バングラデシュの貿易投資年報
要旨・ポイント
- 2024/2025年度の実質GDP成長率は3.5%、3期連続で減速。
- 輸出額は前年度比8.6%増。品目構成に大きな変化はないが、魚介類が高い伸び率。
- 2025年の対内直接投資は前年比39.4%増。オランダ、中国の存在感が目立つ。
- 暫定政権との間で日・バングラデシュ経済連携協定(EPA)が大筋合意。
公開日:2026年9月17日
マクロ経済
実質GDP成長率は3.5%に減速、郷里送金は過去最高を記録
バングラデシュの2024/2025年度(2024年7月~2025年6月)の実質GDP成長率は3.5%と、前年度の4.2%を0.7ポイント下回り、3期連続で減速した。GDP総額の約半分を占めるサービス産業の実質成長率は4.4%を記録したものの、前年度から0.7ポイント低下した。さらに、農業の実質成長率は2.4%に留まり、前年度から0.9ポイント低下した。これらがGDP全体の成長を減速させる要因となった。需要項目別では、実質GDPに占める民間消費の割合は72.2%と前年度比2.1ポイント増加した一方で、民間投資は22.0%と1.9ポイント減少した。
重要な外貨獲得手段である郷里送金額は、前年度比26.8%増と大きく伸びて303億ドルに達し、過去最高額を記録した2020/2021年度の実績(248億ドル)を大幅に上回った。バングラデシュ中央銀行(以下、中銀)によれば、外貨準備高は2024/2025年度末に前年度比18.9%増の318億ドルまで増加した。郷里送金額の増加と国際機関や開発パートナーからの資金援助が寄与したとみられる。2024年5月に導入されたクロール・ペッグ制度は2025年5月に終了し、為替制度はより市場原理に基づく仕組みへと移行した。一方で、中銀は2025年7月以降に29億ドルの為替介入を実施し、足元の実態では為替の柔軟性が制限されている。2024/2025年度のインフレ率は10.0%(年平均)と前年度比で0.3ポイント上昇し、暫定政権は2025/2026年度に向けたインフレ率の目標を7%とした。なお、平均労働賃金は前年度比8.1%増加した。
| 項目 | 2022/2023年度 | 2023/2024年度 | 2024/2025年度 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 年間 | Q1 | Q2 | Q3 | Q4 | |||
| 実質GDP成長率 | 5.8 | 4.2 | 3.5 | n.a. | n.a. | n.a. | n.a. |
| 民間最終消費支出 | 2.0 | 6.0 | 6.6 | n.a. | n.a. | n.a. | n.a. |
| 政府最終消費支出 | 8.5 | 9.8 | 2.3 | n.a. | n.a. | n.a. | n.a. |
| 国内総固定資本形成 | 2.2 | 3.3 | △ 2.5 | n.a. | n.a. | n.a. | n.a. |
| 財・サービスの輸出 | 8.0 | △ 17.1 | 10.0 | n.a. | n.a. | n.a. | n.a. |
| 財・サービスの輸入 | △9.8 | △4.6 | 6.8 | n.a. | n.a. | n.a. | n.a. |
〔注1〕各年度は7月1日~翌年6月30日。
〔注2〕四半期ごとの同成長率(前年同期比)は産業別のみ公表されており、需要項目別では公開されていない。
〔出所〕バングラデシュ統計局
暫定政権は改革に意欲的な取り組み
2024年8月に発足した暫定政権は、国家改革と経済安定化を最優先課題に掲げ、行政、金融、税制、司法など幅広い分野で改革を目指した。経済面では、為替制度の柔軟化や外貨準備高の回復、インフレ抑制に取り組んだ。税収基盤の強化を目的に国家歳入庁(NBR)の組織再編を図り、銀行部門の不良債権問題やガバナンス改善にも着手した。
貿易
輸出額は前年度比で増加したものの政府目標には届かず
2024/2025年度の貿易は、輸出が前年度比8.6%増の482億8,400万ドル、輸入が6.7%増の674億7,500万ドルだった。輸出額については、暫定政権が目標に掲げた575億ドルに届かなかった。
輸出額を品目別に見ると、主幹産業で輸出金額の8割超を占める衣料品のうち、ニット類(前年度比9.7%増)、布帛(ふはく)類(7.8%増)がいずれも増加に転じた。前年度まで低調だった皮革および同製品(10.2%増)も回復した。魚介類(17.2%増)は主要品目の中で最も高い伸び率を記録し、農産品(2.5%増)は少額ながら前年度に続き増加した。一方、近年低調が続くジュートおよび同製品(4.1%減)は引き続き落ち込んだ。
国・地域別では、最大の輸出相手国である米国(前年度比14.4%増)および2位のドイツ(9.1%増)向けがともに回復した。米国向けの伸びは、同国の関税措置の影響で衣料品の一部調達先が中国やインドからバングラデシュへシフトした結果と考えられる。最も伸び率が高かったオランダ(21.7%増)でも、ニット類(31.7%増)、布帛類(9.0%増)が増加を後押しした。オランダは、ロッテルダム港がEU域内の主要港として機能しており、需要が回復しつつある衣料品のEU域内への再輸出が牽引したと考えられる。
輸入額を品目別に見ると、国内の産業に大きな影響を及ぼす鉱物性燃料・同製品は前年度比2.3%増の120億2,500万ドルだった。前年度からの増加率で見ると、肥料の伸びが最も高く、10.3%増の18億3,300万ドルだった。それに綿・同製品(9.3%増、86億5,200万ドル)が続いた。輸出用衣料品の需要の高まりに伴い、製造に必要な原材料の輸入も増加したと考えられる。一方で、前年度好調だった鉄鋼製品は7.1%減の33億2,400万ドルだった。インフラ事業や不動産需要が停滞し、輸入量低下の一因になったとみられる。
| 品目 | 2023/2024年度 | 2024/2025年度 | ||
|---|---|---|---|---|
| 金額 | 金額 | 構成比 | 伸び率 | |
| 衣料品 | 36,151 | 39,347 | 81.5 | 8.8 |
| ニット | 19,282 | 21,159 | 43.8 | 9.7 |
| 布帛 | 16,869 | 18,188 | 37.7 | 7.8 |
| 皮革・同製品 | 1,039 | 1,145 | 2.4 | 10.2 |
| 農産品 | 965 | 989 | 2.0 | 2.5 |
| ジュート・同製品 | 855 | 820 | 1.7 | △ 4.1 |
| 魚介類 | 377 | 442 | 0.9 | 17.2 |
| 合計(その他含む) | 44,470 | 48,284 | 100.0 | 8.6 |
〔注〕2023/2024年度の数値は当初発表時点のもの。
〔出所〕輸出振興庁
| 品目 | 2023/2024年度 | 2024/2025年度 | ||
|---|---|---|---|---|
| 金額 | 金額 | 構成比 | 伸び率 | |
| 鉱物性燃料・同製品 | 11,752 | 12,025 | 17.8 | 2.3 |
| 綿・同製品 | 7,914 | 8,652 | 12.8 | 9.3 |
| 機械・同部品 | 4,290 | 4,438 | 6.6 | 3.5 |
| 鉄鋼製品 | 3,577 | 3,324 | 4.9 | △ 7.1 |
| 電気機器・同部品 | 2,661 | 2,451 | 3.6 | △ 7.9 |
| プラスチック・同製品 | 2,505 | 2,698 | 4.0 | 7.7 |
| 肥料 | 1,662 | 1,833 | 2.7 | 10.3 |
| 合計(その他含む) | 63,226 | 67,475 | 100.0 | 6.7 |
〔注1〕2023/2024年度の数値は当初発表時点のもの。
〔注2〕輸入統計は輸入決済の資金の種類(現金、バイヤーズ・クレジット、ローン)などに基づいており、複数のインコタームズ(原則としてCFR/CPT。FOBも可)が含まれる。
〔出所〕バングラデシュ中央銀行
| 国・地域 | 2023/2024年度 | 2024/2025年度 | ||
|---|---|---|---|---|
| 金額 | 金額 | 構成比 | 伸び率 | |
| 米国 | 7,600 | 8,692 | 18.0 | 14.4 |
| ドイツ | 4,851 | 5,293 | 11.0 | 9.1 |
| 英国 | 4,478 | 4,623 | 9.6 | 3.2 |
| スペイン | 3,474 | 3,555 | 7.4 | 2.3 |
| フランス | 2,282 | 2,417 | 5.0 | 5.9 |
| オランダ | 1,934 | 2,354 | 4.9 | 21.7 |
| インド | 1,569 | 1,764 | 3.7 | 12.4 |
| 日本 | 1,313 | 1,412 | 2.9 | 7.5 |
| 合計(その他含む) | 44,470 | 48,284 | 100.0 | 8.6 |
〔注〕2023/2024年度の数値は当初発表時点のもの。
〔出所〕輸出振興庁
| 国・地域 | 2023/2024年度 | 2024/2025年度 | ||
|---|---|---|---|---|
| 金額 | 金額 | 構成比 | 伸び率 | |
| 中国 | 16,637 | 18,196 | 27.0 | 9.4 |
| インド | 9,000 | 9,556 | 14.2 | 6.2 |
| インドネシア | 3,557 | 3,579 | 5.3 | 0.6 |
| シンガポール | 2,533 | 2,896 | 4.3 | 14.3 |
| 米国 | 2,536 | 2,716 | 4.0 | 7.1 |
| ブラジル | 2,662 | 2,638 | 3.9 | △ 0.9 |
| マレーシア | 2,604 | 2,293 | 3.4 | △ 11.9 |
| 日本 | 1,810 | 1,875 | 2.8 | 3.5 |
| 合計(その他含む) | 63,226 | 67,475 | 100.0 | 6.7 |
〔注1〕2023/2024年度の数値は当初発表時点のもの。
〔注2〕輸入統計は輸入決済の資金の種類(現金、バイヤーズ・クレジット、ローン)などに基づいており、複数のインコタームズ(原則としてCFR/CPT。FOBも可)が含まれる。
〔出所〕バングラデシュ中央銀行
貿易の円滑化を目指し、デジタル化、港湾整備などを推進
暫定政権は、貿易の円滑化を目指して、通関・物流インフラのデジタル化と能力増強を進めた。2025年1月にはバングラデシュ・シングル・ウィンドウがソフトローンチされ、7月1日から輸出入貨物の許認可、証明書類のオンライン提出が義務化された。チョットグラム港(旧チッタゴン港)では、2024年6月にサウジアラビア企業レッド・シー・ゲートウェイ・ターミナル(Red Sea Gateway Terminal)がパテンガ・コンテナ・ターミナルの運営を開始、外資による港湾運営が進んだ。また、2025年4月には世界銀行とバングラデシュ政府がベイ・ターミナル整備に係る6億5,000万ドルの融資契約を締結し、大型船対応や港湾効率化に向けた基盤整備が進展した。
他方で、インドは2025年4月にバングラデシュからの輸出貨物の第三国向け積み替え(トランシップメント)の便宜措置を停止した。これを受けて暫定政権は、主に衣料品輸出の停滞を防ぐため、ハズラット・シャージャラール国際空港やオスマニ国際空港、チョットグラム港における貨物処理能力の拡充や人員配置強化、物流コスト削減、通関手続きの透明化を図った。
対内直接投資
2025年の対内直接投資は増加も、実態は再投資が中心
2025年(暦年)の対内直接投資(国際収支ベース、ネット、フロー)は、前年比39.4%増の17億7,000万ドルとなった。全体として回復基調にあるが、特に、オランダからの投資額が大幅に増加し、5億4,500万ドルで最大の投資国となった。オランダからの投資を業種別に確認すると、構成比75%を占める食品が4億600万ドル、電力が7,200万ドルと続いた。投資金額で2位の中国は54.2%増の3億2,100万ドルだった。他方、これまでスタンダード・チャータード銀行(Standard Chartered Bank)を筆頭とした銀行投資を中心に、多額の資金が流入していた英国は、58.6%減の1億6,900万ドルと大きく落ち込んだ。なお、中銀の公表資料では具体的な投資企業名は開示されていない。
業種別に見ると、主幹産業の縫製は2024年に引き続き下落傾向で、前年比11.6%減の3億6,000万ドルだった。一方、電力は4億4,800万ドルで高い伸び(12.5倍)を記録した。このうち、中国が半分近い2億1,500万ドル、シンガポールが1億400万ドルの投資を行っている。背景には、慢性的な電力供給不足、国内のガス不足、独立系発電事業者(IPP)制度を通じた外資導入、既存発電事業者による再投資、企業内融資の増加がある。特に中国はパイラ火力やボリシャル火力など、一帯一路構想に基づく大型発電・インフラ案件を通じて存在感を維持している。一方、シンガポールはサミット国際電力(Summit Power International)のような持株会社・資金調達拠点を通じた投資が中心であり、同国からバングラデシュへの対内直接投資(FDI)増加はバングラデシュ電力事業への国際金融ルートを反映している。
ただし、2025年のFDI拡大は、新規投資よりも再投資収益と企業内ローンの増加による面が大きく、電力向けの伸びも既存案件の資金手当て、営業資金、借換えが押し上げた可能性が高い。中銀によると、既述のとおり、2025年の純資金流入額は5億3万ドル増加し、39.4%の伸びを記録した。この増加は主として企業内ローンの3億3,031万ドル増および再投資収益の1億5,971万ドル増によるもので、新規出資(エクイティ投資)による寄与は限定的だった。
日本からの2025年の直接投資額は2024年の4,700万ドルからマイナス300万ドルに転じた。業種別(ストック)では、繊維業が前年比21.7%増の5,773万ドルを記録した。そのほか、主要分野において多少の増減はあるが目立った変化はない。
| 国・地域 | 2024年 | 2025年 | ||
|---|---|---|---|---|
| 金額 | 金額 | 構成比 | 伸び率 | |
| オランダ | △ 35 | 545 | 30.8 | ― |
| 中国 | 208 | 321 | 18.1 | 54.2 |
| シンガポール | 117 | 192 | 10.9 | 64.4 |
| 韓国 | 300 | 172 | 9.7 | △ 42.7 |
| 英国 | 410 | 169 | 9.6 | △ 58.6 |
| 香港 | 101 | 123 | 6.9 | 21.0 |
| インド | 127 | 88 | 5.0 | △ 30.8 |
| スリランカ | 67 | 68 | 3.8 | 0.8 |
| マレーシア | 47 | 56 | 3.2 | 18.4 |
| 日本 | 47 | △ 3 | △ 0.2 | △ 107.1 |
| 合計(その他含む) | 1,270 | 1,770 | ― | 39.4 |
〔注1〕1月1日~12月31日のデータ。2024年の数値は当初発表時点のもの。
〔注2〕その他にマイナス値があるため、構成比の合計は100にならない。
〔出所〕バングラデシュ中央銀行
| 業種 | 2024年 | 2025年 | ||
|---|---|---|---|---|
| 金額 | 金額 | 構成比 | 伸び率 | |
| 電力 | 36 | 448 | 25.3 | 1,150.5 |
| 食品 | △ 119 | 411 | 23.2 | ― |
| 縫製 | 407 | 360 | 20.3 | △ 11.6 |
| 銀行 | 416 | 189 | 10.7 | △ 54.5 |
| 医薬品・化学 | 37 | 85 | 4.8 | 129.2 |
| 貿易 | 56 | 50 | 2.8 | △ 11.1 |
| 農業・漁業 | 71 | 43 | 2.5 | △ 38.4 |
| 皮・革製品 | 136 | 36 | 2.0 | △ 73.8 |
| 合計(その他含む) | 1,270 | 1,770 | ― | 39.4 |
〔注1〕1月1日~12月31日のデータ。2024年の数値は当初発表時点のもの。
〔注2〕その他にマイナス値があるため、構成比の合計は100にならない。
〔出所〕バングラデシュ中央銀行
対日関係
対日輸出入ともに増加
2024/2025年度の対日輸出額は、前年度比7.5%増の14億1,200万ドルとなった。主要品目である衣料品は、ニット類(6億100万ドル、4.5%増)、布帛類(5億8,400万ドル、14.4%増)がともに増加し、輸出額に占める衣料品の割合は前年度の82.7%から84.0%に拡大した。他方で、皮革製品(5,600万ドル、6.1%減)、履物・同部品(3,100万ドル、14.6%減)、生地・織物(2,800万ドル、17.1%減)、家具・寝具(1,600万ドル、8.8%減)は軒並み減少した。
日本からの輸入では、最大品目である鉄鋼製品(6億8,900万ドル、前年度比35.3%増)や機械・同部品(2億700万ドル、10.4%増)が増加した。一方で、プラスチック・同製品(2,100万ドル、62.0%減)や医療機器・同部品(3,500万ドル、30.0%減)は大きく落ち込んだ。前年度増加を記録した人造繊維(6,400万ドル、19.5%減)や船舶(2億8,900万ドル、27.9%減)、自動車を中心とする輸送機器・同部品(2億9,100万ドル、1.1%減)も減少した。
| 品目 | 2023/2024年度 | 2024/2025年度 | ||
|---|---|---|---|---|
| 金額 | 金額 | 構成比 | 伸び率 | |
| 衣料品 | 1,086 | 1,185 | 84.0 | 9.1 |
| ニット | 575 | 601 | 42.6 | 4.5 |
| 布帛 | 511 | 584 | 41.4 | 14.4 |
| 皮革製品 | 60 | 56 | 4.0 | △ 6.1 |
| 履物・同部品 | 36 | 31 | 2.2 | △ 14.6 |
| 生地・織物 | 33 | 28 | 1.9 | △ 17.1 |
| 家具・寝具 | 17 | 16 | 1.1 | △ 8.8 |
| 合計(その他含む) | 1,313 | 1,412 | 100.0 | 7.5 |
〔注〕2023/2024年度の数値は当初発表時点のもの。
〔出所〕輸出振興庁
| 品目 | 2023/2024年度 | 2024/2025年度 | ||
|---|---|---|---|---|
| 金額 | 金額 | 構成比 | 伸び率 | |
| 鉄鋼製品 | 509 | 689 | 36.7 | 35.3 |
| 輸送機器・同部品 | 294 | 291 | 15.5 | △ 1.1 |
| 船舶 | 401 | 289 | 15.4 | △ 27.9 |
| 機械・同部品 | 188 | 207 | 11.0 | 10.4 |
| 人造繊維(ステープルファイバー、フィラメント) | 80 | 64 | 3.4 | △ 19.5 |
| プラスチック・同製品 | 54 | 21 | 1.1 | △ 62.0 |
| 医療機器・同部品 | 51 | 35 | 1.9 | △ 30.0 |
| 合計(その他含む) | 1,810 | 1,875 | 100.0 | 3.5 |
〔注1〕2023/2024年度の数値は当初発表時点のもの。
〔注2〕輸入統計は輸入決済の資金の種類(現金、バイヤーズ・クレジット、ローン)などに基づいており、複数のインコタームズ(原則としてCFR/CPT。FOBも可)が含まれる。
〔出所〕バングラデシュ中央銀行
日・バ暫定政権間でも関係維持、主要なODA事業は停滞
日本政府は、2024年8月に発足したバングラデシュ暫定政権との関係維持を重視し、改革努力への支持を表明した。2025年5月にはムハンマド・ユヌス首席顧問が訪日して石破首相(当時)と会談し、両国の経済発展を含む戦略的パートナーシップが再確認された。
一方、暫定政権下でのPPP事業は、住友商事、日本空港ビルデング(羽田空港)、成田国際空港、日本工営のコンソーシアムが参画するハズラット・シャージャラール空港第3ターミナル運営事業の調整が難航した。複数の日本企業が関与する都市高速鉄道ダッカメトロ1号線および5号線などの主要なODA事業も軒並み停滞した。この要因として、暫定政権が国家制度の改革を優先したことや、同政権が国民選挙による信任を得ておらず意思決定における責任の所在が不明瞭なため決断ができなかったことなどが考えられる。
両国は、2026年11月に控えるバングラデシュの後発開発途上国(LDC)卒業を見据え(のちにバングラデシュ政府が卒業延期を国連に要請)、2024年5月から経済連携協定(EPA)交渉を行った結果、2025年12月22日に大筋合意に至った(2026年2月6日署名)。EPAはバングラデシュにおける日系企業の事業展開に大きな影響を及ぼすことから、その施行には高い関心が寄せられている(2026年2月10日付ビジネス短信参照)。
基礎的経済指標
| 項目 | 単位 | 2022/2023年度 | 2023/2024年度 | 2024/2025年度 |
|---|---|---|---|---|
| 実質GDP成長率 | (%) | 5.8 | 4.2 | 3.5 |
| 1人当たりGDP | (米ドル) | 2,652 | 2,619 | 2,636 |
| 消費者物価上昇率 | (%) | 9.0 | 9.7 | 10.0 |
| 失業率 | (%) | 4.6 | 3.4 | 3.6 |
| 貿易収支 | (100万米ドル) | △27,384 | △22,433 | △20,399 |
| 経常収支 | (100万米ドル) | △11,633 | △6,602 | △139 |
| 外貨準備高(グロス) | (100万米ドル) | 31,203 | 26,714 | 31,772 |
| 対外債務残高(グロス) | (100万米ドル) | 97,691 | 104,070 | 113,199 |
| 為替レート | (1米ドルにつき、タカ、期中平均) | 106.3 | 115.6 | 121.9 |
〔注〕
各年度は7月1日~翌年6月30日。貿易収支は国際収支ベース(財のみ)
〔出所〕
実質GDP成長率、消費者物価上昇率(年平均):バングラデシュ統計局
1人当たりGDP、為替レート:IMF
失業率:世界銀行
貿易収支、経常収支、外貨準備高(グロス)、対外債務残高(グロス):バングラデシュ中央銀行





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