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Viettel Business Solution-ベトナムのDXソリューションを海外へ
ベトナムDXのキーパーソンに聞く(第2回)

2021年2月24日

地場大手IT企業幹部や、スタートアップ創業者などのキーパーソンへのインタビューを通じ、ベトナムでのDX(デジタルトランスフォーメーション)の注目分野や日本企業との協業に向けたヒントを探る本シリーズ。第2回は、ベトナム最大級の国有・通信事業者で、近年は海外事業に注力しているViettel(ベトナム軍隊工業通信グループ)を取り上げる。

Viettelは、東南アジア、中南米、アフリカの10カ国でITサービスを提供。ベトナム国有企業の中でも、特に海外事業で成功した企業として知られている。従来は、通信事業を軸に展開してきた。しかし、BtoBやBtoGの分野でDX関連サービスやソリューションの提供を目指し、2018年にViettel Business Solutionを設立。今後、日本市場への参入も視野に入れている。同社が考えるグローバル戦略や日本企業との協業の狙いについて、Viettel Business Solution グローバル・ビジネス・センター所長のレー・バン・ホアン氏に聞いた(2020年12月9日)。

注力分野は電子政府、スマートシティ、教育、医療

質問:
最近の注力分野は。
答え:
電子政府(e-Government)、スマートシティ、教育、医療などの分野に注力している。直近では2020年9月、保健省と連携し、全国規模での遠隔診療のプラットフォーム「Viettel Telehealth」を立ち上げた。これは、国内1,000拠点をオンラインでつなぎ、基幹病院と各地の病院を接続して診療を行うもの。山岳地域や島しょ部などのへき地医療への活用など、医療セクターに向けたDXの画期的な取り組みとして期待されている。このほか、交通、電力、銀行、農業、観光、小売りなど、幅広い領域でITサービスを展開している。

「Viettel Telehealth」を通じた遠隔診療(同社提供)
質問:
DXを進めていく上での課題は。
答え:
製品開発には自信がある。一方で、個別のケースに応じた細かいシステム設計やアップグレードに弱いという点が課題だ。例えば、銀行向けのソリューションでは、銀行ごとに異なるシステムを構築する必要があり、また病院向けのソリューションでは、各診療科・部門に応じた仕様が必要になる。このような要請には、先進国のIT企業と比べると対応が遅れている。
DXを進める上での規制改革についても、ベトナム政府に対して次々と提言を行っている。DXとは、企業だけでなく、政府もまさにトランスフォーム(変化)していかなければならないからだ。

海外10カ国で展開、日本進出計画も

質問:
海外展開の計画は。
答え:
現在、ベトナムのほか、東南アジア(ミャンマー、ラオス、カンボジア、東ティモール)、中南米(ハイチ、ペルー)、アフリカ(モザンビーク、カメルーン、ブルンジ、タンザニア)の10カ国で、通信サービスやITサービスを展開している(表参照)。2021年には、日本を含むアジア3カ国への進出を計画中だ。ベトナムと海外とをつなぐICT(情報通信技術)インフラの7割は、Viettelが担う。この点も当社の強みだ。
表:Viettelの進出先
進出国 法人名 ブランド名 サービス
開始年
カンボジア Viettel (Cambodia) Pte., Ltd Metfone 2009年
ラオス Star Telecom. Co, Ltd. Unitel 2009年
ハイチ Natcom, SA Natcom 2010年
モザンビーク Movitel, SA Movitel 2012年
東ティモール Viettel Timor Leste Unipessoal Lda Telemor 2013年
カメルーン Viettel Cameroun SARL Nexttel 2014年
ペルー Viettel Peru S.A Bitel 2014年
タンザニア Viettel Tanzania Halotel 2015年
ブルンジ VIETTEL BURUNDI S.A Lumitel 2015年
ミャンマー Mytel S.A Mytel 2018年

出所:同社ウェブサイトよりジェトロ作成

質問:
日本企業との協業の狙いは。
答え:
現在、米国、フランス、ロシアなどの企業と研究開発を進めている。一方で、日本企業との協業実績はほとんどない。ただし、重要なパートナー国として位置付けていて、現在、日本市場への参入を目指している。
日本企業との協業形態に関しては、第1に、ベトナムへの日本の先端技術の導入や在ベトナム日系企業との協業など、ベトナム市場での展開が考えられる。Viettelはベトナム国内に多くの顧客を有する。日々さまざまな要望を受けることが多く、日本企業の技術やソリューションも含めてこれら顧客に提案していけないか検討している。
第2に、今後Viettelが日本市場への参入を目指す上で、日本国内での協業が考えられる。具体的には、IT、金融、小売り、エネルギーなどで、協力パートナーとなる日本企業を探したい。また、日本向け事業として検討しているのがIT人材の供給だ。Viettelは、3万~4万人のIT人材を擁している。これを生かし、日本のテレコミュニケーションやITソリューションにおける人材不足の問題解決に貢献していきたい。
第3に、Viettelが既に進出している地域(東南アジア、中南米、アフリカ)での協業も考えられる。
質問:
日本企業へのメッセージは。
答え:
日本企業との協力関係を通じ、日本の先端的なDXソリューションをベトナムに導入するだけでなく、共に海外展開を目指す「Japan Solutions & Viettel Solutions」を戦略的目標に掲げたいと考えている。日本とベトナムに限らず、Viettelが進出する国・地域の政府、企業、国民に対しても、価値あるITソリューションを共に提案・提供していきたい。

右から2人目:Viettel Business Solutionグローバル・ビジネス・センター所長
レー・バン・ホアン氏(ジェトロ撮影)
執筆者紹介
ジェトロ・ハノイ事務所
新居 洋平(あらい ようへい)
2010年、ジェトロ入構。展示事業課、麗水博覧会チーム、ミラノ博覧会チーム、ジェトロ広島を経て、現職。

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