外資に関する規制

最終更新日:2021年09月23日

規制業種・禁止業種

特定分野への投資は、すべて国土情報省海外投資局(OIO)の承認が必要。一般分野については、外国人の総投資額が1億NZドル以上の場合、OIOの承認が必要。ただし、CPTPPにより、日本を含む同協定加盟国からの投資の場合、OIOの承認は総投資額が2億NZドル以上の場合に引き上げられている。

管轄官庁

国土情報省海外投資局(Overseas Investment Office:OIO, Land Information New Zealand
所在地:Level 7, Radio New Zealand House, 155 The Terrace, Wellington
郵便宛先:PO Box 5501, Wellington, New Zealand 6145
Tel:+64-7-974-5595
E-mail:customersupport@linz.govt.nz

OIOが海外投資規則を管轄し、次のウェブサイトで海外投資家向けに専門的資料を無料で提供し、申請をサポートしている。詳細は「投資促進機関」参照。

海外投資規制の概要と申請手続き

政府は、あらゆる国からの対内投資を歓迎・奨励し、規制は最小限にとどめるよう努めている。 OIOによる投資審査・認可制度があり、対象案件については、審査に要する時間と審査料がかかる。案件により、対内投資に関する政策立案の責務を負う財務相ならびに案件に関連する大臣によって最終判断・認可がなされる。
漁業を除けば、基本的にすべての産業分野で外国人(overseas person)による100%の所有が認められている。

政府は、2018年より海外投資法の改正に着手。新型コロナウイルスの感染拡大後、その影響によって企業価値が低下する中、国益に反する企業買収を防ぐ目的で、2020年6月16日に事前通知制度による国益審査が一時的に導入された。その後、2021年5月19日に改正案が議会を通過した。

新型コロナウイルスの影響による一時的措置

2020年6月16日、新型コロナウイルスの影響に鑑み、ニュージーランド政府は2005年海外投資法の緊急改正(emergency notification regime:ENR)を行い、投資額の大小に関わらず、ニュージーランド企業の25%以上の所有権、保有資産の25%以上の取得、既存の外国人所有権の拡大(50%、75%までへの、またはそれ以上、もしくは100%への拡大)をもたらす、すべての海外投資案件が一時的に「国益審査(national interest test)」の対象となった。

国家安全保障・公共秩序通知制度

その後、2021年5月19日に改正法案が可決され、大部分の改正が同年7月5日に発効した。それに先んじて同年6月7日からENRが終了し、より対象を絞った国家安全保障・公共秩序(national security and public order:NSPO)通知制度に置き換えられた。なお、この日付より前に締結された関連取引には、引き続きENRの内容が適用される。NSPO通知制度は、軍事や港湾・空港などのインフラ、重要な金融機関や大手メディアなど戦略的に重要な事業(strategically important businesses:SIB)」やその資産への投資に適用される。当局は、その投資が国家安全保障や公共秩序に重大なリスクをもたらす可能性がある場合は、投資の阻止や資産の処分、取引に条件を課すことができる。
なお、その他の改正は2021年11月24日以降に施行される見込み。
国土情報省:海外投資法の改正(Changes to the overseas investment legislation外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

海外投資申請(漁業割当て除く)

外国人がニュージーランドの重要資産(sensitive assets)に投資する場合には、事前に政府の認可が必要となる。ただし、免除が適用される場合は、認可を必要としない取引も存在する。
なお、外国人の定義は、個人(ニュージーランド国民ではなく、同国内に通常は居住していない)だけでなく法人(海外で設立された企業、もしくは海外居住者が25%以上所有・支配する企業)も含まれるほか、外国人の代理人として投資を行う場合も対象となる。
外国人が重要資産(センシティブな土地、重要なビジネス資産、漁業割当て)に関して次の行為を行う場合は、事前に政府の認可が必要となる。

  1. センシティブな土地や資産を取得する場合
  2. 機密性の高い重要資産を10年以上リースする場合
  3. 重要資産を所有しているニュージーランドの企業の株式や証券を取得すること、または既存の権益を一定以上に増やす場合
漁業割当て申請

「特別重要地」への投資に関しては財務相と国土情報相が、漁業割当て申請に関しては財務相と漁業相が責務を分担する。

1996年漁業法に次の事項を定めている。

  1. 外国人(もしくはその関係者)が漁獲割当て、漁獲割当ての権利、暫定漁獲歴、年間漁獲権を取得もしくは保持する場合は、免除または許可の取得が必要(漁業法第57条B)。
  2. 外国人が前項の免除、許可を得ていない場合、所有する漁獲割当て、漁獲割当ての権利、暫定漁獲歴、年間漁獲権を剥奪されることがある。
  3. 1996年漁業法での「外国人」と、2005年海外投資法での「外国人」とは同等で、漁獲割当て、漁獲割当ての権利、暫定漁獲歴、年間漁獲権を持つ法人の所有権を100%取得できる。
  4. 1996年漁業法に基づく許可

漁獲割当てへの対外投資申請の認可は次の要素を考慮し、大臣が決定する。

  1. 雇用機会の創出、あるいは失われる雇用機会の維持。
  2. 新しい技術やビジネススキルのニュージーランドへの導入。
  3. ニュージーランド輸出業者にとって、輸出収入の増加。
  4. ニュージーランドでの市場競争、より高い効率性あるいは生産性を付加。また、国内サービスの質向上。
  5. 重要な開発目的で、ニュージーランドへの追加投資導入。
  6. ニュージーランドでの魚介類、海草など加工処理の増強。

国内漁業関係者が当該割当ての取得を望まない、もしくは取得できない場合、漁業相は通常の割当て以上を外国法人に付与することがある。その場合、漁獲割当てが次の事項に及ぼす影響を考慮する。

  1. 新しい、もしくは既存のストック、種(しゅ)の開発
  2. 他の漁獲割当て獲得者、もしくは商業漁業従事者
  3. ストック、種の加工とマーケティング
  4. 申請者が他のストックや種を取得する能力
  5. 国内の漁業界や漁業界に属する人々の効率性
承認申請の所要期間

承認申請の所要期間は、通常、予算と同時に発表される業務処理予想報告書(Statement of Performance Expectations)によって毎年設定され、申請内容に誤りや不足がない場合、次の概算期間となる。

  • 個人が住むための住宅承認申請の90%は、10営業日以内に決定。
  • その他の承認申請(林業、新築物件、および個人以外が住むための住宅承認申請が含まれる)の90%は、50営業日以内に決定。

国土情報省:申請処理期間(Assessment timeframes外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

承認申請の費用

所定の手数料を支払った後OIOは審査を開始し、基準を満たす場合に認可を行う。
手数料は約4年ごとに見直され、最新の料金は2021年9月13日より適用される。なお、料金水準は申請書の提出日を基準とする。

海外投資認可後のモニタリングと罰則

OIOは、海外投資法への違反の可能性を調査する権限を有する。事前に認可の取得が必要な案件における申請漏れ(故意・過失問わず)、虚偽や不正確・不完全な情報の提供、情報提供に応じないなどの違反行為があった場合、次に示すような対応・制裁措置を講じる。また、違反行為に対する措置は、過去に遡って適用される。

  • 認可の取消
  • 取引の停止を求める裁判所命令
  • 資産処分命令
  • 民事訴訟や刑事訴訟(罰金や懲役含む)など
森林資産(Forestry assets

2018年海外投資修正法(Overseas Investment Amendment Act 2018)の2018年10月22日施行により、林業権にも一定の条件下で申請義務が発生する場合がある。
海外居住者(overseas person、法人を含む)が次の行為を行う場合、当局による事前の認可が必要になる。

  • 現在、林業用に植林されている土地、または林業用に使用される予定の土地を購入またはリースする場合。
  • 1年間に1,000ヘクタール以上の林業権へ投資する場合。

なお、面積が1,000ヘクタール未満、またはオーストラリアの市民や法人による購入には事前の認可は不要。

非居住者による住宅物件購入への規制

学生ビザ、就労ビザ、観光ビザなどの一時的や暫定的なビザの所有者や、ビザを保有していない外国人は、ニュージーランドで住宅を購入・建設して居住することはできない。
2018年海外投資修正法(Overseas Investment Amendment Act 2018)の2018年10月22日施行により、次の条件を満たす場合を除き、特定の外国人によるニュージーランドでの住宅物件購入が禁止になった。

  1. 居住住宅物件購入
    次のいずれかの条件を満たす場合は非在住者による居住住宅物件購入の申請を行うことができる。
    1. ニュージーランド永住権を保持者であるが現在ニュージーランドに居住していない。
    2. オーストラリア、またはシンガポール国籍保持者もしくは永住権保持者であり、現在ニュージーランドに居住していない。
    3. 次の項目の宣言を行い、実行する。
      • 申請を承認された日から、12カ月期間のうち、183日以上ニュージーランドに在住する。
      • ニュージーランド税居住者である、もしくは税居住者になる予定であり、今後も税居住者として在留する。
  2. 大規模な住宅開発を目的とした住宅地の購入
    次のいずれかの条件が満たされた場合、投資家(非居住者)は住宅地購入の申請を行うことができる。
    1. 通常のビジネス運営の一環として土地購入を行う。例として、遠隔地にて飛行場を運営しており、最寄りの町に適切な賃貸住宅等がなく社宅建設が必用な場合。
    2. 開発計画段階である、20世帯以上の複数階建ての積層集合住宅の購入。国土情報省海外投資局への申請が義務付けられ、居住は認められず、開発が完了した時点にて売却が義務付けられる。

      例外:免除証明書が発行されている大規模な住宅開発の開発者は最大60%の積層集合住宅を非居住者への売却が認められ、その際非居住者購入者は国土情報省海外投資局より承認の義務が発生しない。居住は認められないが、売却を行う必要はない。

    3. ホテル建設資金を確保する為に開発者が部屋を販売する場合がある。次の条件を満たしている場合、非居住者はOIOより購入承認の義務がなく、ホテルの部屋を投資物件として購入することができる。
      • 住居専用の土地に建設される。
      • 年間最大30日までの滞在が認められ、居住は認められない。
      • 滞在日以外はホテルと賃貸借契約を結び、賃貸として貸し出す。
      • 賃貸借契約が終了した際には、契約更新を行う、もしくは販売する必要がある。
    4. 居住以外の目的(例、スーパーマーケット建設)にて住宅地使用の場合、購入申請が可能となる。
    5. 住宅数を増やす目的にて住宅地購入の場合、購入申請が可能となる。最低1つ以上の住居の増設する必要がある。増設された住居に居住は認められない。20以上の住居建設を行い、株式持分、購入選択権付き賃貸、もしくは賃貸契約を行わない限り、売却する必要がある。
    6. 長期滞在施設の建設、もしくは長期滞在施設を増設する目的にて住宅地の購入の場合、建設後販売する義務がなくなる。長期滞在施設とは老人ホーム、学生宿舎にあたり、施設への滞在は認められていない。また、長期滞在施設として運営、もしくは運営委託を行っていない限り、開発の後販売する必要がある。

出資比率

外資比率制限はない。外国人が、1億NZドル以上の資産を有する企業の所有権ないしは支配的権益の25%以上を取得する場合、OIOの認可が必要。

「外国人」は特定のニュージーランドの財産、資産、土地の取得、あるいは25%以上の所有権を得るには、認可を取得しなければならない(2005年海外投資法)。

外国人の規定

法令では次の者を「外国人(overseas person)」とみなす。

  1. ニュージーランドの市民または居住者でない個人
  2. 海外の法人組織(Body Corporate)、もしくは海外の法人組織が25%以上所有する組織
  3. 外国人が25%以上の株式または強制力、もしくは強制権・執行権を持つ組織(Body Corporate
  4. 外国人が25%以上の出資あるいは議決権を持つパートナーシップまたは合弁事業
  5. 25%以上の受託者もしくは受益者が外国人、または受託者もしくは受益者の25%以上の改定ができる権利を有する外国籍の信託(トラスト)
  6. 管理人あるいは受託者が非居住者、または非居住者が25%以上の受託利益を保有するユニット・トラスト(契約型オープンエンド型の投資信託)

土地以外への投資

土地以外への投資については、外国人は次の場合に許可を得なければならない。

  1. 外国人が、資産価値1億NZドルを超える国内企業の25%以上の所有権または支配権を獲得する場合
  2. 新規事業設立費用が1億NZドルを超え、年間90日以上ビジネスを行う場合
  3. 外国人が、25%以上の所有権または支配権を持ち、追加獲得により価値が1億NZドルを超える場合
  4. ビジネスを継続するための資産購入代金が1億NZドルを超える場合

外国企業の土地所有の可否

特定地域を除き、制限はない。ただし、農地は、ニュージーランド人に購入優先権がある。

外国人の土地所有

外国人が25%以上の所有権または支配権を得る場合、あるいは既に25%以上の所有権または支配権を持っている者がその所有権を拡大する場合、OIOの許可が必要。
農地(森林を除く)の販売は、厳格な規定に則り公開市場での公示が必要。公示後、一定期間中にニュージーランド人の購入希望者がいなければ、外国人の購入が可能。

  • 国土情報省:農地の外国人所有規制(Farm land外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
例外措置

農地を含む特別重要地である場合、農地(もしくは農地証券)は公開市場において、最初にニュージーランド人に提供されなければならない。しかし、2017年2月1日以降、この規定は次の場合に該当しない。

  1. 20年以上の期間に及ぶ農地の貸付、もしくは他の(自由保有権を持つ地所以外の)利権を獲得する場合。
  2. 農地証券が個人によって獲得される場合で、特別重要農地において、その人が所有もしくはコントロールしている(地役権以外の)利権が貸付のみ、もしくは20年以上の期間に及ぶ他の(自由保有権をもつ地所以外の)利権のみである場合。

その農地が取引における獲得日の20年前に、海外投資された特別重要地だった場合、新しい例外規定は、その取引の認可が下りた場合にのみ当てはまる。

取得に許可を要する土地
  1. 付随する土地も含めた面積が5ヘクタールを超える土地
    ただし、次の島の場合は、0.4ヘクタールを超える土地。
    アラパワ島、ベスト島、グレート・バリア島、グレート・マーキューリー島、ジャケット島、カワウ島、マタカナ島、メイヤー島、モティティ島、モトゥホア島、ラキノ島、ランギワエア島、スリッパー島、スチュワート島、ワイヘケ島、ファンガヌイ島(チャタム諸島については、面積に関係なく許可を要する)
  2. 浜辺、湖、保留地
    • 付随する土地も含めて面積が0.4ヘクタールを超え、保留地、湖を含むかそれに隣接する土地
    • 付随する土地も含めて面積が0.2ヘクタールを超え、浜辺、湖畔を含むかそれに隣接する土地
    • 湖底、あるいは面積0.4ヘクタールを超える土地で、保留地として規定される、自然保護管理目的とされる、歴史的伝統的地域とみなされる土地
認可取得免除措置

所有権、支配権が外国人に移転せず、次にあてはまる場合には認可取得を要しない。

  1. 最終受益者の変更がない
  2. 株式譲渡のように譲渡可能な資産
  3. 合併に係わる譲渡
  4. 現金のみに償還できる償還優先株式の取得
  5. 信託(トラスト)内の譲渡
  6. 死亡した者の財産が海外の受益者に譲渡される
  7. 信託(トラスト)の資産の海外の受益者への譲渡
  8. 担保契約の取得
  9. 担保契約が執行された結果として譲渡される財産
  10. 担保契約の解除
  11. 契約者の最低75%がニュージーランド国籍者、または居住者である生命保険ファンドを通して、外国人が不動産や有価証券に投資した場合
  12. 加入者の75%以上がニュージーランドの市民、もしくは居住者である年金制度の管理者の獲得
  13. ニュージーランド人と婚姻関係(事実婚を含む)にあり、資産を共有している外国人による関係資産の獲得
  14. 婚姻関係解消の結果獲得した不動産
  15. 引受人による有価証券の発行の引受け
  16. 既に例外措置が承認されている既存の有価証券の更なる取得(追加有価証券の総額は、既存証券の5%以内であること)

2016年海外投資改正規定第二規則が2017年2月1日に発効し、特定の財産(特別重要地含む)を獲得する場合に、OIO認可の要求事項に新たな免除措置が加えられた。

財産に対する免除措置が、最も利益をもたらすと思われる分野は次のとおり。

  1. 既存の利権の再交付 – 外国人が所有もしくは取引し、他に利権を持っている人がいない特別重要地の利権が3カ月以内に再交付される場合
  2. 以前許可を受けた土地における外国人間での取引
  3. 公共事業条例が関係する財産の取得

加えて、海外の管理人が管理団体の資産を管理しているとの理由だけで、外国人と定義付けされている特定の財産管理団体、特に上場企業にはこの新しい免除措置は有益となる。

この免除措置は、2017年2月1日以降に発生した取引にのみ適用され、広範囲に及んでいるように見受けられるが、各免除措置には様々な条件がある。取引が免除措置の適用を受けられるかどうかは、個々の事案ごとに判断される。

資本金に関する規制

有価証券は重要な事業資産とされることがあり、2005年海外投資法によって管理される。

1億NZドル以上の価値を持つ有価証券の取得には認可が必要。次のものを含む。

  • 対象会社ならびに25%以上の株式を持つ子会社の税引前の総価格
  • 物品・サービス税(GST)(必要な場合)

認可を得るには、次の事項を含む対象会社の有価証券に関する情報をOIOに提出する必要がある。

  1. 取得する株式の種類(クラス)
  2. 種類別の取得数
  3. それぞれの種類に附帯している権利

OIOは、獲得しようとしている有価証券について、次の情報の提出を義務付けている。

  1. 有価証券の種類ごとの所有数と、申請者もしくはその提携者(どちらか1人か、ともに)が獲得予定の有価証券の種類別構成比。
  2. 有価証券の支払い総価額。
  3. 獲得予定の有価証券が、既存の証券か、新規発行の証券か。

さらに次の付加情報:

  1. 対象会社とその25%以上の子会社の税引前の総資産額。
  2. その獲得にかかる資金の調達方法。
  3. 有価証券獲得にかかわる同意書すべてのコピー。
  4. 獲得後に、申請者がかかわるビジネスの一般的な説明。

その他規制

政府調達において、国産品の使用を義務付ける等の規制はない。