外資に関する奨励
最終更新日:2025年09月18日
奨励業種
投資支援機関には、ニュージーランド貿易経済促進庁(NZTE)、企業・技術革新・雇用省(MBIE)、第一次産業省(MPI)、社会開発省(MSD)管轄下の就労・所得支援部門、ニュージーランド・グロース・キャピタル・パートナーズ(NZGCP)などがある。映画産業や石油探査事業には、税制上の奨励措置や助成金がある。
管轄官庁
ニュージーランド貿易経済促進庁(New Zealand Trade and Enterprise:NZTE
)
同庁はニュージーランドへの投資に関する様々な情報やサポートを提供しており、その2023/24年度の年次報告書によると同年度の投資機会案件は総額で140億NZドル規模であったが、実際にニュージーランド国内に投資された金額は15億NZドルに留まった。また、2020~2024年における資本調達のサポート実績は、437件であった。
同庁の公式ウェブサイト上の「Live Deals
」ページから最新の投資機会を検索できる。
企業・技術革新・雇用省(Ministry of Business, Innovation & Employment:MBIE
)
第一次産業省(Ministry for Primary Industries:MPI
)
農林省、水産省、食品安全機関が合併した官庁。
一次産業の輸出機会の最大化、セクターの生産性向上、持続可能な資源利用、生物への影響リスクからの保護等により、ニュージーランドの成長と保護を目的とする。
- 第一産業省:各種財政支援および農村部に対する支援プログラム(Funding and rural support
)
社会開発省の就労・所得支援部門(Work and Income, Ministry of Social Development
)
高い技術を必要としない仕事の紹介と援助を提供。
- 雇用者向け情報(Employers
)
ニュージーランド・グロースキャピタル・パートナーズ(New Zealand Growth Capital Partners:NZGCP
)
高度成長の可能性がある企業の起業時に資金を提供。
ニュージーランド貿易経済促進庁、企業・技術革新・雇用省については、「投資促進機関」参照。
奨励業種と優遇措置
石油探査と鉱業
石油探査に向けた投資を促進するため、資源が発掘される場合は、2007年所得税法副区分DT、EJ12~18により、石油探査費用を控除。
炭鉱会社は2007年所得税法副区分DUにより、負担年限を通してすべての探査開発費用を控除。鉱業(石油)改正法が2018年11月13日に施行され、タラナキ陸内(Taranaki Onshore)盆地以外での新しい石油探査は禁止されることになった。
- ニュージーランド法規サイト:石油事業・鉱業の税控除の法規定(Income Tax Act 2007:Petroleum mining
)
- ニュージーランド法規サイト:鉱業(石油)改正法(Crown Minerals (Petroleum) Amendment Act 2018
)
- 企業・技術革新・雇用省:鉱業法の概要(Crown Minerals Act regime
)
- 企業・技術革新・雇用省:石油と鉱物事業の認可発行(New Zealand Petroleum & Minerals
)
映画産業
映画制作産業の進展を図るため、1980年初期から特別税形態を採用。奨励措置には、映画制作費用の促進控除、映画制作助成制度などがある。
New Zealand Screen Production Grant(NZSPG)が2014年4月1日に発効し、これ以降に撮影が開始された映画制作(アニメーションの場合は原画制作)に適用されていた。
2023年8月31日以降に撮影を開始する映画制作については、制度名が「New Zealand Screen Production Rebate(NZSPR)」に変更され、内容も見直された。
NZSPRは、認められるニュージーランドの映画制作費の一定レベルを満たす制作会社に、現金による還付が行われる。なお、NZSPR(旧NZSPG)は何度か変更されており、最新の変更は2023年11月1日導入の要件に基づく。
2024年8月時点で、1作品当たりの具体的な還付額は次のとおり。
- 条件を満たす海外映画の制作費のうち、ニュージーランド国内で発生した費用(QNZPE)の20%(2023年11月1日に導入した「ニュージーランド経済に資すると認められる」追加条件を満たす場合、さらに%を上乗せ)。
- 条件を満たすニュージーランド本土映画の制作費の40%。
ニュージーランドフィルム委員会:
-
Filming in New Zealand
-
Incentives & Co-Productions
-
NZSPR - New Zealand Screen Production Rebate for International Productions
-
日本語サポートページ
輸出産業支援
外務貿易省は輸出産業を促進するため、輸出市場に適した製品・サービスの開発に関連して専門家による指導と支援を提供している。
- 外務貿易省:製品開発(Product development
)
各種優遇措置
ニュージーランドでの投資には、資本の流出入に制限はなく、原料の輸入関税無税等の措置がある。
新規移民を含め過去10年間に一度もニュージーランドの税務居住者となったことがない場合は「transitional tax resident」と認定され、ニュージーランド納税者と認定されてから4年(暫定期間)は国外受動収入に関して控除がある。
- 歳入庁:国外受動収入等の暫定期間税控除(Temporary tax exemption
)
投資促進税控除制度(Investment Boost
)
2025年5月22日から導入され、ニュージーランド国内で事業を行うすべての企業・事業者を対象に、新しく購入、またはニュージーランドに新規導入した事業用資産に対して、購入額の20%を即時経費として控除できる制度。残りの80%については、従来どおり減価償却(depreciation)を通じて複数年にわたり控除する。
- 対象となる資産
- 新規の事業用資産(ニュージーランドにとって新しい資産も含む)
- 商業・工業用の新築建物
- 減価償却可能な資産の改良(住宅建物を除く)
- 一次産業用の土地改良
- 石油開発・鉱業関連の開発費による資産(ただし権利や許可証は除外)
- 事業用と私用が混在する資産(mixed-use asset)は按分した対象
- 対象外
- ニュージーランド国内で調達した中古資産
- 住宅用賃貸建物
- 使用期間が決まっている無形資産(特許権など)
その他
特になし。




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