米USTR、対中追加関税リスト1~3の適用除外品目を新たに発表

(米国、中国)

ニューヨーク発

2019年09月24日

米国通商代表部(USTR)は9月20日、発動済みの対中追加関税リスト1~3(第1弾~第3弾)にかかる適用除外品目を官報で新たに発表した(注1)。これまでの発表を含めると、リスト1(対中輸入額340億ドル相当の818品目)は7回目、リスト2(160億ドル相当の279品目)とリスト3(2,000億ドル相当の5,745品目)は2回目の発表となる(注2)。

リスト1~3で合計437品目が追加関税の対象外に

今回発表された適用除外品目は、リスト1で310品目外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますリスト2で89品目外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますリスト3で38品目外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの合計437品目となっている。いずれも10桁のHTSコードの中で、USTRが記載した製品詳細に適合する品目に限定される。従って同じ10桁のHTSコードにかかる品目でも、USTR記載の製品詳細に合致しない場合は適用除外とならない。これまで発表された適用除外品目を合わせると、リスト1が634品目、リスト2が158品目、リスト3が48品目の合計840品目となる。

今回適用除外とされた品目で、2018年の対中輸入額が大きいものを挙げると、HTSコード2桁の分類で、84類(原子炉、ボイラーおよび機械類ならびにこれらの部分品)、85類(電気機器およびその部分品など)、94類(家具、照明器具など)、90類(光学機器類および部分品など)、39類(プラスチックおよびその製品)となっている。これまでに適用除外となった品目を含むHTSコード10桁ベースでの2018年の対中輸入額をみると、リスト1では整粉器(2万5,000ドルを超えるもの)、航空機用の電力供給ケーブル、リスト2では鉄鋼製の動物小屋、原子炉・ボイラーなどの部品類、リスト3ではプリント基板類、LED照明の添付具などが上位に挙がっている(添付資料参照)。

適用除外の効力はそれぞれの追加関税賦課が開始された日に遡及(そきゅう)して適用され、有効期間は本官報発表から1年間となる。よって、リスト1は2018年7月6日から、リスト2は2018年8月23日から、それぞれ2020年9月20日までとなる。リスト3のみ、有効期間が調整され、2018年9月24日から2020年8月7日までとなる。既に支払った関税の還付手続きについては、税関国境保護局(CBP)が今後、発表する。リスト3の適用除外申請のみ9月30日まで受け付けている。USTRは今後の審査結果の発表について、「定期的(on a periodic basis)」に行うと述べるにとどめている。リスト4の適用除外手続きは、9月20日時点で未発表だ。

USTR、米中次官級協議は生産的だったと評価

なお、USTRは同日のプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、9月19日から2日間にわたって開催されていた米中次官級の貿易協議について「協議は生産的で、米国は10月の高官級協議のために中国からの代表団を迎えることを心待ちにしている」と簡潔に総括した。今回、米国側はジェフリー・ゲリッシュUSTR次席代表、中国側は廖岷財政次官が代表者を務めた。中国側の代表団は、協議の翌週に米国農家の視察を予定していたが、急きょ中止になるなど、今後の協議の行方は不透明という見方もあるが、米中双方は現状で協議を継続する意向を示している。

(注1)リスト1の品目別適用除外制度の概要については2018年7月12日記事を、リスト2の制度概要については2018年9月19日記事を、リスト3の制度概要については2019年6月24日記事を参照

(注2)リスト1に関する1度目の適用除外対象品目の発表は2018年12月28日(2019年1月4日記事参照)、2度目は3月25日(2019年3月28日記事参照)、3度目は4月18日(2019年4月18日記事参照)、4度目は5月9日(2019年5月13日記事参照)、5度目は6月4日(2019年6月5日記事参照)、6度目は7月9日(2018年7月16日記事参照)。リスト2に関する1度目の適用除外対象品目の発表は2019年7月31日(2019年8月1日記事参照)。リスト3に関する1度目の適用除外対象品目の発表は8月7日(2019年8月7日記事参照)。

(磯部真一)

(米国、中国)

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