日本とバングラデシュがEPAに署名、投資加速を期待する声
(バングラデシュ、日本)
ダッカ発
2026年02月10日
日本とバングラデシュは2月6日、東京で経済連携協定(EPA)に署名した。署名した堀井巌外務副大臣とシェイク・ボシール・ウディン商業顧問(大臣に相当)は、バングラデシュにとって初めてのEPAである本協定が両国の絆をさらに強化するとして、これを歓迎した。両国は2025年12月22日に大筋合意を確認しており(2025年12月23日記事参照)、バングラデシュでは2月12日に総選挙が実施予定のところ、同国にとって暫定政権下での妥結となった。
日本政府が公表したEPAの概要資料
によれば、バングラデシュからの日本の輸入総額は2022~2023年平均で約2,212億円であり、輸入額の約91%が将来的に無税(注)となる。繊維衣料製品が輸入額全体の84%を占める点が特徴的だ。バングラデシュ縫製品製造業・輸出業協会(BGMEA)は今回の署名について、「本協定により、衣料品の無税アクセスが確保され、1工程加工(縫製のみ)を含む有利な原産地規則が維持された」と好意的な受け止めを発表した。ウディン商業顧問は「これはバングラデシュにとって画期的な成果だ。本格的なEPAを、日本のような先進国と初めて締結できた。日本からの投資誘致がわれわれの主たる目標となる」とコメントしている(「デーリー・スター」紙2月6日)。
他方、日本からみれば、バングラデシュへの輸出額(2022~2023年平均で約3,599億円)のうち、約83%が将来的に無税となる。バングラデシュは現在、多くの外国製品に高関税を課しているが、日本の主要輸出品目である鉄鋼や自動車部品などが即時~18年以内に関税撤廃の恩恵を受けられるようになる。また、税関手続きおよび貿易円滑化、衛生植物検疫措置、電子商取引、知的財産、ビジネス環境の整備、透明性など、さまざまなルール分野の規定も設けられた。
ダッカ商工会議所(DCCI)のタスケン・アフメド会頭は、「EPAは、日本企業によるバングラデシュ投資を加速させ、先進技術、経営ノウハウ、長期的な産業パートナーシップをもたらし、バングラデシュのグローバル・バリューチェーンにおける地位を強化する可能性がある」と述べ、今後の投資に与える影響へ期待を示している(「ビジネス・スタンダード」紙2月6日)。
(注)繊維衣料製品やエビ、紅茶などの一部農林水産品は後発開発途上国(LDC)特恵関税で現行無税。
(片岡一生)
(バングラデシュ、日本)
ビジネス短信 a519ee8cb8e0d725




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