングを実施。2019年9月に同社と国立がん研究センターは、難治性がん創薬に係る共同研究契約を締結した。

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