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2021年1月導入予定の移民政策の新方針を発表、年収などのポイント制

(英国)

ロンドン発

2020年02月20日

英国政府は2月19日、2021年1月1日から導入する移民政策の新たな方針を発表した。EUとの人の移動の自由が終了し、英国独自のポイント・ベース制度を導入する。

新方針は、政府の諮問機関の移民助言委員会(MAC)が1月28日に発表した報告書(2020年2月3日記事参照)を考慮して決定した。MACの提言に基づき、技能労働者の移民に求める最低年収額を3万ポンド(約432万円、1ポンド=約144円)から2万5,600ポンドに引き下げる。一部の職業には一律の最低年収額ではなく、統計に基づく賃金水準の適用を継続するほか(注1)、新卒者には熟練労働者よりも30%低い水準を適用する。技能要件についても、現行のRQF6(大卒レベル)からRQF3(高卒レベル)に引き下げることに加え、受け入れ人数の上限数も廃止する方針だ。

技能労働者のビザ発給には70ポイント以上が条件となる。ポイントが与えられる各要件(表参照)のうち、当局が承認したスポンサーが提供する採用に関する内定、就労予定の職業が適切な技能レベルであることと、必要な英語能力が必須要件となっており、これらを満たすと50ポイントが与えられる。最低年収額(2万5,600ポンド)に満たなくても2万480ポンドを超えていれば、就労予定の職業がMACの定める不足職業リストにある場合、博士号取得者である場合は別にポイントが与えられ、これによって要件となる70ポイントを獲得することは可能。例えば、年収が2万2,000ポンドで職業に関連するSTEM(注2)分野の博士号を持つ場合は、年収要件のポイントはゼロとなるが、教育水準の要件で20ポイントが与えられるため、ビザ発給のポイント条件を満たすことになる。このルートでのビザ発給数には上限を設けない。内務省はポイント・ベース制度の詳細を今後発表していく予定だ。

表 ポイント・ベース制度におけるビザ発給の要件と各要件の獲得ポイント

より高い技能を持つ労働者については、内定なしでもビザ発給できるルートを設ける見通し。特にSTEM分野の技能に対して門戸を広げるとしている。2020年中に政府が提案を行う予定。一方で、低技能の労働者に関しては、政府の移民数削減の方針に従い、ポイント・ベース制度の要件を満たさない労働者には基本的にビザを発給しないとしている。ただし、青果などの農業に従事する季節労働者については、最大6カ月間の滞在を認める試験的枠組みの受け入れ枠を2,500人から1万人に拡大する。

(注1)給与の要件には、統一基準(2万5,600ポンド)と業種ごとの基準があり、特定の高年収の職業に関しては、後者が統一基準を上回るため、これより高い給与基準が課せられる。

(注2)科学・技術・工学・数学の教育分野。

(木下裕之)

(英国)

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