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味覚・嗜好上の特徴
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- アルゼンチンでは牛肉が主食と言われるほど牛肉消費量が多く、1人当たりの年間消費量は1990年代に約80Kgに達していた。しかし近年は景気後退や高インフレを背景に、比較的安価で手頃な鶏肉や豚肉への需要が高まっている。この結果、牛肉の消費量は減少したものの、肉類全体の消費は堅調で、牛肉、鶏肉、豚肉の消費を合わせた1人当たりの年間消費量は116.4Kgとなった(出所:食肉加工品商工会議所(CICCRA)および農牧水産庁)。魚介類は、「調理方法が分からない」ことが最大の原因で、あまり好まれないため、1人当たりの年間消費量は7.2Kgにとどまる(出所:2017年FAOデータを基に農牧水産庁)。ただし、近年、すし(寿司)の普及でチリから輸入されるサーモンが消費されるようになった。
- 塩味、甘味のはっきりした味を好むが、辛みは苦手とする傾向がある。昔から、概して食に対しては保守的とされていたアルゼンチン人だが、SNSの普及と海外旅行頻度が増えたことで、特に高所得層を中心に食トレンドへの関心が高まり新たな味に挑戦する傾向もある。しょうゆも食するようになったが、現地で生産される甘さの強いものが好まれる。
- アイスクリームは季節を問わず、通年消費が拡大している。2026年時点、1人当たりの年間消費量は6.9Kgで、小売店での購入も多いが、配達サービスアプリPedidosYa(ウルグアイ資本)やRappi(コロンビア資本)を利用して、Kg単位でのデリバリー注文が可能で手軽さが好評。人気のフレーバーは、チョコアーモンド、チョコ入りドゥルセ・デ・レーチェ(ミルクジャム)、サバイヨンなど(出所:アルゼンチン・アイスクリーム製造者会議所)
※サバイヨン:卵黄に砂糖やワインなどの水分を加え、湯せんで温めながら泡立てて作る、甘いムース状のクリームやソース
- アルコール飲料の1人当たりの年間消費量は、8.8リットルでブラジルの9.4リットルに次いで中南米諸国では2番目に多い(出所:2022年WHOデータを基に世銀)。最も好まれているのは、ビール、ワイン、フェルネ・コン・コカ(ビターリキュールのコーラ割り)。ノンアルコール飲料では、マテ茶が家庭や職場などで最も好まれる。2023年マテ茶の1人当たりの年間消費量は6.1Kg(出所:アルゼンチン・ロサリオ穀物取引所)で、若年層の間では飲み方を工夫するなど健康飲料として見直されている。
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制度的制約
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- 外貨送金規制がまだ完全に撤廃されておらず、財の輸入代金の前払いは原則としてできないが(通関後は即支払い可能)、Mipyme(中小零細企業)の認定を受けた事業者は、船積み後であれば通関前に全額前払いが可能。それ以外は、貨物の通関後の支払いとなる(輸送期間の与信が必要)(出所:中銀通達)。
- 日本は、アルゼンチン食品規定(CAA)の要件を満たしていると見なされ、日本の当局から発行された「自由販売証明書」や「衛生証明書」を提出することで日本産食品の輸入・販売が可能(出所:政令35/2025号)
- 包装済み食品、加工食品に対しては、スペイン語に訳されたラベルを張り付ける必要がある。健康的な食生活の促進計画で、砂糖、ナトリウム、飽和脂肪の含有量が多い食品・飲料に警告ラベル表示の貼り付けを義務付けている(出所:法律27642号)
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商流・物流・商習慣
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- 国内の主要都市は主に中心部に集中し、ブエノスアイレス州および近郊、コルドバ市およびロサリオ市とされている。
- 小売業は、大手スーパーマーケットのカルフール(フランス)、センコスッド(チリ)のディスコやジュンボ、ディア(スペイン)、コト(地場)などが主要。2000年代には中国系移民が経営する小規模スーパーが急増したが、2020年のコロナ禍以降からその数は減少傾向にある。
- 長年続いた輸入規制などにより日本産食品の輸入は困難だったため、その輸入業者の数も少ない。ブエノスアイレス市内で一定程度の日本食材を取り扱っているのは、中華街にある複数のアジア食材店と、日系人インポーター直営の日本食材店1店舗のみ。近年では、韓国製品を販売する店舗が増え、多少の日本食材も販売している。
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Eコマースの概要
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- 新型コロナウイルス感染拡大の中、ネット販売が急拡大し、現在では定着している。アルゼンチン電子商取引会議所(CACE)によれば、2025年中に6億4500万の商品がネットで売買され、前年に比べて28%増加した。その中でも観光部門の次に最も販売が増加したのは食品、飲料、生活必需品など。
- 2024年から海外での買い物に対する課税が撤廃されたことから、海外からの購入も増加し、最も利用されているEコマースサイトは、Temu、Mercado Libre、Shein、Alibabaなど。
- 最も利用されている支払い方法は、クレジットカードと電子決済で、消費者の多くは分割払いを求めるという。
- 毎年5月に実施されるHot Saleと11月上旬に実施されるCyber Mondayがアルゼンチンで主要なEコマースイベントである。2026年のHot Saleでは、600万の取引が実施され、CACEのオフィシャルサイト利用者は800万人となった。
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外食・小売等の状況
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- 全国には、レストラン、バー、カフェ、ピザ店を含み約6万7,000以上の飲食店が存在するとされる(ホテル・飲食店経営者連盟)。最も多いのは、ピザおよびエンパナーダ(ミートパイ)などの販売・デリバリーを行う店舗、その次にハンバーガーやファーストフード店、ミラネサ(牛カツ)などアルゼンチン伝統料理を取り扱う店舗やボデゴンと呼ばれる大衆食堂、アサード(アルゼンチン風バーベキュー)などの肉料理専門店舗、アイスクリームとカフェ、寿司とインターナショナル料理(メキシコ料理、イタリア料理、アジア料理など)の順(正式なデータは存在せず、デリバリーアプリ調べ)。
- 近年ではK-pop、韓国ドラマの影響を受けて韓国食材を販売する店舗やレストランが増加している。アルゼンチン国会の承認を受けて「キムチの日」が法律で定められたことも話題を呼び、韓国料理に関する関心が高まった。(出所:法律第27720号)
- 海外の影響も受けて、スペシャルティコーヒーショップが増加傾向にある。輸入規制緩和でコーヒーの輸入や機械類が手に入るようになったことも要因だ。2023年の一人当たりの年間消費量は2.51Kg(出所:FAOSTAT)で隣国ブラジルなどに比較すると少ない。しかし、20~35歳の年齢層で消費が増え、特にフラッペなどアイスコーヒーなどを好む傾向がある。
- 配達サービスで最もデリバリー注文が多い食べ物は、地域によって異なるがハンバーガー、アイスクリーム、エンパナーダ(肉や野菜を詰めたパイ)、ピザ、菓子パンなど(出所:Pedidos Yaを基に報道)。
- 物価上昇と購買力低下によって、外食頻度は大きく減少している。主な理由は、高価格と答える消費者が多いが、自宅でデリバリーを注文した方が楽という声も。
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日本食普及状況等
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- 主にサーモン、クリームチーズ、アボカドを中心としたのロール系の寿司などは、アルゼンチンの食文化に浸透していて、デリバリーやテイクアウトでも人気。最近のトレンドは「オマカセ」と呼ばれるスタイルの日本食レストラン。カウンター席に座り板前さんに任せて、サーモン以外の握り寿司などが楽しめる方式だが、高所得層向け。
- ラーメン店も徐々に増え、ラーメン好きも増えている。インスタントラーメン、即席カップめんなどもその手軽さから特に若年層に人気で、スーパーでは輸入品や現地生産のものが陳列されるようになった。
- おにぎり、カツや卵のサンド、カツカレーなども徐々に認知度が高まっている。抹茶は既に浸透していて、抹茶ラテや抹茶味の菓子類を提供するカフェも多い。
- 日本産酒類は、ウイスキーなどのハードリカーを置いているバーが少数。日本酒については、アルコール度数の高い高価な酒とのイメージが強く、普及できていない。寿司を白ワイン、ロゼワイン、スパークリングワインで楽しまれているため、日本酒を浸透させる余地はあると思われる。
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