米FDA、PFASに関する食品のサンプル調査結果のアップデートを公表

(米国)

シカゴ発

2023年06月05日

米国食品医薬品局(FDA)は5月31日、有機フッ素化合物の総称であるPFASについて、一般に流通する食品のサンプル調査結果のアップデートを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。発表によれば、今回新たに調査対象とした186のサンプルのうち、タラ2検体、エビ2検体、ティラピア、サーモン、牛ひき肉の各1検体からPFASが検出されたが、幼児や一般の人々に有害なレベルではなかった。他方、FDAがこれまで調査対象とした、水産物のサンプルの44%から、少なくとも1種類以上のPFASが検出された。

FDAは、ほかの食品と比較して、水産物がPFASの汚染リスクが高い可能性があることを示す調査結果を踏まえ、輸入品と国内産の二枚貝の追加的なサンプリング調査を検討するほか、水産物に含まれるPFASを削減するための戦略の策定に向けて調査を継続していくとしている。

PFASについては、耐熱性、耐水性、耐油性、非粘着性などの特性があり、多くの産業で利用されてきた。しかし、環境や人体への悪影響から、米国環境保護庁(EPA)が飲料水に関する規制を発表し(2023年3月15日記事参照)、米国素材メーカーの3Mが2025年末までの製造および使用の中止を発表するなど(2022年12月22日記事参照)、関心が高まっている。

ジェトロでは、4月26日に「カリフォルニアPFAS関連規制解説セミナー」をオンラインで開催したほか(2023年5月2日記事参照)、日本時間6月22日にも「PFASを取り巻く最新情報と企業の対応方向」と題したウェビナーを開催する予定だ(注)。

(注)先着500人で、参加登録を受け付け中。

(冨樫達也)

(米国)

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