日本からの輸出に関する制度

茶の輸入規制、輸入手続き

品目の定義

本ページで定義する茶のHSコード

0902.10 :緑茶(発酵していないもの)(重量が3キログラム以下の直接包装したもの)
0902.20 :その他の緑茶(発酵していないもの)

タイの輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2021年9月

緑茶の輸入は可能です。

保健省告示により次の食品は輸入が禁止されています。

  • 食品ではないものを含む食品(食品の品質維持や調理目的のもので、かつ消費者の健康被害がないものは例外とする)
  • 遺伝子組み換えまたは遺伝子工学によりCry9C DNA Sequenceを有する食品およびこの食品を成分として含有する食品
  • 次の1)〜13)およびこれを原料とする食品
    1. 臭素化植物油
    2. サリチル酸
    3. ホウ酸
    4. ホウ砂
    5. 塩素酸カリウム
    6. クマリンまたは1,2−ベンゾピロンまたは5,6−ベンゾ−α−ピロンまたはcis-O −クマル酸無水物またはo−ヒドロキシケイ皮酸ラクトン
    7. ジヒドロクマリンまたはベンゾジヒドロピロンまたは3,4-ジヒドロクマリンまたはヒドロクマリン
    8. ジエチレングリコール、ジヒドロキシジエチルエーテル、ジグリコール、2,2'−オキシビスエタノール、2,2'−オキシジエタノール
    9. ズルチンまたは4-エトキシフェニル尿素またはパラ - フェネトールカルバミド
    10. AF − 2または2−(2−フリル)−3−(5−ニトロ−2−フリル)アクリルアミドまたはフリルフルアミド
    11. 臭素酸カリウム
    12. ホルムアルデヒド、ホルムアルデヒド溶液、パラホルムアルデヒド
    13. メラミンおよびその類縁体(シアヌル酸)
  • 保健省告示No.424で指定される植物、動物、動植物の部位80種類

その他、保健省告示No.390(2018年)「販売用製造、販売用輸入、販売食品における材料使用基準、条件、方法」において、ヨウ素酸カルシウムやステビアなどの使用基準が規定されています。

2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)

調査時点:2021年9月

輸入通関時に、輸出者側の植物検疫証明書が必要です。また、日タイ経済連携協定(JTEPA)税率の適用を受ける場合、輸出者側の特定原産地証明書が必要です(日本商工会議所が発給)。

GMP製造基準適合証明書について
食品医薬品委員会事務局は、食品の製造方法などに関する基準を定めており、タイ国内の食品製造施設に基準の順守を求めています。輸入品については、タイ国内と同レベル以上の製造施設で製造されていることを担保するため、告示で定められる基準と同等以上の基準に基づく規格などの証明書(GMP製造基準適合証明書)を提出することが求められています。個別商品の登録を行う場合は、登録時と輸入通関時に提出することが必要となっています。
輸入時にGMP製造基準適合証明書が求められる食品は、加工なしの生鮮水産物、アルコール飲料を除くほぼすべての食品となるため、茶においても必要です。特定の生鮮青果物については保健省告示第386号で指定、その他の食品については、2021年2月に従来の告示9本が統廃合・改正された保健省告示第420号で指定されており、茶も第420号の対象となります。保健省告示第420号の施行日は2021年4月11日ですが、施行日前に食品輸入許可証(Orr.7)を取得していた場合のみ、2021年10月7日から適用されます。この保健省告示第420号では、食品共通で順守することが求められる基本要求事項が定められているほか、飲料水、ミネラルウオーター、氷には個別要求事項1が、低温殺菌ミルク製品には個別要求事項2が、密閉容器に入った低酸性食品/飲料には個別要求事項3への対応がそれぞれ追加で求められます。保健省告示第420号の適用に伴う主な変更点は次のとおりです。
  • GMP製造基準適合証明書が求められる食品の範囲が拡大している。
  • ISO9001は食品製造に特化した規格ではないとしてGMP製造基準適合証明書としての使用が認められなくなる。
この証明書については、次の2つの条件を満たすことが必要です。
  1. 保健省告示第420号に定められた基準と同等以上の基準に基づく規格などの証明書であること。
  2. 保健省の認める発行主体(ア.食品製造国の政府機関、イ.食品製造国の政府が認めている認証機関(certified organization)、ウ.IAF(International Accreditation Forum)メンバーでIAFから認められた認定機関によって認定された認証機関、またはエ.Guidelines for the Design, Operation, Assessment and Accreditation of Food Import and Export Inspection and Certification Systems (CAC/GL 26-1997)に準拠した検査および認証システムを備えた機関など、信頼性のある機関のいずれか)が発行した証明書であること。
タイ保健省からはISO22000の適合証明書などが具体例として挙げられていますが、具体例として公表されていない場合でも、法令に適合していれば使用可能なものがあります。例えば、日本の食品衛生法第55条(2021年6月の改正前は第52条)に基づく営業許可証は、従来、保健省告示第193号などの要求を満たす証明書として使用されてきており、保健省告示第420号の基本要求事項を満たす証明書として使用可能とされています。
なお、証明書がタイ語または英語でない場合は、タイ語または英語への翻訳が必要です。翻訳は(1)製造国のタイ国大使館または領事館、(2)タイ国内の食品製造国の大使館または領事館、(3)国際的水準の翻訳機関、(4)証明書に表示されている言語について学士課程以上の水準の教育を修了したタイ人、(5)その言語の高等教育機関の教師のいずれかから、正しい翻訳である旨の証明を受ける必要があります。
原本ではなく写しを使用する場合は、(1)証明書発行機関、(2)タイ国内の食品製造国の大使館、(3)食品製造国の政府機関、(4)政府機関に認められた者のいずれかから、原本と相違ない旨の証明を受ける必要があります。
また、証明書に有効期限が記載されていない場合は、証明書発行日から1年以内は使用可能となります。
表.使用できる証明書の例
食品の種類 順守が求められる規定 使用できる証明書の例 すべての食品で使用可能な証明書
大半の食品 保健省告示第420号基本要求事項 ・Good Hygiene Practices (GHPs).
・SQF:Edition 8.1
・SQF:Edition 9 など
なお、日本の食品衛生法第55条(旧第52条)に基づく営業許可証も使用可能。また、青果物の場合は、保健省告示第386号に基づく証明書も使用可能(行政機関による衛生証明書、JFS規格適合証明書、J-GAPなど)。
・ISO22000:2005.
・FSSC 22000
・Global Standard for Food Safety Issue 8 British Retail Consortium.
・International Food Standard;IFS
・JFS-B
・JFS-C
・農林水産省発行の GMP証明書
(保健省告示386号で指定される青果物を除く)
一部青果物(さつまいも、柿、桃など)
飲料水、ミネラルウオーター、氷 保健省告示第420号基本要求事項および個別要求事項1 ・CAC/RCP 48-2001.
・CAC/RCP 33-1985.
・SQF:Edition 8.1
・SQF:Edition 9など
低温殺菌ミルク製品 保健省告示第420号基本要求事項および個別要求事項2 ・CAC/RCP 57-2004.
・SQF:Edition 8.1
・SQF:Edition 9など
密閉容器に入った低酸性・酸性化食品/飲料 保健省告示第420号基本要求事項および個別要求事項3 ・CAC/RCP 23-1979.
・CAC/RCP 40-1993.
・SQF:Edition 8.1
・SQF:Edition 9など
保健省告示第386号で指定される青果物 (りんご、いちごなど) 保健省告示第386号 ・CAC/RCP 53-2003
・GLOBAL G.A.P. / ASIA GAP / J-GAP
・行政機関発行の証明書
・JFS規格適合証明書

3. 動植物検疫の有無

調査時点:2021年9月

タイに輸入される植物は、植物検疫法に基づき、経済的な重要性の度合い、深刻な害虫の有無などに従い、植物検疫措置の厳格な順に、輸入禁止品、輸入制限品、非禁止品に分類され管理されています。茶は、植物検疫法上「輸入制限品」となっており、輸出国からの植物検疫証明書が必要です。

タイの食品関連の規制

1. 食品規格

調査時点:2021年9月

茶の食品規格は、保健省告示「茶」において規定されています。茶葉の品質規格は次のとおりです。

  1. 水分は茶葉重量の8%以下
  2. 灰分は乾燥茶葉重量の4%以上、8%以下
  3. 水溶性灰分は灰分の45%以上
  4. 熱湯による抽出物は乾燥茶葉重量の32%以上
  5. カフェイン含有量は茶葉重量の1.5%以上
  6. 茶に香りを足すためのほかの物質を含む場合、使用される物質は人体に影響のないものであり、かつ食品医薬品局から承認を得ていること。

なお、茶関連の食品規格として、チャノキを原料とした茶以外の茶について規定した保健省告示No.426(2021年)「植物由来の茶」があります。この植物由来の茶の定義は、同告示で指定される植物原料を使用し、水を使い煮出したり、侵出させたりして消費することを目的とした、荒く粉砕したり、サイズを縮小したりする場合もある、乾燥工程を経た植物の各部位から得られた製品となっています。該当する製品の食品規格は同告示の規定内容に従う必要があります。

2. 残留農薬および動物用医薬品

調査時点:2021年9月

茶の残留農薬については、保健省告示No.387(2017年)「残留有害物質を含有する食品」に規定されており、No.387のリスト1に掲載する製造、輸入、輸出、所有が禁止されるカテゴリー4の有害物質(※)について、食品からの検出が禁止されています。これ以外については、次のように規定されています。

  1. リスト2に最大残留基準を設定
  2. 1)に規定がないものはコーデックス基準に従う
  3. 1)2)に規定がないもので、リスト3の植物用規定値以外については、一律基準0.01mgを適用
  4. リスト4の外因性最大残留基準を超えてはならない
茶(乾燥茶葉)における最大残留基準(MRL)(mg/kg) (保健省告示No.387リスト2より抜粋)
化学物質名 MRL
ダイアジノン Diazinon 0.1
フェニトロチオン Fenitrothion 0.5
アメトリン Ametryn 0.05
茶における外因性残留基準(EMRL)(mg/kg)(保健省告示No.387リスト4より抜粋)
食品の種類 アルドリンおよびディルドリン
aldrin and dieldrin
クロルデン
chlordane
DDT エンドリン
endrin
ヘプタクロル
heptachlor
飲料に使用される作物 0.2 0.02 0.01 0.01 0.05

植物用規定値
保健省告示No.387(2017年)リスト3を参照

なお、2021年6月1日から有効となった保健省告示No.419「残留有害物質を含有する食品」第3版により、No.387のリスト1に規定するカテゴリー4の有害物質として新たに次の5物質が追加され、食品からの検出が禁止されています。なお、この5物質については検出限界(LOD)が設定されており、食品からの検出は検出限界未満であることが求められます。

保健省告示No.387 リスト1に設定されている新たに検出禁止となったカテゴリー4の物質
食品中の残留物質 食品の種類 LODmg/kg
・クロルピリホス(chlorpyrifos)
・クロルピリホス-メチル
(chlorpyrifos-methyl)
生鮮青果実およびその他の植物 0.005
穀物および乾燥豆類 0.01
肉、乳、卵 0.005
・パラコート(paraquat)
・パラコートジクロリド (paraquat dichloride)
・パラコートジメチルサルフェート {paraquat [bis (methyl sulfate)]}
またはパラコートメトサルフエート (paraquat methosulfate)
生鮮青果実およびその他の植物 0.005
穀物および乾燥豆類 0.02
肉、乳、卵 0.005

3. 重金属および汚染物質

調査時点:2021年9月

食品中の重金属および汚染物質については、2020年11月16日から保健省告示No.414「汚染物質を含有する食品基準」による次の基準が適用されています。

  1. 保健省告示No.414付表1に設定する食品別の重金属、カビ毒、その他の汚染物質(塩化ビニルモノマーなど)、放射性物質の基準値を超えないこと。
    茶(乾燥状態)の基準値として、カドミウム:0.3mg/kgが設定されています。その他、個別の基準が設定されていない食品を対象に、スズ250 mg/kg、鉛1 mg/kg、総水銀0.02 mg/kg、総アフラトキシン20 mcg/kgなどが設定されています。
  2. 1以外の汚染物質については、食品および飼料中の汚染物および毒素に関するコーデックス一般規格; CODEX STAN193-1995に規定する最大値を超えないこと。
  3. 1および2以外の汚染物質については、FAO/WHO合同食品規格 コーデックス委員会 (Codex Alimentarius Commission)の汚染物質の最大量規定指針に基づき検討する最大値を超えず、また、販売用食品製造者または輸入者が、当該の汚染物質量が許容できる最大水準内にあることを示す責任を負うこと。

病原性微生物に関する規制については、保健省告示No.416(2020年)「食品中の病原性微生物の品質規格、原則条件、分析方法」に規定されています。リスト2で食品別の基準値が掲載されている場合を除き、リスト1に掲載されている食品の病原性微生物は不検出となっています。その他、分析方法を確認することができます。
また、全食品を対象に、保健省告示No.269(2003年)、No.299(2006年)において食品中不検出とする化学物質汚染に関する基準が規定されています。不検出とされる化学物質は、次のとおりです。

  1. クロラムフェニコールおよびその塩(Chloramphenicol and its salts)
  2. ニトロフラゾンおよびその塩(Nitrofurazone and its salts)
  3. ニトロフラントインおよびその塩(Nitrofurantoin and its salts)
  4. フラゾリドンおよびその塩(Furazolidone and its salts)
  5. フラルタドンおよびその塩(Furaltadone and its salts)
  6. マラカイトグリーンおよびその塩(Malachite Green and its salts)
  7. βアゴニストおよびその塩(β-Agonist chemical groups and its salts)
    1~7の物質の代謝物を含む。

4. 食品添加物

調査時点:2021年9月

食品添加物については、食品法に基づき、保健省告示No.281(2004年)「食品添加物」に定義、品質規格など、No.381(2016年)第4版に保健省告示の規定にない食品添加物の使用に向けた手続きなど、No.418(2020年)「食品添加物の原則、条件、使用方法及び割合」(第2版)に使用基準(食品添加物名、対象とする食品、基準値など)が規定されています。なお、No.418に掲載の基準値の採用年が2020年の食品添加物を使用している食品については、告示No.418の施行日(2020年10月10日)から2年以内にこの告示の規定を順守する必要があります。それ以外については、各種安全評価を経たうえで、食品医薬品委員会事務局の承認に基づいて使用する必要があります。食品製造用の酵素の使用基準については、保健省告示No.409(2019年)「食品製造に使用する酵素」に規定されています。

5. 食品包装(食品容器の品質または基準)

調査時点:2021年9月

食品法に基づき、保健省告示No.92(1985年)、No.295(2005年)において規定されています。なお、現在、食品容器の告示の見直しが検討されており、再生プラスチックの安全性などについて意見公募が行われています。

共通
  • 清潔であること。
  • 再利用ではないこと(材質により例外あり)。
  • 健康を害するおそれのある量の重金属またはほかの物質が食品を汚染しないこと。
  • 病原菌を含有していないこと。
  • 色素が食品を汚染しないこと。
プラスチック製
材質基準と溶出基準が規定されています。
セラミック・ほうろう製
鉛とカドミウムの溶出基準が規定されています。

6. ラベル表示

調査時点:2021年9月

包装食品の表示項目については、食品法に基づき、保健省告示「包装食品のラベル表示について」において、タイ保健省食品医薬品委員会事務局(FDA)から記載が免除された場合を除き、タイ語(英語併記でも可)による次の表示が義務付けられています。

  • 食品名
  • 食品登録番号(通称:オーヨーマーク)
  • 食品量
  • 輸入者の名称ならびに所在地、および製造業者の名称ならびに製造国名
  • 主要原材料(重量の割合の多いものから順に記載)
  • アレルギー情報(対象となるアレルゲンは、グルテンを含む穀物、甲殻類、卵、魚類、 ピーナッツ、大豆、乳(乳糖含む)、木の実およびこれらの製品、10mg/kg以上の亜硫 酸塩。例外あり。)
  • 食品添加物の(1)機能分類名および(2)名称またはINS番号
  • 「天然香料添加」、「天然模倣香料添加」、「合成香料添加」、「天然フレーバー添加」、 「天然模倣フレーバー添加」(使用している場合)
  • 「賞味期限」または「消費期限」とともに食品の保存期間が90日以下の場合は「日・月・年」、90日超の場合は「日・月・年」または「月・年」を表示する。これ以外に、食品個別の告示で指定されている場合は、「製造」または「消費期限」を表示する。月は数字でも文字でもよい。日付が日・月・年、月・年の順ではない場合、表示形式を説明する分かりやすい記述が求められる。
  • 注意事項(あれば)
  • 適切な保存方法(あれば)
  • 調理方法(あれば)
  • 乳児、幼児、特定グループを対象としている場合はその使用方法と注意事項
  • タイ保健省食品医薬品局(FDA)が告示で規定した食品の場合、同局が規定した表示
  • 保健省告示No.401「包装食品のラベル表示について」(第3版)に指定される追加情報(該当する場合)

保健省告示No.182(1998年)において、一部の食品には、栄養表示が義務付けられています。対象となる食品は、次のとおりです。

栄養表示が必要な食品(No.182)
  1. 栄養強調表示を有する食品
  2. 販売促進において食品の栄養値を利用している食品
  3. 販売促進において消費者群を特定している食品
  4. 食品委員会の承認を受け、FDAが発表するその他の食品
なお、栄養素機能強調表示(Nutrient Function Claim)については、食品医薬品委員会事務局告示「栄養素の機能を強調する文言の表示」で規定される文言を表示する必要があります。それ以外については、食品医薬品委員会事務局の承認を得る必要があります。

その他、注意すべき表示規定として、主に次のものが挙げられます。

食品ラベル上の「プレミアム」表示
  • 「プレミアム」と表示する際は、タイ保健省食品医薬品委員会事務局(FDA)から許可を受けることが義務付けられている。
有機表示については、「その他」を参照してください。

7. その他

調査時点:2021年9月

なし

タイでの輸入手続き

1. 輸入許可、輸入ライセンス等、商品登録等(輸入者側で必要な手続き)

調査時点:2021年9月

タイ保健省医薬品局、タイ商務省外国貿易局、タイ農業協同組合省農業局での事前手続きが必要です。

  1. タイ保健省食品医薬品委員会事務局(FDA):食品法上、販売目的で輸入する場合は輸入者が食品輸入許可書(3年間有効)を取得しておくことが必要です。また、茶は食品法上、品質規格管理食品に該当するため、食品登録番号(通称:オーヨーマーク)を取得する必要があります。この際に、輸出国側のGMP製造基準適合証明書が必要です。
  2. タイ商務省外国貿易局(DFT):茶は、貿易管理法上「貿易管理品目」となっており、関税割当制度が適用されているため割当枠内・枠外でも事前の適用申請(関税面の権利取得証明書の申請)を行わなければなりません。
  3. タイ農業協同組合省農業局:輸入植物は植物検疫法上、経済的な重要性の度合い、深刻な害虫の有無などに従い、植物検疫措置の厳格な順に、輸入禁止品、輸入制限品、非禁止品に分類され管理されています。茶は、「輸入制限植物」となっており、植物検疫法に基づく輸入申告書を提出しなければなりません。また、輸入時には輸出国からの植物検疫証明書が必要です。

1.食品輸入許可書および食品登録番号の取得

申請場所:タイ保健省食品医薬品委員会事務局(FDA)のe-submissionシステム(オンライン)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

  1. デジタル政府開発事務局ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでe-submissionへのログイン時に使用するアカウントを作成(OpenID)する。
  2. 食品医薬品委員会事務局または事業所が地方にある場合は当該県の保健事務所でe-submission使用許可申請と必要書類を提出すると、システム内に事業者のMASTER DATAが作成され、3営業日以内に使用が許可される。
    必要書類(法人)
    • 事業運営者委任任命書(収入印紙30バーツを貼付)
    • 事業運営者の身分証明書と住居登録証の写し(外国人の場合はパスポートと労 働許可証の写し)
    • 法人登録証写し(6カ月以内に発行された、販売目的の食品輸入に関する目的 が記されたもの。)
    • 法人の署名権限者の身分証明書またはパスポートの写し
    • 輸入施設の住居登録証写し
  3. e-submissionシステム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにログインし、事業者のMASTER DATAを確認し、申請書と必要書類をアップロードする。申請手数料(5,000バーツ)を支払う。
    • 輸入許可申請書(様式Orr.6)
    • 株主名簿(BorOrrJor5)写し(6カ月以内に発行されたもの)
    • 外国籍の法人の場合は外国人事業許可証のコピーまたは投資奨励カード(BOI カード)
    • 食品保管施設の住居登録証写し
    • 施設賃貸契約書写し(あれば)
    • 食品輸入施設、保管施設の地図
    • 食品輸入許可申請書類の内容保証書(施設の条件を満たしていることを保証す る書類)
    • 食品輸入施設、保管施設のカラー写真
  4. FDAが審査、許可された場合は許可証手数料支払い指示書が発行される。
  5. 許可証手数料(1万5,000バーツ)を支払う。
  6. e-submissionシステム上で許可証番号と許可証を取得する。
    食品登録番号(通称:オーヨーマーク)の取得(食品個別の登録)
    申請場所:
    タイ保健省食品医薬品委員会事務局(FDA)のe-submissionシステム(オンライン)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    所要日数:
    1~3営業日
    1. デジタル政府開発事務局ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで作成したアカウントでe-submissionシステムにログインし、製造業者からの製造施設証明書(GMP製造基準適合証明書)をアップロードする。
    2. 食品登録/詳細通知申請書(Sor.Bor.7)の情報を入力する。
    3. 支払い指示書を印刷し、申請手数料200バーツを支払う。
    4. e-submissionシステム上で発行される食品登録番号と食品詳細通知証明書(Sor.Bor.7/1)を印刷する。
    必要書類:
    • 食品登録/食品詳細通知書(Sor.Bor.7)(システム内でこの様式を選択する。)
    • 製造施設証明書(GMP製造基準適合証明書)

2.関税面の権利取得証明書の取得

WTO割当内
1.輸入割当の取得
  1. 輸入者はDFTのユーザー登録システム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます にてe-Quotaシステム利用者登録を行う。
  2. e-Quotaシステム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます で茶の割当申請書、その他の必要書類を提出する。
必要書類
  • 茶の割当量申請書
  • 会社登記証明書(目的に茶製品または全種類の農産物の事業が記載されたもの)
  • IDカードまたはパスポートコピー
  • 委任状(該当する場合)
  1. DFTが割当量を発表する。この割当量に応じた権利取得証明書を申請する。
2.関税支払い権利取得証明書の取得
  1. 輸入者は手順1の1で登録したユーザーネームを使い、証明書発行システム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます にて申請書、その他の必要書類を提出する。
  2. システム内で審査が終了したことを確認した後、システム内で権利取得証明書を受け 取る。
必要書類
  • 申請書〔WTO:Ror.1、日本・タイ経済連携協定(JTEPA):Tor.1のいずれか〕
  • 日本からの原産地証明書(Certificate of Origin: C/O)(JTEPAを利用する場合は特定原産地証明書)
  • インボイス、パッキングリスト、船荷証券(B/L)、航空貨物運送状(Air Waybill)
WTO割当外
1.証明書申請権利者登録を行う。
  1. 輸入者はRegistration Database外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにおいて業者登録を行い、ユーザーネームとパスワードを取得する。また、DFTで輸出入者カードを受け取る。
  2. 輸入者はこのユーザーネームとパスワードを使い、WTO割当外輸入登録システムにログインする。
  3. 証明書申請権利者登録申請書と必要書類を提出する。
必要書類
  • 申請書
  • 法人登録書
  • 商業登録書(タビアンパーニット)(個人の場合)
  • IDカードまたはパスポートのコピー
2. 関税支払い権利取得証明書の取得
  1. 1の1)で登録したユーザーネームを使い、証明書発行システム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますをとおして申請書、その他の必要書類を提出する。
  2. システム上で審査が終了したことを確認した後、DFTで証明書(Ror.4)を受け取る。
必要書類
  • 申請書(WTO:Ror.3)
  • 法人登録書
  • 日本からの原産地証明書(Certificate of Origin: C/O)(割当外税率はJTEPAとWTOと同率のため、通常の原産地証明書でも、特定原産地証明書のどちらでも可)
  • インボイス、パッキングリスト、船荷証券(B/L)、航空貨物運送状(Air Waybill)

3.植物検疫法に基づく輸入申告書提出

手順

  1. 農業局のナショナル・シングルウインドウ・システム(NSW)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます の利用者登録を行う。
    必要書類:
    • 法人登記証明書(6カ月以内に発行されたもの)
    • 法人代表者のIDカードまたはパスポート写し
  2. システムから植物輸入申告情報(インボイス情報、植物情報など)を入力し、必要書類を提出する。データがアップロードされ、承認されると輸入申告書番号(P.Q.5)が発行される。

必要書類

  • 輸出国からの検疫証明書 (Phytosanitary Certificate)
  • インボイス、パッキングリスト、船荷証券(B/L)、航空貨物運送状(Air Waybill)

関連リンク

関係省庁
タイ保健省食品医薬品委員会事務局(FDA)(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
タイ商務省外国貿易局(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農業協同組合省農業局(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
1979年食品法(タイ語) PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)( 828 KB)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(114KB)
1979年輸出入法(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
商務省告示No.111(1996年)「輸入」(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
商務省告示No.115(1996年)「輸入」(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2016年商務省規則「農産物17品目割当外関税のWTO 下の農業協定に基づく関税支払い権利取得証明書発行における原則、方法、条件」(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2016年外国貿易局告示「農産物17品目割当外関税のWTO 下の農業協定に基づく関税支払い権利取得証明書申請資格者登録における原則、方法、条件」(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
商務省規則「2021年から2023年の茶のWTO 下の農業協定に基づく割当内の関税支払い権利取得証明書の発行」(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ジェトロ仮訳)PDFファイル(226KB)
1964年植物検疫法、1999年(第2版)、2008年(第3版)(タイ語) PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(149KB)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(80KB)
農業協同組合省告示(2007年)1964年植物検疫法に基づく制限植物(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(153KB)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(87KB)
農業局告示(2008年)「禁止品・制限品・非禁止品の輸入または経由原則、方法、条件」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(628KB)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(497KB)
保健省告示No.420(2020年)「食品の製造方法、製造におけるツール・用具及び保管」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(473KB)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(226KB)
(ジェトロ仮訳)
2020年食品医薬品委員会事務局告示 「保健省告示No.420「食品の製造方法、製造におけるツール、用具及び保管」に関する説明」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(3.3MB)(ジェトロ仮訳)PDFファイル(294KB)
食品医薬品委員会事務局告示「食品輸入用の製造システム規格書又は証明書」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1.5MB)(ジェトロ仮訳)PDFファイル(238KB)
保健省告示No.420の付表と同等以上の食品製造システム規格の例(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(157KB)
食品医薬品委員会事務局規則「2019年食品登録番号に関する運用」(第4版)(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1.1MB)
その他参考情報
輸入許可証申請書提出先の変更(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)
食品輸入許可申請チェックリスト(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(176 KB)
食品輸入許可証申請書(Orr.6)提出マニュアル(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(3409KB)
e-submissionによる許可所要日数(Sor.Bor.7)(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(124KB)
シングルサインオン電子登録システムユーザーマニュアル(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(3215KB)
NSW (植物検疫システム)の植物の輸出入証明書、許可証電子データ統合システムユーザーマニュアル(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(2,165KB)
国際協定上の義務に基づく農産品輸入2021年版(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(9,655KB)
e-Quotaユーザーマニュアル(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(2.1MB)
ジェトロ「輸出入手続き」

2. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)

調査時点:2021年9月

日タイ経済連携協定(JTEPA)税率の適用を受ける場合、日本商工会議所発行の「特定原産地証明書」(Preferential Certificate of Origin)とタイ商務省外国貿易局発行の「関税面の権利取得証明書」が輸入時に必要となります。

輸入前
  1. 輸入者は、次のいずれかから通関者登録を済ませておく。
  2. 製造施設証明書(GMP製造基準適合証明書)を食品医薬品検査所情報システム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに登録する。
  3. 関税局のNSWシステム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますから輸入申告の際に必要なLPI(License Per Invoice)番号を取得する。
輸入日
  1. 関税局のNSWシステム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを通じて、輸入申告書を作成、送付する。(P.Q.5受理番号、LPI番号が必要)
  2. 内容が確認された後、輸入申告書番号が発行される。
  3. 納税する。
  4. 関税局のシステム上で関税局による検査指示が出される。
  5. 植物検疫所による植物検疫、食品検査所による衛生検査
  6. 検査に合格すれば、植物の持ち出し許可書(P.Q.6)が発行され、税関職員に連絡される。
  7. 検査指示に従う。
    • グリーンライン(検査免除)の場合は、貨物の受け取り手続きに進む。
    • レッドライン(要検査)の場合は、税関職員の検査を受けた後、貨物の受け取り手続きに進む。
必要書類
  • 輸入申告書
  • インボイス
  • パッキングリスト
  • 船荷証券(B/L)もしくは航空貨物運送状(Air Waybill
  • 食品輸入許可書(Orr.7)
  • 食品登録番号の入った食品詳細通知証明書(Sor.Bor.7/1)
  • 関税面の権利取得証明書
  • 受理番号の入った植物輸入申告書(P.Q.5)
  • 日本からの植物検疫証明書(Phytosanitary Certificate
  • 日本からの特定原産地証明書(Certificate of Origin: C/O)(該当する場合)
  • 製造施設証明書(GMP製造基準適合証明書)(※)
    ※詳細は、「輸入規制」の「2.施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等」を参照。

3. 輸入時の検査・検疫

調査時点:2021年9月

茶は、タイ農業協同組合省農業局管轄の植物検疫所において植物検疫法に基づく検査、タイ保健省食品医薬品検査所において食品法に基づく残留農薬検査、重金属などの抽出検査が行われます。

4. 販売許可手続き

調査時点:2021年9月

茶の販売許可は必要ありません。

関連リンク

5. その他

調査時点:2021年9月

なし

タイ内の輸入関税等

1. 関税

調査時点:2021年9月

  • WTO税率 割当内30%(625トン)、割当外90%
  • 日タイ経済連携協定(JTEPA)税率(割当内)免除

このJTEPA による関税削減は商務省告示「日タイ経済連携協定(JTEPA)での WTO 下の農産物協定に基づく農産物の輸入の取扱いについて」(2007 年 10 月 31 日付)によりWTO の割当内のみに適用されます。JTEPA適用税率の権利を得るには日本からの「原産地証明書」(Certificate of Origin: C/O)とタイ商務省外国貿易局発行の「全部または一部の免税権利取得証明書」(様式Tor.2)が輸入時に必要となります。

割当枠配分の申請期間は次のとおりです。
第1回目 割当年の前年12月1日から10営業日
第2回目 割当年の6月10日から10営業日
第3回目 割当年の10月10日から10営業日

2. その他の税

調査時点:2021年9月

輸入額(CIF)と関税額の合計に付加価値税(VAT)7%が課税されます。

3. その他

調査時点:2021年9月

通関手数料は200バーツです。
輸入申告書入力代行手数料(入力を依頼する場合)は100バーツです。