外資に関する奨励

最終更新日:2023年07月21日

奨励業種

外国投資に限定した奨励業種はない。アルゼンチン政府は、鉱業、林業、知識経済、バイオテクノロジー、バイオ燃料、自動車部品、公共インフラ、炭化水素、再生可能エネルギー、映画・音響映像、水産養殖分野などの振興を図っており、これらの分野で投資を行う場合は、法律に基づく優遇措置を享受できる。

鉱業分野:鉱業投資法(1993年法律24196号)

  1. 適用分野
    鉱業法典に含まれる鉱物に関する調査、探査および採掘について適用されるが、炭化水素、セメント、セラミックの生産、建築用土石の採掘を除く。
  2. 優遇措置
    1. 税制の安定の保証:可能性調査の承認後、直接税、間接税、輸出入に係る税など税(付加価値税(IVA)を除く)に係る「税制の安定」の30年間の適用が保証される(1993年法律24196号8条)。2022年6月6日付公共歳入連邦管理庁(AFIP)および鉱業庁の共同決議5205/2022号は、同優遇措置を申請した企業が税を納めるまたは払い戻しを受け取るための手続きを定めている。
    2. 可能性調査に係る所得税の控除:所得税の計算において、試掘、探査、特別な調査、鉱物、冶金に関する研究、パイロットプラントを用いた試験、応用研究、その他の技術的・経済的実現可能性を判断するための作業に投資した金額の100%を控除することができる(1993年法律24196号12条)。
    3. 加速度償却:新規プロジェクト、拡張プロジェクトにより導入されたインフラおよび設備の加速度償却を認める。プロジェクトが許可された年に60%、残り40%は2年目、3年目で償却することができる。対象となるのは、操業に必要なインフラ設置のための設備、インフラ設置のための土木、建設への投資で、アクセス道、道路工事、集水・輸送工事、送電線の敷設、発電用施設、キャンプ、人員用住宅、医療サービス、教育、通信、警察・郵便・税関などの公共サービスのための工事など。機械、自動車の購入は対象外(1993年法律24196号13条1.2.1項)。
    4. 所得税の免除:資本金として出資した鉱山および鉱業権から派生した利益は、所得税を免除。ただし、5年間、出資を継続することが条件(1993年法律24196号14条)。
    5. 付加価値税の還付:探索、調査、鉱物試験のための機械・道具などの購入・輸入に係るIVAの還付を認める(1993年法律24196号14条の2)。
    6. 埋蔵確認量評価額の資本化:証明された経済的に利用可能な鉱物資源の評価(埋蔵確認量評価額)は、50%を上限として資産化することができる(1993年法律24196号15条)。
    7. 輸入に係る関税などの諸税の免除:鉱業用機械設備および備品・付属品の輸入については、関税その他の輸入課税、統計税が免除される(IVAを除く)。また、国内加工用に輸入する中間財についても同様に免除される(1993年法律24196号21条)。
    8. ロイヤルティーの上限:鉱山投資法の定める制度を受け入れる州においては、ロイヤルティーは永続的に採掘された鉱物の坑口価格の3%を上限とする(1993年法律24196号22条)。
    9. 環境対策引当金の所得税額控除:環境対策引当金として、操業コストと利益の年間5%までの計上を認め、これを法人所得から控除できる(1993年法律24196号23条)。
    10. 市税、州税、印紙税の免除(鉱業に関する連邦合意(1993年法律24228号))
  3. 環境対策の義務
    本法により鉱業活動を行う企業は、環境保護および汚染防止のための措置を講じなければならない。
    鉱業庁決議235/2021号に基づき、「鉱業連邦窓口(Ventanilla Federal Minera)」が設置され、鉱業企業は同窓口を通じて環境保護に伴う活動を州政府に報告する義務がある。

林業分野:植林法(1999年法律25080号)

  1. 適用分野
    研究、開発や木材を主原料とした製品の製造による森林の造成、維持と持続可能な管理
  2. 優遇措置
    1. 税制の安定の保証:プロジェクトが承認を受けてから30年間は、国、州、市町村のいずれの租税についても、税率の増加や新税の導入の影響を受けない(付加価値税(IVA)を除く)。地域や植林する樹木の品種によっては50年までの延長可能(1999年法律25080号8条)。
    2. 付加価値税の還付:林業への投資のための物品、サービスの購入・輸入に係るIVAを還付する(1999年法律25080号10条)。
    3. 加速度償却:プロジェクトに係る資産の加速度償却を認める。土木工事、建設物は償却開始初年度に60%、残り40%は2年目、3年目で償却することができる。機械、装置、輸送機器は、試運転の日から毎年3分の1ずつ償却することができる(1999年法律25080号11条)。
    4. 林業に係る固定資産税の免除(1999年法律25080号12条)。
    5. 政府による無償資金援助:500ヘクタールを上限とする植林について、植林費用の一部を政府が資金援助する。面積、地域、樹木の種類および事業内容により、補助率は異なる。例えば、面積が1~50ヘクタールの場合は、植林費用の60%を上限に資金援助を受けられる(1999年法律25080号17条)。
    6. 農牧水産省決議147/2021号は、同決議が定める林業投資計画に関連するコストを基に、2020年以降に実施される投資計画には資金援助を付与するとしている。

知識経済分野:知識経済振興法(2019年法律27506号)

ソフトウェア分野の優遇措置を定めたソフトウェア産業振興法(2004年法律25922号)および同法改正法は、2019年12月31日に期限を迎えた。それに代わり、あらゆる知識や情報のデジタル化が適用される経済活動分野の活性化を目的とした知識経済振興法(2019年法律27506号)が2020年1月1日に施行され、同年10月26日に大きく改正された。

  1. 適用分野
    年間売上高の70%が以下の適用分野によるなどの条件がある。
    1. ソフトウェア、情報・デジタルサービスの開発、提供
    2. デジタルフォーマットを含む音響・映像の制作およびポストプロダクション
    3. バイオテクノロジー、バイオエコノミクス、生物学、生化学、微生物学、バイオインフォマティクス、分子生物学、ニューロテクノロジー、遺伝子工学、地球工学とその試験・分析
    4. 地質・測量サービス、電子・通信関連サービス
    5. 国外向けの専門サービス(法務、会計、経営コンサルティング、広報、税務、法律顧問、翻訳・通訳、人材マネジメント、コンテンツ作成、デザイン、エンジニアリングサービスなど)
    6. ナノテクノロジー、ナノサイエンス
    7. 航空宇宙・衛星産業
    8. 原子力産業向けのエンジニアリングサービス
    9. 人工知能、ロボット工学、インダストリアル・インターネット、モノのインターネット、センサー、積層造形、拡張現実、仮想現実、自動化ソリューション
  2. 優遇措置
    1. 優遇措置の安定:知識経済振興法の制度が有効な期間は、優遇措置を変更することなく安定を保証する(2019年法律27506号7条)。
    2. タックスクレジット:社会保障費の雇用主負担分の70%相当額の、所得税を除く付加価値税(IVA)などの国税の納付に使用できるタックスクレジットを付与する。女性、トランスジェンダー、工学・自然科学・精密科学などの専門家、障害者などを新規雇用した場合、80%相当まで引き上げる(2019年法律27506号9条)。
    3. 法人税額の軽減:法人税額の総額を企業規模に応じて軽減する。零細・小規模企業は60%、中規模企業は40%、大企業は20%軽減する。国外で支払った税金を法人税から税額控除することも可能。活動の対価として得た所得がアルゼンチンの源泉所得とみなされる場合、外国で効果的に支払われた、または源泉徴収された税金に相当する金額は控除可能な費用として考慮される(2019年法律27506号10条)。

知識経済分野:知識経済活動の輸出のための投資促進制度(政令679/2022号)

法律27506号2条が規定する知識経済活動の発展と輸出に寄与する新規投資に必要なインフラ、資本への投資を対象とする奨励制度。監督官庁に法律25706号第2条に該当する事業の新規投資計画を提出した法人が対象で、最低投資額は3万米ドル。

  1. 適用分野
    法律27506号2条が規定する知識経済活動
  2. 優遇措置
    1. 外貨の取得:直接投資額の20%相当額を上限に、外国為替市場での外貨の取得が例外的に認められる。
    2. タックスクレジット:社会保障費の雇用主負担分の70%相当額の、所得税を除く付加価値税(IVA)などの国税の納付に使用できるタックスクレジットを付与する(AFIP一般決議5325/2023号)。

バイオテクノロジー分野:新バイオテクノロジー生産開発促進法(2007年法律26270号、改正法2022年法律27685号)

  1. 適用分野
    バイオテクノロジーおよびナノテクノロジー産業に係る研究開発、製品やサービスの生産プロジェクト。個人またはアルゼンチン国内に設立された法人が提出したプロジェクトが対象。
  2. 優遇措置
    優遇措置の適用期間は2034年12月31日までとなっている。
    1. 加速度償却:プロジェクト用に購入した資本財、特殊機器と同部品などについては、所得税法(1973年法律20628号)84条の規定に基づき償却を加速できる(2022年法律27685号7条)。
    2. 付加価値税の還付:資本財、特殊機器と同部品など購入に係る付加価値税(IVA)が還付される(2022年法律27685号7条)。
    3. タックスクレジット:国内の公的機関に支払った技術的サービス、研究開発サービスの費用の50%相当のタックスクレジットを付与する対象とする(2022年法律27685号7条)。
    4. 付加価値税、所得税などの早期還付・控除の手続きは公共歳入連邦管理庁(AFIP)の決議5059/2021号によって定められている。

バイオ燃料分野:バイオ燃料振興法(2006年法律26093号)

  1. 適用分野
    農業、農工業、有機廃棄物から生産されるバイオエタノール、バイオディーゼル、バイオガスの生産
  2. 優遇措置
    現在の優遇措置の適用期間は2021年8月27日までとなっている。
    1. 付加価値税の還付、加速度償却:プロジェクト用の資本財の取得、インフラ工事の実施に係る付加価値税や加速度償却については、資本財・インフラ投資促進法(2004年法律25924号)が定める優遇措置を適用する(2006年法律26093号15条)。
    2. 燃料税の免除:燃料に課税される水資源インフラ整備税(政令1381/2001)、液体燃料・天然ガス税(1991年法律23966号)、軽油の有償・無償の譲渡または輸入にかかる税(2005年法律26028号)を免除(2006年法律26093号15条)。
    3. 購入保証:政府は、バイオ燃料混合施設の生産量について、政府が定める価格に基づき全量を買い上げる(2006年法律26093号15条)。
  3. バイオ燃料振興法の改正法(法律7640号)
    2021年8月にバイオ燃料振興法が改正された。
    1. バイオディーゼルの添加率は最低5%に引き下げた。サトウキビ由来のバイオディーゼルの場合は6%までとする。ただし、原材料価格の高騰が燃料価格を押し上げる状況が発生した場合は、政府は添加率を3%まで下げることができる。
      アルゼンチンでは深刻な軽油不足が発生したため、政府は2022年6月16日にエネルギー庁決議438/2022号を公布し、バイオディーゼル添加率を5%から7.5%に引き上げた。
    2. バイオエタノールの添加率は最低12%。原材料価格の高騰が燃料価格を押し上げる場合は、バイオディーゼル同様、政府は添加率を3%まで下げることができる。
    3. 適用期間は2030年12月31日までで、1度限りで5年(2035年12月31日まで)延長できる。
  4. その他の関連法
    • バイオエタノールの生産促進法:2019年法律26334号
    • バイオエタノール生産プロジェクトの承認方法:エネルギー庁決議1293/2008号
    • バイオエタノール価格設定など:エネルギー庁決議1294/2008号
    • バイオエタノールの品質基準:エネルギー庁決議1295/2008号
    • 生産、保管、混合設備の基準:エネルギー庁決議1296/2008号

自動車部品分野:アルゼンチン自動車部品産業の開発と強化制度法(2016年法律27263号、2022年法律27686号)

通称・自動車部品法は、自動車製造者などに対してタックスクレジットを付与する優遇措置を設けている。優遇措置の適用条件として自動車部品の現地調達率を定めており、乗用車は30%、商用車は25%、エンジンは優遇措置の開始から3年間は10%、その後は20%としている。
2022年法律27686号により、自動車部品法の優遇措置を受けるための申請期限が2027年12月31日までと定められた(同法29条)。

二輪車および同部品分野:産業振興法(2008年法律26457号)

産業振興法は、二輪車および同部品の国内生産投資誘致制度について定めている。

  1. 適用分野
    二輪車、同部品の現地生産プロジェクトで、100万ドル以上の投資案件。生産される二輪車、同部品の現地調達率は、生産開始初年度は50%、5年後に70%まで高めなければならない。
  2. 優遇措置
    1. 二輪完成車、同部品の輸入関税減免:メルコスール域外からの輸入について、部品は関税を60%減免、コンプリートノックダウン(CKD)およびセミノックダウン(SKD)は40%減免、完成車(CBU)は20%減免(2008年法律26457号7条)。
    2. タックスクレジット:工場出荷額の4~15%の範囲で、タックスクレジットを付与する(2008年法律26457号11条)。
  3. その他
    政令81/2019は、国内に工場を有することなどを条件に、CKDの二輪車の輸入税を2023年12月31日まで無税としている。

自動車および同部品分野:自動車・自動車部品およびバリューチェーン投資促進法(2022年法律27686号)

自動車および自動車部品製造会社による新たな生産プロジェクトに対して優遇措置を与える新規投資強化プログラムの導入、国の自動車政策立案、自動車産業のバリューチェーン上の課題分析などを担うモビリティー研究所の設立を定めた。

  1. 適用分野
    完成車および自動車部品に関する新たな生産プロジェクト
  2. 優遇措置
    土木工事を除くインフラ工事に係る付加価値税の早期還付や加速度償却(資産の償却ペースの短縮)、2031年12月31日まで輸出税を無税とするなどの優遇措置を受けることができる。

公共インフラ分野:官民連携法(2016年法律27328号)

官民連携事業(PPP)の基本的なルールを定めた。インフラ・住宅事業とサービス、生産性向上、応用研究、技術イノベーションに関連した事業開発促進を目的とする事業が対象。PPPに係る入札は公共・国内・国際入札を通じて行われ、契約期間は35年まで。政府による一方的な契約変更の権限は制限され、紛争が生じた場合は国内または国際法に基づく仲裁が認められる。この法律に基づいて締結された契約の枠組みの中で提供される商品およびサービスについては、最低33%が国産でなければならない。PPPは国益とみなされるため、事業の実施場所である州・市政府に対して印紙税の免除が促される。

炭化水素分野:炭化水素法(1967年法律17319号ほか)

付加価値税(IVA)の前倒し還付、資本財の輸入に係る諸税の免税、中古資本財の輸入などの優遇措置が適用される。
2022年5月28日付政令277/2022号は、炭化水素生産者を対象とした外貨優遇制度を導入。石油と天然ガスの生産量を増加させた生産者に、外国為替市場を通じて商業債務、金融債務の元本、金利の支払い、利益・配当金、投資資金の本国への送金(リパトリエーション)を目的とした、外貨の取得を認める。新制度を通じて、炭化水素の自給率を高めて輸入を減らし、外貨不足の解消を目指す。

再生可能エネルギー発電分野:再エネ利用促進法(2006年法律26190号および同法改正法)

電力消費量に占める再生可能エネルギーの割合を2017年12月31日までに8%に、2025年12月31日までに20%に引き上げることを目標に掲げている。再生可能エネルギーによる発電のために投資を行う事業者、コンセッション事業者は、加速度償却、付加価値税の早期還付、金融負債から生じる利息、為替差損の所得控除、配当金の所得税免除などの優遇措置がある。また、政令814/2017により、2018年1月から2025年12月までの期間は、再エネ発電に関連する約40品目の輸入関税が削減、撤廃されている。

映画・音響映像分野:映画・音響映像産業振興策(政令1346/2016、国家映画・音響映像庁決議1/2017)

国内での映画制作に対して国家映画・音響映像庁(INCAA)が補助金を交付している。
国家映画・音響映像庁(Instituto Nacional de Cine y Artes Audiovisuales:INCAA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

水産養殖分野:水産養殖法(2015年法律27231号)

国内における水産養殖産業の促進を目的に、水産養殖事業者に対して、国内では入手が困難な資材の輸入に係る関税の免除や設備等の加速度償却などの優遇措置を設けている。

各種優遇措置

外国資本と国内資本と同等に扱われるため、外国資本に限定した優遇措置はない。国内資本が享受できる優遇措置は、外国資本も享受できる。

フリーゾーン制度

  1. フリーゾーン制度(1994年法律24331号)
    フリーゾーン内では物品の保管、販売、加工が可能で、フリーゾーンを出入りする物品の輸出入に係る税は免除される。また、フリーゾーン内で発生する通信、ガス、電気、下水道などの公共料金に係る国税が免除される。フリーゾーン内であっても、国内のその他の投資インセンティブによる優遇措置を受けることが可能。
  2. ティエラ・デル・フエゴ州フリーゾーン制度(1972年法律19640号)
    アルゼンチンの南部にあるティエラ・デル・フエゴ州に限定されたフリーゾーン制度。政令1234/2007により、2023年末まで制度が延長されている。フリーゾーン内での事業に係るあらゆる国税が免除され、フリーゾーンを出入りする物品の輸出入に係る税も免除される。メルコスール共同市場審議会(CMC)決議8/94は、特別関税地域から加盟国への輸出に対外共通関税を課すことを定めたが、ティエラ・デル・フエゴ州フリーゾーン、ブラジルのマナウスフリーゾーンを例外としている。

雇用奨励制度

企業が、採用前の求職者に職業訓練を実施する際に求職者に支給する手当の一部を補助するOJT制度(Entrenamiento para el Trabajo:EPT)、失業者を雇用した場合に補助金を交付する就業支援制度(Programa de Inserción Laboral:PIL)など、雇用を促す制度がある。
労働・雇用・社会保障省 "Servicios de Promoción del Empleo外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

各種融資・補助金制度

  1. 産業開発国家基金の融資制度
    産業開発国家基金(Fondo Nacional de Desarrollo Productivo:FONDEP)は、政令606/2014により設立された公的信託基金。旧名称はFONDEAR。社会・経済開発に資する投資計画に対して融資する。中小・零細企業の生産性向上、中小企業、大企業による戦略的分野への投資計画、中小企業のデジタル化などが融資対象。国立ナシオン銀行や貿易投資銀行などを通じて融資される。
  2. 起業資本開発基金(Fondo Fiduciario para el Desarrollo de Capital Emprendedor:FONDCE
    起業家資本支援法(2017年法律27349号)により設立された信託基金。起業およびその国際展開支援が目的。拡張基金プログラム(Programa Fondo Expansión)を通じて起業家に投資するファンドに、FONDCEが出資。同ファンドを通じて起業を支援する。
  3. 科学技術研究基金(Fondo para la Investigación Científica y Tecnológica:FONCYT外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    科学・技術関連の知識向上を目的とした研究プロジェクトへの融資を行う。
  4. 国立ナシオン銀行の融資制度
    国立商業銀行であるナシオン銀行(Banco de la Nación Argentina:BNA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)は、生産・販売に必要な投資、輸入に関する融資、観光部門に対する融資など幅広い融資メニューを扱う。
  5. 貿易投資銀行の融資制度
    公的金融機関である貿易投資銀行(Banco de Inversión y Comercio Exterior:BICE外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)は、工場の近代化、資本財の購入、投資計画、一次製品、工業・農業製品、サービスの輸出、中小零細企業向け融資制度を有する。
  6. 連邦投資委員会の融資制度
    連邦投資委員会(Consejo Federal de Inversiones:CFI外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)は、中小零細企業を対象とした生産設備の導入、国際認証の取得、製品改良など向けの融資制度を有する。
  7. 工業団地開発のための融資制度
    工業団地開発のための国家計画(Programa Nacional para el Desarrollo de Parques Industriales外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に基づき、政府は工業団地の新設や拡張向けに返済不要の融資、優遇金利による融資といった資金援助を行っている。全国の工業団地は、次のウェブサイトで検索可能。
    工業団地国家登録リスト(Parques Industriales inscriptos en el RENPI外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    工業団地の位置(Mapa Parques Industriales外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
  8. アルゼンチン技術基金(FONTAR:Fondo Tecnológico Argentino外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    アルゼンチン技術基金(FONTAR)は、技術革新による生産性向上を目的としたプロジェクトなどの資金調達において、企業や中小企業を支援するために補助金付与や融資を行う制度。
  9. アルゼンチン生産分野のための基金(FONARSEC:Fondo Argentino Sectorial para el sector productivo外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    アルゼンチン生産分野のための基金(FONARSEC)は、生産分野において高い技術開発に関心をもつ技術系企業や官民コンソーシアムを形成する企業などを対象に資金を提供する制度。

輸出奨励制度

  1. 輸出還付制度(Reinteglo por Exportación
    政令1011/1991に規定。輸出向け商品の生産や生産に関連するサービスに支払った間接税の一部、または全部を還付する。還付率は0.5~8.5%で、「ドローバック制度」との併用も可能。
  2. ドローバック制度(Régimen de Draw Back
    政令1012/1991に規定。輸出向け商品の生産に輸入原材料を用いた場合、輸入時に支払った輸入税、統計税、付加価値税(IVA)の還付を受けられる。
  3. 一時輸入制度(Régimen de Importación Temporaria
    政令1330/2004に規定。360日以内の輸出を条件に、原材料の輸入税を免除する。
  4. 工場内税関制度(Régimen de Aduana en Factoría
    政令688/2002号に規定。輸出向け商品を生産するための原材料などを輸入する場合、輸入に係る諸税の支払いが1年間免除される。生産した商品が輸出ではなく、最終的に国内市場に向けられた場合は、原材料の輸入に係る諸税を支払う。主に、自動車産業がこの制度を活用している。
  5. 資本財の確定輸入に係る付加価値税への支援(Régimen de Financiamiento para el pago del Impuesto al Valor Agregado
    1994年法律24402号、政令349/2000などに規定。輸出向けの商品の生産のために受けた銀行からの融資のうち、確定輸入時に支払う付加価値税分については、最長6年間、年率12%を超えない範囲で政府が負担する。負担率は毎年変動する。
  6. プラント輸出に係る間接税の還付制度
    1984年法律23101号、政令870/2003に規定。ターン・キー契約方式のプラント輸出に係る間接税が還付される。同制度の申請手続きや条件については、公共歳入連邦管理庁(AFIP)一般決議2742/2009に明記されている。
  7. 輸出のための投資強化制度(Régimen de Fomento de Inversión para las Exportaciones
    必要緊急大統領令(DNU)234/2021に規定。輸出を目的とした1億ドル以上の新規投資または再投資案件は、輸出金額の20%を上限に外貨の取得枠を得ることができ、これを利益や配当金の送金、外国への債務・金融負債の支払い、投資元本の送金に充てることができる。

その他

投資を促すための資本財の取得に係る優遇措置、中小企業向けの優遇措置、州政府独自の優遇措置などがある。

  1. 資本財やインフラ投資促進の優遇措置
    資本財・インフラ投資促進法(2004年法律25924号)に規定。自動車を除く資本財の加速度償却と付加価値税(IVA)の還付などの税制上の優遇措置。
  2. 中小企業向けの優遇措置
    中小企業生産回復法(2016年法律27264号)に規定。中小企業向けの付加価値税(IVA)の還付など、税制上の優遇措置。
  3. 州政府による優遇措置
    各州政府は、投資の内容によって、地方税の減免措置、インフラ事業および機材などの購入に対する各種優遇措置を設けている。