第2弾の海外投資法改正の政策原案を発表

(ニュージーランド)

オークランド発

2019年12月09日

2020年9月のニュージーランド総選挙前までに、2回目の海外投資法改正を目指すアーダーン連立政権は11月19日、同法改正に係る政策原案外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。デビット・パーカー財務副大臣は発表の中で、ニュージーランドの国益を守るために、海外からの投資に対して新たな審査の「国益審査(national interest test)」を導入する意向を示した。政府は、2020年初頭の法案提出を目指す。

既存法下においても、特定分野へ投資する場合は「利益審査(benefits test)」や「投資家審査(investor test)」を経て、国土情報省海外投資局(OIO)の承認が必要とされてきたが、今回の法改正では(1)外国政府またはその関連団体が投資先企業の10%以上の株式などを有する場合、(2)国家安全保障上のリスクが懸念される投資の場合、(3)港湾、空港、通信、電力、上下水道、メディア、国防関係など重要なインフラや産業に関する投資の場合は、新たに「国益審査」の対象となる。また、違反した場合の罰則も強化され、法人に対する罰金額は従来の30万ニュージーランド・ドル(約2,130万円、NZドル、1NZドル=約71円)から、1,000万NZドルに引き上げられる。

他方、申請手続きや審査は一部が簡素化される。センシティブな土地(注)や漁業権を取得する際の利益審査においては、既存の21の審査項目を精査する(ただし、水源を取得しての飲料水事業は除く)。また、同様にセンシティブな土地を取得する際の投資家審査は、ニュージーランド人および過去に同テストを受けた外国人については状況の変化がない限り、免除される。

(注)水源、住宅、郊外の5ヘクタール以上の土地などのこと。

(奥貴史)

(ニュージーランド)

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