米USTR、対中追加関税リスト1~3の適用除外対象を拡大

(米国、中国)

ニューヨーク発

2019年12月17日

米国通商代表部(USTR)は12月16日、1972年通商法301条に基づく対中追加関税リスト1(対中輸入額340億ドル相当)、リスト2(160億ドル相当)、リスト3(2,000億ドル相当)にかかる適用除外品目の対象を拡大すると発表した。正式な措置は12月17日公示予定の官報で通知する(注1)。米中は、12月13日に貿易交渉の第1段階で合意しており、一部追加関税の見送り・引き下げとともに、適用除外の範囲も拡大するとしていた(2019年12月16日記事参照)。

リスト1、2の対象拡大は限定的

リスト1に関して、新たに適用除外の対象となるのはHTSコード9030.90.4600で分類される、オシロスコープなど検査機器にかかるその他部品類(2018年の対中輸入実績は約300万ドル)のみとなる。適用除外の期間は、追加関税発動日の2018年7月6日に遡及(そきゅう)され、2020年10月1日までとなる。

官報にはこのほか、7月9日外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます9月20日外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに発表済みの適用除外対象14品目の詳細に対する修正も含まれている。例えば、製品価格によって適用除外対象を絞っていたものに関して、価格幅を広げてより多くの製品が適用除外対象となるように修正されている。リスト2も同様で、9月20日に発表済みの適用除外対象外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます9品目の詳細に対する修正を通知する内容となっている。これら修正された品目の適用除外期間は、元の適用除外発表日にさかのぼり、発表時の官報が規定していた日までとなる(注2)

リスト3は44品目が新たな適用除外対象に

まず今回、USTRがHTSコード10桁で指定した9品目は全て適用除外となる。加えて、USTRが製品詳細を細かく指定した35品目も適用除外となる(添付資料参照)。輸入額の大きな品目分野として、家具類(HTSコード94類)、車両・同部品(87類)、鉄鋼製品(73類)が挙げられる。これらの適用除外の期間は、追加関税発動時の2018年9月24日に遡及し、2020年8月7日までとなる。

このほか、10月28日発表済みの適用除外対象外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます1品目の詳細に対する修正も含まれている。具体的には、HTSコード8516.29.0090に該当する「電気式の暖炉で21キログラムを超えないもの」とされていたものが、政府側の訂正として「55キログラムを超えないもの」とされた。

いずれも関税還付などの手続きについては、税関国境保護局(CBP)が今後発表するとしている。

(注1)官報はそれぞれリスト1外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますリスト2外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますリスト3外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで分かれている。

(注2)2019年7月9日に発表された適用除外品目の場合、適用除外期間は2019年7月9日から1年間となる。

(注3)各リストの品目別適用除外制度の概要については以下の記事を参照。

(注4)これまでに発表された各リストの適用除外対象品目の発表日および詳細は以下の記事を参照。

【リスト1】

【リスト2】

【リスト3】

(磯部真一)

(米国、中国)

ビジネス短信 743e726d997b8153