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特集:アフリカ・スタートアップ:物流・運輸の変革者に聞くオートバイによる外食向けBtoB配達アプリを展開(エジプト)

2019年11月8日

人口約1億人のエジプトでは、政府統計によると、モバイルインターネットの契約数は約3,000万件に上る。スマートフォンの保有率も高く、ウーバー(Uber)やアラブ首長国連邦(UAE)のカリーム(Careem)、エジプトのスエフル(Swvl)など、ライドシェアのスマートフォンアプリが普及している。外食配達でも、ウーバーイーツ(Uber Eats)が2018年に外食配達サービスを開始した。当初、オートバイとトゥクトゥク(自動三輪車)の予約アプリとして設立されたハラン(Halan)は、外食配達サービスの提供を始めて1年足らずで急拡大し、エジプトにおける2018年のスタートアップの資金調達額でトップ5に入った。ハランの共同創設者で最高商務責任者(CCO)のムハンマド・アブルナガー(Mohamed Aboulnaga)氏に話を聞いた(10月14日)。


アブルナガーCCO(ハラン提供)
質問:
設立の背景について。
答え:
2017年の会社設立前は、エジプト最大の電子決済プラットフォームに成長したファウリー(Fawry)で5年間、ライドシェアサービスのカリームのカイロ事務所で3年間働いていた。当社設立の背景には、頻繁に渋滞が発生し、狭い路地も多いカイロでは、トゥクトゥクやオートバイが移動に適していると考えたことがある。カリームで、トゥクトゥクやオートバイのライドシェアをしたかったが、社内で許可が下りなかったので、ハランを設立した(会社名のHalanはアラビア語で「直ちに/すぐに」)。
質問:
ビジネスモデルは。
答え:
エジプト初のトゥクトゥクおよびオートバイ予約アプリを提供しており、オートバイによる食品配達も始めた。車両は所有しておらず、ウーバーと同様に、登録された運転手が車両を用意する。乗客や配達先からの手数料による収益を得ており、サービスのソフトウエアは社内で開発している。当初は、バイクやトゥクトゥクの運転手と乗客をアプリでマッチングし、目的地まで移動するビジネスからスタートし、配達にもオートバイが適していると考え、配達のサービスも開始した。ケンタッキーフライドチキン、ピザハット、マクドナルドなど、エジプトで展開する大手外食の配達を受託したことが成長の弾みになった。そのほかにも、ナイジェリア発でアフリカ最大の電子商取引(EC)サイトのジュミア、エジプトの大手ファストフードのクックドア(Cook Door)など、大手企業の配送サービスの委託を受けている。

サービスの画面(ハラン提供)
質問:
事業と会社の規模について。
答え:
月間アクティブユーザー数は15万人を超え、アプリのダウンロード数は約200万回、特に物流部門は2019年1月から9月までの間に4倍になり、9月の月間利用数は約300万回だった。2020年までの目標は月間利用数1,500万回で、サービス普及・拡大のため、カイロで開催される「Rise-up Summit」などスタートアップイベントのスポンサーとなり広報を行っているほか、2019年10月にはテレビ広告を出した。サービスはエジプトの30都市のほか、スーダンとエチオピアでも展開している。月額収益約150万ドル、従業員300人[うち情報通信技術(ICT)エンジニア70人]、登録運転手は5万人に上る。2つのオフィスビル、約200の小規模オフィス、倉庫を保有している。2019年9月に開催された「E-Commerce Summit」において、エジプトで成功しているECサービスに贈られる賞を受賞した。
質問:
今後のビジネス展開について。
答え:
ライドシェアとしてはウーバー、カリーム、食の配達としてはスペイン発スタートアップのグローボ(Glovo)など競合企業に負けないよう普及を目指す。物流ビジネスは調子が良いことから、さらにBtoB配達分野に力を入れる予定で、エジプト内での基礎づくりと、サブサハラ・アフリカ諸国などへの拡大のため、1,000万ドルの投資を募っている(2019年10月時点)。これまで、シンガポール、ドバイ、エジプトの民間投資家から出資を受け、エジプト投資・国際協力省の支援も得ている。ピッチコンテストには出ておらず、出資者などのネットワークで投資家を見つけている。(自分の)父親が日本の組織で働いていたことから日本にも関心があり、日本からの投資も歓迎している。
執筆者紹介
ジェトロ・カイロ事務所
井澤 壌士(いざわ じょうじ)
2010年、ジェトロ入構。農林水産・食品部農林水産企画課(2010年~2013年)、ジェトロ北海道(2013~2017年)を経て現職。貿易投資促進事業、調査・情報提供を担当。

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