WTO・他協定加盟状況

最終更新日:2019年07月31日

WTO(1995年1月、ただしGATTには1967年10月加盟) 、ラテンアメリカ統合連合(ALADI)(1981年3月)、南米南部共同市場(メルコスール)(1991年3月) 。メルコスールの貿易協定は、ALADIの経済補完協定に位置付けられている。

メルコスール

  1. 全般

    南米南部共同市場(メルコスール)は、アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイの4カ国が、アスンシオン条約(1991年3月)を締結して発足させた関税同盟。2012年8月に正式加盟国となったベネズエラは、2016年12月、メルコスール規則に反しているとして、他の4カ国から加盟資格の停止を通告された。また、2017年7月の首脳会合と8月の外相会合の決議により、資格停止が無期限とされた。準加盟国のボリビアは、2012年12月に加盟議定書に署名した。メルコスールは共同市場の形成を目的として、次の原則を掲げている。

    • 財、サービスおよび生産要素の自由な流通
    • 域内の貿易障壁撤廃
    • 対外共通関税の創設
    • 対外共通貿易政策の実施
    • マクロ経済政策および貿易政策における協調

    1995年、関税同盟への移行に伴い、対外共通関税率(Arancel Externo Común:AEC)を導入する一方、加盟国はAECの例外品目を維持している。メルコスールは、ラテンアメリカ統合連合(ALADI)の枠内で結ばれている多くの経済補完協定の一つである。WTOとの関係において、メルコスールそのもののWTOへの通報はなされていないものの、ALADI本体がWTOに登録されていることから、WTOの授権条項を通じ、ALADIの一部を成すものと捉えられている。2019年7月時点の準加盟国は、チリ、ペルー、エクアドル、コロンビア、ガイアナ、スリナム。

  2. メルコスール域内の自動車協定

    ブラジルとアルゼンチンの両国は、1990年に締結した経済補完協定(ACE、注)14号により、自動車分野の関税撤廃を定めている。2008年に締結された同協定第38次追加議定書では、無関税輸入の上限枠が定められていたが、2013年6月には上限枠設定条項が満期を迎えたため、同年7月以降は自動車分野の関税が全面的に撤廃された。しかし、2014年6月に締結された第40次追加議定書により、無関税輸入上限枠が復活することとなった。2016年7月1日施行の第42次追加議定書では、同上限枠の有効期限が、2020年6月30日まで延長された。

    ブラジル・アルゼンチン両国間のACEは、原産地規則などの要件に加え、両国間の自動車貿易不均衡是正に向けた均衡係数を定めている。すなわち、両国間の自動車分野の貿易においては、一方の国の輸入額がもう一方の国の輸入額の1.5倍を超えない範囲で、100%の関税免除を認めている(第40次追加議定書第6条)。なお、同係数を超過する部分については、完成車の場合は対外共通関税(35%)の70%分となる24.5%の関税が課せられ(30%の関税譲許)、自動車部品の場合は対外共通関税(品目によって異なる)の75%分の関税が課せられる(25%の関税譲許)。

    第42次追加議定書第4条では、ブラジル・アルゼンチン両国間の貿易および生産状況の改善があれば、2019年7月1日以降は同係数を1.7倍に引き上げる可能性が記されている。
    2017年5月、両国間貿易取引の簡素化を図る目的で、デジタル原産地証明(COD)の取得システムが、ACE14、18号に基づいて両国に導入された。
    なおアルゼンチンは、ウルグアイとも、2003年に締結したACE57号により、自動車分野の関税撤廃を定めている。
    2018年7月19日付工業生産省決議67/2018で、同決議別添1に掲載された自動車部品の関税率を2%まで引き下げた。2019年5月24日付決議93/2019、7月17日付決議129/2019では、対象品目が追加された。

注:ACE(経済補完協定)とは、ラテンアメリカ統合連合(ALADI)の枠組みにおける貿易協定であり、メルコスールもその一つ。ALADIは、授権条項に基づいてWTOに通報されたものと位置付けられる。メルコスール・インド間の特恵貿易協定は、授権条項に基づいてWTOに通報された。

メルコスールの枠組みにおける貿易協定

  1. メルコスール・チリ経済補完協定(ACE)35号
    ACE35号は、1996年6月に署名され、同年10月に発効した。本協定は自由貿易協定であるとうたっており、事実上のFTA協定として機能する。
    アルゼンチン・チリ両国政府は、ACE35号第61次追加議定書にも基づき、両国間の自由貿易協定を締結した。2019年5月1日付で施行され、財・サービスの貿易取引拡大の他、電子商取引(EC)、サービス、中小企業、協力計画等を含む。
  2. メルコスール・ボリビア ACE36号
    1996年12月に署名され、1997年2月に発効したACE36号は、自由貿易協定であることをうたっており、事実上のFTA協定として機能する。
  3. メルコスール・メキシコ ACE54号
    2002年7月に署名され、2006年1月に発効したACE54号は、自由貿易協定の締結を目指す枠組み協定である。ただし、自由貿易に向けた作業が双方で進んだのは、ACE55号にある自動車分野に限定されており、その他分野の自由化は進んでいない。
    アルゼンチン・メキシコ間では、1986年10月に署名され、1987年1月に発効したACE6号に基づき、2017年4月よりACE6号に基づく農業・農産業品などの貿易拡大を目指し、協議が開始された。
  4. メルコスール・メキシコ ACE55号(自動車協定)
    2002年9月に署名されたACE55号により、メキシコはメルコスール原加盟国4カ国とそれぞれ二国間協定を結ぶ形態をとっており、アルゼンチンとの間では2003年1月に協定が発効した。原産地基準を満たす自動車関連製品に関しては、関係各国が相互に関税を削減する。
    2012年6月には、アルゼンチン政府がACE55号からの3年間の離脱を発表したが、同年12月にはACE55号付属書Ⅰ第4次追加議定書が締結され、関税削減措置は継続することとなった。締結された同議定書により、2012年12月18日から2015年3月18日までの間、アルゼンチンでは完成車に関して無関税で輸入できる上限枠(金額ベース)が設定された。2015年3月15日にはACE55号附属書Ⅰ第5次追加議定書が締結され、同年3月19日以降は、アルゼンチンとメキシコ間での軽自動車および自動車部品の無関税枠が定められ、2019年3月18日まで延長された。さらに、2019年3月19日、両国政府は再び3年間延長を合意した。
  5. メルコスール・ペルー ACE58号
    2005年11月に署名され、2006年2月に発効したACE58号は、自由貿易協定であることをうたっており、事実上のFTA協定として機能する。
  6. メルコスール・アンデス共同体(CAN) ACE59号
    2004年10月に署名され、2005年1~4月にかけてアルゼンチンとCAN各国間で発効したACE59号は、メルコスールとCAN加盟国であるコロンビア、エクアドル、ベネズエラの各国のFTA協定に相当する。なお、ベネズエラは2006年にCANを脱退した。
  7. メルコスール・キューバ ACE62号
    2006年7月に署名され、アルゼンチンとキューバ間では2007年7月に発効したACE62号は、双方の特定品目の関税低減を進める特恵貿易協定。
  8. メルコスール・イスラエル間の自由貿易協定(FTA)
    2009年6月に締結され、アルゼンチンとイスラエル間では2011年9月に発効した本協定では、イスラエル側は8,000品目の自由化を目指し、8年間で段階的に関税の減税を進める。一方、メルコスール側は、イスラエルからの輸入9,424品目に対し、10年間で自由化を進める。
  9. メルコスール・インド間の特恵貿易協定
    2009年6月に発効した、特定品目について双方の関税低減を進める特恵貿易協定である。
  10. メルコスール・SACU間の特恵貿易協定
    メルコスールと南部アフリカ関税同盟(SACU)との間で、2004年12月に特恵貿易協定が署名されたが、両地域間のさらなる協力拡大について、協定発効前にも交渉を続けることで合意した。2008年12月にメルコスール側が、2009年4月にはSACU側が、新たな特恵貿易協定に署名し、2016年4月1日付で発効した(同年4月22日付官報に記載)。
  11. メルコスール・エジプト間の自由貿易協定(FTA)
    2010年8月に締結され、2017年9月発効した。アルゼンチンが対エジプト輸出で関税率0%を得る品目が約60%に上り、その中には食品、自動車、自動車部品、炭化水素抽出に関連する備品、化学品、農業機械などが含まれる。
  12. メルコスール・コロンビアACE72号
    メルコスールとコロンビアとの間で2017年7月に締結され、2018年8月現在ブラジル、アルゼンチンとウルグアイが批准し、発効している。本ACE72号は同59号の例外品目の関税を削減・撤廃したもので、自動車や農薬、繊維製品、プラスチック製品、金属加工品などが新たに対象品目として加わった。
  13. メルコスール・EU間の自由貿易協定(FTA)
    20年近くにわたる交渉を経て、2019年6月27日、メルコスールとEUが自由貿易協定(FTA)の締結に政治合意した。アルゼンチン政府としては、合意によって投資拡大、持続的成長、雇用創出、貧困率の削減がもたらされることを期待。メルコスール事務局は、EUとの通商協定に関する概要を公表している(2019年7月1日付ジェトロの記事「メルコスール事務局、EUメルコスール間の自由貿易協定(FTA)の概要を公表」参照)。

交渉継続中および未発効の主な協定

メルコスール・パレスチナ間の自由貿易協定(FTA)は、2011年12月に協定を締結したが、関係各国の批准待ちで未発効。
その他、メルコスールは、カナダ、韓国、シンガポール、欧州自由貿易連合(EFTA)などとFTAに向けた交渉を継続している。

出所:
米州機構・貿易情報システム(SICE-Organization of American States Foreign Trade Information System外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

外務・宗務省(Ministerio de Relaciones Exteriores y Culto外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

工業生産・労働省(Ministerio de Producción y Trabajo外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

ラテンアメリカ統合連合(Asociación Latinoamericana de Integración:ALADI外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

メルコスール(Mercado Común del Sur:MERCOSUR外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

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