米USTR、対中関税第3弾の品目に関する適用除外手続き発表

(米国、中国)

ニューヨーク発

2019年06月24日

米国通商代表部(USTR)は6月19日、1974年通商法301条に基づいて課している中国原産品への追加関税の第3弾(リスト3)に関して、品目別の適用除外申請の詳細PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。リスト3は対中輸入額2,000億ドル相当の5,745品目(米国関税率表の上位8桁、一部品目は部分的に対象)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)からなっており、追加関税率は5月10日以降、当初の10%から25%に引き上げられている(2019年6月3日記事参照)。

リスト3の適用除外申請のための受け付けサイトを新設

適用除外の申請は6月30日正午(米東部時間)からUSTRが新設するウェブポータルページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで受け付けが開始され、9月30日に締め切る。リスト1と2の適用除外申請に利用されていた連邦政府のパブリックコメントサイト(Regulations.gov)とは異なるので留意が必要だ。適用除外申請に対する意見の提出は、申請が掲載されてから14日間受け付けられる。申請者がそれら意見に反論を行いたい場合は、その14日間が終了してから7日後(または申請への支持や反論が掲載されてから7日後のどちらか遅い日付)を期限として提出する必要がある。

USTRは申請を1件ごとに精査して、適用除外を認めた場合は官報で発表する。適用除外の対象期間は追加関税が発動された2018年9月24日までさかのぼり、官報の公表日から1年間有効となる。

適用除外の対象となった品目について、申請者以外が輸入した場合に追加関税が免除されるか否かについては、今回の官報では明示せれておらず、不透明。リスト1と2では、適用除外が認められた品目は申請者以外が輸入しても追加関税が免除されている(注1)。

リスト1、2の適用除外申請以上に詳しい情報提供が必要に

USTRは、申請受け付け用のポータルサイトが6月30日に開設されるまでに申請者が準備できるよう、今回の発表文書に申請フォームのサンプルを添付している(注2)。これによると、リスト1、2の適用除外申請時に求められていた情報に加えて、申請者の総収入、米中小企業庁が定義する小規模事業者への該当の有無、申請品目を米国か第三国から調達している場合の調達額・量、申請品目を米国か第三国から調達するための努力の有無などが必要となっている。なお、申請書はUSTRが5月21日に発表したフォームから、大きな変更はない(2019年5月23日記事参照)。

リスト1の追加関税に関する適用除外は、申請受け付け開始から第1弾の認定が行われるまで5カ月以上かかり、リスト2の適用除外については、まだ1件も認定されていない(注3)。リスト3はリスト1、2よりも対象品目数が多く、相当数の申請が見込まれるため、適用除外を希望する場合は、6月30日の受け付け開始後、迅速に申請を行うことが望ましい。

(注1)リスト1の品目別適用除外制度の概要については2018年7月12日記事を、リスト2の制度概要については2018年9月19日記事を参照。

(注2)官報の9ページ目以降を参照PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)

(注3)リスト1に関する1度目の適用除外対象品目の発表は2018年12月28日(2019年1月4日記事参照)、2度目は3月25日(2019年3月28日記事参照)、3度目は4月18日(2019年4月18日記事参照)、4度目は5月9日(2019年5月13日記事参照)、5度目は6月4日(2019年6月5日記事参照)。

(磯部真一)

(米国、中国)

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