日本からの輸出に関する制度

水産物の輸入規制、輸入手続き

品目の定義

本ページで定義する水産物のHSコード

0302:
魚(生鮮、冷蔵。第0304項のものを除く。)
0303:
⿂(冷凍。第03.04項のものを除く。)
0304:
⿂のフィレその他の魚肉(生鮮、冷蔵)
0305:
⿂(乾燥、塩蔵、塩水漬け、くん製)、食用の魚粉等
0306:
甲殻類(活、生鮮、冷蔵、乾燥、塩蔵、塩水漬け、くん製等)、食用の甲殻類の粉等
0307:
軟体動物(活、生鮮、冷蔵、乾燥、塩蔵、塩水漬け、くん製)、食用の軟体動物の粉等
0308:
水産無脊椎動物(活、生鮮、冷蔵、乾燥、塩蔵、塩水漬け、くん製。0306および0307を除く。)、食用の水産無脊椎動物の粉等(0306および0307を除く。)
0309:
魚並びに甲殻類、軟体動物及びその他の水棲無脊椎動物の粉、ミール並びにペレット(食用に適するものに限る。)
1604:
魚(調製しまたは保存に適する処理をしたもの)、キャビアおよびキャビア代用物
1605:
甲殻類、軟体動物およびその他の⽔棲無脊椎動物(調製しまたは保存に適する処理をしたもの)

具体的な製品の内容により異なる場合があるため、詳細は必ず確認してください。

関連リンク

米国の輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2024年1月

米国政府は、水産物の輸入に際し、米国の食品安全基準やラベル規制などに準拠していることの証明、米国側でのサンプリング検査などを課しています。準拠していないと判断されると出荷物が拘留されるため注意が必要です。輸入警告(インポートアラート)は米国保健福祉省・食品医薬品局(FDA)のウェブサイトで公開されていますが、その内容は頻繁にアップデートされているため、注意が必要です。

2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)

調査時点:2024年1月

水産物の輸出に際して、米国海洋大気庁(NOAA)がかかわるものとそれ以外のものがあります。次の1.から4.の4つはNOAAにかかわるもので、NOAA関係以外のものは次の5.から7.があります。

1. 水産物輸入監視制度(U.S Seafood Import Monitoring Program:SIMP)

特定の水産物(優先魚種)を米国に輸入する場合、輸入事業者(Importer)を通じて漁獲情報や陸揚げ情報などを米国当局へ提供・報告することが義務付けられています。
*なお、米国を原産国とする特定の優先魚種を加工用原料として使用した水産加工品を米国へ輸出する場合にも、この水産物輸入監視制度の対象となります。

概要

米国海洋大気庁(NOAA:National Oceanic Atmospheric Administration)は、2016年12月9日に水産物輸入監視制度(SIMP)を設立する最終規則を公表しました。SIMPは、特定の魚介類製品の米国への輸入について、違法、無報告、無制限(IUU=Illegal, Un-reported, Un-regulated)の漁業を撲滅するために、必要な漁獲報告および記録保持要件を定め、偽装された水産物が米国に輸入されることを防止することにより、米国経済、世界的な食糧安全保障および海洋資源の持続性を目的とする制度です。

SIMPは、IUU漁業、または水産物偽装のターゲットとなりやすい特定の優先魚種の輸入について、漁業許可、漁獲報告および記録保持要件を定めています。これらの収集されたデータにより、合法的に漁業生産されたかを証明し、これらの優先魚種が米国へ輸入される時点で、漁獲から流通までトレースすることを可能にしようとするものです。

優先魚種一覧
※米国関税率表(United States Harmonized Tariff Schedule:HTS)における当該規制の対象品目のHTSコードについては、「米国水産物輸入監視制度(SIMP)の対象品目一覧表」を参照。
  • アワビ(Abalone)
  • 大西洋タラ(Atlantic Cod)
  • ワタリガニ(大西洋)(Blue Crab)
  • シイラ(マヒマヒ)(Dolphinfish)
  • ハタ類(Groupers)
  • タラバガニ(レッドキング)(King Crab)
  • 太平洋タラ(Pacific Cod)
  • レッドスナッパー(タイ類)(Red Snappers)
  • ナマコ類(Sea Cucumber)
  • サメ類(Sharks)
  • エビ類(Shrimp)
  • メカジキ(Swordfish)
  • マグロ類(ビンナガ、メバチ、カツオ、キハダ、クロマグロ)(Tunas)

※NOAAは2022年12月に、優先魚種の拡大を含む規則案を提案していましたが、パブリックコメントの結果を踏まえ、当該規則案は2023年11月に撤回されました。

執行
水産物輸入監視制度(SIMP)に記載されている優先魚種で、エビ類とアワビを除くものは2018年1月1日から義務化されています。次にエビ類とアワビは、2018年4月23日付け米国海洋大気庁(NOAA)の告知により、2018年12月31日から義務化(2019年4月1日までは移行期間)されました。輸入品についても同じ順守日です。
収集される情報
  1. 漁獲または生産者
    • 漁獲船舶の船名と旗国
    • 漁業権の証拠(許認可番号)
    • 特定可能な船舶識別名(もしあれば)
    • 養殖施設の名称
    • 漁具の種類

    漁獲海域(または漁場)および漁具の種類は、所管する所管官庁が使用する報告規則およびコードに従っての記載を要します。報告要件が存在しない場合は、食糧農業機関(FAO)の海域(または漁場)と漁具コードの使用が推奨されています。

    • 魚の種類‐水産科学漁業情報システム(ASFIS)3アルファコード
    • 水揚げ日
    • 最初の水揚げ地
    • 水揚げ時の水産物の形態- 製品の数量および重量
    • 天然または養殖による漁獲水域
    • 当該の魚の水揚げ先または配送先(加工事業者)の名称
  2. 登録輸入者
    • 名前、所属、連絡先
    • NOAA漁業は国際漁業貿易許可証(IFTP: International Fisheries Trade Permit)番号を発行(なお、国際漁業貿易許可証は毎年更新する必要があります。米国居住の輸入業者、輸出業者、または代理人が、NOAA 漁業許可(NOAA Fisheries Permits)のページからオンラインで申請可能です。)
    • 輸入者は、これらの情報についての記録を保管する責任を持つ。
    • 水産物の洋上転載に関する履歴情報(漁船名、船荷証券、船荷目録)
    • 製品の加工処理、再加工処理、混載に関する記録

2. ドルフィンセーフ認証制度

ツナ缶の原料になるマグロやカツオが、イルカをはじめとする海産哺乳類にダメージを与えずに漁獲されたことを証明する必要があります。このプログラムの条件を満たす原料を使用したツナ缶は「ドルフィンセーフ・ラベル」を貼付することが許されます。ラベルの貼付自体は販売上必須ではありませんが、ドルフィンセーフ制度に対応・準拠していない場合にはマグロ・カツオ類を米国に輸出することはできません。ただし、生鮮は対象外です。

※マグロ・カツオ類を「ドルフィンセーフ」として米国に輸出するには、米国NOAAが定める様式「漁業起源証明書」(Fisheries Certificate of Origin:NOAA Form 370)と、それに対応した「船長による保証陳述書」(Captain’s Statement)を提出する必要があります。船長はNOAAが公開しているテキスト「船長用イルカ無害研修コース」を受講する(読む)必要があります。
保護の対象となるのは、マイルカ類(いわゆる典型的なイルカの仲間)のすべての種類になります。

認証対象になる魚種および製品のHSコードは関連リンクを参照してください。

3. ウミガメ保護のためのエビ輸入法(エビ・カメ法)

1989年11月21日に制定された公法101-162、セクション609(16 U.S.C. 1537)により、ウミガメに悪影響を与える可能性のある商業漁業技術で収穫されたエビは米国に輸入することができません。
米国国務省がこの法律の主要な実施機関であり、NOAAが技術顧問を務めています。

エビ輸入法では、絶滅危惧種であるウミガメの保護のため、天然エビの底引き網採取において、ウミガメの混獲の可能性がない物のみを輸入許可します。水産庁では北海道の一部海域で採取されたエビ(カメのいない冷水域であること)と養殖エビ(漁獲前日までに30日以上飼育)についてのみ証明書を発行し輸出が許可されています。

4. 海産哺乳類を混獲する漁業による水産物の輸入規制(海産哺乳類保護の混獲削減プログラム):2026年1月から開始

1972年に施行された海産哺乳類保護法(MMPA: Marine Mammal Protection Act)は、国際的な商業漁業に伴う海産哺乳類(クジラ、イルカ、アザラシなどの海に棲息する哺乳類)の混獲を減らすことを目的としており、2017年1月1日に施行された米国海産哺乳類保護法に基づく輸入規制により、米国に魚や水産物を輸出する外国の漁業に対して海産哺乳類の混獲を一定水準以下にするように求めており、米国と同等の混獲削減措置(米国は監視員の乗船、混獲上限の設定、漁具の改良等を実施している)を導入していない漁業によって漁獲された水産物の輸入を禁止しています。外国の漁業国が米国のプログラムに匹敵する有効な規制プログラムを構築する時間を与えるため、輸出国には2025年12月31日までの猶予期間を設定しています。
この猶予期間の間に、(1)外国漁業の特定、(2)海産哺乳類の規制プログラムの構築、および(3)米国の基準との同等性の認定(当該漁業において海産哺乳類の混獲に対する対応が米国と同等であると認められること)、を実施すること、としており、水産物および水産加工品を米国に輸出する国に対する規制の構築とその進捗を米国へ報告することを義務付けています。
NOAAは、輸出国における海産哺乳類の混獲レベルに基づき外国漁業リスト(LFF: List of Foreign Fisheries)を作成しており、米国に水産物や水産加工品を輸出する漁業国について、当該国の漁業が「輸出漁業」または「免除漁業」に該当するかを確認することができます。「輸出漁業」とは、海産哺乳類の混獲がほとんどあり得ないとは言い切れない、もしくは海産哺乳類への影響に関する情報が不十分な漁業のことを指し、「免除漁業」とは、海産哺乳類の混獲がほぼあり得ない漁業を指します。
各国は2021年11月30日までに同等性認定申請書を提出し、2022年12月31日までに、米国に魚や水産物を輸出するための商業漁業に関する同等性認定を受けることとなっていましたが、猶予期間を2025年末まで延長し2026年1月から施行する旨が2023年11月17日に公表されました。米国が申請国の漁業において米国と同等の混獲削減措置が導入されていないと判断した場合には、当該漁業で漁獲された水産物および水産加工品の対米輸出が不可となります。また、混獲の恐れがあると判断した場合や、混獲の恐れはないものの米国が特定するHSコードに対象の水産物および水産加工品が含まれる場合には、禁輸漁業の漁獲物が含まれていないことを証明する認容証明書の提出が必要となります。

このほか、NOAAが関係する以外では、次のものがあります。

5. 施設登録・事前通知

許可やライセンス、商品の登録などは特に必要ありませんが、FDAへの食品関連施設登録と事前通知が必要です。

【FDA食品施設登録】
バイオテロ法により、米国内でヒトや動物の消費に供するための食品を製造/加工・梱包・保管する米国内外の施設の所有者、経営者またはエージェントは、FDAに食品関連施設を登録することが義務付けられています。さらに食品安全強化法により、登録は偶数年の10月1日から12月31日の間に更新することが義務付けられています。

【FDA向け事前通知】
食品の到着までに事前通知を提出する必要があります。(連邦規則集第21巻第1.279(c):21 CFR 1.279(c))

6. 全米貝類衛生プログラム(National Shellfish Sanitation Program:NSSP)

次の(1)~(4)に該当する(※)二枚貝(カキ、アサリ、またはムール貝など)を米国に輸出する場合には、貝類の衛生管理を促進および改善することを目的とした全米貝類衛生プログラム(National Shellfish Sanitation Program:NSSP)を順守するとともに、同プログラムの登録リスト(Interstate Certified Shellfish Shippers List:ICSSL)に掲載される必要があります。2024年1月時点で、日本はICSSLに含まれていないため、加工されていない二枚貝の輸出はできません。ただし、ホタテ貝柱については、「二枚貝」の定義から外れているため、日本からの輸出が可能です。

※次のいずれの状態でもNSSPの対象となる。
(1)剥いたもの、または殻付きのもの
(2)生のもの(水揚げ後処理も含む)
(3)冷凍されたもの、または冷凍されていないもの
(4)ホール、またはその一部

7. 密封容器入りの低酸性缶詰と酸性化食品

次のカテゴリーに入る水産加工品については、輸入前の手続きが必要なため該当するかどうかを確認してください。

密封容器(レトルトパウチ、缶詰、瓶詰など)入りの低酸性缶詰(常温流通)と酸性化食品(常温流通)
  • 水分活性が0.85より高く、pHが4.6より高い、密封・常温で流通する食品は、低酸性缶詰食品として、連邦規則集第21巻第108条および第113条(21CFR Part108,113)が適用されます。当該食品を製造/加工、梱包する施設は、食品缶詰施設登録様式FDA-2541、またはFDA産業システム(FDA Industry Systems)により施設登録を行う必要があります。また、それぞれの食品、容器の大きさと種類、製造方法ごとに、殺菌条件などの製造工程に関する情報を様式FDA-2541dもしくは2541f,2541gなどの適切なフォームによってFDAに提出しなければなりません。
  • 水分活性が0.85より高く、酸または酸性食品を加えることによりpHを4.6以下の低酸性状態にした加工食品を密封・常温で流通する商品は、酸性化食品として、連邦規則集第21条第108条および第114条(21CFR Part108,114)が適用されます。当該食品を製造/加工、梱包する施設は、食品缶詰施設登録様式FDA-2541、またはFDA産業システム(FDA Industry Systems)により施設(FCE)登録を行う必要があります。また、それぞれの食品、容器の大きさと種類、製造方法ごとに、殺菌条件などの製造工程に関する情報をFDAに提出しなければなりません。

なお、一貫して冷蔵または冷凍で保存・流通する場合は、FCE登録や製造工程情報の提出は不要です。

8. 適法漁獲等証明書(一部品目のみ)

アワビ・ナマコおよびその加工品は、2022年12月1日施行の水産流通適正化法により、適法に採捕されたこと等を示す国が発行する適法漁獲等証明書の添付が必要です。ウナギの稚魚は、2025年12月1日施行から同証明書が必要です。詳細については、関連リンクの「特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律」を参照してください。

関連リンク

関係省庁
米国海洋大気庁(NOAA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
米国保健福祉省・食品医薬品局(FDA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農務省・動植物検疫局(APHIS)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農務省・食品安全検査局(FSIS)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
米国国土安全保障省・米国税関国境取締局(CBP)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農林水産省・動物検疫所外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
マグナソン・スティーブンス漁業保存・管理法
食品需給研究センター:米国水産物輸入監視制度(和訳)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1.0MB)
全米貝類衛生プログラム(NSSP)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
バイオテロ法(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(401KB)
連邦食品医薬品化粧品法(Federal Food, Drug, and Cosmetic Act:FD&C Act)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(2.7MB)
米国連邦規則集
海洋哺乳類保護法の水産物輸入規定に基づく期限の変更について(連邦官報)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
米国保健福祉省・食品医薬品局(FDA)から入手できる主な情報
経済産業省から入手できる主な情報
農林水産省から入手できる主な情報
水産庁から入手できる主な情報
水産物トレーサビリティ協議会から入手できる主な情報
ジェトロから入手できる主な情報

3. 動植物検疫の有無

調査時点:2024年1月

なし

米国の食品関連の規制

1. 食品規格

調査時点:2024年1月

水産物の規格は明確に定められていませんが、米国保健福祉省・食品医薬品局(FDA)が「水産物一覧(The Seafood List)」という検索可能なデータベースを提供し、複数の州にまたがる取引の際にラベルで使用できる水産物の名称を公開しています。

関連リンク

2. 残留農薬および動物用医薬品

調査時点:2024年1月

米国に輸入される水産物には、FDAが承認した水産用医薬品に限り使用することができます。ただしFDAは、特定の使用方法に限定して薬品を承認しているため、養殖などで薬品を使用する場合には、FDAが承認している水産用医薬品を、指定の目的、対象、条件で使用しなければなりません。
さらに、FDAが水産物中の医薬品成分の残留許容量を設定している場合には、それに従う必要があります。水産用医薬品の残留許容量は、医薬品ごとに各可食部の残留許容量が規定されています。FDAが承認している水産物用医薬品とその使用方法および残留許容量の詳細については、FDAの「水産物の危険性と管理に関するガイダンス」の付録11(Appendix 11)を参照してください。なお、水産加工品では、原材料の供給者(サプライヤー)も、FDAの水産物適用規制を準拠していることが要件となります。

3. 重金属および汚染物質

調査時点:2024年1月

食品に含まれる有毒および有害な物質の許容量は、食品医薬品化粧品法第406条に基づく規則で定められています。現在、米国保健福祉省・食品医薬品局(FDA)が規則で食品に関して暫定残留許容濃度を定めている物質は、ポリ塩化ビフェニル類(PCB類)のみで(連邦規則集第21巻第109.30条:21CFR Part109.30)、紙製の食品包装材のPCBの残留物に対する暫定的な許容量は10ppmとなっています。一方で、ヒ素および有害重金属などの汚染に関する規制については、総括的な法的水準は決められていないのが現状です。それぞれの有毒・有害物質が長期的に健康に与える影響は不明確とし、有害な物質の含有は避けることが望ましいとされています。

1. 有毒・有害物質の欠陥対策レベル

FDAは、有毒・有害物質に関する欠陥対策レベルをガイダンス「ヒト向け食品および動物飼料に含まれる有毒・有害物質に関する対策レベル」として2000年に発行しています。同ガイダンスでは、19種類の有毒・有害物質について、食品と飼料の品目別に対策レベルの値(ppmなど)が設定されています。各物質の欠陥対策レベルの値は食品によって異なりますが、同ガイダンスでは、生鮮・冷凍・加工の魚介類と甲殻類などにおいては、水銀について可食部で1ppmと設定しています。また、全米貝類衛生プログラム(NSSP)が発行したガイドには、魚介類と甲殻類などの水産物に関する有毒・有害物質が一覧表にまとめられており(「水産物における有毒・有害物質の対策レベル、許容量とガイダンスレベル」)、これにはガイダンスで設定されている19種類以外の化学物質も含まれています。

なお、これらガイダンスには規則のような法的拘束力はありませんが、FDAが法的措置を発動するかどうかを決定する際の基準と位置付けられています。従って、有毒・有害物質の含有量が欠陥対策レベルを下回っている必要があります。

2. トータルダイエットスタディに基づく参考指標

米国では、1991年からさまざまな食品に含まれる物質(ヒ素および有害重金属などを含む)のトータルダイエットスタディ(Total Diet Study:TDS)が実施されており、FDAのウェブサイト上で結果が公開されています。これは法的に設定された許容量や基準値ではありませんが、米国で消費されているさまざまな食品中におけるヒ素や有害重金属などの含有量について、最小値、最大値、平均値などを知ることができるため、参考指標として有効利用することができます。公表されている直近のデータは2018年から2020年に実施されたサンプリングによるもので次のような結果となっています。ここでは一例として、サケ、エビ、およびタラについて取り上げます。

サケ(ステーキ/フィレ、焼き物) (単位:ppb)
名称 最小値 最大値 平均値
ヒ素 130 1400 376
水銀 4.9 46 21
カドミウム 検出なし 11 1.6
310 1000 528
検出なし 検出なし N/A
マンガン 検出なし 300 54
亜鉛 3500 6600 4267
エビ(調理済、殻を取り除き済、尾なし)(単位:ppb)
名称 最小値 最大値 平均値
ヒ素 100 1400 358
水銀 3.1 17 7.2
カドミウム 検出なし 36 5.7
410 1900 920
検出なし 28 4.9
マンガン 120 440 234
亜鉛 4700 9000 6222
マグロ缶詰に含まれるヒ素および有害重金属などの参考指標 (単位:ppb)
名称 最小値 最大値 平均値
ヒ素 1000 1400 1200
水銀 220 250 230
カドミウム 21 34 25
380 450 417
検知なし 検知なし N/A
マンガン 110 210 147
亜鉛 6200 6600 6333
タラ(焼き物) (単位:ppb)
名称 最小値 最大値 平均値
ヒ素 1300 10900 4915
水銀 44 140 83
カドミウム 検出なし 11 2.2
検出なし 580 189
検知なし 検知なし N/A
マンガン 検出なし 1,100 126
亜鉛 3,200 6,100 4,537

前述1.有毒・有害物質の欠陥対策レベルのとおり、水産物についてはFDAの有害物質のアクションレベルが設定されており、水銀については可食部で1ppm(1ppm=1,000ppb)とされています。

3. その他

米国では連邦レベルより州レベルでさらに厳しい規制を設けている場合があるため、詳しくは、州、地方自治体のウェブサイトで確認してください。

一般的に、カリフォルニア州は、全米で最も食品に対する規制が厳しいとされています。具体的には、カリフォルニア州法プロポジション65(安全飲料水および有害物質施行法:Prop 65)の警告表示にかかわる改正で、2018年8月30日以降は、警告文に有害物質名を少なくとも一種類表示し、その物質を’含む(contains)’ではなく、’有害物質にさらされる(can expose you to)’という表現にする、インターネットでの販売にも該当する製品には警告文の表示をすることが義務付けられました。Prop 65の有害物質リストは1,000種類以上に及び、年に2~3回はリストの内容が更新されます。確認の際には必ず直近のリストを参照してください。

4. 食品添加物

調査時点:2024年1月

米国に輸入される水産物に含まれる食品添加物に関する規制は、合衆国法典第21巻348条(21U.S.C.348)Food Additivesに基づいて行われています。食品添加物の定義は、合衆国法典第21巻321条(21U.S.C.321)により規定されており、意図的に使用することにより、直接的または間接的に食品の成分となる、またはなりうる物質、あるいは、食品の性質に影響を及ぼす、または及ぼし得る物質を食品添加物として定義しています。

食品への直接または間接に使用が認められている食品添加物やそれにかかわる規則は、連邦規則集第21巻170条から189条(21CFR Part170-189)に列挙されています。

使用可能な食品添加物については、関連リンクの「使用が許可されている着色料一覧」および「食品に添加できる物質(旧EAFUS)」から確認することが可能です。米国において新規の食品添加物を使用する場合には、GRAS通知、または食品添加物申請(Food Additive Petition(FAP))をFDAに申請し、事前許可を得る必要があります。

着色料に関する規制は、合衆国法典第21巻379条(21U.S.C.379)に基づいて行われています。使用することができる着色料は、日本で許可されているものとは異なるため、FDAウェブサイト上の「使用が許可されている着色料一覧(Color Additive Status List)」と「連邦規則集第21巻第70条から第82条(21CFR Part70-82)」を事前に確認してください。

特に、赤色102号については日本をはじめEUやアジアの主要国では着色料として使用が認められていますが、米国では認められていません。また、クチナシ、ベニバナ、ベニコウジも日本では古くから着色料として使用されていますが、米国では使用することはできません。

また、カリフォルニア州では発がん性など健康を損なうリスクが大きいとされる4種類の食品添加物を用いた食品製造や使用、販売を禁止するカリフォルニア州食品安全法が2023年10月に成立しました。規制対象となっているのは、臭素化植物油(BVO)、臭素酸カリウム、プロピルパラベン、および赤色3号で、2027年1月1日以降、これらの添加物を含む加工食品をカリフォルニア州で製造、販売(カリフォルニア州への輸入を含む)することが禁止されます。違反した個人や団体は、初回5,000ドル以下、2回目以降は1万ドル以下の罰金が科されます。

5.食品包装(食品容器の品質または基準)

調査時点:2024年1月

食品の製造、梱包、包装、輸送または保管に用いられる資材を構成している物質であって、食品の性質に技術的な影響を与えないものを食品接触物質(Food Contact Substances:FCS)といいます(食品医薬品化粧品法第409条(h)(6)、合衆国法典21U.S.C.348(h)(6))。FDAは、食品接触物質を間接添加物(Indirect additive)(食品添加物の一種)として定義しています。なお、包装などの資材を構成している成分が溶出し食品に移行するかどうかを確認する責任は、資材の製造業者が負うことになります。

食品接触物質は、FDA規則に合致している物質(次の1.を参照)でない場合は、FDAへの食品接触物質通知(次の2.を参照)が必要です。

1. 食品接触物質の規制の適合確認

次の規則にあてはまらない食品接触物質は、FDAへの食品接触物質通知をしなければなりません。

  • 間接添加物(連邦規則集第21巻第174条から第179条:21CFR Part174-179)
  • GRAS(連邦規則集第21巻第182条、第184条、第186条:21CFR Part182,184,186)
  • 1958年以前に容認されている物質(Prior Sanctioned Material, 連邦規則集第21巻第181条:21CFR Part181)
  • 規制の適用除外になる物質(Threshold of Regulation Exemption, 連邦規則集第21巻第170.39条:21 CFR Part170.39)

2. FDAへの食品接触物質通知(Food Contact Substance Notification)

食品接触物質の製造業者あるいは供給業者は、市販の120日以上前にその物質の情報をFDAに通知しなければなりません(連邦規則集第21巻第170.100条:21CFR Part170.100)。通知から120日の間にFDAから異議申し出がない場合はその通知が有効となり、食品接触物質の使用が合法となります(連邦規則集第21巻第170.104条:21CFR Part170.104)。ただし、食品接触物質通知は、申請した製造業者に対して有効となるものであるため、同じ物質であっても申請した製造業者以外の製造業者には、通知の効果は及びません。提出方法および提出先については関連リンクの「申請フォームFDA3480」を参照してください。

3. PFAS

PFASとは、パーフルオロアルキル物質、および、ポリフルオロアルキル物質と呼ばれる、数千種類のフッ素化合物であり、非粘着性、潤滑性、耐油性、耐水性に優れた特性により、調理器具、食品包装、および食品加工において使用されています。FDAは食品接触物質として長鎖PFASを2011年に禁止しましたが、短鎖PFASは許可してきました。しかし、FDAは、6:2フルオロテロマーアルコール(6:2 FTOH)を含む短鎖PFASの安全性に関しても懸念し、規制の変更措置を取り始めています。

また、FDAの連邦レベルにおける動きだけでなく、ワシントン州、ニューヨーク州、カリフォルニア州いくつかの州がすでに食品包装のPFASの使用を禁止し始めていますので注意が必要です。

4.フタル酸エステル類

FDAは、可塑剤、接着剤、消泡剤、表面潤滑剤、樹脂、および殺ダニ剤として使用される23種類のフタル酸エステルとほかの2つの物質の食品接触物質としての使用許可を取り消しました。この措置により、これらのフタル酸エステルは、第21巻第175条から第178条(21CFR Parts175-178の規制によって認可された物質のリストから削除され、食品接触用途ではフタル酸エステルの使用は残り9つに制限されます。このうち8つは可塑剤としての使用が許可され、1つはモノマーとしての使用が許可されています。

連邦レベルのFDAのみならずミネソタ州、ミシガン州、ニュージャージー州、ニューヨーク州は現在、立法会議でフタル酸エステル類を制限する法案を検討しています. メイン州では食品包装中のフタル酸エステル類の禁止法が2019年に可決されているなど注意が必要です。

5.食品包装用リサイクルプラスチック

米国では、プラスチックを含む使用済みリサイクル(PCR: post-consumer recycled)材料の使用を増やすことに重点が置かれています。一方で、食品接触物品におけるPCRプラスチック材料の使用に関するFDAの主な安全上の懸念は、次の3点です。

  1. PCR材料中の汚染物質がリサイクル材料から作られた最終的な食品接触物品に出現することで食品に移行する可能性があること、
  2. PCR材料は食品接触用途として規制されていない可能性があること、
  3. PCRプラスチック中のアジュバント(添加剤・補助物質)は食品接触用途としての規制を順守していない可能性があること

リサイクルプラスチックから作られた食品接触物品の製造業者は、未使用の材料と同様に、リサイクルされた材料が意図された用途に適した純度であり、未使用の材料のすべての既存の仕様を満たすことを保証する責任があります。従って、リサイクルポリマーに新規添加物を使用する場合、あるいは未使用ポリマーに現在許可されている添加物の量を超えて認可された添加物を使用する場合は、食品接触物質通知(FCN)または食品添加物申請(FAP)が必要です。FDAは、食品包装材メーカーがPCRプラスチックを食品包装材に使用するための工程を評価する際の参考として「産業界向けガイダンス - 食品包装における再生プラスチックの使用:化学上の検討事項(Guidance for Industry - Use of Recycled Plastics in Food Packaging: Chemistry Considerations)」を作成しています。また、FDA は食品接触物品の製造に使用されるPCRプラスチックを製造するための特定のプロセスの適合性に関して肯定的な意見を出した申請のリストを公開しています。

関連リンク

関係省庁
米国保健福祉省・食品医薬品局(FDA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
合衆国法典
その他参考情報
米国保健福祉省・食品医薬品局(FDA)から入手できる主な情報
厚生労働省から入手できる主な情報
ジェトロから入手できる主な情報

6. ラベル表示

調査時点:2024年1月

水産物を含む食品のラベル表示は、公正な包装および表示法(Fair Packaging and Labeling Act)により規制されています。小売用の食品を商業目的で米国に輸入するには、米国税関国境取締局(CBP)およびFDAが定める表示を行わなければなりません。条件によっては表示義務が免除されますが、一般的に表示しなければならない項目は次のとおりです。表示は英語で行わなければなりません。詳しくは、FDAの「食品表示ガイド」を確認してください。

主要表示パネル:PDP(Principal Display Panel)
  1. 食品名称/識別事項
  2. 内容量・正味重量
情報パネル:IP(Information Panel)
  1. 原材料名〔未加工で生鮮の場合は必要ありません。2種類以上の原材料(添加物を含む)が使用されている場合は、それぞれの名称を表示しなければなりません。アレルギー物質を使用している場合には、その原材料名を明確に表示しなければなりません。表示が義務付けられているアレルギー物質は乳、卵、魚(例えば、ヒラメ、タラ)、甲殻類(例えば、カニ、ロブスター、エビ)、ナッツ類(例えば、アーモンド、クルミ、ピーカン)、ピーナッツ、小麦および大豆に加え2023年1月1日からゴマについてもアレルギー表示が義務化され、全部で9種類となります。魚、甲殻類、ナッツ類については、その種も明記する必要があります。〕
    ※2023年1月からゴマのアレルゲン表示が義務化されます。
  2. 栄養成分表示(未加工の生鮮の水産物、および輸入後に加工、再包装される水産物には表示の義務はありません。)
  3. 製造業者、包装業者、流通業者のいずれかの名称と住所
  4. 警告および取り扱い上の注意
  5. 原産国

なお、4.栄養成分表示について、主な記載方法は次のとおりです。

  • 栄養素として、カロリー、総脂質、飽和脂肪、トランス脂肪、コレステロール、ナトリウム、総炭水化物、食物繊維、糖類、添加糖類、タンパク質、ビタミンD, カルシウム、鉄、カリウムを記載すること。
  • カロリー、一食分の量(サービングサイズ)や容器内の一食分量の数の情報を、極太字にして強調すること。
  • ビタミンおよびミネラル(ナトリウムを除く)の栄養情報は、その他の栄養素の情報とは太線で区別して記載すること。ビタミン D、カルシウム、鉄、カリウムの 1 日あたりの摂取量のパーセントに加えて、実際の量を記載すること。ほかのビタミンやミネラルのグラム量を記載することも可能。
  • ”添加された糖類の量(added sugars)”をグラム単位および一日摂取量のパーセント単位で記載すること。
  • 脚注として、「1日摂取量(DV)%は食品1食に含まれる栄養素が1日の摂取量にどれくらいに当たるかを示す。一般的栄養アドバイスとして1日2,000カロリーを用いる」と記載すること。

全米バイオ工学食品情報開示基準(National Bioengineered Food Disclosure Standard : NBFDS)により、いわゆる遺伝子組み換え食品の情報開示が義務付けられています。USDAの農産物マーケティング局(AMS)は、バイオ工学(BE:bioengineered)の技法を用いて生産されうる穀物・食品、つまりNBFDSの対象となるBE食品リストを作成しています。このリストは、BE食品の研究開発の進展により今後さらに追加・更新される可能性がありますが、2024年1月時点でサーモン(AquAdvantage)がリストに含まれています。バイオ工学技術を用いて作られた品種を原材料に使用している場合には、開示義務があります。

関連リンク

関係省庁
米国保健福祉省・食品医薬品局(FDA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
米国国土安全保障省・米国税関国境取締局(CBP)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
米国農務省(USDA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
合衆国法典
米国連邦規則集
その他参考情報
米国保健福祉省・食品医薬品局(FDA)から入手できる主な情報
連邦取引委員会(FTC)から入手できる情報
米国農務省から入手できるお主な情報
ジェトロから入手できる主な情報
一社)食品需給研究センターから入手できる主な情報

7. その他

調査時点:2024年1月

水産物HACCPなどの義務

米国に水産物を輸出する製造業者などは、食品の衛生および安全性を確保することを目的とし、連邦規則集第21巻第117条(21CFR Part117)で定められる現行適正製造規範(CGMP)に従った衛生管理などを行う必要があります。

さらに水産物を加工(魚介類または魚介類製品に関して、取り扱い、貯蔵、調理、頭部除去、内臓除去、殻剥き、凍結、異なる形態に変える、加工、保存処理、包装、ラベル貼り、波止場での荷揚げまたは保管すること)する食品の製造業者などは、連邦規則集第21巻第123条(21CFR Part123)により食品製造工程上の危害要因を分析し、重要な管理点を継続的にモニタリングすることで食品事故の発生を未然に防ぐことを主な目的としたHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)プランに従う必要があります。

これらの要件を満たしていることを保証する施設認定は義務ではありませんが、施設認定書発行に関しては、農林水産省の「北米証明書や施設認定の申請」」のウェブサイトを参照してください。

なお、水産物HACCPプログラムの対象となる食品に関しては、すでにHACCPプログラムによる衛生管理や外国供給業者検証が義務化されているため、2011年1月に米国で成立した食品安全強化法(Food Safety Modernization Act:FSMA)第103条「危害分析およびリスクに基づく予防管理(Hazard Analysis and Risk Based Preventive Controls)」の食品安全計画の策定や、第301条の輸入業者による「外国供給業者検証プログラム(Foreign Supplier Verification Program:FSVP)」の適用からは除外されています。ただし、2019年以降適用される第106条「意図的な食品不良の防止(食品防御)」への対応は必要となります。適用対象や要件などの詳細は、関連リンクの「食品安全強化法(FSMA)に関する情報」(ジェトロ)で確認してください。

さらに、FSMA第204条では、追加の記録保持要件が必要となる食品を指定することが FDAによって義務付けられています。これに基づき公表された「特定の食品のトレーサビリティに関する追加的な要件に関する規則」は2023年1月20日に発効し、3年後の2026年1月20日に施行されます。追加の記録保持要件は、汚染の可能性のある食品をより迅速に特定し、市場から迅速に除去できるようにすることで、食中毒や死亡を減らすことを目的としています。追加のトレーサビリティ記録が必要な食品は、食品トレーサビリティリスト (FTL) に記載されています。追加の記録保持要件は、FTLに記載されている食品、および、FTLに記載されている食品を原材料として含む食品(原材料として使用されている記載されている食品がFTLに記載されているのと同じ形態(新鮮な状態など)のままである場合のみ)に適用されます。ヒレのある魚(finfish)(生鮮・冷凍)、ヒレのある魚の燻製(冷蔵・冷凍)、甲殻類(生鮮・冷凍)、および軟体動物貝類、二枚貝(生鮮・冷凍)はFTLに記載されています。

関連リンク

関係省庁
米国保健福祉省・食品医薬品局(FDA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
厚生労働省(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
米国連邦規則集
合衆国法典
その他参考情報
米国保健福祉省・食品医薬品局(FDA)から入手できる主な情報
農林水産省から入手できる主な情報
ジェトロから入手できる主な情報