日本からの輸出に関する制度

水産物の輸入規制、輸入手続き

米国の輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2018年9月

東京電力福島第一原子力発電所事故の影響により、米国政府は、日本で出荷制限措置がとられた品目について、県単位で輸入停止措置を講じるとともに、その他の品目については、米国の食品安全基準に違反していないことの証明、または米国側でのサンプリング検査などを課しています。輸入警告(インポートアラート)は米国保健福祉省・食品医薬品局(FDA)のウェブサイトで公開されていますが、その内容は頻繁にアップデートされているため、注意が必要です。

2. 施設登録、商品登録、輸入許可等(登録に必要な書類)

調査時点:2018年9月

(1)施設登録・事前通知

許可やライセンス、商品の登録などは特に必要ありませんが、FDAへの食品関連施設登録と事前通知などが必要です。

関連リンク

その他参考情報
食品施設登録外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
事前通知外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

(2)水産物輸入監視制度(U.S Seafood Import Monitoring Program:SIMP)

米国への水産物の輸入に関し2018年1月から水産物輸入監視制度(SIMP)が施行されました。このSIMP制度により、特定の水産物(優先魚種)が米国に輸入される場合、日本企業は同制度に基づき漁獲情報や輸出証明書などを、輸入事業者(Importer)を通じて米国当局へ提供・報告することが義務付けられ、事前に対応することが不可欠となります。
(*)なお、米国を原産国とする特定の優先魚種を加工用原料として使用した水産加工品を米国へ輸出する場合にも、この水産物輸入監視制度の対象となります。

概要
米国海洋大気庁(NOAA:National Oceanic Atmospheric Administration)は、2016年12月9日に水産物輸入監視制度(SIMP)を設立する最終規則を公表しました。SIMPは、特定の魚介類製品の米国への輸入について、違法、無報告、無制限(IUU=Illegal, Un-reported, Un-regulated)の漁業を撲滅するために、必要な漁獲報告および記録保持要件を定め、偽装された水産物が米国に輸入されることを防止することにより、米国経済、世界的な食糧安全保障および海洋資源の持続性を目的とするものです。
水産物輸入監視制度(SIMP)は、IUU漁業、または水産物偽装のターゲットとなりやすい特定の優先魚種の輸入について、漁業許可、漁獲報告および記録保持要件を定めています。これらの収集されたデータにより、合法的に漁業生産されたかを証明し、これらの優先魚種が米国へ輸入される時点で、漁獲から流通までトレースすることを可能にしようとするものです。
優先魚種別一覧
※米国関税率表(United States Harmonized Tariff Schedule:HTS)における当該規制の対象品目のHTSコードについては、「米国水産物輸入監視制度(SIMP)の対象品目一覧表」を参照。
  1. アワビ(Abalone
  2. 大西洋タラ(Atlantic Cod
  3. ワタリガニ(大西洋)(Blue Crab
  4. シイラ(マヒマヒ)(Dolphinfish
  5. ハタ類(Groupers
  6. タラバガニ(レッドキング)(King Crab
  7. 太平洋タラ(Pacific Cod
  8. レッドスナッパー(タイ類)(Red Snappers
  9. ナマコ(Sea Cucumber
  10. サメ類(Sharks
  11. エビ(Shrimp
  12. メカジキ(Swordfish
  13. マグロ類(ビンナガ、メバチ、カツオ、キハダ、クロマグロ)(Tunas
執行
水産物輸入監視制度(SIMP)に記載されている優先魚種で、エビとアワビを除くものは2018年1月1日から義務化されています。次にエビとアワビは、2018年4月23日付け米国海洋大気庁(NOAA)の告知により、2018年12月31日から義務化(2019年4月1日までは移行期間)されました。輸入品についても同じ順守日です。
収集される情報
  1. 漁獲または生産者
    • 漁獲船舶の船名と旗国
    • 漁業権の証拠(許認可番号)
    • 特定可能な船舶識別名(もしあれば)
    • 養殖施設の名称
    • 漁具の種類
    漁獲海域(または漁場)および漁具の種類は、管轄する所管官庁が使用する報告規則およびコードに従っての記載を要します。報告要件が存在しない場合は、食糧農業機関(FAO)の海域(または漁場)と漁具コードの使用を推奨します。
    • 魚の種類‐水産科学漁業情報システム(ASFIS)3アルファコード
    • 水揚げ日
    • 最初の水揚げ地
    • 水揚時の水産物の形態- 製品の数量および重量
    • 天然または養殖による漁獲水域
    • 当該の魚の水揚先または配送先(加工事業者)の名称
  2. 登録輸入者
    • 名前、所属、連絡先
    • NOAA漁業は国際漁業貿易許可証(IFTP)番号を発行
    • 輸入者は、上記の情報についての記録を保管する責任を持つ。
    • 水産物の洋上転載に関する履歴情報(漁船名、船荷証券、船荷目録)
    • 製品の加工処理、再加工処理、混載に関する記録

(3)全米貝類衛生プログラム(National Shellfish Sanitation Program:NSSP)

加工されていない(※)二枚貝(カキ、アサリ、またはムール貝など)を米国に輸入する場合には、貝類の衛生管理を促進および改善することを目的とした全米貝類衛生プログラム(National Shellfish Sanitation Program:NSSP)を順守するとともに、同プログラムの登録リスト(Interstate Certified Shellfish Shippers List:ICSSL)に掲載される必要があります。2017年11月時点で、日本はICSSLに含まれていないため、加工されていない二枚貝の輸出はできません。ただし、ホタテ貝柱については、「二枚貝」の定義から外れているため、日本からの輸出が可能です。

※次のいずれの状態でもNSSPの対象となる。

  1. 剥いたもの、または殻付きのもの
  2. 生のもの(水揚げ後処理も含む)
  3. 冷凍されたもの、または冷凍されていないもの
  4. ホール、またはその一部

(4)密封容器入りの低酸性缶詰と酸性化食品

また、次のカテゴリに入る水産加工品については、輸入前の手続きが必要なため確認してください。

密封容器(レトルトパッケージや缶詰など)入りの低酸性缶詰(常温流通)と酸性化食品(常温流通)
  • 水分活性が0.85より高く、pHが4.6より高い、密封・常温で流通する食品は、低酸性缶詰食品として、連邦規則集21巻パート108(21CFR Part108)および同パート113(21CFR Part113)が適用されます。当該食品を製造/加工、梱包する施設は、食品缶詰施設登録様式FDA-2541、またはFDA産業システム(FDA Industry Systems)により施設登録を行う必要があります。また、それぞれの食品、容器の大きさと種類、製造方法ごとに、殺菌条件などの製造工程に関する情報を様式FDA-2541dもしくは2541f,2541gなどの適切なフォームによってFDAに提出しなければなりません。
  • 水分活性が0.85より高く、酸または酸性食品を加えることによりpHを4.6以下の低酸性状態にした加工食品を密封・常温で流通する商品は、酸性化食品として、連邦規則集21巻パート108(21CFR Part108)および同パート114(21CFR Part108)が適用されます。当該食品を製造/加工、梱包する施設は、食品缶詰施設登録様式FDA-2541、またはFDA産業システム(FDA Industry Systems)により施設登録を行う必要があります。また、それぞれの食品、容器の大きさと種類、製造方法ごとに、殺菌条件などの製造工程に関する情報をFDAに提出しなければなりません。
なお、一貫して冷蔵または冷凍で保存・流通させる場合は、前述の届出や承認は不要です。

さらに、FDAへの施設登録と事前通知などが必要となります。米国に輸出する前に、輸出業者、現地の輸入業者、通関業者などに輸入の適否を確認する必要があります。

3. 動植物検疫の有無

調査時点:2018年9月

米国に輸入される水産物についてはFDAの所管となり、連邦規則集第21巻パート123(21CFR Part 123)およびバイオテロ法(the Public Health Security and Bioterrorism Preparedness and Response Act of 2002(The Bioterrorism Act))などの法律が適用されます。そのため輸入通関地において、FDAによる食品検査が行われる場合もあります。さらに当該検査を効率的、より確実にすることを目的として、貨物が米国に到着する前の一定期間までに、FDAに対し貨物の重要情報を輸出ごとに事前通知する義務が課されています。

米国への水産物の輸入には、米国農務省・動植物検疫局(APHIS)からの輸入許可取得は課されていません。ただし、水産加工品の場合には、その輸入にもAPHISからの輸入許可取得は課されていないものの、水産物としての規制に加え、加工食品としての規制も適用されるため注意が必要です。また、品目ごとに要件が異なる場合があるため、FDAのウェブサイトなどで詳細の確認が必要です。

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