ジェトロ対日投資報告2022
第1章 世界と日本の直接投資動向
第4節 業種別対日投資動向

1. フロー

2021年における業種別対日直接投資額を親子関係原則で見ると、前年比136.8%増の2.7兆円と、過去最多であった2016年を超え過去最多を更新した。大業種別にみると、製造業が大きく伸びて1.4兆円(全体の50.1%)、非製造業が1.3兆円(全体の49.9%)となり、製造業と非製造業で半々となった(図表1-8)。詳細業種をみると、化学・医薬が前年から大きく伸びて1.5兆円と最も多く、次いで、金融・保険業が前年比25.1%増の0.9兆円となった(図表1-9)。化学・医薬の投資を国・地域別にみると、最多だった香港が前年比3,642.9%増の1兆932億円となり化学・医薬の投資全体の7割以上を占めた。同業種ではスイスからの投資も堅調で、24.2%増の1,486億円となった。そのほか、製造業では、電気機械器具が前年比49.1%増の0.2兆円で好調だったが、輸送機械器具がマイナス0.3兆円でマイナスに落ち込んだ。

図表1-8 2021年における対日直接投資額 (フロー、業種別)

〔注〕国・地域別の統計(資産負債原則)とは計上原則が異なる(親子関係原則)。
〔出所〕「本邦対外資産負債残高」(財務省、日本銀行)から作成

図表1-9 2021年における対日直接投資額(上位10業種) (単位:億円、%)
順位 業種 2021年 2021年 伸び率(前年比)
1 化学・医薬 14,713 987.7
2 金融・保険業 9,297 25.1
3 通信業 4,246 2981.5
4 電気機械器具 2,350 49.1
5 サ-ビス業 613 -30.1
6 運輸業 487 130.6
7 一般機械器具 137 -34.7
8 鉄・非鉄・金属 102 250.0
9 建設業 98
10 木材・パルプ 88 860.4
卸売・小売業 -2,403
輸送機械器具 -3,293

2. 残高

2021年末の業種別の対日直接投資残高(親子関係原則)は、前年比4.8%増の27.2兆円であった。残高を大業種で見ると、製造業が34.4%、非製造業が65.6%であった(図表1-10)。詳細業種をみると、金融・保険業が、前年比10.4%増と伸び、11.0兆円(全体の40.5%)となり、最大だった(図表1-11)。次いで、化学・医薬が3.3兆円(同12.3%)で、前年比77.8%増。伸長幅としては最大となった。一方で、輸送機械器具は前年比13.2%減の2.8兆円(同10.4%)と二ケタ減となった。電気機械器具も減少し、前年比で約6割の水準となった。

図表1-10 対日直接投資残高(業種別)

〔出所〕「本邦対外資産負債残高」(財務省、日本銀行)から作成

図表1-11 2021年末対日直接投資残高(上位10業種) (単位:億円、%)
順位 業種 残高 構成比
1 金融・保険業 110,072 40.5
2 化学・医薬 33,459 12.3
3 輸送機械器具 28,327 10.4
4 通信業 23,262 8.6
5 電気機械器具 15,563 5.7
6 サービス業 13,957 5.1
7 一般機械器具 5,971 2.2
8 運輸業 4,976 1.8
9 不動産業 4,569 1.7
10 ガラス・土石 4,433 1.6
その他 26,996 9.9
合計 271,585 100

お問い合わせ

フォームでのお問い合わせ

ジェトロはみなさまの日本進出・日本国内での事業拡大を全力でサポートします。以下のフォームからお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせフォーム

お電話でのお問い合わせ

受付時間

平日9時00分~12時00分/13時00分~17時00分
(土日、祝祭日・年末年始を除く)