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外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用

最終更新日:2021年04月09日

外国人就業規制

ビザを持たない外国人を雇用する企業は、スポンサー(身元引受人)ライセンスを取得する必要がある。

英国の移民政策は、政府諮問機関である移民助言委員会(MAC)からの提言をもとに政府が決定、実行している。長期的には移民流入を抑制しつつ、優秀な外国人材の積極的な活用を主眼とし、入国管理制度(労働許可付与を含む)の改革を継続している。EU離脱後の移行期間の終了に伴い、2021年1月1日から新制度に移行した。
ビザを持たない外国人を雇用する企業は、スポンサー(身元引受人)ライセンス(Sponsor Licence)を取得する必要がある。ライセンスを取得した企業はビザ取得に必要なスポンサー証書(Certificates of Sponsorship:CoS)を発行できる。ライセンスの有効期間は4年間で、更新可能。期間中、被雇用者情報の厳格な管理等、運用状況が厳しく監督される(スポンサー資格については次の「在留許可」の項も参照)。

2021年1月1日以降の新制度で、EEAおよびスイスとの「人の移動の自由」が終了し、就労目的で入国する全ての外国人(アイルランド国籍者を除く)は入国前に労働許可を伴う在留許可(ビザ)が必要となった。ビザの種類については次の「在留許可」の項を参照。アイルランド人については、同国民と英国民が相互に自由に往来、居住、就労可能なCTA(Common Travel Area)の枠組みが、英国のEU離脱協定に基づき継続されるためビザは不要。

ジェトロの記事:「2021年1月導入予定の移民政策の新方針を発表、年収などのポイント制」(2020年2月20日付)
ジェトロ調査レポート:「新英国移民制度のガイドブック(2021年1月)

在留許可

アイルランド国籍者を除く全ての外国人が、英国に就労目的で入国する、就労しなくてもビジネス活動に従事する、就学する、6カ月を超えて滞在する場合、在留許可(ビザ)が必要。
長期の労働ビザは全てポイント・ベース制(Points Based System: PBS)による審査を経て公平に発給される。従来のようにEEAおよびスイスの国籍者が優遇されることはない。

2021年1月1日以降、ビザの階層分けが撤廃され、アイルランドを除く全ての外国人が対象となり、ビザはポイント・ベース制(Points Based System:PBS)による審査を経て発給されるシステムとなった。発給枠の有無、ビザの有効期間、更新の可否、申請者の所得、学歴、英語力の要件や定住申請、家族の帯同、ビザの種類の変更の可否などの権利はビザの種類によって異なる。各ビザのポイント要件を満たさない労働者にはビザは発給されない。
就労予定の職業が政府の諮問機関の移民助言委員会(MAC)の定める不足職業リストにある場合や職種と関係が深い学術分野での博士号取得者、特に職種と関係が深い科学・技術・工学・数学の学術分野(STEM)の博士号取得者にはポイントが加算される。

ジェトロ調査レポート:「新英国移民制度のガイドブック(2021年1月)

ビザの種類

就労用ビザ

就労を目的としたビザには次のようなものがある。

  1. 技能労働者(Skilled Worker Visa

    英国定住者で充当できない人材を外国から雇用するためのビザ。高校卒業レベル以上が対象。旧第2階層(一般)に相当し、技能労働者(Skilled Worker)ライセンスを持つ企業が発行するスポンサー証書(CoS)が必要。在留期間は最長5年で、その後は延長申請が可能。在留5年後に永住権(indefinite leave to remain)の申請も可能。

    英国政府:技能労働者ビザ(Skilled Worker visa外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

  2. 企業内転勤・研修(Intra-Company Transfer visa and Intra-Company Graduate Trainee visa

    グローバル企業が英国外で採用した人材(駐在員や研修生)を英国内に異動させるためのビザ。旧第2階層(企業内転勤ICT)に相当し、企業内異動(ICT)ライセンスを持つ企業が発行するスポンサー証書(CoS)が必要。在留期間はIntra-Company Transfer visaの場合、年間報酬額により5年または9年。Intra-Company Graduate Trainee visaの場合は1年で、最大5年まで延長可能。いずれの種類も永住権の申請は不可能。

    英国政府:企業内異動ビザ(Intra-company visas外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

  3. 医療・介護従事者(Health and Care Worker visa

    英国定住者で充当できない医療・介護人材を外国から雇用するためのビザ。旧第2階層(医療・介護)に相当し、国営医療サービス(NHS)や社会福祉施設、あるいはNHSへのサービスプロバイダーからの特定の業種での採用通知を取得していることが必要。在留期間は最長5年で、その後は延長申請が可能。在留5年後に永住権の申請も可能。

    英国政府:医療・介護従事者ビザ(Health and Care Worker visa外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

  4. グローバルタレント(Global Talent visa

    科学・医学・エンジニアリング・人文科学・芸術・文化・デジタルテクノロジーの分野において、世界レベルの才能をもつ人材向けのビザで旧第1階層Tier 1(突出した才能Exceptional Talent)に相当。政府が指定した機関・団体によって「才能がある」と承認(endorsement)されることがビザ発給の要件。在留期間は最長5年で、その後は延長申請が可能。在留3年後または5年後に、永住権の申請も可能。

    英国政府:グローバルタレント・ビザの申請(Apply for the Global Talent visa外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

  5. 単独代表者(Representative of an Overseas Business visa

    当該ビザは、外国企業が英国に子会社や支店を設立する目的で、アイルランド以外の外国から最初の従業員を英国に入国・滞在させる場合に取得が可能。
    「単独代表者(Sole Representative)」には、3年間の在留許可が与えられ、さらに2年の延長が可能。その後永住権の申請も可能。

    英国政府:国外企業の代表者ビザ(Representative of an Overseas Business visa外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

  6. スタートアップとイノベーター(Start-up visa and Innovator visa

    英国における新規の起業を促す目的で2019年3月に導入されたビザ。政府が指定した機関(注)によって「革新的な起業のアイディアがある」と承認(endorsement)されることがビザ発給の要件。いずれも個人が対象。スタートアップビザは就業経験や出資金を要件としていないが、イノベータービザはビジネス経験のある者を対象とし、5万ポンドの出資金を用意することを要件としている。スタートアップには2年(延長不可だが、イノベータービザに変更可能)、イノベーターには3年(何度でも延長可)の在留許可が与えられる。
    (注)政府が指定した機関とは、起業家を支援した実績があると認定された機関。スタートアップビザについては指定高等教育機関も含まれる。

  7. スポーツ選手/監督(Sportsperson visa

    世界最高レベルのエリートスポーツ選手または監督として、政府が指定した機関・団体がスポンサーとなり才能を承認(endorsement)し、英国における競技レベル向上に多大な貢献をすることがビザ発給の要件。在留期間は3年で、延長後最大6年まで滞在可能。

    英国政府:スポーツ人材ビザ(Sportsperson visa (T2) 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

短期就労ビザ

以下の就労ビザは期間限定を前提としている。

  1. 英国高等教育機関卒業生(Graduate

    2021年7月1日導入予定。英国の高等教育機関(大学・大学院)を卒業した外国人学生は、スポンサー不要で英国に滞在し就労できる。学士号、修士号を保持する場合は2年、博士号を保持する場合は3年間のビザが発給される。その後、技能労働者ビザ(Skilled Worker visa)に変更可能。

    英国政府:2021年7月1日開設の外国籍学生向け新ビザ制度(Graduate route to open to international students on 1 July 2021外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

  2. 青少年交流(Youth Mobility Scheme

    ビザの有効期間開始時に18歳以上、申請時30歳以下の者を対象にしており、在留期間は最長2年、延長は不可。

    英国政府:Youth Mobility Schemeビザ(Youth Mobility Scheme visa (T5)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

この他にも、クリエイティブ分野・スポーツ関係者(Creative and Sporting visa)、慈善団体関係者(Charity Worker visa)、宗教関係者(Ministers of Religion and Religious Workers visa)、政府認定人材交換プログラム(Government Authorised Exchange visa)、国際協定に基づく職務従事者(International Agreement Worker visa)、季節労働者(Seasonal Worker visa)などのビザがある。滞在が可能な期間はビザによって異なる。

英国政府:英国におけるポイント・ベース制移民政策の詳細(UK points-based immigration system: policy statement外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

就学用ビザ

就学を主目的とし、16歳未満を対象とした「子供(Child Student visa)」と、16歳以上を対象とした「学生(Student visa)」があり、「学生」は制限付だが就業も可能。いずれも受け入れ教育機関による学生引受証書(Confirmation of Acceptance for Studies:CAS)が必要。

この他にも、2021年夏以降に、CoS(Certificate of Sponsorship)がなくても取得可能な高技能労働者ビザや季節労働者ビザを導入予定とのこと。

どのタイプのビザが必要かは、英国政府が2020年7月に発表した資料を参照。

ジェトロ調査レポート:「新英国移民制度のガイドブック(2021年1月)

ビザの申請先および管轄官庁
  1. 英国内での申請や更新、問い合わせ
  2. 日本国内での申請
    • ビザ申請センター(VFS Global 日本語外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます英語外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
      英国ビザの日本における申請業務は、民間企業であるVFS Global(本社:スイスおよびUAE)に委託されている。同社は、ビザ申請センターを東京と大阪で運営している。
      • 東京オフィス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
        所在地:東京都港区東新橋2-3-14 エディフィチオトーコー4階
      • 大阪オフィス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
        所在地:大阪府大阪市中央区南船場1-3-5 リプロ南船場ビル10階
EEA・スイス国籍者の2021年1月1日以降の扱い

2021年1月1日以降に新たに英国に入国する者は、EEA・スイス国籍者以外の外国人と同様に入国前に労働許可を伴う滞在許可(ビザ)が必要。

2020年12月31日以前に英国に5年間継続的、かつ合法的に居住したEEA・スイス国籍者とその家族は、2021年6月30日までに「EU定住スキーム(EU Settlement Scheme)」に登録することによって、2020年12月31日の時点で5年の要件を満たす者には「定住資格(Settled status)」が、満たしていない者には「準定住資格(Pre-settled status)」が与えられ、5年を経過した時点で「定住資格」を申請する資格がある。

既に永住権を取得しているEU市民とその家族は、その資格を「定住資格」に取り換える必要がある。

申請は次のページからオンラインで可能。

生体認証情報(Biometric Information

6カ月以上のビザを新規で申請する時には、生体認証情報の提出が求められる。
生体認証情報とは顔写真と指紋情報であり、日本国内から新規でビザを申請する場合、申請書類の提出時に、ビザ申請センターへ直接出向き、顔写真の撮影と指紋の採取を行う必要がある。
また、英国に入国して10日以内またはパスポートに貼られたビザの有効期限内に、生体認証情報付の生体認証付き許可書(Biometric Residence Permit)を最寄りの郵便局等で受領しなくてはいけない。手数料19.20ポンド。理由なく受け取りに行かない場合、最大1,000ポンドの罰金。

既に英国内に滞在し、6カ月を超えて滞在を延長する場合も、生体認証付き許可書の申請が求められる。
生体認証付き許可書には、生体認証情報のほか、氏名、出生地、滞在状況が含まれ、申請には登録が可能な最寄りの郵便局等に出向く必要がある。

移民医療付加金(Immigration healthcare surcharge:IHS)

逼迫する保健医療財政を背景に、英国政府は、2015年4月6日以降のビザ申請に際し、移民医療付加金(IHS)を徴収している。
2021年4月現在、移民医療付加金の金額は、1年につき624ポンド。ただし、医療・介護従事者ビザ(Health and Care Worker visa)の取得者は免除。また、現行制度における青少年交流(Youth Mobility Scheme、旧制度のTier5ビザ)については、1年につき470ポンド。帯同家族も同額。

英国政府:移民医療付加金・概要(Pay for UK healthcare as part of your immigration application外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

スタンダードビジタービザ

日本などからの出張等(商用)、観光、私的診療の受診などを目的として訪英する場合、各回最長6カ月の入国許可(スタンダードビジタービザ)が、入国時に入国管理官から付与される。
「商用目的」とは、打ち合わせや契約交渉、展示会、会議、研修、視察等の出席等に限定され、就労や、商品・サービスの一般大衆への販売等は禁じられている。
日本人の場合、入国前にビザを取得しなくてもよいが、入国時に企業情報や訪英目的を確認できる書類、帰国時期を証明する書類の提示を求められる場合がある。
また、数年にわたって、頻繁に英国を訪問する必要がある場合、2年、5年、10年用の長期スタンダードビジタービザを申請することができる(いずれも、1回の滞在期間は最長6カ月)。

英国政府:スタンダードビジタービザ(Standard Visitor visa外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

ジェトロ調査レポート:「新英国移民制度のガイドブック(2021年1月)

スポンサー(身元引受人)ライセンス(Sponsorship licence

2020年12月31日までに旧第2階層(一般)および(企業内転勤)のスポンサーライセンス(Sponsorship licence)を得た企業(スポンサー)には、有効期限はそのまま、2021年1月1日付で技能労働者(Skilled Worker)ライセンス、企業内異動(ICT)ライセンスという新しいライセンスが与えられ、スポンサー証書(Certificates of Sponsorship:CoS)を発行できるようになった。技能労働者(Skilled Worker)ビザ、企業内異動(ICT)ビザの発給に際し、スポンサーは外国人労働者一人1年当たり大企業1,000ポンド、小企業364ポンドの移民技能負担金(Immigration Skills Charge:ISC)が課せられる。

ライセンスの申請方法

英国に拠点を置き、要件を満たした企業は、オンラインを通じて申請できる。ライセンスを取得すると、スポンサー登録簿(the register of sponsors)に、組織の名称、所在地、等級が記載される。
等級は登録簿記載時に付与されるもので、義務を果たすのに必要なすべての制度を整備し、濫用の証拠がない場合にはA級が与えられる。
スポンサーとしての義務を遵守していないと認定された場合には、A級からB級に降格されることもあり、再度A級に昇級しない限り、新規でのスポンサー証書の発行ができない。

申請後は、スポンサーライセンス管理ツールのSponsorship Management System(SMS)で管理する。

現地人の雇用義務

特になし。

その他

特になし。