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  5. コラム:オーガニックワイン/自然派ワインについて

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ここイタリアでオーガニックワインを語る際に、自然派ワインを忘れることはできません。

ワインも他の製品同様、オーガニックの認証を出す企業がもちろん存在します。
オーガニックワインの定義は、ぶどうの栽培において有機農法であれば良いとされ、収穫後の醸造過程ではほとんど規制がなく、酸化防腐剤などの添加物を加えることが許されています。
一方、自然派ワインの定義については多くの異なった見解があり、あやふやで線引きが難しいところがありますが、大きなポイントとしてはぶどうの栽培からワインの醸造、瓶詰めの過程においても添加物を加えないこと、人工酵母を使わず収穫時にぶどうに付着している酵母やワイナリーに住み着く酵母など天然の酵母を使うこと、亜硫酸塩(SO2)の添加量がごく少量あるいは無添加であること、無着色・無添加であること、などがあげられます。また自然派ワインの多くの生産者は、無濾過で無清澄を行なっています。

亜硫酸塩の扱いについては様々な解釈がありますが、亜硫酸塩はワインの醸造過程で必ず発生するので、亜硫酸塩を全く含有していないワインは存在しないと言えます。ワインの保存において酸化防止、殺菌作用などの役割があります。亜硫酸塩の含有量の指標として、一般の赤ワインで150mg/l、白ワインで200mg/lまでが認められており、オーガニックワインではそれぞれ100mg/l〜150mg/lとしています。自然派ワインとなると30〜40mg/lまでと言われており、もちろん中には全く添加していないワインもあります。

ヴェネト州ヴィチェンツァの自然派ワインの生産者の一人、Alessandro Pialli(アレッサンドロ・ピアッリ)氏に話を伺いました。
同氏は2001年からぶどう畑をオーガニックへ転換し、2004年にオーガニックの認証を受けました。2007年には、Tai Rosso(タイロッソ)という土着品種の赤ワインの生産を開始しました。ワインのラベルにはオーガニック認証もあります。

― 自然派ワインを作ろうと思った経緯を教えてください。

畑の作業にマスクや手袋を使うのをみて疑問を抱いたことと、そうしてできたぶどうがどうして体にいいものであろうかと感じたからです。

― オーガニックの認証を取得されたのはなぜですか?

オーガニックの認証はぶどうが有機栽培なだけで、醸造については制限があまりないので重要とは思っていません。もしこの認証が醸造過程においてもきちんと規制があればより意味をなすものになったのでは、と思います。認証はインポーターなどからのリクエストがあったからです。例えば、北欧ではオーガニックロゴがあるのとないのとでは、消費者は概ねある方を選ぶという点で販売に役立っているとは思います。ただ、私のワインの年間生産本数は15,000本にも満たず、ほとんどが私のワインを、ワイン作りを知っている国内ディストリビューターやレストランへの販売で終わってしまいます。ですので特に必要は感じていません。

近年、別のぶどう畑をオーガニックへ転換し、土着品種Garganega(ガルガーネガ)の栽培を始めました。白ワインやスパークリングワインなどの生産もスタートする予定とのことです。

イタリア各地で一般的なワインのイベント以外に、オーガニックワインと言うよりはむしろ同氏が作るような自然派ワインの見本市が多く開かれています。

例えば、Vinnatur(ヴィンナトゥール)という見本市は、年に数回ローマやジェノヴァなどで開催されています。中でも毎年4月にヴェネト州のヴィチェンツァで開催される見本市は、会場が郊外で交通アクセスがあまりよくないにもかかわらず、イタリア国内はもとより世界中から多くの人たちが参加します。協会の審査基準(ワインの成分分析結果の提出等)に沿った生産者(イタリアをはじめ、フランス、スペイン、スロベニアなどの9カ国170以上)が参加・出展しました。

Vinnaturは2006年に自然派ワイン生産者たちの間で立ち上がった協会で、ぶどう畑をとりまく自然環境を守り、力を合わせていくことを目的とし、自然に配慮した革新的な技術の知識や経験、そしてその研究を共有していくためプロジェクトです。設立当時は65だった生産者も今日では190と増え、全生産者の所有するぶどう畑の総計は1,500haとなっています。そこで生産されるワインの本数はおおよそ650万本、うちイタリアが約500万本です。

協会の今後の動きとして、2019年を目処にVinnatur(ヴィンナトゥール)のロゴを自然派ワインの認証ともするよう取り組んでいます。